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2007/02/07

星界の達人

移動する時にタクシーを使うということは、
何か手元でやらなくてはならないことが
あるということであり、
 電車を使うということは
火急の仕事がないということである。

 最近は読みたい本、論文が沢山あって、
また、歩きながら考えたいこともあり、
 追い詰められてタクシーで移動
するというのがフユカイになってきてしまった。

 電車に乗れて、活字を追い始める
瞬間が一番楽しい。

 桑原茂一さんや吉村栄一さん、
新潮社の大久保さんとコンラッド東京で
ランチを食べる。

 桑原さんは、私がブッとばしてよしなし
事を言っている様子を、
 眼鏡のむこうからやわらかな光を
放ちつつにこにこ見ている。

 そのようなやわらかな時間の中から、
きっと、また、驚くべきプロデュースの
アイデアが浮かんでくるのであろう。

 時は流れる。
 ボクは、必死になってばたばたと
手足を動かす。

 近代の科学主義の有効性に魅了されながらも、
世界の深さを少しもわかりはしない
 実際的な人たちに腹を立てる。

 だからといって、科学主義の外に
いる人たちが少しでもマシかというと
そんなこともなくって、
 つまりは横断して疾走して
いかなければ、世界は本当のことを
明かしてはくれないということなんだろう。

 中央公論新社の人たちと
ご飯を食べていて、
 ああこの人たちはこういう風に
「同期」とか、そんな仲間が
たくさんいていいなあと思った。

 ボクはときたら、最近なんとなく孤独な
気持ちがしている。

 おかだくんは相変わらず間断なく
喋っていて、
 「眠っている時くらいは静かなんだよね」
と聞いたら、
 「いや、それが、いびきが激しいんですよ」
と言う。

 松本さんや郡司さんにこっそり聞いたら、
おかだくんがずっと喋っていることには
もう慣れっこになってしまっていて、
スルーする時はスルーしているんだという。

 こう書いても、読者のみなさんには
なかなかその真実が伝わらない
と思うけれども、
 本当にずっとずっと
しゃべり続けているんですよ。
 岡田健吾くんは。

 実に、一つの驚異であるなあ。

 石をめくれば、そこには
ゲジゲジや時にはオサムシが
隠れているし、
 宇宙というのはいかに多くの
オドロキに満ちていることであるか。

 中公文庫の角谷さんは、星を
見る学生生活を送っていた人だったそうだ。
 
 高原に行くと昼間でも星が見えるというが、
都会の雑踏の中でまみれていても、
 どこかで星の群れを感じることが
できるようになったら、
 その人は星界の達人だ。

 目の前の仕事を一生懸命
やりながら、 
 意識の外のどこかでキラキラと光る
問題群をずっとずっと見つめている
ことができさえすればなあ。

2月 7, 2007 at 07:44 午前 |

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コメント

tachimoto様

コメントへのコメントっていうのも変かも知れませんが(BBSみたい…)。
メールの方が良かったのかしら?

ヘレン・フィッシャーの『人は何故恋に落ちるのか』
私も読みました。でも、ちょっと期待はずれでした。
ごめんなさい。tachimotoさんや茂木さんを否定しているわけではありません。
その前に読んだグレゴリー・バーンズの『脳が「生きがい」を感じるとき』の方がおもしろかったです。

でも、どちらにしても踏み込み不足。
痒い(知りたい)ところに今一歩届かない。
fMRIの歴史が短いというのもあるでしょうが、
オモチャに喜んでる段階に思えます。
「何をした」から「発火」しただけじゃダメですね。

そういう意味で、茂木さんに期待しているんですが。
それも、私が一番知りたい「声」「音楽」の認識について…。

投稿: | 2007/02/16 9:45:46

茂木先生、孤独を感じていらっしゃるのですね。

疲れているとき、寂しい気持ちが襲ってくることがありますね。

まわりにたくさんの人がいてくれているのが見えなくなったり。

見えないときでも、周りにはたくさんの人がいるんですよね☆

昼間の星のように☆

私みたいな一市民から、畏友の方々まで、

We need MOGIさん ! です☆

投稿: | 2007/02/11 1:32:21

科学至上主義によって、科学が知識の獲得の唯一の手段と考えられ
てしまっている中、クオリアという質感の研究との対照が浮き彫り
になっています。でも私は素朴に、「科学とクオリアの研究との間
にある区別は、ほんとに真実なのか」と感じます。

その対照の狭間の中で、茂木先生が苦悩されることはよく分かりま
す。でもクオリアのような主観的で人格に関わることは、物質的な
ことと同じように実在的なことだと思いますし、だからこそ科学と
平行する探究だと思うんです。

