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2006/10/30

Jeffを囲んで四方山話で

 学園祭の雰囲気は独特だ。
 その青春の熱さに、感染する。

 東工大の大岡山キャンパスを歩くと、
いろいろな人が声をかけてきた。
 その様子を見ていて、となりに
いた新潮社の金寿煥さんが言った。

 「いやあ、みんなさわやかでいいなあ。
ぼくも、もう一度戻りたいなあ。」
 「高校生になりたいですか?」
 「いや、あの頃は暗黒だったからいやだ。
大学に入って、やっと解放されたんだから。」

 確かに、キャンパスは解放区だ。
 自転車サッカーのデモンストレーションを
している人たちがいた。
 不自由な姿勢で自由を追求する。

 いいじゃないか。

 「科学の恵み、技術の矜恃」
というタイトルで話す。
 しかし、会場の雰囲気とか、もろもろで、
実際には漫談になってしまった。

 最低限、大切なことは伝えたと思う。
 ガクサイの雰囲気の中で話すのは面白い。
 最近のトークの中では、一番
笑いが出ていた。

 工大祭実行委員会の諸君の
雰囲気がなんだか初々しくてまぶしい。
 ガクサイのパンフレットをつくる
んだって、そりゃあ大変だったろう。

 青春のエネルギーを惜しみなくあふれさせ、
浪費させること。
 いいなあ。

 生命の本質が浪費でなくって、他に
どのようなとらえ方があるだろうか。

 そもそも宇宙はやがてビッグクランチで
縮んでしまうか、
 熱的死を迎えるしかないのだ。

 つかの間の生命のなぎ。その中での、
ぱっと放出されるサンゴの卵のような、
惜しみなき、悔いの無き、潔き。

 筑摩書房の伊藤笑子さんもいらっしゃる。
 ごめんなさい。『科学の恵み』の
原稿、まだ書けていません。
 同じプリマー新書の著者である布施英利さんは
さすが優秀で、
 「ダ・ヴィンチ」を上梓した後、
すでにもう「ピカソ」を書き上げたという。

 もって範とすべし。

 国連大学の裏の
青山ブックセンターに移動。
 新潮社の北本壮さんと落ち合う。
 
 金さんから北本さんへの、新潮社ゴールデン・リレー。

 Jeff Millsさんはほんとうにいい人だった。
good natured human being.

 湯山玲子さんはさすがにクラブ・カルチャーに
造詣が深く、見事なしきりぶり。

 通訳をしてくださったのは
アメリカ在住10年、現在はデザイナーを
しているK氏。
 カフカと同じ頭文字にしたのは、
 紹介していただいた時、お名前がよく
聞き取れなかったからだ。

 K氏に火山鯨名刺をお渡した。
あとでメールを
下さると言っていたので、
 名前が判明することと思う。


Jeff Mills, 湯山玲子、茂木健一郎、K氏

 終演後、Jeffを囲んで四方山話で盛り上がった。

 湯山さんと電通の佐々木厚さんは同じ学習院の
出身なり。

 以前は、英語で喋ると人格が変わると言われて
いたが、
 最近は日本語でも一致してきた。
 正確に言うと、一致するような時間帯がある。

 外国語の楽しみは、多声性ではないか。
 一人のひとの中に複数の声があるからこその
楽しみ。

 シャーマニズムのメタファーを援用しても
いいけれども、
 とにかく狭い意味での「自分」以外のものを
引き受け、立ち上げるのだ。

 明け方、
 密林に入って「わあ、こんなに暗いのか」
と魂の底からびっくりする夢を見て起き上がった。

 環境をねつ造するという感覚が、依然として
気になっている。

10月 30, 2006 at 07:55 午前 |

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» エレクトロニック・ミュージックと創造性 トラックバック Jeff Mills presents One Man Spaceship'06
「One Man Spaceship」発売記念 ジェフ・ミルズ トークセッション 「エレクトロニック・ミュージックと創造性」 ゲスト:茂木健一郎 進行:湯山玲子 左からJeff Mills、湯山玲子さん、茂木健一郎さん、通訳の門井さん 評論家 湯山玲子さん、気鋭の脳科学者 茂木健一郎さんとクラブミュージックにおける脳、五感、クオリア、コンセプトなど興味深いトークが展開されました。 >>茂木健一郎 クオリア日記 茂木健一郎さんのブログにトークセッションの音声ファイルがありますの... [続きを読む]

