奇跡のリンゴ
『プロフェッショナル』のゲストにいらした
木村秋則さんの人生は、
ドラマティックで感動的な
ものだった。
こんなことが本当にあるのか、というくらい。
農薬散布でご自身や奥さんの皮膚が
やられたことをきっかけに、
不可能と言われた無農薬によるりんご作り
に挑戦して、8年間、りんごが出来ない
どん底の時代を経験する。
その間、キャバレーの呼び込みの仕事をしたり、
東京に出稼ぎで出てきて、山谷でホームレスを
したりする。
収入がないので、子どもたちにロクにものを
買ってやれない。一つの消しゴムを三人姉妹で
切って使うような生活。
もうこれまで、死を覚悟し、とロープを持って岩木山に
登っていく。
月がきれいだなあ、見下ろす夜景が美しいなあ
と思う。
突然、リンゴの木が眼に入ってくる。
なぜこんなところにリンゴの木が、と
駆け寄ってみると、それは良く似たドングリの木だった。
それで気がついた。山の中の木は農薬を使って
いないのに、虫がたくさん付いたり、病気に
なったりしていない。
下の土を掘ると、ふかふかとやわらかい。
これだ!
と夢中になって山を駆け下りる。
死に場所を求めにいったということは
もう忘れていた。
土作りから改めて始める。
7年目の初夏。
不安で、畑を見に行けない木村さんの所に、
隣りの人がやってきて、
「おい、木村、花が咲いているぞ!」
と教えてくれた。
おそるおそる、小屋の陰から
畑を覗き込むと、
本当に一面の白い花が咲いていた。
涙があふれて、止まらなかった。
一人で、りんごの花に囲まれて酒盛りを
して祝った。
りんごの木にも、「ありがとう」
と言いながらお酒をかけてやった。
ついに無農薬のリンゴができた。
しかも、無肥料である。
木村さんのリンゴは、濃い味がする。
甘いとかすっぱいを超えた、リンゴの味がする。
不思議なことに、切って置いていても、
色が変わらない。
そして、腐らない。良い香りを保ったまま、
ドライフルーツのようになっていく。
農薬を散布する通常の農業は、結局、
畑の生態系を破壊して、モノカルチャーに
している。
そんな中、植物はクスリ漬けになって
いる。
そこからできる作物は、本来の生命力を
奪われている。
木村さんの畑には、様々な虫がいる。
雑草も生えっぱなしだから、植物の種類も
豊富である。
しかし、その生態系が多様なため、
一つの虫が大発生するということがない。
農薬を散布する普通の畑は、
いわば力で押さえつけている不自然な状態
であるため、
何かスキがあると、そこを突いて
害虫が大発生する。
一方、自然の複雑な生態系は、チェック&
バランスが働いているから、単一の害虫が
支配的になるということがあり得ない。
豊かで複雑な生態系を保つことと、
作物を収穫するということは両立しないと
思いこまされていたが、
木村さんはそれが可能であることを証明
した。
しかも、命があやうくなるような長い
暗いトンネルを抜けて。
複雑系の制御は、農薬を使うような
単純なモノカルチャーの制御に比べると、
難易度が高い。
木村さんも、リンゴ畑を放置している
わけではく、様々な細かいノウハウを蓄積
している。
一般社会が、コンピュータやインターネットの
発達によって、単純なモノカルチャーから
多様性を生かした豊かなエコロジーへの
志向を強めている中で、
農業はいつまで不自然なモノカルチャーを
続けていくのだろうか。
木村さんが苦労してつくり出した
無農薬のリンゴは、
人類に来たるべき未来への叡智を与えてくれる
「智恵の果実」なのかもしれない。
それにしても
忙しい一日だった。
収録の前に、渋谷エリアで
4件の打ち合わせ、取材。
その他にも様々な締め切り、考える
べきこと。
収録が終わって出てきたら、
NHK出版の「怪奇オオバタン」こと、
大場旦さんが待ちかまえていて
「茂木さん、もうこれからは時々
NHK出版に来て原稿を書いてもらうしか
ないですね」とすごんだ。
働く人は、みな働いている。
木村さんとの打ち合わせの後半、
有吉伸人さんがウーロン茶に切り替える。
住吉美紀さんは最初から飲まない。
どうしたのかと思ったら、
10時からの「海猿」寺門嘉之さんの
回の放送対応を終えてから、
11時から打ち合わせなのだという。
「そうしないと、仕事術スペシャルの
スタジオ収録に向けて、間に合わないんですよ、
茂木さん」
と住吉さん。
働く人は本当に働く。
木村さんの気が遠くなるような畑仕事の
ことを思い、
それゆえに可能になった奇跡に感謝し、
ぼくは目の前の木村さんに言った。
「木村さんのリンゴ、ネットで売り出すと
10分で売り切れてしまう、ということですね。
でも、もっと高くしていいですよ!
