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2007/08/25

革装版

九州創発塾が無事終わる。

いろいろ学んだことがあった。
ずっしりと残る。

会場となったAPUに通う道にも
すっかり慣れた頃であった。

今度は、いつ、この山へと
登ることであろう。

東京に戻ると、大文明の中に
包まれた気がした。

渋谷の天厨菜館で、『芸術脳』(新潮社)の
発刊記念打ち上げ。

桑原茂一さんが発行している
dictionaryに連載された私と様々な
人たちの対話が一冊になった。

いつも完璧な文章にまとめて
くださるのが、吉村栄一さん。

新潮社の大久保信久さんとともども、
本を持ってにっこり笑う。


祝『芸術脳』刊行。
左から吉村栄一さん、茂木健一郎、桑原茂一さん、大久保信久さん。

打ち上げには、新潮社から、
北本壮さん、金寿煥さんも参加。

それに、『芸術脳』の金沢でのイベントにも
参加された、電通の佐々木厚さんも。

宴もたけなわの頃、
金さんが「ではそろそろ」
と動いた。

新潮新書『ひらめき脳』は
先ほど10万部を突破した。

新潮社では、10万部を超えた
本は革装されて、特別な部屋の
中に陳列される。

同時に、著者にも革装版が贈られる。

思えば、北本さんと金さんに
向かって『ひらめき脳』の内容を
お話していた部屋が、まさにその
「殿堂」の部屋であった。

養老孟司さんの『バカの壁』を
はじめとして、そうそうたる
本が並ぶその部屋で、
私は、「この本も革装されて
ここに入らないかなあ」と願って
いたのだった。

金さんと硬い握手。
「いやあ、本当によかったよかった」
と満面の笑みの金さんであった。


『ひらめき脳』10万部突破記念革装版贈呈式。
新潮社の金寿煥さんと。


『ひらめき脳』革装版カバー

「茂木さん、それだけではありません」と金さん。
何やら入った箱を取り出す。

『ひらめき脳』が韓国語に翻訳され、
その本もまた送られてきた。

金さんは二世なのでハングルが読める。

「これがモギケンイチロウです。」
「これが「ヒラメキ」」
「あとがきに私たちの名前を書いてくださったので、
ここにキタモトタケシ、キムスハンとあります」
と説明されても良くわからない。

confusionをたっぷり味わうためにも、
諸君、ここはハングルの海に一度は
飛び込んでみるべきなのではないかと
私は思う。


『ひらめき脳』韓国語版を手に。
左から北本壮さん、茂木健一郎、金寿煥さん。

「それだけでもありません。」
と金さん。

先日、編集長である鈴木正文さんのとんでも
なくイケてるファッションに驚かされた
新潮社 ENGINE 2007年10月号が
刷り上がって来たのである。

アウディと並ぶと、なんだか不思議に浮遊する。


新潮社 ENGINE 2007年10月号

荷物がたくさんになった。
ウェイトトレーニングに良い。

二次会を東急本店横の「松濤倶楽部」で。

桑原茂一さんと、日本における表現状況に
ついていろいろとお話する。

何かを議論するときに、「言葉の
談合」になってしまっていることが
多い。
すでにある概念セット、世界観を
前提にした上で、その中でうろうろ
ウダウダしている。

『怒りを込めてふり返れ』(Look back in anger)を久しぶりに一幕だけ見る。

ジョン・オズボーンによる
この古典的な劇の主人公、
ジミー・ポーターは怒っている。
ずっと怒っている。

「怒れる若者たち」(Angry young men)は
どの社会にも、どの時代にもいる。
課題は、怒りをいかに
愛や表現に変えていくかである。

「茂木さんは昔良く
怒っていましたね」とある程度長い間
私を知っている人には言われる。

怒らなくなったわけではない。
表現の仕方が変わっただけのことである。

日本の現状に対する違和感は、むしろ
強まり、どこにアルキメデスのテコの支点を
見いだすか、模索し続ける。

そんな中、心が通う人たちとの
会話以上の「安全基地」があるだろうか。

「なまけもののスーザン」
(Lazy Susan)
をぐるぐる回しながら、
「今、ここ」から先に向けて
打つべき手を考える。

8月 25, 2007 at 11:25 午前 |

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コメント

表紙の男・茂木健一郎>>敏腕編集者の矜持

新時代旗手!アウディ vs BMW
モンスター・アウディR8 の横で不敵な笑みを湛えた「鬼」と呼ばれる科学者
考え抜かれた清清しさ
引っ張りだこの茂木先生を表紙にしか使わないことが
かえってメッセージとなっているんだよな
この贅沢さ
その矜持!

