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2006/11/01

イカの認知科学の問題

朝はよくNHK・FMの「ミュージック・
プラザ」をかけている。
 クラッシックの曲がかかるが、
時々発見がある。

 ここ数日、「入門曲」のようなセレクションが
多く、
 今日はラベルの『ボレロ』がかかった。

 『愛と哀しみのボレロ』のラストシーン、
ダンサーが延々と踊る場面を思い出す。

 NHKの打ち合わせの時に、
フリスクを出したら4粒しかなかった。
 一粒食べて、隣りの有吉伸人(ありきち)さんに
「すみません、あと三粒しかないのですが、どうぞ」
と置いた。
 住吉美紀さん(すみきち)は「私はだいじょうぶです」
と言った。

 フリスクが少なかったので、山の中でおにぎりを
分け合っているような図になった。

 ゼミ。修士2年の三人が、研究の進捗状況について
報告。

 このような時に的確なフィードバックを
しなければならない。
 
 一生懸命考えて、次々とコメントする。

 「箆伊さあ、リアクションタイムは取ってあるんだ
っけ?」
 
 「lateralityの問題ばかりでなくて、つまりモーター
モダリティの具体的な形を考えないといけないん
じゃないか。指といっても5本あるわけだし、足とか
顎をつかったっていいわけだし。」

 「simultaneity judgment、という出発点から
始まっているから、どうしてもsensoryという
視点でやってしまうけれども、本当にお前が
やるべき解析は、より次元が多いわけで、
motor actionのtimingをexplicitに入れないと
ダメだよね。
 プログラミングだけど、t1, t2, t3, t4の
関係は具体的にどうなっているの? そうか、
t1だけを参照するようになっているのか?
 Δtは均一分布だから、データのサンプル数は
同じなんだよね。」

 「大久保のこのゲーム、今はthree party ultimatum
と言っているけれども、prisoner's dilemmaとか、
本家のultimatumとか、何かあのようなシンプルで
的確なnamingを考えた方がいいね。
 それは、つまり、real life situationで何に対応するか
ということをきちんと考えることにもつながるし。
 jealousy gameかなあ。」

 ここで、野澤真一が、「連れ子ゲーム」というのが
いいんじゃないか、と言ったので、 
 爆笑した。

 池上高志に電話。
 「あのさあ、池上研で繰り返しゲームをやっていて
一番詳しいのは誰?」
 「オレかなあ」
 「あっ、そうか。じゃあ、大久保ふみが繰り返し
ゲームをやっているので、今度議論して欲しいん
だけど。」
 「うん、いいよ。」

 「どうすればいい?」
 「寄こせよ。」
 「わかった。寄こす。」
 「ありがとう。じゃあな、see you bye!」
 「ああ、see you bye!」

 「星野さあ、これ、object recognitionの問題
じゃなくて、ちゃんとspatialなanchorと結びつける
には、geometricalな発想から抜け出すことも
考えた方がいいんじゃないか。
 たとえば、shadingとか、light sourceとか、
そういうのをmanipulateするとかさあ。」

 白金台の「掘兼」へ。
 経営コンサルタントの波頭亮さん、
 建築家の團紀彦さんと会食。

 お二人は釣りに造詣が深く、
 聞く話がいちいち眼からウロコである。

 「イカ釣りをね、シャコでやるんですけれど、
なぜかあたりシャコというのがあるんですよ。」

 「はあ」

 「それが、色なのか、形なのか、動きなのかは
わからないのです。とにかく、なぜか、その日は
そのあたりシャコばかりにイカが食いつく。
 身がとれかかっちゃって、ボロボロになっても、
なぜかそのシャコばかりにイカが食らいつくのです。」

 「イカの認知科学の問題だなあ。」

 「疑似餌はいろいろな色があるんですが、
その時の時刻とか、潮目とかで、なぜか
ある色だけにイカが食らいつくのです。」

 「はあ」

 「しかし、その当たりの色ばかりにすると
どうなるかというと、今度はなぜかダメになる
のです。」

 「それもイカの認知科学の問題ですね」

 「水深400メートルのところから、
手動のリールで引き上げるのです。15分も
かかるのです。」

 「うわあ」

 「團さんのもぐりはすごいですよ。
水深20メートルのところで、
ヒラマサを水中銃で撃つのです。」
 
 「ひえー」

 「当たると、向こうは必死でさらに
深いところに潜ろうとするから、
 下手をすると引きずり込まれてしまう。
 手が絡んだら、一貫の終わりですよ。」

 「うひゃあ」

 團紀彦さんのお父さんは、團伊久磨さん。
 仕事場の八丈島に子どもの頃から良く行っていた
ということ。

 ビールと日本酒を少々飲み、
 途中から冷たいお茶に切り替える。

 竹内薫の出ている「ニュースZERO」
に向かうために、
 車が迎えに来た。

 乗って3分もしないうちに、
お腹が痛くなってきた。

 車を止めていただき、
道ばたのバーのトイレを借りる。

 首都高を汐留で降りるあたりで、
またお腹が痛くなった。

 日本テレビで正露丸をもらう。

 ここのところの過密スケジュールと、
冷たいお茶をがぶがぶが良くなかったの
だろう。

 秒刻みのニュース報道の現場では
段取りと進行と臨機応変のアスリートたちが大活躍。

 プロの仕事は、どんな分野でも、
見ていて気持ちが良い。

11月 1, 2006 at 08:19 午前 |

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さて、小学校の記憶をたどってみるうちに… 今朝、目覚めたとき、もうひとつ思い出したことがありました。 時間を順に追って、お話しするのもいいけれど もう少し遡ってから、何かを探してみることにいたしましょうか… [続きを読む]

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コメント

昨晩のkaoru先生&モギ先生の
「夢のツートップ」拝見しました!

でも、この直前まで
おなかゴロゴロ状態だったとは
思いもよりませんでした。
(そういわれればいつもよりも
少し元気がなかったような気が...)

ホントお体には気をつけてくださいね。

モーツァルト・アレルヤ(Exsultate,jubilate)で、
「Ⅱ・レスタチーヴォ」終結部の
深い底でうごめくような状態から
「Ⅲ・アレルヤ」へと一気に、軽やかに昇華される
あの一連のパッセージが自分は大好きです。

投稿: zitterbewegung | 2006/11/01 21:56:19

イカ(烏賊)というのは、不思議なもんですねぇ。決まった色の蝦蛄(シャコ)にだけ食いつく習性があるなんて、イカの認知科学の問題は意外や奥が深そうだ。

フラワーピッグなる茂木先生。、この日もいそがしモードだ。ゼミで学生たちの研究結果に考えながらコメントを出したり、夜は日テレで「ニュースZERO」の収録に臨んだり…と、あんまりイソガシすぎたので、とうとう、お腹に疲れが来たようで…。

ついに正露丸のお世話になる茂木先生。その正露丸は「ラッパのマーク」のあの正露丸なのでしょうか?

明日は寒くなるので、お腹の調子や疲れに気をつけてください。

きょうはdictionaryの日ですが、私も疲労しているので、きょうは凝れなくなりました。相済みません。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/11/01 19:02:02

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