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2006/09/04

きらきらと輝きとてつもなく魅力的でどきどきする世界

先週、椎名誠さんにお会いしたわけだが、
その「準備」として、ロシアにいる時に、
「そうだ、腕立てと腹筋をやろう」
というようなことを思い立った。

 木村晋介さんだったか沢野ひとしさんだったか、
「あいつは腕立て、腹筋を必ず200回づつ
やっているからいつまでもスリムなのだ!」
などとやっかむ感じで書いているのを
読んだことがある。

 本人が、週刊文春のエッセイかなにかで
「200回」問題に触れているのも読んだことがある。

 子どもの頃から、案外格闘技メタファーは好きで、
小学校の時は、島村俊和くんとプロレスを見に
行った。

 小五の時に「越谷体育館」にタイガー・ジェット・シン
を見に行ったのが一番の思い出だ。

 行く前から、島村くんが、
「茂木、あいつだけはマジだから、刺激をしない
方がいいぞ」と言った。
 試合開始のかなり前から、体育館の前で
待っていると、例のごとくターバンを
巻いて、サーベルをもったシンが、 
 本当に狂った虎のような感じで
勢いよく歩いてきて、
 思わず
 うわーっと後ずさりした。

 試合は、いつもの通り開始のゴング前に
いきなりシンがサーベルで相手を攻撃して、
 それから場外乱闘になった。
 体育館の中にパイプ椅子を並べた
開場の中をシンと相手の選手が走り回り、
 アナウンサーが「お気をつけください、
お気をつけください」と絶叫し、
 観客がわーっと逃げる。
 いやあ、あんなに興奮して楽しかったことは
なかったなあ。

 ウィキペディアのタイガー・ジェット・シンの
項目を見ると
http://ja.wikipedia.org/wiki/タイガー・ジェット・シン
様々なことは新日本プロレスの意図的な
「やらせ」だったわけで、
 まあそれは、大人の社会のこととしては
そうなんだろうと今は思うけれども、
 とにかく当時の子どもの私にとっては、
タイガー・ジェット・シンの暴れ方は
きらきらと輝きとてつもなく魅力的で
どきどきする世界を現出していたのだ。

 その頃は、島村くんと、ダールー麺というのを
食べて、
 「スープを一滴でも残すとおやじに
バカにされる」
なんて言っていたなあ。
 
 それはそうと、腕立て200、腹筋200は
当然できなかったのだった。
 
 そのことを椎名さんに焚き火対談の時に言うと、
「ははは。毎日やることが大事ですよ」
と笑った。

 それから意外なことを言った。
 朝じゃなく、夜寝る前にやっていると
言うのである。
 「歯磨きと一緒ですね」
 
 夜だと酔っぱらっているんじゃないか
と尋ねると、
 「いやあ、その頃には醒めてますから」
などと言う。

 酒をのむと後は眠ってしまおうか、
という私とは違うのだ。

 私はあくまで朝やる、というスタイルが
良さそうなのだが、
 200回への道は遠そうだ。
 
 昨日もいちおうくじけずにやった。
 それから、ランニングもした。

 人間の中にはさまざまなモティーフが
あるもので、
 子どもの頃のプロレス・モティーフを
しばらく忘れていたが、
 椎名さんと会うことがきっかけで
ちょっと「格闘系」の「気合いだ!」
の気分が復活した。

 しかし、健康のために、オヤジに
なめられてもいいから、ラーメンのスープは残して
も良いことにしようと思う。

9月 4, 2006 at 03:38 午前 |

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受信: 2006/09/05 6:21:34

コメント

伝聞ですが、腕立て伏せの極意をお伝えしたくなりました。私の同居人は武道家(私の定義では、格闘家は格闘でご飯を食べられる人、武道家は武道でご飯を食べられない人)です。当然?腕立て伏せや指立て伏せをひょひょいやります。さて、極意!本日、道を歩くことができたらアリを見つけましょう。そうしたら、しばらくアリの後を追いかけ、かのアリの歩容を見る、見る、見ましょう。決して筋肉を鍛えようと思ってはいけません。ブドウカ曰く、アリはあのぼってりした体躯を、細い四肢で24時間、生きて死ぬまで支えている。あの関節の角度を自らの手と指の角度に移し変えることができた瞬間、「体が浮く」。その瞬間は突然やってくる。浮けば後は簡単だ、いつまでも腕立ても指立ても続けられるさ。ただ、見なさい。。。だそうです。いかがでしょ?

