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2007/07/18

ひとさし指でツンツン

ザルツブルク大学で、
学会会場を見渡していると、
あれ、見なれた顔がある。

わが畏友、田森佳秀である!

出発前、あまりにも忙しかったので
会議参加者の名簿をろくに
見ていなかったし、
普段ならば連絡を取り合うのが
しばらくご無沙汰だったので、
田森も来ているとは夢にも
知らなかった。

田森がいるとわかった瞬間から、
なんだか顔がにやにやしてしまって、
シリアスな気分が少し吹っ飛んだ。

田森佳秀と言えば、
数学に異常な才能がある男。

ある時薔薇の折り紙は何回折るんだ
と聞いたら、
山手線の中で突然黙り込んでしまって、
何駅か行った後で、
「84回」
と答えた。

あまりにも面白いエピソードが
多く、「田森佳秀半生を語る」
というCDをつくりたいくらいだ。

パーティーで、ホストのグスタフ・
バーンロイダーと田森佳秀の
ツーショットを撮影。

田森は、なぜか普通の人ならば巻き込まれない
ようなトラブルに遭遇するという
類い希なる才能を持っている。

「最近はなかったのか?」
と聞いていると、案の定、
面白い話が飛び出した。

乗り換えをした
フランクフルト空港でのこと。

以下は田森クンによる、何が起こったかの
証言。

「オレ、身体検査の時は、ベルトも
全部外すんだよ」
「ベルトで鳴ることもあるから、念のために
外すんだ」
「そうしたら、係官が、『それも外せ』
とか言うんだ」
「何もない、と言ったんだけれども、『そこに
何かあるだろう』とか言うんだ」
「それから、係官は、オレのお腹を、棒の
ようなものでつついたんだ。」
「こいつ何するんだ、と思っていたら、
手を持ち替えて、今度はひとさし指で
つつくんだ」
「おなかをひとさし指でつついてから、
そいつは、『これは違う』っていった。」
「『これは違う』って言って、やっと
納得した」

「不意打ちだったから、腹筋に力を
入れる余裕がなかった」
「いやあ、まさに気にしていたんだよ。
機内食、今回は食べないつもりでいたん
だけれども、眠っていて、ふと目が
覚めたら目の前にボン! と置かれていたんで、
ついつい食べてしまったんだよ。」
「普通さ、メタル・ディテクターに
引っかかってから調べるじゃん。そうじゃ
なくて、ゲートを通る前に、オレの
腹を見て、『ものを
ここに置いていけ』という感じで、
言いやがったんだ。」
「オレはちゃんと主張したよ。
ゼア・イズ・ナッシングって。」
「それでも、あいつは納得しなかったんだ。」
「ゼア・イズ・ナッシングが悪かったのかな。
何か隠していると思ったのかな。」
「ぴたりとした、緑のTシャツだったから
いけなかったのかな。」
「機内食を腹に入れて、座っているうちに
段差ができたんだ。」
「いやだなあ、と飛行機の中で思っていたんだ。」
「すごく気にはしていたんだけどね。
これはいかんなあ、と思って。」
「背の高い、マジメそうなドイツ人の係官
だった。」
「なんか、あのマジメさがイヤだな」

ボクは田森の話を聞きながら
大笑いしてしまって、
あまりの爆笑の発作に
もう死ぬかと思った。

一緒にいて一部始終を目撃した
とみたクンの話も参考になった。

面白い
話を聞いて、幸せになりました。
田森佳秀クン、ありがとうございました。


お腹をツンツンされた田森佳秀クン

7月 18, 2007 at 04:04 午後 |

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受信: 2007/07/19 3:06:12

コメント

タモリさんは災難でしたねw
(カナで書くと雰囲気変わるなあ)

機内ってホントにヒマでヒマで、
狭い空間に動けない状態で
唯一の楽しみは食事だなんて
ほとんどブロイラーですよね。

コッココ・コッケ言いたくなってきます。

もしも仕事が無ければ
先生は何で時間を潰しますか?
読書か勉強か、結局執筆かしらん。

どちらにせよ先生には
時間をもてあますということが
無いのでしょうね。

ココッ・コケコケ・コッコッコ。

私みたいな落ち着きの無い客用に
「8時だよ!全員集合!」
「ガキの使い罰ゲーム」
連続放映でもしてくれたら
いいのになあ。

投稿: pomutyokin | 2007/07/20 16:44:21

はじめまして、茂木さん。
プロフェッショナルでの絶妙な質問、いつもうれしく拝見させていただいております。脳科学に引き寄せてのコメントもとても興味深く、ふむふむ、なるほどなあ、と思いながら聞いております。焼き物作りを生業としている身としては、この番組、いたく感動する箇所が多いのです。
さて、本日は、まったくみずしらずの田森さんの記事を読み、まったくしらないのに大爆笑してしまったため、思わずコメントさせていただきました。
天才と呼ばれる方は、どこか世間ずれ?していらして、そこがなんだかかわいらしく思えますね。緊張の学会も田森様のおかげでなごんだことでしょう。
「これは違う」・・・・・あはははははは(爆  すみません。知らない方なのに。すごく親近感が沸きました。
また大爆笑ネタ期待しております。

投稿: 93hossy | 2007/07/19 13:14:32

NHKの『世界遺産』で、ザルツブルグをやっていて、深夜に見た。
教会国家としての成り立ちと運命、そして塩とモーツァルトのことなど、やはりNHKの編集はうまいなあ。

よくあるのだが、うまいドキュメンタリーの中の映像と供に流れる音楽にジーンと来る。昨夜は教会の映像と、流れるモーツァルトの『ミサプレビス』に泣けた。

興奮して眠気が飛んで、これもザルツブルグの音楽家カラヤンとPieskでファゴット協奏曲を聴いたら、第二楽章にやたら感激しなおした。
18歳での作曲とは。なんという悟りであることか。

投稿: fructose | 2007/07/19 10:36:25

茂木さん こんにちは、田森さんの話があまりに可笑しく、地下鉄のなかで一人大爆笑しました。笑いをありがとうございます!

