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2007/02/16

君たちがなしとげたこと

博士の最終試験。

 恩蔵絢子さん、柳川透くん、小俣圭くんの
順番に発表した。

 一部、投稿中の論文についての条件が
ついたものの、皆基本的に試験に
合格した。

 オメデトウ。

 以前このブログに書いた記憶があるけれども、
ボクは、博士の公聴会の前は一週間
の間毎日2時間くらいしか眠らなくて、
 軽い不整脈になったんだよ。
 
 無事、「密室」の中での
審査員の先生方の質問に答えることが
できて、博士になることが内定して、
居室に帰ってきたら、ちょうどFMラジオから
「ジークフリート牧歌」が流れてきた。

 ワグナーが自分の初めての子ども(男の子)
の誕生を祝って作曲し、妻コジマに
贈った作品。
 おだやかでふくよかで、陽光に
照らされているようで。

 楽劇「ジークフリート」三幕で
ブリュンヒルデとジークフリートの対話の
中に突然この旋律が出てくる。

 聞き慣れている曲だったけれど、
あの時は心に沁みてうれしかったなあ。

 私が指導させていただいて最初に
博士号をとったのは田谷文彦くん。

 これで、2人め、3人め、4人めの
博士が誕生する見込みとなった。
博士になるいうのは一大事業で、
 それを君たちがなしとげたことを
ボクは誇りに思います。

 とてつもなく忙しい一日で、
朝からどう乗り切ろうと思った。

 4時に起きて本を二つ読み直して
書評を書きながらすずかけ台に
ついた。
 駅から教室にダッシュ。審査に間に合った。

 終わったら、学生たちは例によって
「てんてん」に行ったが、
 ボクは電車の中で先日の布施英利さんとの
対談を直して、
 渋谷に着いた瞬間にやっと終わった。

 すぐにホームから送信して、
センター街を歩いていると
松屋があったので、入って牛丼を
食べた。
 お昼をはるかに過ぎた朝食。
 何だか涙が出たよ。

 NHKに入り、別の一件の打ち合わせをして、
それから『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の収録。
 
 専門看護師の北山愛子さん。
 とてつもなく深い話になった。

 4時間30分喋って、へとへとに
はなっているが、
 今度は「トーク・スペシャル」
の「枠撮り」。
 番組の冒頭と最後に流れる住吉美紀さんとの
掛け合いをとる。

 別に詳細な台本があるわけではない。
 その場で必死になってアドリヴで
考えて、2ヴァージョン収める。
 全て「自己責任」。

 まだ終わらない。
 日経BPの、渡辺さんに、今日のゲストに
ついてお話する。

 さらには、「子どものファッション」について
お話する。

 「二合目」の打ち上げにたどり着いた
時には、9時30分を回っていた。

 朝起きてから夜眠るまで、全てが
学習だと思っているし、
 脳科学や生命哲学について考える
機会だと思っている。

 ボクは自分の人生にしかベストは
尽くせないし、
 それを世間がどう誤読しようが、
どんな風に受け止めようが、
 それはボクのコントロールできる
ことじゃないから、勝手にすれば
良いと思う。

 それに、自分が正しいと思う
方向にがんばっていれば、支持して
くれる人は必ず現れてくるものである。

 今日も同じようなスケジュールだが、
Brain Clubがあり、学生たちと
脳の話を議論できる。
 これは心から楽しみな時間なのだ。

 本当のことさえ見つめていれば、
人生は大丈夫である。

2月 16, 2007 at 07:35 午前 |

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コメント

いろいろあってたいへんだったとき.ひとりになって,空っぽのおなかに歩ちゃん家のおばちゃんが作ってくれたオムレツが入った瞬間,涙があふれてびっくりした.伝わってくる涙も口の中に入って,しょっぱいオムレツになった.何ともいえない体験だった.「千と千尋の神隠し」で千尋がおにぎりを口に入れて泣いた場面をみて,同じだと思った.同じような切なさ,胸があつくなるような感覚.いろいろあっても,生きているということに引き戻される瞬間なのかもしれないと思った.

投稿: kichirou | 2007/02/19 9:31:20

3歳と6歳の二児の母です。初めてブログという世界をのぞいて見ました。
専業主婦で毎日自分なりに家事育児をがんばっているつもりですが、
狭い世界での小さな悩みに押しつぶされそうになるのをごまかしながら
生活しております。そんな中、茂木さんのブログを拝見して少し勇気付けられました。
転職を見つけ熱中している人と、私のように熱中できることも見つけられずネガティブになりがちな人間の脳の働きの違いって・・・?考え方を自分で
コントロールするヒントが見つけられたらと思い、NHKの茂木さんやその他
著書を見ております。

投稿: 二児の母 | 2007/02/17 1:15:06

 世間の勘違いや誤読など蹴散らして、己の信ずるまま、
 自分が正しいと思う方向に、まっしぐらに駆け抜けろ。

 ケチを付ける輩より、応援している人のほうが多い。
 元気を出して、Dr.Mogi。

 ASAP、「クオリアの起源」の序章だけでも完成させてネ。
 そして、茂木ファンに祝杯を挙げさせてネ。
 そのためにも、体調管理には十分留意を。

 Darwinの次はDr.Mogiだ!!!(3つ付けました)

投稿: hashimoto | 2007/02/17 0:17:50

世間が如何言おうが、如何、誤解しようが、自分の人生の中で徹してベストを尽くし、自分が正しいと思う方向に、トコトンまで頑張り抜いた人が、味方を呼び寄せ、人生のまことの“栄光”を手にする事が出来る。

私は思う、茂木さんは、周りが何を言おうと、其々の人生の中で、ご自分が正しいと思う方向で、生涯最後の幕が降りるまで、ベストを尽くされる人だと。

それはまたさておいて、恩蔵さん、柳川さん、小俣さん!博士試験合格、本当におめでとう御座います!