受信: 2006/10/31 15:16:43

コメント

初めまして。私は茂木先生の著書をまだ一冊しか読んだことがなく
テレビ以外でお話を拝聴するのも10月29日のトークセッションが初めて
という立場でブログにコメントなど恐れ多いのですが、
これから少しずつ学びたいと思っていますのでお許し下さい。

茂木先生が英語で話されたか否かによって、
セッションの印象、ジェフさんとの間の空気も、全く違っていたと
日記を読ませていただきながら思いました。
私は英語が解らずとてもみじめな気持ちになって
アンケートにそのように書いてしまい申し訳ありませんでした。
通訳の方がいらしたのでほっとしていたら、突如、先生も英語に変わられ、
しかも予想をはるかに超える自然な話され方に、私は呆然としてしまったほどです。

時代を深く見つめているような方々が目の前で自由にナチュラルに話をされている、
その場面にじかに遭遇する。
学生の方と違い、アカデミックな場とは無縁な生活に身を置く者にとって、
それはちょっとした小旅行のようなものです。
もしこのような貴重な機会が再びあったなら、トークの起伏や英語の質感などを
素直に受け止めながら聴講してみたいです。無理かも知れないですが。

客席への配慮か、湯山さんが日本語だったことはたいへん安心できました。
通訳のKさんも含め、ポジティヴな志向性あふれる方々にひとときでも出逢えて
幸せな日でした。

投稿: | 2006/11/01 2:51:58

茂木先生の官能的な文章が好きです。
そして、jeffも好きです。
過日のトークショーでは先生がご登場ということを入口で知り、
思いがけないラッキーにひとり興奮してました。

でも、なぜjeffとコラボされたのでしょう?
『クオリア降臨』の装丁とjeffの『purpose maker』のジャケが似てるから、ですかね。。。?(笑)

(どちらも「手」をモチーフにしてます)

投稿: | 2006/10/31 3:29:23

ガクサイの雰囲気、やっぱり、若いパワーが弾けているんだな。去年の11月に東大駒場キャンパスのガクサイにお邪魔したことがあるけれど(茂木先生などの講演目当てではあったが)、炸裂する若いパワーが充満し、熱気にあふれていた。

とにもかくにも若いうちは、若い命のエナジーを思いきり放出し、解放させなければ、若さを満喫する意味が無いというものだ。

いずれこの銀河系も、大宇宙もビッグクランチで死に絶え、それから新しい宇宙を生む準備を始める。生命のなぎが仮令つかの間とだとしても、宇宙そのものを動かして、ビッグバンにもクランチにも関わってくる生成のエナジーだけは、ずっと代わらないのではないかという気がいつもしている。

Jeff Millsは、少なくとも私が抱いていたDJのイメージを覆す人であった。

とてもフツーで、静かで、哲学者的な感じがした。こういう哲学者然とした人が昨今の進化したクラブシーンを引っ張っているのかと思うと、クラブシーンもマァ悪くは無いな、という気にさせてくれる。

トークセッションの会場へ入ったときに、Jeffのパフォーマンスを映したDVDを上映していたが、腹に響く低音、何か言葉を発しているようなサウンドもしくはノイズ、それらによって構成される全体的な響きに、最初はイラつきを覚えたが、次第に気持ちよくなっていく。

お皿(LP)をとっかえひっかえ、ターンテーブルに乗せて回しながら、脳髄をメタリックに、またメカニカルに刺激するサウンドを奏でている。

トークセッションの終わりで、茂木先生が暴力やセックスとは違う別の野性をクラブシーンが引き出せてくれればよいという、これからのクラブシーンへの期待を述べておられた。

暴力とも、セックスとも違う、野性…それは未来へ向かって希望を持って生きようとする、人間の根底にある無限の生命力なのではないか。そんな気がいま、している。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/10/30 19:52:54

環境のねつ造、その先にすこしでも、生きる望みをもつから現況から
一時的に自分を救済する措置であると思う。
現実を見つつ、しかし、それをつきつけすぎては生きていけないから。

そして完全な絶望ではねつ造はありえないと思う。

いろんな分野の開拓者もある意味ねつ造者だと思う。現況と違う世界を
先にみているから、新しい分野を切り開けるのだと思う。

投稿: | 2006/10/30 8:49:30

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