« (本日)視点・論点 「ギャップ・イヤー」 | トップページ | プロフェッショナル 仕事の流儀 進藤奈邦子 »

2006/09/21

ユーモアは、お家の大事

年に一回の研究所の合宿で逗子の
佐島マリーナに来た。

 ここのところ、この日記では「余裕」
の気配をできるだけ出そうとしているけれども、
実は相変わらずツナワタリの日々が
続いている。

 ボクのトークの順番は午後の一番で、
午前中はシステム生物学の北野宏明さんから
始まる。

 ボクは、自分のトークのパワーポイントの仕上げを、
午前中のセッション中に得意の
カケモチ法でやろうと思っていた。

 そうしたら、所長の所眞理雄さんが、
開口一番Please shut your computers.
と言った。
 (注:ソニーコンピュータサイエンス研究所は
外人比率が多いので、公用語は英語である)

 講演と討論に集中するため、コンピュータを
閉じろ、というのである。

 ぼくはうわっと思ったが、
「所長命令」だし、ぼくは所さんの目の前に
座っていたので、大人しくコンピュータを
閉じた。

 そもそも、コンピュータの達人が
多いので、みな、会議をしながらコンピュータで
いろいろやる、というのが普通に見られる
光景になっている。

 みんなが目の前にあるコンピュータを開かずに
話を聞いている光景は、不思議だった。
 
 さすがは所さん。いつもよりも集中して
聞けたのではないかと思う。

 ところで、仕上げが終わっていない
ボクのパワーポイントはどうなったのだろうか。

 『プロフェッショナル 仕事の流儀』
風に言えば、 
 
 ピンチになった時、茂木がいつも
大切にしている言葉がある

というナレーションが入り、

 大丈夫、何とかなる。

と黒のバックに、白ヌキの文字が
出ることになる。

 つまり、何事も完璧な準備が
できるということはないのであって、
 予想と違っても、それくらいでは
へこたれない、ということである。

 昼食の後にだーっと集中して
やったのと、
 パワポを使いながら、時々ホワイトボードに
必要な事項を書くということで、
ちゃんとトークを終えた。

 実際、このように日記に書かなければ、
研究所の仲間たちはボクの内面に
そのようなことがあった、ということに
気付かなかっただろう。

 午後は、ずっと田谷文彦とか、
Zhang Qiさんとか、Oliver Coenenとか、
脳科学グループのトークだったので、
 ナイショクは控えて、マジメに
討論に参加した。

 時に、Oliverとは、脳科学の
路線問題について、はげしくも熱い「闘論」
を繰り広げた。

 コンピュータ禁制令も、
徐々に緩くなっていって、
 いつものようにかしゃかしゃとやる
人の姿が目立ち始めた。
 (メモを取っているのです。メモを!)

 私の方と言えば、
 目下の最重要課題は、論文をしあげて
投稿することで、
 話の切れ目などに、少しずつ
referenceなどを整備して、論旨を整理し、
文章の形を整える、という作業を進めていた。

 しかし、そんな間も、いろいろな
仕事が飛び込んでくる。
 
 このところ、新規のお仕事は
 もはや、ほとんどお断りしなければ
ならない状況に追い込まれているが、
 それでも、かつてやります、と約束した
仕事の締め切りが、もう来た、
というショーゲキの事実が次々と
判明するのはカラダに悪い。

 中央公論新社の岡田健吾さんから
留守電が入っていた。
 オカダくんは、いつも、咳き込むように、
畳みかける。
「、」はあっても、「。」はない
話し方をする

 こんばんは、失礼いたします、
中央公論新社の、岡田健吾と申します、
御用の折、お電話を差し上げて、まことにもうしわけ
ありません、まずは、今朝、原稿の件について、
お返事をいただいて、ありがとうございます、
まずは、ひきつづき原稿の方を、かたづ・・
進めていただければ、幸いにぞんじます、
・・・・・

 「原稿をかたづけろ」
という本音が思わず出そうになって、
あわてて修正する。
 その間合いが面白かったので、
こうして、記録に残しておくことに
した。
 オカダケンゴ、マイッタカ。

 この日記は、もはや、

「仕事の
海でおぼれそうになった男が、
いかに余裕をかまして、人生のオモシロイ
ところだけ針小棒大に表現するか」

という命題を追求する場になっているが、
ユーモアのセンスは大事だと思う。
 
 その意味で、研究所若手のホープ、
大和田茂クンが、トークの最後に
冗談で出した「Mogiquitous computing」
は、私がネタになっていたものの、
笑ってしまった。

 第一弾は、
 人の顔を認識して、それを私の顔で
置き換える、というもの。

<Mogiquitous Computing その1 by 大和田茂>

 第二弾は、
Find Mogi san's hair like region in an
image and add Mogi san’s face
underneath it.
Regions are analyzed by moment and
frequencies.

