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2007/08/27

反応

人生が化学反応であるならば、
誰でも新生児の頃は
激しい反応をしている。

金属ナトリウムを水に
落とした時のように
動き回り、
時には炎も出る。

それが、次第に皮膜ができてしまう
ことで、安定化してしまい、
水平移動となる。

動きが生じ、反応が生まれるためには、
それなりの設いが
必要である。

身を焦がすような激しい
反応が起きる。
起き続ける。
そのような人生にこそ
幸いあれ。

高校生の時の写真が
必要だったので、探しに
車で実家に戻った。

ビートルズのサージェント・ペッパーズ・
ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドを
聴きながらいった。

やはり見事なアルバムである。

文学性がある。シーズ・リービング・ホームの
中の、
Something inside that was always denied for so many years
という歌詞。

なんと心に響く言葉。
もののあはれがあるね。ねえ、君。

ビートルズの活動というものを、
すでに終わってしまった歴史的固定点として
とらえるのではなく、
リアルタイムの
「金属ナトリウムの反応」として
思い浮かべると、
そこには何とも言えない感動がある。

皮膜があるんだったら、とってしまおう。
新生児の時には、世界の全てと
ひりひりするような感触的行き交いが
あったはず。

創造的であるとは、
皮膜をとり続け、
激しく反応し続ける
ことである。

そうではないかね、諸君!

8月 27, 2007 at 07:25 午前 |

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受信: 2007/08/27 22:24:18

コメント

感動的な比喩ですね。
僕はビデオで見たのですがNHKかなんかでナトリウムの大きな塊をプールに投げ込む実験をやっていましたね。数メートルの水柱が音を立てて上がり、衝撃で飛び散ったナトリウムのかけらがプールサイドで炎を上げ…。圧巻でした。
そこまで壮絶でないにせよ日々周りと激しく反応し続けていたいなあと思わされました。

投稿: | 2007/09/06 22:40:39

生まれて初めて見た 青は、
どんな 青だったのだろう。
くるまっていた毛布の模様だろうか?
母親のスカートの生地だろうか?
窓の向こうの水色だろうか?

まだ、青という名前もついていない、
色そのもの を感じていた、
目を開けたばかりの 赤ちゃん。

赤ちゃんといえども、
そのときすでに たくさんの
ニューロンが同時発火していただろうから、
そう単純ではないだろうけど、
大人になって見る、記憶やイメージに彩られた青よりは、
色を感じるニューロンたちの持つ青のほうに、
まだ、ほんの少しだけ近かった・・・
そういう言い方をしても、間違っていないでしょうか?
そう思うと、私は、細胞ひとつひとつが、
けなげで親しみ深く思えてきます。

先日、私の1歳未満の頃のことを書いた母の育児記録
を見せてもらいました。
今日初めて、リンゴジュースをスプーンに2杯
飲んでくれた、とか書いてありました。
たったそれだけしか飲めないの~(笑)、と思いました。
私自身は育児経験がないのですが、
命が大きくなるって、
未知なるものへの反応の連続なんだと思うと、
本当にすごいことなのですね。

投稿: | 2007/09/01 2:10:18

茂木先生、
いつも、TVなどなどで大活躍をかげながら拝見させていただいております! 

化学反応!!!すごいですね!!

そういえば、
その人間のそれは、
可逆反応なのでしょうか?

不可逆でないなら、
→の過程を解明していけたら、
自分の過去方向←にもいけて、
自分の過去姿を表現構築できるかもしれませんでしょうか?
#全部無理でも一部分だけでも戻る?

理論上は可逆だとおもうのですが、、、
シミュレーションできないでしょうか?

