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2006/12/08

そういうこととは遠い世界

 『プロフェッショナル』の打ち合わせが行われる
「社会情報番組」の会議室は、
資料がテープが整然と並べられ、
 けっしてキレイとは言えないものの、
 なんともいえない「ここで仕事をする」
という雰囲気が漂っている。

 片隅にはソファーが置かれている。

 「いやあ、おかげで目覚めたときの
疲れがぜんぜんちがうんですよ」
とうれしそうに言う
 有吉伸人チーフプロデューサー。

 「意味がよくわからない」と思う
人もいるだろうが、
私も大学院生のときは
 椅子を三つ並べて眠っていて、
そのあと「床の上に寝袋で」
という技を編みだし、
 「目覚めが違う!」
と喜んでいた。

 ふかふかのヘブンリーベッドとか、
そういうこととは遠い世界である。


 
 私がいつも見ている光景。左から
山本隆之さん、山口佐知子さん、河瀬大作さん。

有吉さんから河瀬さんまでパンした動画

 河瀬さんは指揮者の大野和士さんを
ブリュッセルで取材してきたが、
 最後の最後に、びっくり!
のシーンを撮影できた。

 有吉さん「いやあ、かわせ、ディレクター
を一生やっていても、出会えるかどうかわからない
シーンを撮れてよかったなあ。これで、
思い残すことはないだろう。卒業制作にふさわしい
なあ」
 河瀬さん「いや、それは、そのですね、ガンジーの
不服従なわけで(笑)」
 
 果たして河瀬さんがディレクターとしての
最後の番組になるかどうか。

 人生、前に進むということは何かを得る
ことであるとともに、失うことでもある。

 住吉美紀さんは小布施名物の「栗鹿の子」
を前に置いて、余裕の表情だった。
 しかし、なかなか食べない。
 
 いつ食べるんだろう、と気になって、
そっちをちらちら見るが、
 手をつけない。

 結局、打ち合わせ中に、「栗鹿の子」
が開けられることはなかった(気がする)。
 それとも、私が気付かないうちに
こっそり食べてしまったのだろうか。

 研究所へ。
 石川哲朗、野澤真一のふたりが研究の
構想について発表。

 石川は神経経済学まわりのさまざまを
良くしらべてきた。
 よくまとまっている。

 ただ、英語のつづりをよく間違える。
 大物なのか、英語力がないのか。
 いまから少しずつ修正していかないと、
論文を書くときにたいへんなことになる。

 野澤の発表。

 「だから、ぼくは、ずーっと不作為の時間が
続いて、突然行為を始める、そのときの
メカニズムが知りたいわけです。」

 じっと聞いているうちに、野澤は、つまりは
暇な人の生活行動パターンのことを言っている
ような気がしてきた。
 そのことを言おうと思ったら、
須藤珠水に先を越された。

 「野澤くんの言っていることは、茂木さんの
ような多動症のひとには当てはまらないわけで」

 ギャフン。
 
 「野澤さあ、betするか、しないとか、そういう
問題設定がなされがちな時に、actionをするか
しないかという一つ引いた設定をしたのは良い
と思うんだよね。あとは、ラットを使うか、金魚を
使うか。人間だとすると、行為のcodingについて
真剣に考えないとダメだよね。タッピングよりは
複雑で、制約のない日常の行動よりはシンプルな、
できれば01でコーディングできるような
文脈をうまく設定できれば、面白い問題になる
んじゃないだろうか。」
 
 野澤は後半は遺伝子の話をしたが、こっちは
どうもまだ茫洋としている。

 有楽町のマリオンへ。
 椎名誠さんとのトークセッション。

 最近文庫化された
『ぱいかじ南海大作戦』
の解説でも書かせていただいたが、
私は椎名さんの本質は「批評性」だと思っている。

 日本の自然について、世界の自然について、
生き方について。人工というものについて。
 縦横無尽にお話しし、時間があっという
間に過ぎた。

 またお話したいと思う。

 文庫本解説から引用。

 ところで、私は学生の時から、「椎名誠さんに似ていますね」と言われることが時々あった。天然パーマのもじゃもじゃ頭がどうやらそんな印象を与えるらしい。ある時、街を歩いていて、見知らぬおじさんにいきなり「あんた、シイナマコトによく似ているねえ」としみじみ言われたこともあった。しかし、その後が余計だった。「もっとも、あんたは少し肥えとるけど」

 (茂木健一郎 『ぱいかじ南海大作戦』解説より)

 えーい、見知らぬおじさんよ、うるさいうるさい。

 怒濤の腕立て腹筋ヒンズースクワット攻撃を
するから見ていろ。


 セッションの後で椎名さんと。

12月 8, 2006 at 08:49 午前 |

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受信: 2006/12/19 1:30:20

コメント

ずーっと不作為の時間が
続いて、突然行為を始める、そのときの
メカニズム


面白くないですか?

面白いとおもうけどなぁ

投稿: 暇人 | 2006/12/11 22:30:04

こんばんは。
『プロフェショナル』制作の会議室からプロフェショナルな皆様の
心地よい緊張が伝わりました。

それから、椎名さんと茂木先生のお写真、な~んか、モーツアルトとサリエリみたいに見えま~す! 椎名誠さんは、嫉妬深い方では無いと思いますが。(私は椎名さんのことも好きです)

良く見ると、一つ一つは似ていないのに、全体的に見るとちょっと似ているのですね。髪の毛と、お腹から響く透明な声の質が似ているのでは? お二人ともとっても良い声の持ち主だと思います。

このお写真、遠近法が使われていますね。(笑)
ヒンズースクワットをやっている茂木先生は、シュークリームみたいで可愛いい! 