産直で、一個300円じゃなくて、
600円取っても、1000円取っても
いいですよ! 都会の住民からはね、
それくらい取ってもいいんですよ!
それでも買う人はいますよ、このリンゴ。
それで、ロールスロイスでもベンツでも
乗ってくださいよ、木村さん!」
木村さんはカーマニアなのだ。
日焼けして、しわだらけになった
その手で、
好きな車を運転させてあげたい。
農薬代とか、農業機械の料金とか
かからないからと、
木村さんは謙虚に一個300円で売っているが、
もっと高くしたっていいんだよ。
都市住民からは、ふんだくっていいんだ。
そして、もっと地方が豊かになれば良い。
正義なる所得移転だよ。
普段は感度が落ちているが、
木村さんを前にして、それから
六本木ヒルズ族の傲慢を思うと、胸くそが悪くなる。
ITばかりに価値があるんじゃない。
農薬は必要悪だとばかり思いこまされて
いたが、
もしそうではない道があるとするならば、
私たちはそれを懸命に探し求める
べきじゃないか。
虫たちが戻ってきたら、オレも養老孟司
さんもうれしいよ。
やるべきことはたくさんある。
どん底を突き抜けた明るさで笑う
木村さんは、偉大なるパイオニアだ。
11月 3, 2006 at 08:04 午前 | Permalink
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農薬を使わず、ふかふかの土を作る。害虫は来る、しかし、それを捕食する昆虫も増える。うどんこも出る、しかし、それを食するものも来る。
黒点は出る、しかし落葉するほど広がらない。奇跡のりんごでは葉のなかに、病原菌と拮抗する、善玉菌が増えるのが、顕...... [続きを読む]
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» 東洋医学とりんご栽培−「仕事の流儀『りんごは愛で育てる』」を観て トラックバック 鍼灸師のツボ日記
すごい番組を観てしまいました!
皆さんもよくご存じのNHKの『仕事の流儀』です。
この番組は録画して欠かさず観ていますが、今回がダントツで一番面白かったのです。プロフェッショナルが語る言葉がいつも楽しみです。正直、期待はずれだった回もよくありましたが…....... [続きを読む]
受信: 2006/12/11 17:21:03
» 奇跡のりんご トラックバック みどりとのくらし+LOHASな起業日記
奇跡のりんご@茂木健一郎 クオリア日記
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2006/11/post_35ec.html
おお! [続きを読む]
受信: 2006/12/18 7:54:58
» 奇跡のリンゴを作った人 トラックバック 虹色オリハルコン
奇跡のリンゴ
絶対不可能を覆した農家木村秋則の記録
石川拓治・著
この本に出あえたことが、今年の夏の1番の収穫ともいってよいくらい、胸がいっぱいになってしまいました。
ゴアさんの「理性の奪還」も、畠山重篤さんの「鉄が地球温暖化を防ぐ」も、パワーの本だったけど、この本は、それらを凌駕するほど素晴らしく、奇跡のリンゴを育てた木村秋則さんに涙が出てきてしまいました。
このところ私がずーっと思っていたこと、それは、自然のことは自然にうまく任せるのが一番良いのだということ、人のできるのはそれをお手伝い... [続きを読む]
受信: 2008/08/16 0:52:37
» 「奇跡のリンゴ」読みました トラックバック ジャムおじさんのひとりごと
なかなかすごい人生で [続きを読む]
受信: 2009/01/08 21:57:23
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コメント
木村さんの天真爛漫な笑顔に惹かれました。
本当に大切な事を木村さんは教えてくださいます。感謝!