素人考えでまことにすいません。

投稿: | 2007/08/30 17:25:34

好奇心と不安のないまぜの人生を突き進んでいきたいと思いました。

投稿: | 2007/08/29 21:22:24

金属ナトリウム、水に入れると
水面を炎を出して燃えたり、煙を出しながら走り回る。懐かしい昔経験した光景である。

 ナトリウムは油に浸漬して保管する。その当時は不思議だなーって感じていたんですよ。

茂木さんは色んなことに興味、関心があるんですね。ケミストとして頑張っていた頃を、ナトリウム電線の研究が真面目に検討できた当時が思い出されました。

 懐かしい化学反応、現象の記事をどうも有り難う。茂木さんの創造力の凄さ、知識の深さ、何時も感動の眼差しで見ておりますよ。

 

投稿: | 2007/08/28 10:53:15

L-M-H-R

>>ビートルズのベスト盤である赤盤と青盤のジャケット写真の四人を見比べれば、彼らの実質約8年間の大旅行がどのように「凄まじい経験」であったのかがわかる。

彼らと「ほぼ同期」といっていいストーンズの存在を考えれば、今となってはわずか8年である。でも駆け抜けたスピードはトンデモナク速かった。想像を超えて。その活動のピークに創られたのが、
アルバム「サージェント・ペッパーズ~」である。

この作品の持つロック・ヒストリーにおける意味やその後、彼らが
(とくにレノン&マッカートニーが)THE BEATLESという
化け物と、どう対決していったか。については、いまや巨匠といってもよい渋谷陽一氏(ロッキング・オン社のボス!)の著作に詳しい。

ともかく、ロック・ミュージックの概念を開放し押しひろげつづけたのが彼らだったし、いま日本のポップ・ミュージックのトップ・ランナーのほぼ全てがインスパイアされた原点であることに間違いない。

「ビートルズはサンデー・サイレンスである。」
まあ茂木先生のファンの皆さまにはわかりづらいかもしれないけどさ。
彼らの蒔いた種子は、70年代にロックの爆発的な進化をもたらすことになる。
まさしくディープ・インパクト!
もうすぐ秋競馬開幕だ♪

投稿: 風のモバイラー&野村和生 from nomgroove.com | 2007/08/28 5:16:39

ビートルズの新曲ドーナツ盤を、出たらすぐに買い揃える友人がいたという中学生時代を送った私ですが、その頃はビートルズに掻き立てられたという記憶はない。

ここ20年くらい、作品として聴き続けていると、新たな大きな魅力がやっとわかってきた。

paperback writerやlady madonnaの中の何でもない普通の歌詞の素晴らしさと普遍性に気付いた。See~ how they ru~n と聴くと、なんとも素晴らしい。

彼らのコード進行の新規さを称える人が多いが、歌詞のなんでもない素晴らしさこそが、彼らのオリジナリティーと思う。人生の本質を衝く普通の歌詞。
やはり、ヨーロッパの吟遊詩人たちの末裔である。

投稿: | 2007/08/27 23:58:28

人生というのは総じて、創造的なものだと捉えている。

生まれてこのかた、身を焦がすほどの激しい反応を繰り返し、そのたびに「皮膜」を取り続け、終わって静かになるまで…つまり、死ぬまで、反応を起こし続けて、自らを新しく“創造”し続ける。


決して「安定」しないよう、何か新しい局面に出会うたび、常にナトリウムのように激しく反応し続け、ひりひりするような思いをしつつ、新しいおのれに変わっていく。

それが、まっとうな人生だと思う。

ビートルズの「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」。あいにく中身はあまり聴いていないが、ジャケットのキッチュで派手派手な極彩色が目に染みる。

この「クオリア日記」を読みつづけて思うことの一つは、茂木さんは絶対に「安定化」に埋没しないで、常に新しく、創造的な人生を歩んできておられる人だということだ。


投稿: 銀鏡反応 | 2007/08/27 23:52:28

ある作家曰く:
私はいつも、違った気分になれると嬉しいのです。

投稿: s | 2007/08/27 23:15:40

会社で、いつも私は1人、テンションが妙に高くて、良い表現をすれば「いつも元気な」、悪い表現をすれば「浮いてる」存在のようです。プライベートでも、大リーグや大相撲が大好きで、ひいきのチームやひいきの力士が勝つと、頭痛が起きで発熱します。激しく反応しているんですね。自分に安心しました。茂木さん、大好きです。