鈴木正文 VS 茂木健一郎 を語る表紙 でもある。

投稿: 風のモバイラー&野村和生 from nomgroove.com | 2007/08/29 7:27:30

 『ひらめき脳』10万部突破おめでとうございます!!!
『芸術脳』の刊行も~。

 それにしても、アウディとのお写真、カッコイイです~!
センスが良いです。

最近は日焼けもされ、益々お元気そうですね。横浜には行けなかったのですが、後日行きたいと思います。
それから、怒りを愛に~素敵な言葉ですね~☆

投稿: tachimoto | 2007/08/27 0:34:31

『ひらめき脳』10万部突破記念革装版、
おめでとうございます!
新潮社の殿堂の部屋に陳列されるなんて
ファンタスティックですね。
お写真で拝見しても重厚感が伝わってきます。

『芸術脳』(新潮社)を読んでいますが、
装幀・装画のユニークさに度肝を抜かれました。
10人の凄い方達との対談も最高に面白いです。

新潮社 ENGINE 2007年10月号。
茂木さんはやっぱり黒色が一番お似合いですね。
茂木さんに完全に食われていますが
アウデイはそれでもいいのでしょうか?(笑)

>課題は、怒りをいかに
愛や表現に変えていくかである。

世の中の不条理に真正面から怒るよりも
人々の心に素直に届くやり方だと思います。

投稿: 新屋敷 恒 | 2007/08/26 4:57:38

二度目の投稿失礼します。

私の場合、怒りの感情の言葉や対象の言葉の、反対の言葉をを探すのです。

怒りの感情の場合、否定的な言葉が多く、その反対側の言葉は肯定的な言葉になります。

このおかげで、自分の考え方も、なんとなく、まともになってきたかなと思います(苦笑)。


なんか、アウディのヘッドランプのちょっとたれ目のラインが茂木さんの目と似てませんか?(笑)

投稿: tain&片上泰助 | 2007/08/26 1:20:25

はじめまして、横浜美術館の講義に伺いました.興味深い話をありがとうございました.日本の美術の現状で,談合好きなところを話していらっしゃいましたが,島国で,長い間鎖国をしていたので,あまり変化よりもなじみのあるものが好まれるのかなぁと思います.(変化には不快感がともないますし。。)
今回の講義の中で特に,”自分を受け入れられた時に本当のものが生まれる” という事は,発見でした.
これからも先生の活動に注目&応援しています.
敬具

投稿: ひろこ | 2007/08/26 0:00:22

新刊『芸術脳』を手に、dictionaryの桑原さんたちとともにカメラに収まる茂木博士。

10万部突破記念革装版『ひらめき脳』贈呈式で、金さんとがっちり握手されるお姿も拝見。(おお、なんと韓国語版も、出たのですね!)

改めまして、10万分突破記念、おめでとう御座います!

ENGINE10月号の表紙…。銀のクルマと赤いバックに、黒服姿の博士の姿がシャープに冴える。

どの時代・社会にもいる「怒れる若者達」。

日本の現状に対する怒り…。それをストレートに、バカヤロー!コノヤロー!と、みながひいてしまう形で表現するのではなく、笑いやユーモア、パロディという、受け手がウハウハする形で表現されているのが桑原さん主催のdictionaryなのであった!

茂木さんも、表現のしかたを変えながらも、日本の“談合的現状”に怒っている。そして“アルキメデスのテコの支点の在処”を探しておられる。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/08/25 23:59:38

ある人曰く:
人は過去を振り返ってはいけないという。私ももう二度と振り返らないつもりだ。

投稿: s | 2007/08/25 21:46:19

「ひらめき脳」革装版、そして殿堂入りおめでとうございます!
韓国版ご出版もおめでとうございます!
「芸術脳」のご刊行もおめでとうございます!

なんだか、いいことばかりでうれしいです。

これからも、熱く熱く怒って下さい。
私たちは、茂木さんの怒りを愛や表現に変えたものを受け止めて、伝えていきます。

投稿: renrenこと吉田節子 | 2007/08/25 13:55:56

      日本の現状に対する違和感、強くあります。

      ~「格差社会」っていう言葉。大嫌い。~

なんの格差だよ?って思う。生きることに求める内容がそもそもずれてるから、そんな捉え方になると思う。甘えてる。

今の日本、そういう風潮であるところが嫌い。違和感感じる。

今、生きてて幸せだし、汗水流して一生懸命になりたいと思う。

投稿: おおはたみやお | 2007/08/25 13:10:59

私も、どちらかと言えば、茂木さんと同じように「怒り」の感情が大きいですね。

「自分より大きなもの」に行動(私の場合発言ですが)していると、自分より大きな力が発動される事を自分でも驚く事があります。自分の中の野獣が、獣神、鬼神、軍神を呼び出してしまう感じもありました。


最近、「穏健」と、言う、言葉を電子辞書で引いたら、頭の痛い、言葉がいっぱい出てきました(笑)。

投稿: tain&片上泰助 | 2007/08/25 12:57:02

猛暑つづく。涼しくなってほしい。。
倒れそうですが、なんとか気を張ってます。

「芸術脳」の刊行おめでとうございます!
  これからも、ますますのご活躍を!!

喜怒哀楽の、どれかひとつでも欠けると
人は気持ちのバランスがとれなくなるから、
怒っちゃいけないんだ、と無理におさえこまず、
しっかり怒りを見つめて、うーん?と考えて、
やっぱり、その後、なにか、虹みたいなものに
変換できるといいな、と思う。。

投稿: F | 2007/08/25 12:56:28

更新を毎日楽しみにしています。
素敵な方ですね。
TVの相手を思いやる表情と、文章の深さにひかれます。
夏の疲れがでませんように!
今後も、書籍や、画面を通して楽しませてください。
下肢障害で、鉄門講堂やけやき会館くらいしか
自由に、講演などを聴きにいけませんが。
ご活躍をお祈りいたします。

投稿: JUN | 2007/08/25 12:22:29

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