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2007/06/04

多様性のことである

「雑草ガーデニング」と言っても、
意識的にやっているわけではない。

鉢植えを買ってきてベランダに置いて
あったら、自然に雑草が生えてきて
それを放置しているだけ
のことである。

しかし、それが心地よい。
どうしてこいつらはここに
来たのか、これからどのように
発展して行くのかと眺めているのが
楽しい。

イギリスにいるとき、家の庭の芝生を
きちんとしなければならなかった。
そうしないと、隣近所に
怒られた。

仕方がないから、時折、
紐のようなものが高速で回転して
草を刈るマシーンを使ったが、
本当はそのままにしてどんな草が
生えてくるか見たかった。

日曜日。仕事に出る。

合間、代々木公園でしばらく
雑草を見た。
寝転がると、実にいろいろな
草がある。名前がわからないものや、
お馴染みのもの。

小さなカマキリがいる。
これくらいの時はアブラムシ
などを食べているらしい。

秋に向けて、食べた量だけ
大きくなっていく。

エコロジーとは、多様性のことである。
たくさんの種類の生きものが、
肩を寄せ合って生きている。

それがいかに複雑で豊かなダイナミクスを
もたらすか。
どんな小さな土の広がりでも良いから、
そこに生えている草を見れば、それだけで
わかる。

世の中には観察すべきものが
沢山あって、それらについて
思いを巡らせているだけで
心楽しくなる。

アイルランドのジョージ・バークリーは、
「存在することは認識
されることである」(esse est percipi)
というテーゼを残した。

代々木公園の中の名も知られぬ雑草
たちは、
ボクが5分くらいそれを眺める
までの間、人知れずそこにあったが、
本当は「神」によってずっとずっと
認識され続けていたのかもしれぬ。

6月 4, 2007 at 07:15 午前 |

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» 箭内道彦 クリエイティブ・ディレクター トラックバック 須磨寺ものがたり
クリエイターと呼ばれる人は、 個性的な人が多い、 当たり前だが、この人もかなり個性的! [続きを読む]

受信: 2007/06/04 14:40:19

» 命とクオリア(1)-だから、雑草は抜けない。 トラックバック 銀鏡反応 パンドラの函
@人は良く、雑草は汚くて邪魔だから抜きなさい、というが、私には如何しても抜けない。だって、あたりまえだけれど、雑草だって僕等と同じように懸命に生きているからだ。生きることを謳歌しているからだ。 @それを汚い、邪魔だ、と言う人は、命というものがどれほど尊い価値を持っているか、よくわかってない人に違いないのだ。 @路地端に生い茂っているいろんな野草のカタマリ世界=草叢は、沢山の細かい生きとし生けるものが、肩を寄せ合って生きている、生命の躍動する複雑で豊穣な世界なのだ。つまりは、例えれば熱帯のジャングルと... [続きを読む]

受信: 2007/06/04 23:35:04

» 微動だに… トラックバック なんでもあり! です 私の日記!! 
終電の走りさる音を遠くに聞きながら のんびり湯船につかっていると 湯気と一緒に、高く、うんと高く立ち上って 夜空を飛んで行けそうな気がします。 * お湯の表面には、 天井のダウンライトや壁かけライトや窓までも かすかに揺れながら、映り込んでいて。 その揺れをとめてみたくて 身体をじっとじっと、動かさずにいたのだけれど。 時には、息を止めてみたりしたのだけれど。 私の身体からの微妙な揺れを見逃さず まがうことなく同じ動きで揺れ続けます。 身体が微動だにしないなんてことは ... [続きを読む]

受信: 2007/06/05 2:05:24

» 何でもいいから森をふやそうよ!!! トラックバック さくら-おもちゃ箱
珍しくテレビを見ていたら、宮脇さんという方が 安達太良山で森をいくつもふやしているという番組に出くわした。  79歳とご高齢ながら、多くの企業と組んで、雑木林を普通より早く 育てていらっしゃるそうだ。  嬉しーーーーい。   本当はその前に雑木林を切るなと言い..... [続きを読む]

受信: 2007/06/06 0:31:32

» 小さなことにも感動する心 トラックバック Progress
私の母は花を育てるのが大好きで、毎日水遣りなど手間がかかるにも関わらず、 これを楽しみの日課としています。咲き終わった花をつんでやりながら、新しい つぼみが次から次へと出てくるのを見ては、その生長をいとおしく思う・・・そんな ことを私に語ってくれたことがあります。 ところでみなさんは、通勤・通学の行き帰りなどで道端の花や虫などに気を止め たりしますか? 私は広島での大学生活時代、住んでいたところが田舎だったので、よく周囲の自 然に気を止めていました。 とんぼを見ては指をくるくるとする、すると... [続きを読む]