どんな分野にしろ、博士になるというのは傍で考えているほど楽なものでないことが、文面を読むと、しみじみ感じられる。

「博士」という名の、知のエキスパートになることは、懸命に学ぶ学生と、それを育てようと懸命に指導する指導教官とのいわば“共闘作業”なのだと思う。

茂木さんの担当される学生さん達が、一気に3人も博士試験に合格したことは、ひとえに茂木さんの厳愛の御蔭であり、学生たちの知への熱意の御蔭でもあると思う。

3人の前途には、艱難辛苦が待ち構えているだろう。しかし茂木さんの教え子ならば、その辛苦を乗り越えることが出来るだろう。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/02/16 23:45:10

「それに、自分が正しいと思う
方向にがんばっていれば、支持して
くれる人は必ず現れてくるものである。」

本当に、そう思います。

私も日々模索しながらではありますが、
頑張ります☆

投稿: ちからいし | 2007/02/16 20:17:53

『クオリア日記』は、すごいです。
私の人生、換わりました。
私の感性、深まりました。
たぶん、つき抜けました。
『クオリア日記』を、まいにち拝読してるうちに、イメージ出来るようになり、ある日つき抜けました。
『クオリアと文脈』の音声ファイルも拝聴させていただきました。
せんせいの、おしゃってることが「うん!うん!」と理解できてる自分に感動でした。
『クオリア日記』の、おかげです。
『クオリア日記』は、ありがたいです。


投稿: satomi | 2007/02/16 19:50:39

「本当のこと」、をうまく見つめられるといいのですが、どこに本当のことがあるのか見失うことの方が多いです。
私の人生、全速力で遠回り、です。

投稿: ヒビ | 2007/02/16 19:50:15

 受験生の母の勝手な耳には、「本当のことさえ見つめていれば、人生は大丈夫である」という先生のお言葉が、国立大前期試験を目前に控えている、3人姉弟の末っ子の息子へのエールに聞こえてきました。
 

投稿: 尾野桂子 | 2007/02/16 18:13:54

こんにちは。

夕べは久しぶりに酔っぱらってしまいました。一週間、毎日2時間の睡眠だったとは・・・。下関から、山形へと。本当にお疲れ様。けれど、それで仕事が出来るのですから凄いな~!

私も一週間2時間の経験がありますが、頭が正常な判断が出来なくなりました。茂木先生は、ずば抜けた脳力の持ち主だと思うけれど、それでも人間はムリをし過ぎると、知らぬ間にどこかに異常をきたします。

ニーチェの苦悩と重なる所を感じましたが、先生のように有名になればなるほど、人々は色々な中傷や誤解で真実の姿を覆い隠します。

でも、そもそも人は人のことよりも自分に感心があるのがほとんどで、
人に理解されたいとか思わない方が気が楽です。(笑)

けど、人々が何を求めているのかを察知しなければ、本は売れないそうですが。テレビにしてもそうですが。

茂木先生に求められているのは、大衆的なものではなく、知への牽引力だと思います。それらを求める人々は、茂木先生を理解し、ついていくと思います。

だから、仮に、嫉妬やねたみが先生を襲っても、それは人間の常であって、へこたれないで下さいね。生きていることは学ぶことなのですよね。学ぶことは楽しい! 時々余白が必要だけれど。

投稿: tachimoto | 2007/02/16 14:07:37

卒業して10年以上たつのに今年も恩師から年賀状をいただいた。
私の恩師も最終試験まえ、茂木さんのように私のこと絵を思っていてくださったのか、と思うといまさらながらその出会いに本当に感謝したい。

みなさま、おつかれさまでした。一瞬一瞬をがむしゃらに、全力疾走でそして大切になさってください。

投稿: 平太 | 2007/02/16 12:30:50

本当のことさえ見つめていれば、
人生は大丈夫である。

茂木さん最高です。

投稿: 物理屋 | 2007/02/16 10:52:09

『本当のことさえ見つめていれば、
人生は大丈夫である。』
 茂木さん、最高です。

投稿: 物理屋 | 2007/02/16 10:50:05

『本当のことさえ見つめていれば、
人生は大丈夫である。』
 茂木さん、最高です。

投稿: 物理屋 | 2007/02/16 10:44:07

三人の博士のご誕生〜みなさまおめでとうございます。


茂木さんきのうも大変な一日だったのですね。

 自分が正しいと思っているほうに
 本当のことさえ見つめていれば、人生は大丈夫である。
すべてから学ぶこと。
とてもはげまされました。。。 ありがとうございます。

渋谷の松屋はなんだか懐かしい。
お体にはくれぐれもお気をつけて…がんばってくださいね

投稿: M | 2007/02/16 9:01:05

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