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2007/02/03

becoming

 取材が何件かあったり、
 修士の三人(「ホッシー」こと星野英一、
「ふじょし」こと大久保ふみ、「へらへらい」
こと箆伊智充)の論文発表の予行があったりと、
目が回る一日。

 アートディレクターの
水野学さんと、フランクリン・アヴェニュー
でお話する。

 ボクが大好きな「アボカド」サンドウィッチを
食べながら、アート、仕事、人生のことを
話し合った。

 ボクが最初にアボカドを食べたのは、
大学生になってからだった。
 ヴァンクーバーのグランヴィルということで、
南アフリカ出身のバジルというおじさんと
一緒に食べた。

 やわらかく、そしてしっとりとした
おいしさのあるそのテクスチャ。
 一口食べて好きになった。

 それ以来、ボクの心の中には、
アボカドだけの場所がある。

 今読んでいるHenri Bergsonの
Creative Evolutionの中には、
becoming(生成)には無限の種類がある
という話が出ている。

 黄色が緑になり、緑が青になる。
幼虫がサナギになり、成虫になる。
 お腹が空く。満腹になる。
 闘う。ジャンプする。

 それぞれのbecomingを、ボクたちは
まるで映画を見るかのように
 同じイマージュの中にとらえる。

 しかし、本当は、事象の数だけと
言っていいくらいのbecomingがあるのだ。

 ボクが、あの日、笑顔が素敵なバジルと
アボカドを人生で初めて口にした時、
 ボクは空前絶後のbecomingになった。

 何でも、
 もう慣れている、なんて思っては
いけない。
 人生のbecomingは、全て初めてで、
そして最後だ。

 ここのところ桜の花が恋しくて
仕方がない。

 草の上に座って、数え切れない
花片の海を見上げるとき、
 ボクはどんな「生成」になるのだろうか。

2月 3, 2007 at 09:09 午前 |

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今日は、通級の指導日でした… 昨日のお話の続きも気になるところですが、チョッと回り道をさせていただきます。 実は、おとといの国語の「説明書を作ろう」という宿題に時間がかかってしまい 「もう、途中で止めて、続きは明日にすれば〜」という私のアドバイスに対して 「どうしても、もう少しやりたいから、15分寝たら起こして!」と頼まれました。... [続きを読む]

受信: 2007/02/04 7:42:19

コメント

茂木さんは、楠勝平の『殿さまとざらざらした味』というマンガを読んだことがありますか?
バジルでもアボカドでもなく水の話ですが…。

投稿: 脱色Lithium | 2007/02/05 14:12:18

ご無沙汰していました。
引っ越しの為、インターネットが使えず暫くコメントが書けない状態でした。
でも、そのお陰で、まんが喫茶に思い切って入ってみることが出来ました。こんなせせこましい所なんだ~、と。
だから、クオリア日記はそこで読ませていただきました。
けれど、コメントはああいった所からは、送れないようになっていました。

偶然ですが、茂木先生がアボガドをお口にされた日、私も近くのおうどん屋さんでアボガドを食べましたので、日記を読んでちょっとびっくりしました。
近くに、おうどんのおいしいお店を発見し、また入りたくなって、2度目に入った時です。アボガドに鶏肉を挟んである一品料理でしたが・・。

私も以前から、アボガドが大好きで、サーモンとアボガドに青じそドレッシングをかけ、そこにレモン汁をかける食し方が気に入っていました。初めてそれを食べたのがいつだったか、それは思い出せないのですが・・。

温暖化のせいか、もう春の気配を感じます。桜の花も今年は開花が早いかもしれないですね。

投稿: tachimoto | 2007/02/05 12:14:37

「人生のbecomingは、全て初めてで、
そして最後だ。」

とっても素敵なお言葉。
またまた茂木先生に惚れてしまいました。

すべてとはいかなくとも、大切な一瞬だけでも
一期一会なbecomingを感じようと思います。


投稿: 和泉 | 2007/02/03 22:22:30

とてもお忙しいのにも関わらず毎朝ブログを書かれていらっしゃるのは、もしかしたら茂木さんにとって自分と向き合う大事な時間なのかしら・・・と思いました。

投稿: 心のつながりコーチ | 2007/02/03 21:45:44

アボカドの、あの鮮やかな黄緑色の柔らかな果肉、自分は生まれてから数回口にしただけだが、草いきれのように青臭く、そして上等なバターのようなねっとり柔らかなテクスチャには覚えがある。

そのアボカドが柔らかく熟する、みかんが熟する、蝶や蛾の幼虫が蛹になり、やがて羽化して成虫となる・・・。それぞれみんな違う変化、生成(becoming)するのに、我々は同じイマージュでとらえがちだ。
本当はみんな違う生成をして現れてくるのに、人間の目からすると同じように見えてしまう、という不思議。

茂木さんのいうように「何でももう慣れている、と思ってはいけない。人生のbecomingはすべて初めてで、そして最後だ」と思ってよくよく世のさまざまなもの・ことの生成のようすを見つめれば、ベルグソンの言葉が真実だということがわかるだろう。

そうだ!
すべての生成は個々によって違う、というのが世界のもの・ことの生成の実相なのだ!


ところで、
明日は立春。きょうは節分。
春の足音は今年は想定外に早く来そうです。桜のたよりも意外と早く来るかもしれません。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/02/03 11:48:04

茂木さん、はじめまして。ブルータスの特集号は常に持ち歩いているくらい茂木さんに興味を持っております。ブログも読み始めましたが、毎朝胸にじんわり来るような綺麗な文章をありがとうございます。綺麗な心に(脳に)お礼が言いたくてコメントさせていただきました。お体に気を付けて、、、ますますのご活躍願っています。

投稿: 尚子 | 2007/02/03 9:27:19

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