受信: 2007/06/09 1:07:44

コメント

私は今日 ハラビロカマキリの子供を見ました

ハラビロカマキリの子は 手に乗せようとすると
逃げたのですが 少し手の上に乗せていると
平気になったようです・・

おしりを上げて
ダンスをするように 左右に動いて、好奇心
旺盛なカマキリ君・・

暑い夏に向かって もりもり
ごはんを食べるのでしょうね がんばれ カマっ子
と応援したくなります

投稿: | 2007/06/06 18:17:54

風そよぐ♪吉田 都 >> アヴァロンの女神のダンス 2

>> 講義日程貼り出していただいてありがとうございます

これで あとはどんな行程を組むかなんだけど・・

6月20日竣工予定で計画中の 旅籠「風のモバイラー」の現場をのぞく時間がなかなか でもまあ6.03もメデタク無事終わったことで
気持ちのいい区切りになった感じで すっかりリセットして
次のステップを切らなきゃな

カフェマニア!Bon voyage !@ 旅籠 「風のモバイラー」 編

>>ただいま新装工事中 現場からナマ生中継でーす

ここ 東海道の とある宿場町に忽然とあらわれた旅籠「風のモバイラー」の

仏蘭西仕込みのエスプリと退廃が (笑) 平和ボケの江戸っ子だの蝦夷っ子

だーの上方の粋人、京や奈良の都のおけいはん、近江や紀州の新興IT商人

だーの、おまけに南河内の花よりダンゴがお好きな(・・トホホ)お伊勢まいり

の客人のお気に召しますやら・・ 

何やら風雲急の予感。


♪むかしアラブの偉いお坊さんが
恋を忘れた哀れな男に~
(珈琲ルンバ)


何ともいえぬ芳しき珈琲の香りと紫煙のたちこめるところ、

おしゃべりに花が咲きエスプレッソマシンの騒音と小粋な音楽が行き交い、

恋の囁きとときには別れ話とあぶない話の交錯するところ、

ひとはそこを「カフェ:cafe」とよぶ。


というわけで
自称「カフェマニア」のわたくしめがギャルソン&ナビゲーターをつとめさせていただくこの時間、

少しだけ手を、ときには羽根を、休めて‥もちろんコーヒーを片手に‥つきあってくだされば(^o^)/とおもっています。
しるぶぷれっ!

>>

いまでもその場所を訪ねてみたい、その時間を想像するだけでも和んでしまっているじふんに気付く、

そんなお気に入りのお店お客様にはないですか?‥

>>ムッシューYOSHIDAさま おかえりなさいませ♪

お風呂になさいます? 一本おつけいたしましょうか?

それとも・・ うふふ んもう! お侍さんたら ・・

(編集部注:ムッシューYOSHIDAなる人物は僕の知る限りにおいて
かなりの傑物である さぬきうどんTRENDを語らせたらその比類なき
フィールドワーク精神とアイマッテ味わいはことのほか格別なり
で御座います

>>いっぽう それと同じ時間 いまプレオープニングFAIR
が終わって閑散とした 大広間では・・

Now the party's over

I'm so tired

Then I see you coming

Out of nowhere

Much communication with a motion

Without conversation or a notion

Avalon

(AVALON / ROXY MUSIC)


最初のクライマックス・シーンは第2幕1場ActⅡScene1
Gun Dance
>> 最後に吉田 都の面目躍如たるDanceをマノアタリニする

舞台にまさしく 心地よい 頬を優しく撫でるような風が

そよそよと 吹くがごとくの 至上の舞が披露されるのだ

>> 幕間 一息いれようと皆こぞって Drink Bar へ

この時間の見知らぬ人との気安さのあるやり取りがけっこう

楽しかったり・・

親子三世代で観にいらっしゃってるという 初老の上品なご婦人の横で

たまたま飲み物のオーダー待ちの列に加わっていた

さっきの第二幕のGun Danceについてあれやこれや・・

吉田 都さんが踊ると 辺りにそよ風が・・云々

それだけ余裕を持って踊ってるんですね・・そうですね♪

そのおばあちゃまが あなたは勤め人に見えない 芸術家かなんかに

みえますねなんて♪僕の「都さん評」を褒めてくださった

たしかに僕はいまは勤め人とは少し違うのだから・・

そんな風情を漂わしているのかな・・できれば噺家に見立ててもらいた

いものである

>>つづく




投稿: | 2007/06/05 3:08:31

茂木先生が「神」という単語を用いるのはちょっと意外だったのですが・・・。

上野公園にはホームレスの方がいますね。あのかた達は日本政府、東京都に対し生活保護申請してもまず認められないでしょう。
そのホームレスの方に対し、「炊き出し」をするキリスト教系の団体があります。歌を唄う歌姫までいたりしますが。
牧師さんの話によるとああいう活動をするのは韓国系のプロテスタントの団体がほとんどらしいんですね。

