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2007/08/01

周辺視野

「できるだけ広い文脈を
引き受ける」
最近そんなことばかりを考えている。

単一の文脈の中で何かを
するのではなく、
できるだけ広い視野を持つ。

複数の文脈を引き受けるという
のとも違う。
視覚的アウェアネスにおいて、
さまざまなものが見えている
ように、
「周辺視野」を大切にする。

「今、ここ」にあるものの
まわりに、かすかにぼんやりと
見えている何か。
そのようなperipheral visionに
あるものを常に心にとどめておきたい。

ソニーコンピュータサイエンス研究所
にて、電通の佐々木厚さんらと
ニューロマーケティングの研究についての
ブレインストーミング。

お昼は五反田の韓国料理店「チェゴヤ」で。

午後、研究所のミーティング。

下の写真で、手前左からフランク・ニールセンさん、
所眞理雄さん、高安秀樹さん、暦本純一さん
後ろは茂木健一郎、佐々木貴宏さん、夏目 哲さん、北野宏明さん。

夕刻、丸の内ブランドフォーラムで講演させて
いただく。
ブランド論の第一人者、片平秀貴先生に
お目にかかる。

セッション終了後、
ゲラを持ってきた幻冬舎の大島加奈子さん、
電通の佐々木厚さんと遅めの夕食。

天ぷらを食べる。

わが畏友塩谷賢が、時間論の哲学を考えて
悩んでいて、「もうダメだ」
と思い、
京都でうまい天ぷらを食べたら
治ったという話を思い出す。


電通の佐々木厚さんと、幻冬舎の大島加奈子さん。

過去は定まったものではない。
すでになされたことも、
結ぶことでより広い
文脈につなげることが
できる。

過去を定まったこととして置き去りに
するのではなく、
慈しみ育むことが大切である。

8月 1, 2007 at 06:53 午前 |

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コメント

いよいよ・・

7月31日午後・・
いんたーぷれい8でランチ。ちょうどピアノの調律をしているところだった。

「いよいよ近づいてきたな」の気分。わくわくしてきた♪
ママの作るランチは味付けが抜群である。うす味で上品。クドくない。

勘定のとき、ママが僕の「なり」を褒めてくれた。お返しに。
そのとき僕はTシャツの上に濃い緑色の甚平をはおり、ホワイトジーンズをはき、足元は雪駄。首には手ぬぐいを捲いていた。
「そのなりであと麦藁帽と虫取りかごとくればなおいいぜ」 マスターが冷やかす。

「それじゃあ裸の大将、芦屋雁之助やん」(笑)

「そのお髭がいいのよ。似合ってるわあ」

「うれしいなあ、8日はこのなりで来よかな。麦藁帽子用意して(笑)

おおきに!ありがとう・・」

機嫌よく店をあとにした。さあ、いよいよである。

投稿: 風のモバイラー&野村和生 from nomgroove.com | 2007/08/02 3:43:18

「他人と過去は変えられない」なんて言葉を思い出す。
確かに、そこで起こった出来事や事件は、変えようの無い事実だ。
しかし、個人が記憶する過去は確実に変化する。
そして、多くの人は過去を単一の方向からしか捉えていない事が多い気がする。
その思考パターンから逸脱するのは容易な事では無いが、その過去の記憶と真摯に向き合う事で、その人の過去は確実に変わっていく。
未来は、過去の延長線上にある訳ではない。
その事を思う時、過去も又、変異性を持った生きた物質のように感じられる。
それを生かすも殺すも自分しだいなのは、いつの時代も変わらない普遍性を感じる

投稿: e_x | 2007/08/02 1:22:14

全国的に梅雨が明けて夏、
はー、8月になりました。
昨晩の「プロ流儀」、
お一人おひとりの言葉、
ずしんと、お腹の丹田あたりに
響きました。
     今日、毎年恒例の花火大会。   
      どどん、と、花火の音が遠く、
  近所の高台から眺める、みんなの
  歓声が、ときおり聞こえていました。
    今年は、ゆったり出来ず、私は
   見られなかったのは残念だけど、
  代わりに、子供の頃に見た夜空の
 鮮やかな花火を思い出していました。
   それも、今年の夏の思い出かな。

投稿: F | 2007/08/01 22:38:05

はじめまして。いつもわくわくしながら拝見させていただいています。
文章のなかでインスピレーションをうけたんですが、
ビックバンははじまりであり、終わりではないかと
時間は直線ではなく丸くつながっているのではないか?
だから魂は永遠であり、出会いは宝であり、別れは再会のはじまりではないか?
またおじゃまさせていただきます。そのときも笑顔で おじゃまします。

投稿: かかし | 2007/08/01 22:18:05

河合隼雄さんが、「これこれの事物について夢にみた」も大切なことであるが、「起きている間に無数のコトとモノを見ているのに、なぜその事物が夢となったかを分析することが大切」と言われたのを、今回の日記で思い出しました。

投稿: fructose | 2007/08/01 21:22:54

「周辺視野」とは、一つの文脈の中で何かをすることにこだわらず、もっと広い視野でもの・ことをみる…出来るだけ広い「世界」を見る眼をもつ…ということなのだろう。

それはとても大切なことだけれども、世の周りをみると、そういう「周辺視野」をなかなか持てない人がいる。

一つのことにこだわり過ぎて、「視野」が狭くなっている人がいる。周囲が見えなくなっている人がいる。自分もそういう傾向が強くある。

(如何も私は、周りが見えなくなりがちで…嗚呼いけないなぁ、このままじゃ!)

