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2007/06/16

たたずまいというものは

晴れ上がった。
暑くなる。

江村哲二さんの告別式。

昨日に引き続いて、私は友人代表で
弔辞を捧げた。

最後のお別れの時に、江村さんの
近くに、私が昨日書いた
「弔辞」の封筒が見えた。

江村さんの男の子と女の子が
パパへの作文を読んだ。

お父さん、遊んでくれて
ありがとう
楽しい時間をありがとう。

泣き声が聞こえる。
呆然とするしかない。

「地平線のクオリア」
そして
「可能無限への頌詩」が
流れる。

蓋が閉められ、
クラクションが長く流されて、
江村さんは行ってしまった。

新幹線に乗って
東京に戻る。
品川でラーメンを食べる。

日常の中に投げ込まれる。

いろいろなスケジュールが
詰まる。

六本木ヒルズのJ-waveで
竹内薫と話す。

半蔵門のTokyo FMで
秋元康さんと話す。

芝公園スタジオで
「R30」のサロン。

カメラが回り始める前に、
国分太一さんと落語の映画の
話をした。

スタジオの前でジャニーズの出
待ちをしている女の子たちが
現実のものとは思えない。

さすがに空腹となり、
焼き肉弁当とビールをコンビニエンス
ストアで買う。

樹木はものを言わないけれども、
中ではさまざまな生理作用が進行している。

何も言わなくてもいいんだと思う。
わかる時はわかるし、
伝わる人には伝わる。

たたずまいというものは、
そんな感化作用を持つんじゃないか。

世間が遠く感じられる時。
そのような精神状態の中には
魂への祝福もまたあることを
はっきりと悟る。

6月 16, 2007 at 08:21 午前 |

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» 命とクオリア(4)-つらつら。 トラックバック 銀鏡反応 パンドラの函
@先週は何ともいろいろあった。茂木健一郎博士による東京藝術大学・美術解剖学の講義に始まり、その茂木さんと深い親交のあった音楽家・江村哲二さんの死、そして彼を遠い世界へと心をこめて送るためのセレモニー、と梅雨入り宣言後の、いきなりの、ど・ピーカンの日々が続く一週間、まさに、濃かったなァ…。 @私個人では土曜日に、「クオリア日記」の「大家」の書いた「たまには手紙で」(朝日夕刊に時折掲載・詩人の吉松さんとの往復書簡)を読もうと思い立ち、近くの図書館にすればいいのにわざわざ元麻布の東京都中央図書館に行く始末... [続きを読む]

受信: 2007/06/20 20:49:14

コメント

江村哲二さんの告別式で、お子さんふたりが、「お父さん、遊んでくれてありがとう。楽しい時間をありがとう」と、パパに捧げる作文を読むくだりを読んで、ぐっときました。

お父さんと永遠のお別れをするのは、寂しいけれど、お子さんたちはきっとお父さんのように立派な人に成長されると思います。如何なる苦難にも負けない、本当に強く、そして心やさしい人に・・・。

江村さんは、これで完全に、遠い世界に旅立たれてしまわれたけれども、地上に残されたご遺族を、また地に聳える大樹のような、あるいは地を駆ける獅子のような茂木さんを、きっと天空に輝く一つの明星となって、いつまでもその活躍を見守ってくださるでしょう。

江村さんの生前のお姿に最後までお目にかかれなかったことが、返す返す残念でなりません。

世間が遠く感じられるとき・・・。それは非日常の世界から日常にいきなり入ってしまったとき、その非日常の残滓が、自分の心を、周囲をとりまいているように感じるときなのかもしれない。それがおそらくは「魂の祝福」となるのだろう。

街路の緑はそこにあるだけで、心をいやしてくれるという。緑というものの(それこそ色から何から、たくさん含まれた)たたずまいがそうさせてくれるのだろう。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/06/16 13:34:59

茂木さんのブログを偶然に見つけ、書き込みした、きっかけは、
「人は皆、キリストなんじゃないか」というお話を目にして、
そのとき、私は身内の死から、立ち直れずにいたので、
その言葉に、気持ちが溶けるように軽くなれて、
思わず、あまり考えずコメント送付しました。
まだ、御礼を言っていませんでしたよ!!
ほんとにほんとに、ありがとうございます。
洗濯物を干しながら、空をながめて毎日、
茂木様のお言葉や、印象深いコメントを
向こうの方から川に流れてくるみたいに、
ふいに、思い出すようになりました。
だれかのことを、本気で心配していたり、
その人独自の幸せでいてほしい、とか、
(余計なこった!と言われそうだけど。)
  大切な人の死を通して、気づいたのは、
    いつだって、一人じゃない、ということ、
       この世界のどこかで、あなたのことを
        心から思っている人がいるということ。

投稿: | 2007/06/16 11:28:38

昨日、夕方少し、風が強かった。クスノキの大木がさらさらと心地良い音をだし、そよいでいました。
その音の中に、江村さんがいるような気がしてならなかった。

投稿: | 2007/06/16 8:40:42

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