「全ての人間は利己的に行動する。」というのはドーキンスのたとえを誤解した解釈ですが、私はしばらく誤解したままで何度か上野公園を歩いてみたいと思います。


投稿: | 2007/06/05 0:27:43

今年は庭の草を生やしっぱなしにしています。
野草の本を読んでいたら、食べられるものが庭にもたくさん生えているのにびっくり。てんぷら、おひたし、即席ラーメンの具にしたりして楽しみます。買った野菜より愛着がわくのは、自分の家の庭で、自分の目で見て、自分の手で摘んだからかな。目が合った植物には、時々挨拶しますよ。
別件ですが、浦沢直樹さんとの対談申し込んでいたのに、なぜかその日忘れていて、夜になって思い出しました。一生の不覚!MP3で公開されていたらよかったのに。ああ、もう聴くことができないのでしょうか。
それって勿体無いことです。(涙)

投稿: | 2007/06/04 22:40:37

きっと植木鉢にはえているのは、ものぐさという草かもしれません。冗談ですが。

投稿: | 2007/06/04 21:51:13

このエントリーから、
雑草という名の“小さな自然”を
心から愛する茂木さんの思いが、ひしひしと伝わってくる。

茂木さんは、仮令名もない草の生い茂る世界にも、
生命の豊かさや躍動を見いだせる人なのだなと
改めて思う次第です。

ベランダで、植木鉢の手入れをしないで
雑草が生い茂るままにしておく人は、
心から自然と生命を尊ぶ人で、
雑草を見ると除草剤をすぐ使いたがる人は、
自然を心から愛していない人なのではないか。

(除草剤を撒かずに、雑草を抜くだけならまだましですが)

茂木さんは無論、前者の人だ。

地面に生い茂る雑草。
みんなそれぞれいろんな形をしていて、
豊かな持ち味があり、
生き生きとした力強さにあふれている。

そして、どこからやってきたのか、
どんな風にこれらが成長していくのか、
先が見えない。が、そこが面白いのだよね。


人間の手が入った、
いわば「サイボーグ」のような花屋の店先にあるような、
花々や観葉植物は、たしかに、それなりに美しいだろう。

しかし、野に茂る雑草たちのほうが、
私は本当の意味で美しいと思う。
踏まれても焼かれても、必ず芽を出し、伸び続けるからだ。

「雑草魂」と言う言葉は、不屈の精神に
その雑草の生命力にちなんで附けられた言葉だ。


雑草たちが作る草叢は、そのまま小さな多様性の世界。
小さなカマキリやアブラムシ、
ダンゴ虫たち、蟻、バクテリアなど、
いろんな小さな生き物が肩を寄せて
懸命に生きている、まことのエコ世界だ。

草叢は彼等を養い、また彼等によって養われている。
草叢は、小さな自然の循環世界。

雑草だって美しい可憐な花を咲かせる。

春の日、路地の片隅に、紫の美しい野性の菫を見る事がある。
それを目当てに蝶や蜂や花虻らがいそいそとやってくる。

最近、道端でよく見かける小さな雛罌粟の仲間も、
(御存知とは思いますが…)
朱色で四弁の花びらが可憐だ。

たかが草叢とは侮れない。
そこには複雑かつ雑多で豊穣さに満ち満ちた
天然のダイナミクスにあふれているからだ。


けれど、除草剤はそんな豊かな世界を
一遍で壊してしまう。

雑草を見て、除草剤をすぐ撒いてしまうのは
実は雑草世界を潰しているだけでなく、
私達の世界をも潰している。

自分はやはり、そんな人にはならないで、
生命の多様性をどこまでも尊ぶ人でありたいと思う。

(長いコメントになりましたことをお許し下さい…)

投稿: 銀鏡反応 | 2007/06/04 21:47:44

今日のエントリーのような視点、
そしてそこから生まれてくる生き物と戯れる楽しさ。
僕はそれが心の健康を保つ一つのこつ。
そして人生の大きな楽しみの一つだと思っています。
単純に楽しいわけですが、そういった人間以外の生き物とのコミュニケーションが、僕の心の健康にとてもいい作用をしているとしみじみ感じます。
最後の三行のオチは茂木さんらしいですね。

投稿: | 2007/06/04 14:53:00

鉢の花と五分でも
話したくなったら連絡くださいね。

投稿: | 2007/06/04 14:34:09

茂木さんはわたしの中で大御所なのでコメントなんて恐れおおくて、拝見しているだけでした。このエントリーが心に響いてコメントしたくなりました。森羅万象み学ぶことの楽しさを最近気付きました。遅いかなぁなんて思うのですけど。雑草ガーデニングって楽しそうですね。わたしは、普通のガーデニングしてます。

投稿: koro1837 | 2007/06/04 11:43:52

カマキリは、その場から、
どこかに移動するとき、
身体を左右に振って反動で、
えいっ、とジャンプしますね。
はじめの一歩、の、足が重いとき、
(カマキリを見習わねば)と思う。
雑草を取っていると、そばにいる
大抵の虫は逃げるか無反応なのに、
カマキリは怒って、こっちに、
真正面から飛んでくるときもある。
その気の強さには頭が下がります。

投稿: | 2007/06/04 11:00:49

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