投稿: oshima | 2009/10/17 13:22:14
「腐らないリンゴ」の教えてくれるもの、
動植物や人の健康が得られ、「真の健体」を貫いた人々の記録を知ってください。
「腐らない遺体で逝く人々」、日本の石神医師は、御自分のお父様が、
死臭死斑がなく死後の体温、死後硬直が緩やかな「昇天現象」の記録を、記録フィルムへ残してくれてゐる。
真の健康は、薬物や化学物質を使って得られる状況ではない。
山川草木の健康なしに人体のみが健康というのでは理屈に合わない。
日本には、「腐らない遺体を遺し来世の誕生日」を迎える人々が居る。
世界にも、ルルドの泉を発見した少女、パラマンサ・ヨガナンダなども同様の現象を遺して居る。
常温でも死後、体組織、体細胞が腐敗しない現象を、現行医学や科学者達は真摯に受け止め、探査研究して頂きたい。
私たちの生活は、天然自然の力学へ殉じ、自然治癒、自然回復力を存分に受けられるべきが、人造人工の理屈に阻まれてしまってゐる。
学派、学閥、既得益を求めて経済原則ばかりを崇拝して、真理を見失ってしまっている。
私達の「大親・大自然」へ御奉公する、真の大親孝行を忘れてしまった様です。
往生・昇天と「腐らないリンゴ」の現象を引き起こす力・原理は同一のもの、科学者は、之を学び、世界へ希望を輝かせて欲しい。
宗教家もね・・・・・・・。
投稿: 長谷川 豊 | 2008/08/10 23:54:52
謙遜な木村さんの人柄が素敵です。少しでいいからわけて貰いたいです。
投稿: 関根恵子 | 2008/01/28 14:58:14
農薬を使わず、肥料も使わない。そして生態系をも管理する。
これはもう・・木村秋則さんは林檎園の神的存在といっていい!
そんな、あ り が た い 木村さんの林檎は一人一個限定にするべき!!!
食べたことある人、もしくは今食べている人、2個も食べてんじゃNEEEEEEEEEEE
そして林檎スープ・・・・ミキサーにかけてんじゃNEEEEEEEEEE
投稿: 木村さんの林檎をネットで探した人 | 2006/12/12 16:28:39
2002年キューバへのお土産に「光合成菌」を持って出掛けました。9・11以降チェックの厳しいアメリカを避けてメキシコシティ経由でしたが冷や冷やものでした。
自然農法と微生物は密な関係です。これを実践している若者たちが知多半島に居ます。キューバ行きの前に一ヶ月お邪魔させていただきました。
植えた端から夜盗虫という蛾の幼虫に食われるサニーレタスの苗にも「いかんだぎゃあ」と言いながら農薬なしを続けています。彼らは「ほんとは肥料もなし」の完璧な「自然農法」といきたいのですが今のところ「有機止まりだぎゃあ」と、もどかしい様子でした。
彼らの寮の図書室で初めて知ったのですが「自然農法」の提唱者、岡田茂吉、この人の全集に目を奪われました。世界救世教の始祖である事で誤解を招く(とかく宗教にナーバスなこの国では、ね。おっとー、私にしたところでそうでした)おそれがあるかもしれませんが、皆様の御一読をお勧めします。
「キューバはどうだったか」ですって? そりゃあもう、丁度クリスマス時期だったので「君はハポンから来たアンヘルか!」と、トロピカル農業研究所の博士に抱きすくめられちゃったのですよ。
投稿: 福井雄一郎 | 2006/12/02 13:40:16
昨夜 「筑紫哲也NEWS23」で木村さんをみてテレビを見てはじめて感動というか表現できないものを感じました。朝おきて愛犬の散歩中でも仕事中でも頭からはなれないです。7-8年無収入が、家族、子供の生活・・どん底の生活 ただいまは木村さんの林檎園にいってりんご食べたいですね。それと木村さんにはりんご1個2000円以上で販売してほしいですね。1個1万でもいいとおもいます。青森県に住んでいて今年も各地の知人にりんごたくさんおくりました。来年は入手できれば木村さんのりんご送りたいです。
投稿: 青森/八戸の愛犬家 | 2006/12/01 23:14:43
木を見て森を見…
無農薬よりも無肥料であることの意味に着目してほしいですね。
木村さんのお話を聞いていると、福岡正信さんのみかんの木の話そっくりなのですが、木のせいでしょうか?