投稿: | 2006/09/05 12:12:47

薄墨が染み込むように途轍もなく、柔らかで当たり前な世界で生きて行きたい。

特別な事でもなく、日常の範囲内で 少しだけ刺激的に生きて行きたい。

ま 何処にいても 誰といても ありのままの自分でいられるように、なりたい。

もう そろそろ 楽々に 生きて行きたい。 

陰も陽も  苦も楽も  因も果も  応用編だと言いたい。

ジョギングも腹筋もしないで  ありのままに生きて、 自分らしく為りたい。

などと 勝手気儘なようですが、、、

在家出家も 折り返し地点です。

共時性も自力で 起こせます。    ご冗談

 

投稿: | 2006/09/04 20:59:04

おお、タイガー・ジェット・シン!
実は私も、ゴールデンタイムで放映されていた「ワールドプロレスリング」(TV朝日系・金曜夜8時放映でした)という番組で、彼の場外乱闘シーンを好く見ていた。

なんと、茂木先生も小学生のころ、彼の姿を見ていたんですね。当時の茂木先生の目には、彼の姿は、やはりきらきらと輝きとてつもなく魅力的でどきどきするものにうつったのでしょう…。

あの大物だから、当時の越谷体育館にはひょっとしたら、TV朝日の中継クルーが入っていたのかな?

今から思えばヤラセだったとはいえ、あのタイガー・ジェット・シンやその他のレスラー達がリング狭し、場外狭しと暴れ回る姿は、非常にエキサイティングであると同時に、格闘技というものの凄まじい迫力を当時小学生だった私たちの脳裏に焼きつけたものだった。

あの時の“きらきらと輝きとてつもなく魅力的でどきどきする”場面を提供してくれたプロレスは、あわれ、ゴールデンタイムからはじき出され、深夜枠に放映されるようになってしまった。

そこに、何ともうらぶれた感じをみるのは私だけなのだろうか。

プロレスがK-1なるものに変わっても、そこに垣間見得る格闘的メタファーは、「ワールドプロレスリング」の時代と変わっていない。

それにしても、うでたてとか腹筋という「トレーニング」にはその格闘的メタファーが秘められているのだな。
茂木さん、頑張って続けてください!
(ラーメンのスープはやっぱり残しておいたほうがいいでしょう…それがどんなにうまい店のラーメンでも!)

投稿: 銀鏡反応 | 2006/09/04 18:51:23

 クスクス…。ラーメン、私の兄は義姉よりの厳命で、スープ禁止です(残ったスープが、「もうお終いですか、お客さん」と名残惜しそうに揺らいだのを見たような。それとも兄の顔が映っていたのかな)。ダールー麺というのがあるんですね。
 茂木先生の酷暑の夏がちょっぴり落ち着いてこられたようでよかったです。
 睡眠もそうですが思いっきり体を動かすというのも、少年の頃のようには、なかなか環境が厳しくて難しくなりますね。運動の解放感は他に換えがたいものであるにもかかわらず。(夏だったら私は泳ぎたいですが…。今年はかなわず。)
 それにしても、椎名誠さんの200回腹筋・腕立て…、回数もううむと驚きますが、分速もすごそうです。

投稿: | 2006/09/04 16:48:11

伝聞ですが、腕立て伏せの極意を書きたくなりました。私の同居人は武道家(格闘家ではありません、私の定義では格闘家はそれでご飯を食べられる人、武道家はご飯を食べられない人)ですが、腕立てとか指立て伏せとかひょいひょい軽そうにやります。力は要らないそうです。今日、道を歩いていてアリを見つけたら、しばらく追いかけてその関節の形をよく観察してください。アリは、あの大きな体を細い手足で24時間、生きている間支えているのだから、その関節の形を、自分の指と手で再現すれば、体が浮く。その瞬間は突然やってくる、そのためには筋肉を鍛えるようなことをやってはだめだと申しております。。。。いかが??

投稿: | 2006/09/04 16:22:06

ご無沙汰しております。
先生の少年時代のお話し、もっと読みたいです。
本にしていただけませんか?

投稿: 河村隆夫 | 2006/09/04 7:43:47

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