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2007/06/25

太陽を追いかけていけば

 どんな場所に来ても、二日目のお昼過ぎ
くらいからは慣れてきて、「日常」
の気配がしてくる。

 ラスベガス・ストリップに沿って
走るモノレールのチケットを買い、
Northboundの列車に乗る。

 「monoはラテン語で「一つ」、
railは、そのつまり、railという意味です」

 「ラスベガスは1940年から、10年ごと
に人口が二倍になってきました。この
率で行くと、****年には人口が1000億人
になります・・・もっとモノレールが
必要ですね」

などというジョークか何かわからない
アナウンスにも慣れてきた。

 車窓から見えるプールの青。
横たわる人々の群れ。
 この風景が日常になるという
ことは、一体どんな感じなのだろうか?

 レストランのウェイターは、
サンフランシスコから来た人だった。

 「暑いね」
 「いや、そうでも。慣れればこんな
ものですよ。逆に、サンフランシスコに
行くと、寒いと感じてしまう。」
 「どれくらいいるの?」
 「もう13年になりますよ」
 「じゃあ、ここが好きなんだ」
 「もちろん」

 通りを歩いていても、建物の中に
入ればすぐにスロットマシーンの
群れが迎えるような、そんな街。

 私たちのグループの発表が
数件集中。

 石川哲朗が、明日の発表の
ためにパワポを作っていて、
それを修正する。

 HaggardのLaboratoryから
来た二人と話したり、
 須藤珠水がGopnikに話を
聞いてもらったりする。

 夕刻。
 ラスベガス開催らしく、
「マジック・オブ・コンシャスネス」
というセッション。
 本物のマジシャンが来て、
騙されるとは認知的にはどのようなことか
というような議論をする。

 ちょうど夕暮れの街を
歩く。

 この地は
 ほとんど雨が降らず、
一年分の降水量が日本の一日分
なのだそうである。
 
 うれしいことは、
上から細かい霧のようなシャワーが
降っている場所を見つけること。

 これがなによりのコントラスト。
 一瞬の清涼感。

 砂漠の街には、独自の
風流があるのだと知る。
 
 夕飯は、ベニスの運河を
再現したベネツィアンでとった。
 
 自動販売機で、
スターバックスの缶コーヒーを
見つけた。
 アメリカで缶コーヒーを
見るのは初めてである。
 4ドルもする。

 サンマルコ広場を摸した
室内空間の天上には青空が
広がる。
 田辺史子が「雲が動いているんじゃ
ないか」と言って、
 星野英一が「そんなはずないよ」
とたしなめた。

 野澤真一が、酔っぱらえば
酔っぱらうほど面白くなった。

 天上の光はさわやかに、
それでいて控えめに青空と
私たちを照らし出す。

 「ここは時間が経たないの?」
とウェイトレスに聞く。
 「いつも午後4時なのです」
と彼女が言う。

 太陽を追いかけていけば、
地球のどこかではずっと夕方の
はずだと子どもの頃から
思っていた。

 その魔法の場所は、ラスベガスにあった。

6月 25, 2007 at 11:42 午後 |

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受信: 2007/06/26 0:08:53

コメント

 たまにはこういったレポというか、書き込みも最高ですね。叙情的な詩文も、やはり茂木ワールドの偉大なる魅力の一つ。
 ここは一つ、僕の中のベガスっぽく、ブラボー!!! 

投稿: タンポポ | 2007/06/27 9:16:37

灼熱と娯楽の街・ラスベガスでの学術発表、本当にご苦労様でした…!

1年の降水量が日本の1日分という、まさに渇ききった熱砂の町・・・

そんな街を散策する自由が、茂木さんにもやっと訪れた。

細かいシャワーが降ってくる場所、何時も午後4時の場所…。

自分はこのべガスどころか、海外には一度も行っていないが(何時になったら行けるのだろう??)、若しチャンスが訪れたなら、是非訪れて見たいものだ…。

それでは、最後まで、御無事で…!