投稿: 空 | 2006/11/30 23:33:05
いつも番組を拝見させて頂いています。
私はITベンチャーを起業しようとしています。
ITばかりに価値があるわけではないことは同感ですが、
IT業界=六本木ヒルズ族と結びつけて否定するのは違うと思います。
IT業界の中で六本木ヒルズ族のような人種はごくわずかで、
安い給料であり得ないぐらいのハードワークをこなし、
その結果半分うつ病になりかかりながらも、
世の中に新しい価値を見出すために、
日々頑張っている人も中にはいますので。
投稿: tanigox | 2006/11/08 15:58:21
いつも番組を拝見させて頂いています。
私はITベンチャーを起業しようとしています。
ITばかりに価値があるわけではないことは同感ですが、
IT業界=六本木ヒルズ族と結びつけて否定するのは違うと思います。
IT業界の中で六本木ヒルズ族のような人種はごくわずかで、
安い給料であり得ないぐらいのハードワークをこなし、
その結果半分うつ病になりかかりながらも、
世の中に新しい価値を見出すために、
日々頑張っている人も中にはいますので。
投稿: tanigox | 2006/11/08 15:58:10
いいお話ですね。
投稿: くりおね | 2006/11/05 7:40:26
はじめまして。こんばんわ。
フラッと立ち寄ったつもりが、
グッと身を乗り出して読んでしまいました。
木村秋則さんとは違う方法論かもしれませんが、
以前、永田農法というのを、
かいつまんで見聞きしたことがあります。
例えばトマトなら、
原種のある中南米と同じようにやせ細った土壌で育てることで、
トマトが相当甘くなる…らしいです。
実際に確かめてないのがいけないっすね。(苦笑)
でも、
農業に限らず、
日頃の生活でも、
元々ある環境に無闇に手を加えたり、
意図的にどうこうしてやろうとしたりするのが、
一番悪い結果をもたらすことを、
端的に証明しているように、
僕には思えるのです。
パッと見は過酷そうに見える環境も、
ある人やモノに取っては、
多くの実りをもたらす場合があることに気付いていないか、
全く考えてもいないのではないかと、
僕は思いました。
木村さんのリンゴを、
ぜひとも食べてみたいです。
投稿: チンゲン斎 | 2006/11/05 1:26:16
8年間もりんごができなかったんですね。
どんな思いだったのだろうと想像だにできません。
「日焼けして、しわだらけになったその手で・・・」
その計り知れない木村さんの努力に敬意を表します。
木村さんの林檎園に行って赤いりんごを見たくなります。
食べるは勿体無いですね。
手をかけるということをしなくなった今の時代にそこに行くと
生きていくというすべてのことが学べそうな気がします。
投稿: sakagutinoriko | 2006/11/04 8:37:29
流儀、ますます楽しみです。
感度について思うこと。タバコをベランダで吸う人、ちぎれるくらいばんばんベランダで布団たたく人。にぶいと思う。
自分の家族に副煙流吸わせないために、せまいベランダでタバコを吸い、結果隣家にそれが流れ込むことについての罪悪感を抹殺し、
布団のほこりやダニを自分の家に持ち込まないよう、たたきまくり、階下の家庭や隣に撒き散らすことには、無関心を装い、
徹底的にやり通す人。感度鈍いと思う。
こういう思想がはびこっていることに非常に不快に思い、また社会の病的思想を連想させ、そら恐ろしく思う。
木村さん的思想、発想が広がって欲しいと思う。
そのりんごを食べることから・・でしょうね。
茂木さんのお母さんにそのりんご食べてもらいたいですね。
きっとたいへん喜ばれるでしょう。
投稿: 平太 | 2006/11/03 14:57:36
びっくりしました。
こんな夢のようなお話があるなんて。。
