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2006/11/09

それこそがSturm und Drangの徴表となる

朝からずっとのど飴をなめたり、
シュッシュしていたりしていたので、
 すっかり口の中が甘くなった。
 
 「アナウンサーが喉をいためた時には、
砂糖水を飲むんです。大分違います」
 とのことで、
 砂糖水も頂いた。

 やはり、ハスキーボイスでは、
エネルギー
全開というわけにはいかない。

 パッションで話す方だから、
ヴォリュームが出ない分、
 身振りや前傾姿勢で
何とか伝えようとする。
 
 そのうちに、「この声が所与」
と思えるようになってきて、
板についてきた。

 これやそれやで、やっとこさ
90分の話を終えた。
 
 やれやれ、と飛行機に乗り、
 羽田空港に降り立ち、
歩いている時に、ふと、そうか
ボクは新生児になったのかと思った。

 身体が自由にならない。
 喋りたくても、話せない。 
 自分の欲動と、できることの間に
乖離がある。
 これは、つまり新生児の状態ではないか。

 生まれたばかりの赤ん坊は、
まだまだ
できることは少ないが、
 自他未分離の宇宙で、
方向性の定まらない欲動に駆られて、
 魂を動かし、
 身体をバタバタさせて
 周囲の大人たちを瞠目させる。

 やりたいこととできることの
間に差があるという乖離の傾向は、
 青年期になってもなおも顕著であり、
 それこそがSturm und Drangの
徴表となる。
 「大きなことをやるぞ。それが何だか
わからないが」
 それが青年だ。

 ボクは声が出なくなって、
 新生児や青年期の
甘酸っぱい切なさを思い出したよ。

 『プロセス・アイ』の川端武志の声が
出ないのは、彼が新生児だからだったのか。

 明けて今朝、声はまだ完全ではない。
とにかく喉を休めておくしかない。
 今日の収録の長丁場、うまく乗り切れると
いいのだけれども。

11月 9, 2006 at 07:20 午前 |

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コメント

茂木さん、こんにちは。
初めまして。
喉の調子はいかがでしょうか。
先日電話で母が、「酢と塩を入れた水でうがいをすると喉の痛みが治る」と言っていました。母がどこで得た情報かは不明?ですが、実際に母はこれで良くなったそうです。

しかしハスキーボイスの茂木さんもきっと素敵でしょう。

投稿: | 2006/11/10 7:52:39

過去 プロセスアイを読んで 予言の書に思えた。

  そして 今日 読み返し いま と思えた。

         驚いた。  本当に 驚いた。

投稿: | 2006/11/09 20:12:44

茂木先生、まだお声は本調子ではないようですね。無理を為さる事無く、咽喉を時々ゆっくり休ませながら、リハビリすると、少しずつだがもとの声にもどると思いマス。あと砂糖水以外にも、蜂蜜を舐めても効果があるかとも思いマス。いずれにせよ無茶をしなければ、声は戻ります。

声が出なくなったり、身体が急に不自由になったりすると、人間は、やりたい事と出来る事との乖離が広がって行く…そのとき、大人でも新生児状態になるのだろう。

私は風邪を引いても完全には声を潰したことは無いが、それでもやりたいことと出来る事の差が出来てしまう。

ヘレンケラーは、生涯、話せない、見えない、聞こえないの3重もの不自由を抱えながら、歴史に残る素晴らしい業績を残した。新生児状態になっても、手助けは必要とするものの、ありとあらゆる表現法を使って、世界中の人にメッセージを送りつづけた。

Strum und Drangの思いがヘレンケラーの魂の中にも燃え盛っていたとしたら、彼女は永遠に「青年」として生きたのかもしれない。

フラワーピッグももうすこししたら声が出るようになるかもしれないが、疾風怒濤の魂の情動は声が出ようが出まいが、止めることは出来ないだろう。どんなジェスチュアを使っても、必死に熱い思いを伝えようとする。それが「青年」なのに違いない。

精神的に、何時までも「青年」である為には、「理想」を死ぬまで抱き続けることだ。今の世の中、世間の世知辛い“風”に負けて、簡単におのれの抱いてきた「理想」を棄ててしまう若者が多い。しかしエーリヒ・フロムもいうように「理想を棄てた時、人は初めて老いる」のだ。理想を棄てる青年は、もはや青年ではなくなり、その時点で「老人」となる。渋谷や原宿を着飾って歩いている若者の胸に「理想」はあるのかないのか、彼等の胸に「理想」が是非あってほしいと願いたい。

何時如何なる状態になっても、人は決して自分の抱いてきた「理想」を棄てなければ、永遠の「青年」の気概で生き抜けることが出来るのだ。

茂木先生も、声の出ないことにめげずに、青年の気概と情熱を燃やして、人生のフィナーレまで生き抜こうではありませんか。

長文乱筆お許しあれ。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/11/09 18:33:34

 喉が痛いのはつらいですね。甘いものも効くと思いますが、足首や手首を暖めるのも案外効きますよ。足湯がいいと思いますが、それができないときは、サポーターのようなもので(締め付けないものがよいです)暖めると良いと思います。あと、耳たぶを引っ張ってぐるぐるするのも効きます。空気が乾燥しているのでなおさら辛いですね。熱い蒸しタオルの湿気を吸うのもほっとします。お大事にしてください。

投稿: | 2006/11/09 8:08:59

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