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2007/06/24

カジノ資本主義の逃げ足

学会会場のホテルまでは
モノレールで行った。
座ると、隣りに荷物を置いて
いたのはスチュワート・ハメロフだった。

最初の登壇者のダニエル・デネットの
話の中に、neural pidginsという
考え方が出てきたのが面白いと思い、
質問して座った。

そうしたら、ハメロフが
「知っているかい、小脳は
***の時にも活性化するんだよ」
と言って、来年のツーソンでの
会議のパンフレットを見せた。

カリフォルニア工科大学の土屋くんや、
台湾の先生、
Maximと話す。

小俣圭が、「意識の問題を正面から解こう
というよりも、トンチ問題のようなことを
やっている人が多い」
というような趣旨のことを言って、
なかなか鋭いやつだなと
感心する。

デネットが、講演中、access consciousness
の概念を批判して、「accessって、一体
何がaccessするというのか」と言ったのは、
Cartesian theatreを否定してmultiple
drafts modelを提唱した人の発言として
納得できる。

問題は、あたかも何かがaccessしている
かのようなillusionが生じるという
点にあるのであって、
そもそも原理的にillusionと
実在は区別できない。同じことである。

ロジャー・ペンローズと
マイクロチューブルの議論を
してきたハメロフに、以前よりも
ずっとシンパシーを感じるのは、
問題が解けないことに対する
いらだちが、シンプルで
鋭敏だという印象を
受けるからだろう。

夜、ブルータスの鈴木芳雄さんが
avexの担当の方を通して
席を取ってくださった
Blue manを見る。

http://en.wikipedia.org/wiki/Blue_Man_Group

http://www.blueman.com/

ロックミュージックと、現代アート、
そして批評、観客参加、奇想天外、
リズム、融合、リアルとイリュージョン。
大変イノベーティヴな舞台で、面白かった。
2007年の12月に日本に来るそうである。

学生とご飯を食べて、ラスベガス・ストリップを
ホテルに戻りながら考えた。

今私はアメリカという文明を浴びている。

それにしても時間がない。なぜ、アメリカ
にまで来て、こんなにやることに
追われているのか。
正気の沙汰ではない。

むむむ。マイッタ。

マジでゆっくりしたいよ。
星野英一がまた伝説を作った。
300ドル儲けて、あっという間に
すった。

もともとはあぶく銭とは言いながら、
その大金を
「する」ところを、田辺史子、
石川哲朗、須藤珠水、小俣圭
と一緒に見ていたが、
「おい、星野、あれれ。あちゃー」
と誠にあっけなく、
カジノ資本主義の逃げ足の
速さを垣間見た。

とにかくボクは仕事をします。
みなさん、お元気で。

6月 24, 2007 at 10:17 午後 |

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コメント

茂木先生もスロットマシーンに今まで稼いだお金を注ぎ込んでも良かったのではないでしょうか。
生活費に困ったら、クオリア日記を膨らませてぎゅっとしぼって本にして「俺みたいな売れっ子脳科学者は印税前払いと相場が決まっているんだ!!」とオオバタンに掛け合っても良いでしょうし。
人生を刹那的に駆け抜けていった文学者達の心に寄り添うことができたかもしれませんよ?

投稿: naritoku | 2007/06/28 21:42:26

早稲田大学のベンチで中卒の従弟に勉強の仕方を
教えていたとき、

楽しくお話させていただいたおばあちゃん。

かなりのお金持ちらしい。
しかも、お金の使い方を知っていらっしゃる。

ラスベガスで
1ダラーずつかけて、

一発当ててしまったことを自慢していた。

彼女がすごいのはそのお金に執着心がなく
そのお金がなくなるまで
楽しく遊べた。

っとおっしゃっていた。

久しぶりに、あのおばぁちゃんに会いに行きたいな。
なにしろ元気がいい!