色が変らない、腐らずドライフルーツになるなんて、ほんとにすごい・・奇跡のりんごですね。
叡智のりんご。自然のパワー、それに木村さんのパワーが加わるから、そうなるのかな。。
暗いトンネルを経験した木村さんは、できるだけ多くの人に食べてもらいたいとお思いなのかもですが、
ほんとうに、わたしも都会向けにはお値段を上げたほうがいいと思います。
でもあんまり高くすると、それこそ一部のヒルズンとか、高いだけでとびつくかたに持って行かれてしまいそうなので、せめて倍くらいには・・・
救いの手を差し伸べたどんぐりの木も。。。
自然ってほんとうに、すごいですねえ。
投稿: M | 2006/11/03 12:36:44
ロープを持って“死出の旅”のつもりで立ち寄った山で、彼はどん底から光を見いだした...。そこから彼の不屈の戦いが始まった。
彼、木村さんの半生はまさに絵に描いたような波瀾万丈の日々だった。極貧の地獄から立ち上がり、ついに無農薬の美味しいりんごを完成させるまでの、その血のにじむが如き戦いに、私も賛辞をおしまない。
色が変わることなく、腐らず、好い香りを放ちながらドライフラワーのようになるなんて、我々が知るりんごのイメージがいとも簡単に覆ってしまう。一度でいいから、たべてみたいなぁ。
我々は毎日の食生活の中で、如何に添加物だらけ、農薬まみれの食べ物を食べていることか。
「一般社会が、コンピュータやインターネットの発達によって、単純なモノカルチャーから、多様性を生かした豊かなエコロジーへの志向を強めている中で、農業は何時まで不自然なモノカルチャーを続けていくのだろうか。...木村さんが苦労して作り上げた無農薬のリンゴは、人類に来たるべき未来への叡智を与えてくれる「智慧の果実」なのかもしれない」。
農薬漬けの野菜や果物を食べている我々は、当然のごとく、細胞レヴェルから見事に薬まみれになっている。そんな気がしている。だから子供が“おかしくなる”のかもしれない。
農薬漬けのモノカルチャーから、農業は脱却しないと、いまにこの島国の人間、いな、世界中の人間が肉体の芯から薬まみれになり、結果、脳など中枢神経がやられ、知性&理性なき行動をとるようになり、世界は混乱の極みに達するだろう。
木村さんのリンゴには、未来への叡智とともに、我々人類への警告も含まれていると思う。
ITばかりに価値がある、と思い込まされている現代の我ら。最近では地方でもITを利用してお年寄りの収入源を確保しているところ(葉っぱビジネス)もあるそうだが・・・。
農業は命を支える産業だ。農薬漬けにならなくとも、工夫すべきことはまだまだたくさんあるはずなのではないか。農薬漬けにならなくてすむ方法を、木村さんというすばらしい先例があるのだから、他の農家の皆様も、一緒に考えましょうよ・・・。そう呼びかけたい気分でいまこのコメントを書いている。
六本木ヒルズに住んでいる、金満野郎の傲慢タレなんか、腐るほど金を持っているんだから、そういう人たちにたんまり買わせればいいのだ。一個300圓などといわず一個十万圓(!)でね。彼らからはそのぐらいふんだくらなきゃだめだよ、と銀鏡子は思う。
で、彼らからふんだくったその売上金で、木村さんにフェラーリでもベンツでもポルシェでも、どんな車でも買っていただいたらよろしいかと思う。
虫や鳥やいろんな生態系と共存しているのが農業本来の姿なんだ。畑や田んぼに蛙や虫が戻ってきたら、うれしいのはフラワーピッグや養老先生だけじゃなくて、この世を生きているみんながうれしいのさ。
投稿: 銀鏡反応 | 2006/11/03 12:34:57
木村さんのお話、是非放送で視てみたいです。本当は山に行って土や樹木の匂いや空気を感じてみたいです。
投稿: 田嶋 | 2006/11/03 11:22:54
こぶしをにぎって読みました
ありがとうございます
投稿: Ikuyo | 2006/11/03 10:21:46