投稿: 銀鏡反応 | 2007/06/27 0:11:08

ラスベガスでしたねw
遊園地みたいな街。

景色の一つ一つに
意味を見いだすのも良いですが、
心にうつりゆくことを
軽やかに綴るのも
またよくて。

先生の徒然草。
スラスラとあらゆるリズムで。

天井の空は回転しているんですよ。
真実なんて時としてどうでもよくて
素敵な方を信じちゃえ。

スタバの缶コーヒーは
高すぎますね。
やっぱり、えっ?と気になります。

そんな風に
日記の中でキョロキョロと。

一日にあれもこれもを
少しずつ小鉢に乗せて。

東京は霧雨です。
新緑が白い靄と共にあり
ほんのりと肌寒く。

投稿: poteto | 2007/06/26 22:12:05

 *** ( 1.)  まだ、私は一度も海外に出たことがない。
ラスベガス .... ..そんなに雨が降らないところなら、
もし、... ..行く機会があるならば、..見てみたい..
 ..その空の色、その夕日を。

  雲は、大空に遠慮しているのだろう。
大粒の涙、大粒の感激、大粒の感嘆の涙は、その大地に失礼だ。

 いつか、一粒の水、一粒の感涙を落とすラスベガスに
逢える時。  一粒の涙を大事に抱いていこう。
その日まで。

*** ( 2.)   「太陽が沈む」。---- 太陽は、沈まない。
地球が自転しているからなんだ。
そう見えるのは。
         「日が沈む」。 ----- 日は、沈まない。
地球が自転しているからなんだ。
そう見えるのは。
  「太陽が沈む」を「大地が昇る」のことばに代えるのが
正しいのだろう。
 
  でも、「大地が昇る」では、やはり味気ない。 実感か゜ない。
  「常識とは、何か ?」を考えさせられる光景。

  「太陽が昇る、太陽が沈む」は、「主観」がもたらしたことば、
その光景なんだ。
 
  「太陽は昇り、そして太陽は沈む、それでも地球は動いて
いるんだ。」

 *** ( 3.) ・・・世界で、もっとモ ノレール乗り物は、やはり地球ですね !! 茂木さん。

投稿: wisdom-man | 2007/06/26 18:49:09

石川の名前が出てきて

googleで調べてみたら
知り合い本人みたいでした。

偶有性というものを感じました。

その研究室に見学を申し込もうと思います。

投稿: NAMONA.KI.MONO | 2007/06/26 6:10:14

こんにちわ、ラスベガスを満喫しているようですね。

私が、意識の感覚の不思議さを知ったのは、15年前の19歳のときでした、画像処理認識を考えているとき、白黒画面は機械は認識できる、色のRGBを考えたとき、演算処理で、色を区別して認識できるが、実際に私たちと同じように色を知覚できない事に気づきました。

それを説明しようと、情報の専門学校の先生に、うまく説明できないので、色々と考えたのですが。眉間と鼻に、縦に手を当て、左右に動かし、右目と左目で、見たとき色が微妙に違う事に気づき、面白い問題だと説明しようとしても、先生方には、この問題が良くわからなかったみたいです。

それから、インターネットが普及して、関係しているような色々なメーリングリストなどで、色々発言したのですが、相手にされませんでした。

偶然にも、メディアで、茂木さんの事を知り、現在の科学では解明されていなく、これからの問題だと知り少し安心しました。


少し思うのですが、もう数年経てば、国際会議をセカンドライフ等の中で行われるような気がします。脳科学の街、経済学の街、等等出来て、世界中の人が、いつも会議をして、学術論文など、パワーポイントと音声付きでいつでも見れ、質問もできる。また、どこでも留学のバーチャル大学が出来ちゃうかも知れません。まあ、どうなるかわわかりませんが。


最近、有機ELや大型液晶パネルなどが出てきましたが、将来、壁や窓、天井にそのパネルが張られ、24時間、地球上のどんな場所も再現できる、部屋とサービスが出来るかも知れませんね。(笑)

投稿: tain | 2007/06/26 5:55:11

Take a run at the sun!

Let the sun embrace you.  xxx

投稿: 龍神 | 2007/06/26 0:20:30

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