1、2、3、・・・、9人
脳は自発的に活動する臓器ではあるが、だからと言って外部からの「強制」や「トリガー」をかけることが悪いわけではない。
先日NHKの「スタジオ・パークからこんにちは」に出演した時、突然スタジオにいらして本当にびっくりした小林忠盛先生だが、、小学校5年、6年と担任していただいた。当時、「生活帳」というものがあり、そこに毎日日記を書いて提出していた。
半ば強制されていたわけだけれども、そのお陰で、当時の私が何を考えていたかが残った。今でも時に読み返してみることがある。いろいろとしみじみとする。
「クオリア日記」を毎日よく続けられますね、と言われることがあるが、そのお陰で残っているものがたくさんあると思う。
徳間書店から「クオリア日記」が『やわらか脳 茂木健一郎「クオリア日記」』(仮題)というタイトルで本になる。ゲラを読み返していると、自分で書いた文章ではあるが、面白い。へえ、こんなことを考えていたのか、随分深いことを考えているなあなどと、感心することもある。
しばらく前に、ネットをサーフィンしていて、「歴史を振り返らないものは、同じ間違いを繰り返す宿命にさらされる」という言葉に出会った。日記を残しておくということは、自分自身に過去と向き合う一つの大切な資産になるのであろう。
もっとも、普段は読み返す暇もない。こうして、本になるのでゲラを読んでいると、いろいろなことを想う。
ゼミ(『The Brain Club』)。恩蔵絢子、柳川透、小俣圭が「プログレス・レポート」。柳川はパワーポイントが間に合わず、紙に書いたメモを使ってやった。しかし、研究についての論点が明確になって、とても有意義であった。
ちょうどお昼時だったので、おにぎりを買いに近くのコンビに行った。柳川と議論しながら行った。おいしそうなカップ・味噌汁が目に入ったので、人数分買って帰った。
今回の参加者は、
1、2、3、・・・、9人だった。
自分の番が終わって、小俣がやっている間にほっとしてカップスープを飲んでいる。その柳川の表情が良かった。ほっとした時の味噌汁はうれしい。もっとも、柳川が飲んでいたのは、ピリ辛春雨スープだった。
発表中の小俣圭(左)と、ほっとしている柳川透(右)
ゼミを出て、参議院議員会館へ。「次代を考える東京座会」の記者懇談会。私は「ギャップ・イヤー」の話をした。玄関に立つと、次々と黒塗りの車がくる。私はカラフルなタクシーに乗る。
その「東京座会」の母体のPHP研究所。小川充さんを相手に、ネガティヴな感情から抜け出る方法についてお話した。
八重洲の読売中公ビルへ。「中央公論」の井之上達矢さん、岡田健吾さん、松本佳代子さんと会食。
しばらく前に、井之上さんからメールが来て、「小津安二郎監督が通っていた「伊勢廣」でどうでしょう?」と打診された。さすがは井之上さん。そう言われては断れない。
岡田健吾クン(左)、井之上達矢さん(右)。「伊勢廣」の前で。
最初は多様性の話をマジメにしていたが、そのうち岡田さんの恋愛論議になった。いつも句読点なしに立て板に水を流す岡田クンが、レンアイになると少し言いよどむのが面白い。
人生の本質は、案外よどみに現れます。
もっとも、よどんでばかりいては困るのであって、だから、時には外部からの強制が必要なのであります。
その加減が難しい。
10月 5, 2006 at 07:24 午前 | Permalink
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» 芸術家の創造性を精神分析する トラックバック 精神科医としての人生
今晩は、ワーグナーの「神々の黄昏」を聴きながら、
ブログ更新をしています。
この壮大な音楽を聴くと、
神々のドラマというかたちをとりながら、
人の欲望や、執念、絶望、希望、愛、嫉妬、あこがれなど、
様々な感情が、実にリアルに表現されていることに気づき、
ワーグナーの創造力の凄さに、驚きの念を抱きます。
人間の創造性は、時に、本当に人間が創り出したのかと思うほどの、
素晴らしい芸術作品を生み出します。
音楽に限らず、絵画、文学、映画、建築など、
人間は、魂の奥底に響くような..... [続きを読む]
受信: 2006/10/07 0:01:54
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コメント
triggerとしてECTもありうるわけですね。あまりいい気持ちはしませんが。
投稿: nash | 2006/12/02 7:31:06
ははは…、多様性の話から恋愛論議に変わっていくなんて、いかにも茂木さんのいる飲み会らしいですねぇ。
誰でも恋の話をしようとすると、照れるのか、話す言葉がよどんだりするもんなんだよね。自分もその手の話では口がこもったりしてね…。
そういや…茂木さんの恋愛体験ってどんなものだったのでしょうか?悪いと思いつつ、知りたいなァと思ったりしてね。
ところで…パリへは小旅行が目的なのでしょうか?
茂木さんの“パリ通信”が楽しみです。
投稿: 銀鏡反応 | 2006/10/05 22:51:50
「やわらか脳」のご出版、おめでとうございます。とても楽しみです。
この日記を拝読することは、もはや生活の一部なので、持ち歩きが出来るとなると、もうどこへ行くにも連れ歩いてしまいます。
そろそろ、ご出発の頃でしょうか。
どうぞ、お気をつけて。
素敵な旅になるよう、お祈りしています。
いってらっしゃいませ!
投稿: renren | 2006/10/05 17:27:11