節分の豆まきの叡智
ヨミウリ・ウィークリー
2006年2月11日号
(2006年1月29日発売)
茂木健一郎 脳から始まる 第40回
節分の豆まきの叡智
抜粋
生命現象の研究の第一人者として知られ、「ホロン」や「場」などの概念を提唱して多くの影響を与えた清水博東京大学名誉教授の講演を聴き、感銘を受けたことがある。
お話の中で、清水さんはしきりに「鬼」の話をされた。
節分になると、「鬼は外」と豆をまく。子どもたちが鬼のお面をかぶった大人に豆を投げる光景は微笑ましいが、あの行事には日本人の素晴らしい叡智が込められていると清水さんは言われた。
鬼は異質な他者の象徴である。困ったこと、悪いことをする鬼は豆をまいて追い払わなければならない。しかし、防御を完全にして、最初から鬼が入ってこないようにするのではなくて、むしろ鬼が入って来られるような隙間を空けておく。そのような余裕を見せた上で、鬼が入ってきたら豆をまく。そのような他者との生き生きとしたやりとりが、生命を育む「場」としての大切なデザイン原理である。
そのような趣旨のことを、清水さんは言われた。私は、なるほどと大いに共感したのである。
全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。
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1月 28, 2007 at 08:00 午前 | Permalink
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