投稿: おおしまかなこ | 2007/07/19 10:11:16

>田森は、なぜか普通の人ならば巻き込まれない
ようなトラブルに遭遇するという
類い希なる才能を持っている。

お気の毒な才能をお持ちの田森さん♪
才能の片鱗がお顔にそこはかとなく
にじみ出ておられますが、
外連味のない素敵な方ですね。

数学に異常な才能があって
薔薇の折り紙の回数を「84回」
とお答えになる田森さんと茂木さんで
ボケと突っ込み漫才コンビを結成されたら
日本中が爆笑の渦に巻き込まれると思います。

投稿: 新屋敷 恒 | 2007/07/19 3:42:49

ギャップ・シーズンのゆくえ
>>
トモダチ

今回の東京遠征(笑)からようやく我が家に辿り着き

なんとか、軟着陸を試み>>ようやく航空母艦にタッチダウンした

パイロットのような心持ち・・たぶん 経験はないんだけど・・

で 今回の「股旅」でつくづく感じたことを いくつか


その1 持つべきものは やはり トモダチ である

    みんな 僕が無事であること をまず喜んだ
    こまかい話は抜きにして である
    こんな どう考えてもイケナイ おいらを
    受け入れてくれる・・ ほんと有難かった

その2 馬鹿も休み 休みしろ アホも休み休みいいなはれ!

    やはり昔から言われていることには真実なり教訓が
    含まれているのである 
    今回そのことを思い知る
    連続して馬鹿バカばか あるいは阿呆アホあほは
    体に悪い せめて馬鹿バカ 休み 阿呆アホ 休み
    ぐらいがちょうどよい のだと実感
    特に 僕は 皮下脂肪がない・・つまりガス欠だと
    途端に走行不能 操縦不能>> 墜落 である


で ひさびさに クオリア日記をのぞいて びっくり である

先生は モーツアルトの故郷・・ ザルツブルグ(世界遺産!)
にいる>> やはり 男前である(あ ヨイショっと)

男は タフでなければ 生きてゆけない ノデアルな


投稿: 風のモバイラー&野村和生 from nomgroove.com | 2007/07/19 2:18:21

茂木先生、田森さんに会えてリラックスされたのですね~☆

それにしても田森さん、私が思うにはですが、お写真を拝見すると
日本人に見られないのでは? 
その髪型とポロシャツだと、中国人もしくはアジア系に見られる可能性が
あるような・・・気がします。(ゴメンナサイ!)

日本人だと、そうは怪しまれないと思うのですが・・・。

中国人は寝癖が付いている方とか多いようです。上海などの
都会の方は別ですが。

よけいなお節介ですが・・。

ストライプのカッターシャツを着て、背筋をピンと伸ばし
髪型を整え、堂々としていれば大丈夫じゃないかな~。
田森さんにお伝え下さいね。

ヨーロッパの方は姿勢が良いですね~。猫背は怪しく見えます。

ドイツは美しいですね! 行ってみたいです~♪

投稿: tachimoto | 2007/07/19 1:23:52

私の遭遇したおかしな話は・・・、
オールドデリーのとある道を普通に歩いていたら、突如クリケットボールが右の骨盤に激突し、真っ黒な痣が出来たことと、
それから、こちらもインドで無いぞ無いぞと探していた帽子が家の前に止まっていた車のタイヤの真下に踏まれていたこと。(しかも、その帽子、思いの外破損が無く、今も使っていること。)
そんな話でしょうか・・・。

投稿: 橋本真美 | 2007/07/19 1:01:49

>「そうしたら、係官が、『それも外せ』
とか言うんだ」


私も、おなかの肉をはずしたい。

ヨーロッパで、環境問題とメタボリック問題が大きくなり、メタボリックの人は飛行機に乗せない法律が出来たらどうしよう・・・。コワイ(笑)。

投稿: tain | 2007/07/18 23:49:52

田森佳秀さんの、面白いエピソードを伺わせていただきました。

フランクフルト空港で、何故か、身体検査の係官にお腹をツンツン…といったくだりが、やっぱり可笑しかったです。(笑)

こういう面白いエピソードを話してくれるお友達って、周りに幸せをくれる存在なのかもしれないですね。…いいなぁ。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/07/18 21:59:09

いつもブログ,楽しみに拝見させて頂いています.
免疫学を勉強している医師です.以下の点,常日頃研究の合間に顧みることが多く,大変感銘を受けました.全体像は大事ですよね.自分のやっている実験が疾患のどの部分で重要なのか,成因か結果か,考えながら実験しないといけませんね.

「問題なのは、誰も、全体像を
見渡して、一つのシステムをつくろうと
していないことだ」
とJimは言う。

免疫の破綻した自己免疫疾患の原因を一つでも解明できたらと,日々精進しております.

投稿: kumekita | 2007/07/18 19:40:09

いま、書き込みしていたら、あれれ、なんか、へんだぞ、と見ると、
とつぜん、田森様のお写真が!わあ会えたのですね。よかったですね。

投稿: F | 2007/07/18 16:28:19

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