投稿: | 2007/08/27 23:02:14

人生は化学反応である・・・確かに・・・

茂木さんの日記から、毎日刺激をされるせいか、最近、脳が活性化?されたような気がしています。
また、海にたれた釣り糸に、茂木博士的な思考がたくさん引っかかってきます。

昨日は「フューチャリスト宣言」を読み感動し、テレビでは宮崎監督の再放送を見て興奮し・・・いっぱい私のアンテナに引っかかってきます。まさに、脳みそグルグルです。
かき回しているうちに、いろんな点と点がつながってくるんですね。
不思議な感覚です。
フューチャリスト宣言の中に、「ダーウィン」「論語」「漱石」いろんなキーワードが出てきますが、この本を読む前にホントに不思議なことに、ダーウィンの本と渋沢栄一の論語、漱石の坊ちゃんを呼んでいたんですよ。脳が求めていたとしか思えない。茂木博士の言葉に、「ダーウィン」が出てきたときびっくりでした。
つながってるな~という感じです。そして、それらがつながり、ある理解に達したときに「腑に落ちた」という感覚が湧いてきます。
なんともいえず楽しい体験です。

創造的であるとは、
皮膜をとり続け、
激しく反応し続ける
ことである。

スロースターターではありますが、今頃になって脳が激しく反応しています。若者の未来も明るいですが、皮膜を取り続け激しく反応し続ければ、オトナの未来もキッと明るいと思います。


投稿: | 2007/08/27 20:56:41

いつも楽しみの読ませていただいています。

>誰でも新生児の頃は
>激しい反応をしている。
>それが、次第に皮膜ができてしまう
>ことで、安定化してしまい、
>水平移動となる。

大賛成です。

で、ひとつ質問があります。

ひとの脳は25歳をピークにあとは衰退するだけという定説が昔ありました。これは今は変わったようですが...。

25歳というと、社会人になって数年経った頃ですよね。それまで学生時代に様々な勉強や変化や刺激に対応していたものが、社会人になると最初は大きな変化に対応するものの、ルーティーンになることによって変化がなくなり、日々の仕事が刺激でなくなる。
それが25歳ピークの大きな要因のような気が私はしているのですが、いかがでしょうか?

素人考えなのですが、
茂木さんのように常に新しいことを見つめ前に進んでいるひとにとっては、いつも激しい化学反応があり、脳の退化はしない。別の言い方をすると、いつも青春でいられる。と、思っているのですが、この考え方は間違っているでしょうか?

ご意見をいただけるとありがたいです。

投稿: | 2007/08/27 19:36:40

創造的と、自発的一発学習は何か関係しているように思います。

また、「アイディアがもう無い。」と言う限界の時に、もう一つアイディアを出す。これって重要ではないでしょうか。


また、好きなものに対して創造的になるのは、苦痛が苦痛にならない感じがしませんか?(笑)

投稿: | 2007/08/27 12:32:52

「創造的であるとは、皮膜をとり続け、激しく反応し続けることである。」という言葉に、非常に共感しました。「制約や安定を捨てた、無条件な情熱を持って、瞬間瞬間に新しく生まれ変わり、安定とは反対の危険な道を選択し、運命を切り開いていく。これが最も人間的な生き方だ。」という岡本太郎の言葉を思い出しました。
制約を取っ払って不安定な道を進むには、常に「未熟」を決意する必要があると思います。いかに経験を重ねようと、それに甘えず、常に「満たされぬ思い」を抱いて、激しく自己を超克していきたいと改めて感じました。

投稿: | 2007/08/27 11:43:44

若さ、って、定義するとしたら
例えば、今日のお話あてはまるかも、
とか思ったりしました。

赤ちゃんがそのまま大人になったような人に、
もう!と周囲は腹を立てたりするけど、
なんだか、それっていいじゃないか、
思いがけず偶然に花が咲くきっかけにもなる。
ひとつひとつに高反応でもいい、と思う。
(それは、自分をゆるすことでもある・・!)

投稿: | 2007/08/27 9:05:19

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