 ということで、「私の髪型」
に似ている領域を探して、その下に
私の顔を置く、というもの。

<Mogiquitous Computing その2 by 大和田茂>

大和田クンの遊び心に
脱帽いたしました。

 ユーモアは、お家の大事。

 自民党の新総裁にも、ぜひユーモアの
センスを忘れずに国事に当たっていただきたい
と希望いたします。 

9月 21, 2006 at 07:52 午前 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ユーモアは、お家の大事:

» 2006-09-21 トラックバック fwdsの日記
ピンチになった時、茂木がいつも 大切にしている言葉がある というナレーションが入り、  大丈夫、何とかなる。 と黒のバックに、白ヌキの文字が 出ることになる。  つまり、何事も完璧な準備が できるということはないのであって、  予想と違っても、それくらいでは へ... [続きを読む]

受信: 2006/09/21 13:39:05

» ユーモアのセンスを忘れずに国事に当たっていただきたいと希望いたします。 トラックバック yicr日記
たしかに笑ってしまった。(下記ページ下部 茂木氏をネタにした写真) 茂木健一郎  [続きを読む]

受信: 2006/09/21 14:53:19

コメント

本当に面白過ぎます。会社にいるのを忘れて、
大笑いしそうになりました。何度見ても笑えます。
今週のヒット、というよりホームランですよね。
「『プロフェッショナル』のナレーションが入り・・」も
グーです。私もピンチの時、使ってみようかな。

sense of humorのある人、大好きです。
どんなに忙しくてもユーモアは大事ですよね。
ユーモアによって空白ができ、何かひらめきが
あるかもしれません。

投稿: | 2006/09/23 10:20:22

NEW南伸坊だあ~~~!!!!
楽しめました。

投稿: 長谷邦夫 | 2006/09/22 20:24:58

いくらなんでも

茂木先生、いくらなんでも面白過ぎです!

けど、コーラスの女性の茂木先生のお顔、
ピッタリはまっていますね。
確かに女性に見えますヨ!
ロシアに行かれてから、お顔がふっくらしてきたからかなぁ。
それにしても、面白い芸術デス!

投稿: | 2006/09/21 23:32:01

大事ですよね~ユーモア。
一大事です。
『プロフェッショナル仕事の流儀』風に、はまりました。
コンピュータを閉じた状態で皆さんが前方に集中していらっしゃるお姿を柱のカゲから見て、クスクス笑いたい衝動にもかられました。
日常に笑いの種はたくさん転がっているのに、見過ごされてしまうのを残念に思います。
あ、でもそれはユーモアとは違いますね。
それを面白くとりあげることがユーモアかな。
結構センスが試されます。
日本人はどーもキ真面目だから、新しい総裁にも若干の不安を感じます。
でもこればっかりは、訓練では身につかない気もするし。
だからこそ大事です。ほんと。

投稿: kyono | 2006/09/21 20:10:24

ナイスな作品ですね。
四人とも表情が違うところがまたすてきであります。
命には係わらないけれどめちゃめちゃに大変な時って、もう笑うしかないっ、と思いますね。。

佐島の海で溺れませんように

投稿: | 2006/09/21 18:26:02

oo! これは、お、面白い!

だははははは~!! 流石はSCSLの若手ホープ君。
ドンナに忙しくても、余裕とユーモアとギャグは必要ですね。

女性、星雲、金だわし、オーストラリア大陸…。
星雲との合成写真は茂木さんの爆発状態を表現しているみたいだったりして…(爆)

投稿: 銀鏡反応 | 2006/09/21 18:14:15

大和田さんの研究資料(笑)の写真
思わずプリントアウト!!

どよ~んとしてきた時に 相当効力あり!!

投稿: | 2006/09/21 16:56:20

もう大爆笑。
お陰で脳内に空白がたくさん出来た感じです。
よ~し、元気が出たから私もいっぱい考えよう!

投稿: ひみつのあこ | 2006/09/21 13:45:08

ぎゃーははは。
今後50年はこの映像忘れないでしょう。大和田、はなまる!
余裕ぶっかますって、かっこいいです!

投稿: | 2006/09/21 9:28:02

コメントを書く