”ホープフルモンスター”茂木先生、是非自分の信念のままに突き
進んでください。

投稿: コロン | 2007/02/08 6:13:33

確かに最近見る月は、満月でもないのに明るく感じますね~
温暖化の影響?それとも単なる気分の問題でしょうかw
本!
私も読みたい本が沢山あります。通勤とか移動時によく読みますが、どんなに面白くても何度も読み返さなくなったぁ最近w
面白いと感じても感動までいかないからなんですかね~?
(llllll゜□゜)ハッ!やはり人生の感動のプチプチ(←空気の粒が詰まったクッション材)が減ってるのか!
等感じてしまう今日この頃。

投稿: | 2007/02/08 2:06:52

「私に見える星があなたにも見える?」

 と聞いてみたら

「見えるよ」
 
 と答えた人がいました。

 昼間のベランダで、
 恥ずかしいような、だけど跳びはねたいような、
 そんな気持ちになったっけ。

 思い出しました。

 

投稿: | 2007/02/07 22:26:45

こんばんは。

そいえば、私は前回のプロフェショナルを見そびれてしまいました。
アナログの大きなテレビを引っ越しの日に処分してしまったのです。
直ぐにテレビを買う暇がなくて、9日に新しいデジタルテレビがやってくる予定ですが。
丁度、そんな時に茂木先生のスペシャルがあったのに、本当に残念!
でも、結構、日記から察しはついているので・・・でも見たかったな~。

テレビも、ネットも使えないことで、私はかなりそれらに依存していることが判りました。テレビ&ネット中毒だなぁと。
オマケに活字中毒。荷作りの間、一週間ほど本が読めなかったので、音楽を聴きながら、むさぼるように本を読んでいました。

何冊か買ったのですが、「人は何故恋に落ちるのか」ヘレン・フィッシャーは、もの凄く面白かったです。何と、茂木建一郎推薦! となっていました。それで目に留まったのですが・・。
「真贋」吉本隆明著も初めてですが、読んでいます。以前に吉本さんの
お写真がブログに載っていましたよね。これも面白い!

私は5冊平行読みをしているのですが、読むのはスローです。
藤原正彦さんの「若き数学者のアメリカ」も面白い。
茂木先生にしても、藤原正彦さんにしても、数学の達人は文章の達人でもあるのだなぁ、と関心しました。まだ途中ですが。

私の今度の住まいは、人工の星々が見えるだけ。先日道路からお月様は見えたので少しはホットしましたが・・。

投稿: | 2007/02/07 21:55:40

星界の達人。雑踏で煌く「星」の群れを沢山見れたら、
どんなに見る世界が広がるだろうか。

都会では普段は星は見えにくい。
しかし、想念を巡らせ星空を空想すれば、
銀河の中に自分が浮かんでいる・・・そんな思いを時折抱くことがある。

人脳の醸す意識は宇宙そのものを見つめ、感じ、思うことが出来る。

石の下に住まう小さな生き物の集まりにも、それを見る事が出来る。

この世に散らばるいろいろな「星」の横断疾走を、我もしたいと思うなり。


ずっとしゃべり続けるおかださんも驚異なら、世界を横断疾走し続けるフラワーピッグこと茂木さんも驚異なり。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/02/07 19:03:29

天才脳を抱えながら普通であり続ける茂木さんは
勿論孤独だとは思いますが、私は、そんな茂木さんを
一ファンとして、見守り続けていきたいと思っています。

茂木さんが有名だから、偉い人だからではありません。
そんなことは私にとって無意味なことです。

置かれた現状に決してあぐらをかくことなく、
世界の本当を知るために、
過酷な運命に自ら立ち向かおうとする
その真摯な態度にいつも心打たれるのです。

どうぞ、余計なお荷物を捨てるだけお捨てになって
この世界を横断し疾走してください。
そうしながら、キラキラと光る
問題群をずっとずっと見つめていってください。

投稿: | 2007/02/07 14:12:59

茂木さんのようにいろんな方々に囲まれて仕事をされていても
孤独な気持ちがあるんですね。
でも、それはどんな人にもあるのではないかと思いました。

投稿: 心のつながりコーチ | 2007/02/07 13:47:20

私は、クルマ(タクシーにあらず)から外のビルを見るのが大好きですが…。

昨夜、寝る前に読んだ山下和美の『不思議な少年』にあった
「走れ 走れ 走れ
 止まっているだけでは
 死んでいるのと同じだ」
というセリフを読んで
茂木さんのことを思い出しました。

投稿: | 2007/02/07 9:19:02

星ではないですけど、昨日の夜東の空を見たら赤い月がでていました。

そして、今日は東の空からちょうど太陽が昇っているところを見ました。
一瞬、あれ??月?なんて勘違いしてしまいました。

投稿: | 2007/02/07 8:05:01

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