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2006/09/16

ラットくんのように

タリーズ・ジャパンを創業した
松田公太さんにお目にかかる。
 PHP研究所の「The 21」の
対談企画。

 松田さんは、アフリカで過ごした
幼少期にさしみを食べていて
友人にからかわれる、などの経験から、
食文化の行き来を通して世界をつなぐことを
決意。

 シアトルで数十軒のコーヒー店を
回って出会ったタリーズを日本に紹介しようと
思い立ち、来日した同社社長に直訴した
というエピソードは有名。

 人材育成の話になった。 

 「褒めることが人を育てると思います」
 「お父さんには褒められましたか?」
 「いやあ、逆で、褒められた記憶はないなあ」
 「お母様は?」
 「母には褒められました」
 「じゃあ、それで十分ですね。父親か母親か、
どちらかが褒めてくれればそれでいい!」
 「でも、まだ人に褒められることに飢えている
ところがあるんですよ。社長になると、誰も褒めて
くれなくなるでしょう」
 「じゃあ、自分で自分を褒めるしかないですねえ」

 松田さんは日焼けして精悍な印象だった。
 
 「海にでも行かれていましたか?」
 「いや、南フランスです。仕事で行ったんですが、
友人が別荘を持っているので。日差しの中で寝ころんで
いたら、一日で真っ黒になりました。」

 ゼミ。
 星野英一と石川哲朗が論文紹介。
 
 以前は、説明するのを聞きながら猛スピード
で論文を読んで自分で理解していたが、
 最近はやり方を変えて、
Figureとかabstractとか断片しか
読まないようにして、
 あとは全部説明している人に
聞くことにした。

 その方が、教育的効果が大きいと
気付いたからだ。

 「星野くん、このニッスル染色というのは、
何が染まるんだっけ?」
 「もごもごもご」
 「ふうん。すると、6層のうち、どれが
特に良く染まるわけ?」
 「ふがふがふが」
 「そうか、ところで、IV層だったらIV層を
選択的に染める方法ってあるの?」
 「ピカチュー!」
 「なるほどねえ。grid cellの反応と、移動速度
との関係を見ているけれど、移動中にgridとの
相対関係が変わるから、firing rateのばらつきは、
低速度の方が大きくて、速度が大きくなると、
雨粒がだんだん強く当たってくるように、
ばらつかなくなる、と予想されるけど、
このグラフはそうなっていないよね。どうして?」
 「ライチュウ!」
 「今度まで考えておいてね。ratの体の大きさに
比べて、grid cellのgridのspacingがある特定の
大きさになるということの機能的意味はあるの
だろうか?」
 「プテラノドン!」
 「head orientationって、体の向きとの
相対的な関係の関数なんじゃないの? 顔を
見上げたら?」
 「2D! デスバレー!」

 私が質問を浴びせていると、柳川透とか
小俣圭とか、常連の「上級者」に加えて
修士のやつらも発言しやすくなるから
面白い。

 新宿の西口を歩いている時に、
ふわっと奇妙な感覚になって、
 それは、とても小さなくねくねの
動きに敏感になることで、 
 風は都会にも確かにそよいでいるのだと
わかり、実験に使われたラットくんのように
見上げたら、そこにはふしぎな色をした
空があった。

9月 16, 2006 at 08:48 午前 |

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拙著『蒼天のクオリア』への書評として、 「入手極めて困難な名著です!」と、Amazonのユーズド商品のサイトに書かれています。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/detail/offer-listing/-/478389597X/used/ref=sdp_used_b/249-2157088-9769113 これは著名な脳科... [続きを読む]

受信: 2006/09/16 9:20:28

コメント

褒められることが人を育てるとありますが、認められるということでしょうか。
褒められることは実に気持ちよいものです。でも、褒められることを覚えて、褒められるために何かをするのでは、本末転倒になりそうで怖いです。
そして、しかられるからこれはやっては駄目というのも、怖いと思います。そこには自分の考えはなく、親に怒られるとか、ほかの人の目が怖いということでやらなくなるからです。
だから、なぜやってはいけないか、ということを伝え、理解してもらうと、いろんなことに勝手に応用してくれると思います。
「褒める」や、「しかる」はその場しのぎの色が濃いと思います。なので、たとえば子ども相手なら、「昨日は積み木を5個積めたね。今日は4個積めたね。」これだけ認めてあげれば、十分だと思うのです。今日は4個で残念と思うか、4個積めて楽しかったかは子どもが感じることです。ほかの人にすごいねとか言われても腑に落ちないことが多いのです。

東京の不思議な空、どんな色だったんでしょう。

投稿: バイセンマン | 2006/09/17 14:54:52

実験に使われたラットくん・・・
茂木さんらしいなあ。

ほんとのラットくん、次は幸せに生まれて来いよ。

投稿: 平太 | 2006/09/16 16:17:02

きょうの東京は嵐の前の晴れ間のようです。
たしかに昨日の夕空は不思議な夕空だったような...。
昨晩の朝カルを拝聴しまして、仲間内とそれ以外では懲罰の度合いがちがってくるということを学んだ。社会的規範を犯して罰せられるというモデルの場合、日本人対日本人では、罰せられる方は情状酌量の余地を期待するのだが、そうでない場合は、厳しく罰せられるという事例を通して、

「種族間、同族間で働く利他主義に対しては研究が進んでいるが、違う国同士、ちがう民族同士ではたらく利他主義については科学的に証明されていない」という旨の話を茂木先生がされたとき、私は別に科学的にそういう利他主義の仕組みが証明されてもされなくても、何方でも好いから、今少し、お互いが他者を受け入れて、友好的な世界をつくっていかなあかん、と思った。

この日記では学生たちがゼミで茂木先生の質問に「もごもご」「ピカチュー!」「ライチュウ!」なんて答えているが、「もごもご」うんぬんというのは内緒の事項で、そんな事項を擬態語で表現している茂木先生ってやっぱりかわいいセンスがあるな、と思った。

「ワッツ!?ニッポン」を途中までみました。飲酒運転とひき逃げ...最近、とみに増えてますね。厳罰化も大切だが、みんなの飲酒運転に対する意識をもう少し厳しいものにしていかなくては、本当にこのままだとそういう事故は増えこそすれ、絶対に減らないと思うなあ。
だから事故がおこる前にあらゆる手を尽くして、防止につとめなくてはならないなあ。できれば子供のときから、飲酒運転の恐ろしさをしっかり教えていくべきなんだな。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/09/16 12:13:12

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