« On the ecological complexity of novels. | トップページ | 創造するには、バカになれ! »

2007/01/15

みんなが頭を暴走させて

 Brutus編集部の
 鈴木芳雄さんとのお付き合いは
もう何年になるだろうか。

 最初は、ソニーのQUALIAの記事の
時だったと思う。

 髪の毛が長い、ライオン丸のような
人だなあと思った。

 それ以来、事あるごとに
お目にかかってきた。

 半年くらい前に、「茂木さん、
今度、Brutusで特集をしましょう」
と言われたとき、
 「うん?」とあまり意味が
よくわからなかった。

 そのあと、学会の時とかに
ついて来ているなあと思ったら、
 いつの間にか黄色い表紙の
ブルータスが出来た。

 仕上がりを見て驚いた。
 ブログの記事などをうまく使って、
面白いものになっている。

 編集の力というのは、凄いものだと
思う。

 「いやあ、鈴木さんは、編集の天才ですね!」
と申し上げたら、
 「もっと言って、もっと言って!」
とライオン丸が言った。


「ライオン丸」鈴木芳雄氏(左の方です)。
サンクトペテルブルクにて。

 その発刊記念の講演会が
渋谷のHMVであった。

 サイン会の後半、ついに「注文サイン」
をやった。

 「何がお好きですか?」
と伺ってそれを書く。

 一番難しかったのは、
「天使」と「曼荼羅」という二つの注文だったが、
何とか切り抜けた。

 講演終了後、ライオン丸主催の
懇親会があった。

 今回のBrutusで、
すばらしい茂木キャラをデザイン
してくださった漫画家の西島大介さんや、
コメントを寄せてくださった
 電通の佐々木厚さん、
 新潮社の金寿煥さん、
 幻冬舎の大島加奈子さん、
 スタジオ・ボイスの中矢俊一郎さんが
いらして、皆で楽しく話した。

 もっとも、ぼくは途中リュックをまくらに
して眠ってしまったけれども。

 鈴木さん、本当にありがとうございました。
 
 ボクの思春期はバブルで、
日本では「軽チャー路線」が花盛りだった。
 ちょっと知的なことを言おうとすると、
ネクラとか言われた。

 全てを脱構築するという
ポストモダニズムは重要な影響を
与えたが、
 一方で知のファウンデーション自体を
揺るがせた側面もあった。

 今、「総合性」をキーワードとした
新しい知のムーブメントを起こすことが
できるような気がしていて、
 今回のブルータスはその一つのきっかけに
なるように思う。

 懇親会で、ライオン丸鈴木さんの顔を
見ていて、ブルータスの後ろに何かの
姿が見えるなあと思っていたら、
 その正体は知の総合性じゃないかと
はたと気がついた。

 英語のブログの方に書いた
アインシュタインとダーウィンのキメラの
話は案外重要なものだと思っている。

 つまりさ、みんなが頭を
暴走させて、それぞれの高みを目指しても、
 ネクラだと言われたり、
 平均値に引きずり下ろされたり
しないで、
 晴れやかに笑っていられる。
 そんな時代が来るんじゃないかなあ。

1月 15, 2007 at 07:32 午前 |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/55852/13499969

この記事へのトラックバック一覧です: みんなが頭を暴走させて:

» BRUTUS・茂木健一郎特集 トラックバック 屋上者の島へ
脳科学者の茂木健一郎が、中沢新一、平松洋子(2006年度ドゥマゴ文学賞! この年の選考委員をつとめた山田詠美に、久々に拍手をおくりたい)、大竹伸朗、羽生善治というすばらしい顔ぶれと対談しているのを見て買わずにいられなかったブルータス。 各ページ下には「モギダス」と題して茂木健一郎のブログの語録が収められていて刺激的。村上春樹の作品の中で私が唯一、いまだにすんなりと飲み込めずにいる『アフターダーク』についての言及も、なるほど秀逸だと思う。 村上の美質とは、情報とか観念の空間を、グーグルなどとい... [続きを読む]

受信: 2007/01/15 17:10:49

» レポート準備、その前に・・・ トラックバック Little Tree
一月も、気がついたら半分を過ぎてしまい、 いよいよ単位取得のためのレポート提出期限が迫ってまいりました!! というのに… [続きを読む]

