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2007/07/15

「今、ここ」の物理的空間に

最近インターネットに関する
感覚が変わってきた。

確かに大きな進歩だが、
似たようなネットワークは、
この物理的空間の中で、ずっと
以前から存在しているように
思う。

ネット上のシンボリックな情報の
凝縮に相当するような
関数は確かにない。

しかし、よりゆったりと、しかし
深く広く浸透する関係性は、
物理空間の中にもともとあるの
であって、
それは身の回りの本や、紙や、
生きものたちの間に
明らかである。

関係性に対するアウェアネスを
ネットに「丸投げ」してしまっては
ならぬ。

「ネット・アスリート」として凝縮
された情報空間を疾走するのは
現代人の「必修種目」であるが、
ネットに想像力を奪われてはならない。

「科学大好き土よう塾」の収録。

マジックのナポレオンズの二人が
ゲスト。
例の頭にボックスをかぶせて
ぐるぐる回るマジックを生で
初めて見た。

スペシャルということで、クイズ
形式。
リン、マイホ、ナオキの子どもたち
三人も楽しそうであった。

中山エミリさんの瞬発力には
相変わらず感心する。

塾長の室山哲也さんが、パネルの前に
思わず出てきて解説してしまう
その「身体性」は存在感があった。

ネットが人々の生活を
変えるとしたら、
「今、ここ」の物理的空間に
最終的には何らかの変化が
起こらなければならない。

ネット・アスリートとして
ウェブ上で大量の情報を収集し、
凝縮し、再び返すことを繰り返して
いるうちに、
自分自身の哲学が変化していかなければ
ならない。

インターネットが本格化して10年。
そろそろ、その人格涵養、現実変容に
おける真価が問われ始めている
時期なのだろう。

ネットが生み出した新しい現実が、
人々が携帯電話やパソコンに
ずっと向かっている光景だった、
ということで良いはずがない。

7月 15, 2007 at 07:22 午前 |

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コメント

”「今、ここ」の物理的空間に
最終的には何らかの変化が
起こらなければならない。”

まさに、現在、僕は、自分の身体に、
なんとか変化を起こしたいのです。

投稿: ひき | 2007/07/25 17:05:21

ウィンドウズ95発売の2年後、ナローバンドとして、インターネットが日本に入って来てこのかた、この10年で私達の情報獲得生活は一変した。

10年たって日本のネット社会もブロードバンドになり、情報、娯楽の場のみならず、学びの場や新しい出会いの為の場(ブログなど)も生まれ、私達はTVや固定電話などに頼っていた時代よりも、さらに速く情報を得、出会いを加速出来るようになった。

それは非常にいいことなのだが、ネットで人々の生活が「変わる」のであるなら、茂木博士の言われるように、私達の主に依って立つ「今、ここ」の物理的(現実的)空間に、最終的には何か大きな変化が起こっていなければ、おかしい。それに、仰るように、ネットを使っている自分の哲学も変わっていなくてはならない。

けれど、ネットが入ってきて10年も経つのに、未だにそんな劇的な変化が起こっているようには、如何しても見えない。…何故なのだろう?


「ネットが生み出した新しい現実が、人々が携帯電話やパソコンにずっと向かっている光景だった、ということで良いはずがない。」

今からまた10年たって、ネットなるものが未だにそんな、相変わらずケータイやPCにみんなが貼り付きっぱなし、という現実しか生まなかったら、何の為の「未来の文明の利器」なのだろうか?


今のインターネットに良く似たネットワークは、この物理的空間に、たしかに遠い昔から存在していて、ネットは、それをコンピュータの生み出すデジタルの仮想空間に置き換えて、いろいろなカテゴリへ広げているに過ぎない。

自分の身の回りにある本や紙や生き物達の間にもともとある、深く広く浸透する関係性を、仮令バリバリの、ネット・アスリートになったとしても、常に忘れていてはならないだろう。

そして、ネットの使い手として、常にキモに銘じたいのは、やはり、ネットに生身の脳から生まれる「想像力」を奪われないようにする、ということなのに違いない。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/07/15 21:54:15

ネットには人格がある
発信する人の色とでも言うか・・・
(管理人が居るときは管理人の色だけど)

私達はえり好みをし
好きなものだけを見聞きしているのだが
チョイスをしている自分がどの色を好きなのかが認識できる

茂木さんのブログを見ることで自分を見ています

投稿: climb decoy | 2007/07/15 21:41:03

ひとつ、ひとつ、
ひとり、ひとりが、
ふだんは別々だけど、
一個の球なのだ
と思うときがあります。
そんなとき、
これは、よい、これは、わるい、
とか、そんな感情はすべて、
消えてしまうのです。

投稿: F | 2007/07/15 20:40:37

台風はどうですか?

こちらは今朝の内にすっかり
晴れて、1週間ぶりの太陽です。
気持ちの良い風が吹いています。

ネットだけではいかんですよ、
とか言いながら、窓の側、携帯で
プチプチ日記コメント書いていますw

まだ夕日が沈みません。
日が東京よりも1時間長いなあ。

ネットで毎日日記も楽しいですが
やっぱり直接の授業の方が
全然楽しいです。

教えるのが上手いのだか
私情なんだか
アウェアネスなんだか
どれがいいですか?w

来週はオーストリアなんですね。
イッテラッサー♪
楽しいお土産話とお土産をー!

投稿: mogumogu | 2007/07/15 19:02:40

「ネット上で人格攻撃」しても、「人格攻撃した人の人格が良くなる。」とは、神様はそう作ってない。


茂木さんが、学校のレンガを楽しそうに積んでいるので、私も、楽しそうと思っています。

投稿: tain | 2007/07/15 9:54:48

>関係性に対するアウェアネスをネットに「丸投げ」してしまってはならぬ。
>そろそろ、その人格涵養、現実変容における真価が問われ始めている時期なのだろう。

同じように感じています。

インターネットの本質はマッチメーキングであって、出会いやコミュニケーション、経済活動がある程度ネットに置き換わるのは許容できるとして、「目に見えない何か」までもネットに求めるほど依存度が高くなってきつつあることに(しかも無意識のうちに)危機感を感じます。

ネットがすっかり生活に浸透してきたせいか、あまりその意義について語られる機会がなくなったように思います。しかし、おっしゃるように、今、まさに真価が問われていると思います。

しかしながら、昔と比べ物にならないほど恵まれた情報環境を、レバレッジして進化することができるか、逆に退化するのか、の真価が問われてるのは人間のほうだったりすると思います。僕は進化を信じたいですが。

投稿: ごう | 2007/07/15 9:10:48

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