アタマの方の計算が合わない
パリ最終日。
朝、靴下をはこうと思ったら、
色が合わない。
おかしいなあ、と思って、かばんの
中を見たら、
やはり一足ずつもってきてしまったらしい。
参ったなあ、と靴のところにいって
愕然とした。
前日、やはり一足ずつ違う色の
靴下をはいていたらしく、
それが脱ぎ捨ててあった。
それで計算が合う。
もっとも、アタマの方の計算が合わない。
なぜ、一日気付かないでいたのか。
集英社の「すばる」編集部の岸尾昌子さん
がホテルに迎えにくる。
前日までブリュッセルに取材に行かれて
いたとのこと。
荷物を転がして、近くのJoel Sternheimer
さんの家へ。Joelはindependent physicistで、
「タンパク質の音楽」などに興味を持って
研究されている。
約2時間の対話を終えて、空港へ。
パリよ、さようなら。
食事をしながらLove Boat, The streets
of San FranciscoなどのアメリカのTVドラマを見る。
パリに行く時に見たMission Impossibleも
そうだったが、アメリカのTVドラマはなかなかに
すぐれている。
30分や1時間といった尺が合っているのだろう。
きりりとしまった構成は完成度が高い。
一方、ハリウッド映画になるとどうしても
冗長になるし、人間表現の浅さ(現実の
アメリカ人がどうの、というわけではなく、
世界市場に向けた商品としての映画におけるそれ
)が鼻につく。
Mission ImpossibleのTVドラマは、DVD
で買って見たいとまで思った。
眠って眼が覚めたら、誰もいなかったはずの
隣りの席にクマのように大きな人が眠っている。
トイレに行こうと思ったが、クマの人に遠慮
してごろごろしていたら、
二回目の食事が
来る前にクマの人はさっといなくなった。
立つときに、毛布などを直した手つきで
おや、と思った。
トイレに立ったら、クマの人が制服を
着て働いている。
クマの人は、疲れてしまったのだろうか。
クマの冬眠は、気持ちが良いのか知らん。
スターバックスでコーヒーを買い、
成田エクスプレスへ。
いつもならば週刊文春と週刊新潮を買い、
キャッチアップするのだが、
今回はまだ読んでいないのが出ていない。
それだけ短いパリ滞在ではあった。
10月 9, 2006 at 11:48 午前 | Permalink
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コメント
茂木様
おかえりなさいまし。
短い滞在とおっしゃってましたが、すっかりパリの住人になられて、とても充実した毎日をお過ごしになられたご様子。
日本に戻られて、またますますのご活躍を期待しております。
投稿: renren | 2006/10/10 8:28:09
あっという間のパリでの滞在のなか
秋の空気やキラッと光るインスピレーションに
出会うことがおできになりましたか?
私が訪れた時のパリは、
どちらかというと曇り空のしっとりした空気の漂っていた…
印象がありますけど。
それにしても、このところの日本は…
お天気や空気は、すっかりさわやかな秋模様なのに…
困ったことがあっても、
みなさんで考えたり、お話し合いを進めていく中で
よりよい方向に、進んでいけますことをこころより願っています。
投稿: 風待人 | 2006/10/10 7:40:43
週刊誌って偏った編集をしているから、僕としては嫌いなのですが・・・。
茂木先生がそれでキャッチアップするって読んで、びっくりしています。
週刊誌の編集の意図を裏読みして、世の中を捉えるのでしょうか? 情報としての週刊誌の意味を、どう考えていらっしゃるのか興味を持ちます。
投稿: eaglei | 2006/10/10 6:30:35
可愛い!
靴下、チグハグに穿いていたのは茂木先生らしい! と思いました。だって、紀伊国屋ホールで公演の時、ジャケットの後ろのしつけ糸が付いたままだったんですもの。
昨日の日記は、私の苦しみの日々に朝日の踊る光を与えて下さったような楽しいものでした。とっても楽しくて。気持ちの切り替えが出来て癒されました。
それから、身体性というのは化学用語なのかしら? ロボットの機械的身体に対しての人間の生身の身体との比較なのですか?
表現が難解なので・・・。
ブレードランナーは見ていませんが、星新一の『ぼっこちゃん』を思い出しました。オトコにとっての究極の女性は確かにヒューマノイドだと感じます。(『プロセス・アイ』にも出てきますね)
あと、50年もすれば実現するかもしれないですね。
けれど、オンナにとって理想の男性はヒューマノイドではなく
サイボーグかもしれない・・・と思います。
地球の人間が介護含めて、ロボットやヒューマノイド、サイボーグだらけになったら、不思議な世界になりますね。
投稿: tachimoto | 2006/10/09 14:29:30
お帰りなさい!無事安穏に帰還されて何よりです。
流石の茂木先生も、1足ずつ違う色の靴下を気付かずに穿いていってしまう(笑)ほど、今回のパリ滞在はせわしないものだったのだな…。
アメリカのTVでやっているドラマって、30分や1時間で収まるようにシャープな構成になっているのでしょう。
それでMission Impossible(スパイ大作戦)がハリウッド映画に再構成されちゃうと、先生の言われるように、冗長なものになってしまう、というわけか。
Mission Impossibleはそういう意味ではやはり、TV向けの作品なんだろうな。
日本のドラマ、たとえば「躍る大捜査線」シリーズなんかは、映画化されるとアクションが加味され、迫力が増すように作られていたかと思うけれど、あれは映画化しても冗長にならないように、予めオリジナルの映画用脚本を作ったからなのかもしれない。
むろん、その映画の質については、ひとそれぞれ感じるところは違うけれど…。
ところで、茂木先生も、ご幼少のころはTVの前で「Mission Impossible」の日本語版「スパイ大作戦」を御覧になったことがおありかと思われますが、最初の「おはようフェルプス君…」というイントロで始まる「今回の指令」の場面で最後に「このテープは自動的に消滅する。成功を祈る」と言ってテープがレコーダーごと煙と共にしゅうう~…と消えてしまう場面をみて、何故だろうと訝ったことがあるような気がいたしマス。
今だったら、テープでなくてSDカードか、メモリースティックが「このメディアは自動的に消滅する」なんていいながら、レコーダーごとしゅうう~と消えてしまう、というシーンになるのか知らん?
それともフラッシュメモリ式のヴォイスレコーダーが丸ごと消えてしまうというシーンになるのかな。
…などと下らない書き込みで済みません。ともかく無事に帰国されて本当によかったです。
投稿: 銀鏡反応 | 2006/10/09 12:38:54