話すだけでエネルギーを頂ける。

投稿: NAMONA.KI.MONO | 2007/06/28 3:24:28

茂木さん

おつかれさまです。
インターネットのおかげさまで、あいかわらずお忙しい&コンビニエントな日々をお送りされている様子、伝わってきます。
BLUE MANまでご覧になっている様子。感服します。
いろいろ話したいこともありますが、それは後日、詳細な感想など含め、うかがいましょう。
では。残りの日々も有意義に。気をつけて。
●ブルータス編集部/鈴木芳雄

投稿: 鈴木 | 2007/06/26 0:51:13

ついに忙しさが限界を超えるレベルに
達しましたか。
好きな仕事も限度を越えると苦痛ですよね。
今回はいろいろあったから仕方ないですよね。
「義を見ての勇」の代償なのだから
エライなあと思います。

うまく乗り切れるといいですね。
アメリカでノンビリは叶いそうにありませんが
どうか頑張ってください。

それでも日記を描いてくれるから
読み手としては嬉しい限りです。
生徒さん達とのカルフォルニア紀行は
ナカナカにタノシクて。

小俣君も同じようなもどかしさを
感じているのだなあと思いました。
石川君は上手に英語を喋れたのかしらん。

私は今ツアーパンフレットを見て
びっくらしています。
なんだ?このスケジュール。
朝から晩までみっちし観光。
怠け者にはただの苦行。

寺院で勝手に寝ころんだり
子供と川で遊んだり
警察にからまれてお金取られたり、
軍隊のバイクに乗せてもらったり

そういうことがイソガシツアーに
おこらないわけがよくわかりました。

そういう道草が好きなので
私は永遠に怠け者なわけですが。

投稿: poteto | 2007/06/25 22:14:20

辞書を引いた
意味は引いたがそれ以上の意味を辞書が語るわけもなく
2語の英単語は混ざり合うことが無く独立したままだった

理解したいが理解出来ずお前が悪いと辞書のせいにした


投稿: climb decoy | 2007/06/25 21:04:50

Blue man のサイトを拝見させていただいたが、
黒ずくめに、ネーミングの通り、青い坊主頭のオジサン(?)3人組が出て来た。

その姿を見るなり、なんだかみょ~に可笑しくなり、
思わず、

ぷはっ…!

と吹き出してしまった(笑)

なるほど、ロックミュージック・イリュージョン・観客参加・
…なんでもありの奇想天外なステージだったんですね。

何時もは「アメリカン・パフォーマンス」よりも
「ブリティッシュ・コメディ」が御贔屓の茂木さんが、
大いに楽しまれたのだから、きっとわれわれが見ても
楽しいステージに違いない。何せ、青い坊主頭の3人組が
繰り広げるのだから…。

今年の12月に来日か…予算が許すなら、是非!
その名の通り、頭の青い不思議なオジサン3人組の
イノベーティヴなパフォーマンスを
この目でしかと見てみたいなぁ。

さて、Blue man のパフォーマンスもそうだけれど、
ラスベガスの、あの極彩色のネオンサイン群といい、
カジノといい、エンタテインメントといい
…何もかもがゴージャスで巨大スケール。


アメリカ(USA)という文明…あくまでも、茂木さんが“浴びられた”のは
そのホンの一部だと思うのだが…は、
まさに「ビッグサイズ」で、
中にはいろんな民族が持ってきた文化からうまれた
さまざまなものが入っている。

そういう文明が生まれたのも、USAが世界中の数多の民族を受け入れて
ワールドワイドな「多民族社会」として形成されてきたからだ。

逃げ足の速いカジノ資本主義も、ここUSAのラスベガスで
ワールドワイドに発展したのかもしれない…。

それにつけても星野さん、折角儲けた300㌦、
あっというまにすってしまって、
本当、残念だったですね…。

本邦にもこのカジノ資本主義と似たような
“ギャンブル系資本主義”があるらしいが、
それはきっと「パチンコ資本主義」ともいうべきものなのだろう。

カジノ資本主義の逃げ足と同じように、
パチンコのそれも逃げ足は速そうだ。

コメントが長くなってしまいました。
何卒、お許しを…。


投稿: 銀鏡反応 | 2007/06/25 20:45:13

少しは、観光客っぽい時間を過ごせたのですね。
良かったです!

すったのが30,000ドルではなくて、良かった。。。
でも「また」ということは…
何か前科があるんですね(笑)?

私は、これから仕事…ではなくて、寝ます。
おやすみなさい!

投稿: まり | 2007/06/25 0:21:47

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