受信: 2007/01/16 6:04:45

» モギモギ トラックバック 思考、試行、志向!
 茂木健一郎、梅田望夫、平野啓一郎、『クオリア日記』、『ウェブ進化論』、『ウェブ人間論』。私たちには知る由もない人間のつながりを出版物やブログを通じて知ることができた。  彼らの本を読むと創造性に対して期待と希望がわいてくる。たとえば茂木さんの言説からは、理科と文科の融合。理科の人にとって趣味的でしか語る場所のなかった文学や哲学が実際に自然科学の研究の対象となりうる事。そして梅田さんからはウェブが作りうる新しい�... [続きを読む]

受信: 2007/03/14 21:13:32

コメント

サイン会の後半は「注文サイン」ですか。私は前半に並んでいたので可愛らしいキリンでした。
でも茂木先生の描いた「天使」も見てみたいなぁ。
ただ私が聞かれた場合、わざとイジワルして「茂木先生のこのジャンプしている姿をここ(場所も指定)に描いたください」とか言ってしまいそう。

投稿: 玲美 | 2007/01/15 22:58:40

「みんなが頭を暴走させて、
それぞれの高みを目指しても、
ネクラだといわれたり、平均値に
引き摺り下ろされたりしないで、
晴れやかに笑っていられる、
そんな時代が来るんじゃないかなあ」。

「知の総合性」が新しい時代を開く…そういう時代を作っていかねばならないと、この返事を書きながら深く自覚している。
まぁ、あまり深刻ぶっていてもいけないが…。

日本人の科学離れ・知性の喪失は「バブル」期における
ポストモダンの脱構築と、
知性をネクラ呼ばわりする「知への哄笑」に起因するのではないか。


それはさておき、いまの時代、この島国では
学者も、芸能人も、その他文化人も、
居心地のよい自分達の枠の中に入って、
ただぬくぬくとしている、そんな感じがする…。
(特に学者はそういう傾向が強そうだ)

その枠を何とか粉砕し、
互いに違ったジャンルの人間同士を交流させ、
そこから、みんなで頭を「暴走」させて、

知の総合性を花開かせ、
知性が本当の意味で尊重される、
新しい時代を切り開けていけたなら、
知の暗黒に長い間投げ込まれている、
この島国にも明るい光がさしこむのではないか。

投稿: 銀鏡反応 | 2007/01/15 18:48:14

『BRUTUS』の鈴木さんと、写真に写っている隣の像の顔が
そっくりなので思わずふき出してしまいました(笑)

でも、今回の『BRUTUS』は読みましたが、これ1冊で茂木
先生の実像がよく分かる(全てとは言いませんが…)ものと
なってますよね。読んでいて関心しましたし、1つ1つの記
事の断片を辿ると、茂木先生の考え方を探ることができる、
そんな”全体性”を体現したような雑誌の出来栄えなのでは
ないでしょうか…。

これだけのものを作るには、やはり茂木先生と普段からつな
がりがなければできないと思うし、それだけの関係性が成立
しているからこそ、茂木先生も知らない内に完成を見たんで
しょうね。本人へ直接インタビューすることもなく、茂木先
生の知の創造物だけで、人間”茂木健一郎”を浮び上がらせ
るその編集の手腕…鈴木さん、恐るべし!!

投稿: コロン | 2007/01/15 18:23:12

Brutus買いました。
この特集、なかなかイケてましたよ。一人の人間で特集が組める、ってすごいことだと感心して読みました。ブログのメインイベントが全部写真と記事になっていたので改めて楽しめました。

投稿: APF | 2007/01/15 16:16:55

次元の低い話で恐縮ですが、私 分別ゴミのこと ずっと‘ふんべつごみ’って言ってたんです。 先日、「ぶんべつ でしょ。ふんべつごみじゃあ分別のあるゴミ=sensible garbage 賢いゴミみたい。」と家人に言われました。 あっ ほんとだ! こんな恥ずかしいことばかりの日々です。                    Almighty この形容詞が茂木さんには、ぴったりだと思います。素晴らしい才能をお持ちゆえ、世のやっかみがあるかもしれないけど、気になさらず、どんどん高みを目指して進んでくださいね。

投稿: やまぼうし | 2007/01/15 11:42:04

おんなじ。。ですね(嬉)

茂木さんの時代…ライオン丸の運んだ黄色い本はその到来をつげていたんですね。。
西島さんのキャラクターも、ほんとうに可愛らしい。。
すばらしい本をありがとうございます。

投稿: M | 2007/01/15 9:46:31

コメントを書く





絵文字を挿入