それから、今日、もう終わってしまうと、焦って、渋谷の文化村で『エッシャー展』を観てきました。
数学的、宇宙的3次元が知的興奮を呼び起こしました。茂木先生はお好きでしょうか?


投稿: tachimoto | 2006/12/08 23:30:25

わかります。
住吉さんの気持ち、たぶん。
だって私のデスクの引き出しにも小布施の「栗かのこ」、
かれこれ1週間ぐらい入ったままです。
(あ、私の「栗かのこ」はスチール缶入りのです)
たまに引き出しをあけて、ちょっと取り出して、またしまいます。
なんか、あわてて食べたくないんです。
ちょっと渋めの、でもあとから甘味が一瞬立ち上るような美味しいお茶と一緒にゆったりと、
栗の風味の広がりを、あの長野の風景に重ね合わせて堪能したい…と思うわけで。
だから、仕事しながら、とか、
打合せしながら、とか
さっきお客さんに出したお茶の二番煎じとか…で食べたくない。
そう思わせる特別感があります。

つい「栗かのこ」に反応してしまい、ひさしぶりのコメントでした。
それにしても、よく似ていらっしゃる!!
しかし遠近感が…。
椎名さんがすご~く遠くに見えるような…。
あ、何か「アハ!」があるのかな。

投稿: kyono | 2006/12/08 20:55:01

上のコメントの追加。

>怒涛の腕立て腹筋ヒンズースクワット攻撃をするから見て居ろ!

…そういえば、茂木さんの腰周りがココロなしかすっきりしたように最近、見受けられますが…。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/12/08 18:25:00

昨夜のトークセッション、とても面白く拝見致しました。トテモ楽しくてしかたのない1時間でした。

写真を拝見しましたが、ご両人ってなんとも、やっぱりお互い雰囲気が似ている。

興味をそそられたのは、椎名さんが何故かよくホームレスと間違われる、という話で、それほどホームレスの人達と違和感がない人なのかな、と思った。あの椎名誠が…。

そういえばトークショーで、椎名さんは茂木さんに「茂木さんもホームレスに間違えられやすい」というようなことをふっていたような気がするなァ。
茂木さんもこういうと悪いけれど、山谷あたりにいらしたら間違いなくホームレスの人に「仲間か?」と間違われて声をかけられそうだ。

その茂木さんのメールサーバーに不具合…なんて、コメントはしたものの、明日が何だか少々心配だ。果して更新は為されるのか。メールサーバーの復活を念ずる。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/12/08 18:22:34

拝啓

私は学生の時ですが
そんなおじさんは放って置いていいものですね
問題は今ですね

私は沖雅也という人を知っていますが
80年までは目で演技できていました
ところが病気に掛かり目が「ボー」っと
焦点が合わず遠くを見る様な感じに
なっていました。最後は周知の通りです

私はバイクの販売もしていて知り合いが来ると
目つきが違うときがあるので、「違う話題」をして和やかにします
すると「実は・・・悩みがあったのです」っとおっしゃいます
私は「修理が無くてもいらっしゃい。」というのです

目標や生き甲斐を持った者は眼が輝いていると思います
その人のオーラーが出ています

茂木さんもオーラーが出ており
「私の一番テレビで見たい方です」
人は姿形で決まるものでないと信じています
どんな人に対してもです
これからも茂木さんを応援していきます
頑張って下さい!

敬具

熊本の赤尾より

投稿: 赤尾 治 | 2006/12/08 12:37:19

写真・・・やはり一つ一つ顔のパーツがとても似ていますね、おじさんの言うところの相違点もある意味で的を得ているような・・・(笑)。
自分も初めて茂木さんを写真で見かけたとき、愛読している椎名誠さんの表情とと、とても似ている印象を受けたのを覚えています。それにしてもお二人がどのような内容をお話されていたのか非常に興味深いです。
自身が残した言葉、対面した相手によって初めて生み出される言葉、自分も椎名さんと是非一度他愛も無い話をしたいと思っています。 井野

投稿: YUSHI | 2006/12/08 10:36:39

「似ている」という事で。

こんな事をこんなところに書くのは恐れ多いと言うか、躊躇してしまいますが…思い切って。

私は、「茂木健一郎さんはパク・ヨンハさんと似ている。」と思っているのですが、言われたことはありますか?‘冬ソナブーム’を巻き起こしたNHKでお仕事もされているので、口に出さずとも内心思っている人がいるのではないかと踏んでいます。

私は中学生の時、何処だったか関西の方の駅のホームで「母親そっくりの誰かの母親」を見たことがあります。思わず近づいて見てしまったのですが、娘の私が見間違えるくらいそっくりでした。それはかなりの衝撃と変な違和感で、不思議な経験でした。

脳科学のことは全く分りませんが、自分や自分と近い関係にある人とそっくりなヒトに会った時、脳はどんな反応をしているでしょう?そんなことを考えるのは素人でもちょっと面白いです。

それでは。

投稿: 橋本真美 | 2006/12/08 10:18:29

ときおり、地蔵症になります。動かずじっとしてます。
そんなとき、多動症の人がうらやましく思います。
おそらく、地蔵症の人は多動症にあこがれるけど、その逆はないように
思います。

あんなに動けていいなあ・・・地蔵→多動

よく、あんなじっとしてられるよ・・・・多動→地蔵

            がよくあるパターンではないでしょうか。

野沢さん、がんばってください。


スクワット続けてらっしゃるか気になってました。


投稿: 平太 | 2006/12/08 9:54:44

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