もう少し、イマココにある1つのもの以外に、さまざまなもの・ことが沢山見えるような精神的視野を持てたら、少なくとも私の、これからの人生は劇的に変わるだろう。

SONY CSLの皆様と写っているお写真を拝見しました。リラックスされている雰囲気が伝わってきます。北野宏明先生もいらっしゃるようですね。


また、電通の佐々木さんと幻冬舎の大島さんのツーショットも、ナイスです!…。


…北野さんは、たしか昨年7月、初台はICCでの講演会に来た時、初めてお見かけしたと思います。

SONY CSLについて思うことは、研究員の方々がみな、前向きで明るく自由で闊達、少年のように純粋な好奇心を抱き続け、難しい課題に敢えてチャレンジし続けている人達ばかりなのではないかということだ。

科学者とは、本来そうであらねばならないのではないか、と思う。

SONYの本業と関わる、コンピュータ分野においても、またその他の分野でも、敢然といまだ解かれていない難題に挑戦する。

それはSONYのファウンダー、井深大の精神と、おそらくは通底しているのではないか。

そんな本来的な科学者が集まっているのが、SONY CSLというところなのだ、と思う。
 
それではこのへんで失礼します…。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/08/01 21:20:05

お久しぶりです♪

思いついたことって何ですか?
認識の進化のことですか?
更に何か思いつきましたか?
無茶苦茶気になっていました。

砂漠の熱にやられて熱中症気味で
まだまだ朦朧としています。
東京は28度、
わあ、20度も涼しいw

色々経験積みました。

わかったこともわからなかったことも
自分が更なる俯瞰を得たときに
全部纏めて突然見えてくるので
それまで放置しておきます。

今の私が理由をつけても
今の私の延長上。
今はとにかく熱冷まし。

感覚の妙が片づく迄が
私の旅になります。
だからまだまだ色々な旅の途中。
永遠に終わるはずもなく。

過去が常に生まれ変わって
新たなるものを与えてくれるということを
最初に教えてくれたのは先生でしたが
先生自身も今また回帰しているのですねw

懐かしい感動ですが
それは今でも続いています。

投稿: mogumogu | 2007/08/01 16:46:25

>過去を定まったこととして置き去りに
するのではなく、

過去は置き去りにはできません。
(体験しているので断言的に書いてしまいます。)
 私の中では時間軸が上手く機能せず、
そのせいか過去で感じたさまざまなクオリアが
時間軸をつたって現在の私の思考を混乱させます。
(「つたって」と言う表現は適切ではないのですが、体験した時の表現だとちょっと行き詰まりが生じるので「つたって」と表現しました。「時間軸」と言うのもちょっと変なのですが、無形のものを有形にするには私の知識や知能では限界が多すぎますね。)

内面的体験の時の状況を説明すると、
絹のような感触の透明なものが、衣のように
スー、スーと脱げて行って(「脱げ」と言う表現も変ですが)
その時代の30代の私はちゃんと存在しているにも関わらず、
感覚だけが逆行していくのを感じたのです。
「あ、この感覚は、10代の私だ。あ、この感覚は小学校の私だ」と言う感じでした。
くすぐったくて、変な感じでした。

茂木先生、「記憶」のほうにもアクセスしてほしいです。

それから、この体験は先日の東大での講演会の「超ヒモ現象」が「M理論」の別名ならばと言う仮定で説明すると、私の体験はM理論が脳内でM理論的現象として近い作用をしていると思っていただければイメージしていただきやすいと思います。

投稿: あすか | 2007/08/01 13:01:16

「できるだけ広い文脈を引き受ける」 ここにダーウインにウエイトを置く茂木さんの立場を感じます。それでありながら、いやそれだからこそ「今、ここ」にピーク体験を期待している茂木さんを見ます。

投稿: 山岸浩 | 2007/08/01 11:05:32

「できるだけ広い文脈を引き受ける」 ここにダーウィンにウェイトをおく茂木さんの立場を感じます。それでありながら、いやそれだからこそ「いま、ここ」にピーク体験を期待している茂木さんを見ます。

投稿: 山岸浩 | 2007/08/01 10:56:15

「過去は定まったものではない。すでになされたことも、結ぶことでより広い文脈につなげることができる。」
普段何となく感じていたことを言葉にして頂いた感じです。早速日記にメモさせて頂きましたφ(..)。
結びつける〜なんだかニューロンみたいですね。

投稿: すくすく | 2007/08/01 9:44:53

どんどん拡張される物、脳、インターネット、経済、コンピュータプログラム、等等・・。

ところで、私が、某経済系掲示板(2chではない)で、タイガーマスクとして、経済を色々学んだ事があるのだけど、式で表せないのが、物の売買価格とその量なのである。人の気まぐれで商品が売れたりする場合もあれば、売買される商品量が多くなると、式で売買価格と量が表せるぐらいにハッキリしたこともある。ここら辺が、量子力学と似ているのかもしれない。

私も、考えすぎて「もうダメだ」の時は、天ぷらを食べよう!!
ところで、「もうダメだ」度と、天ぷらの価格は比例するのでしょうか?(笑)

投稿: tain&片上泰助 | 2007/08/01 8:28:50

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