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2006/09/14

奥山の鹿のごとく

 北白川の京都造形芸術大学には、
大きな長い階段がある。

 山登りのように上がったところで、
長尾さんに会った。

 椿昇さんは東名高速を向かっているとのこと。
 教室に行き、授業を始めた。
 
 年に一回来ている。また今年も秋になった
と思う。
 「創造性」を育むために必要な
条件は何ですか、と問いかけた。
 「自己批評」のエキササイズを
やった。

 田中出くんががんばった。

 教室の中から見える、雨だれが一瞬
雪のように見える。

 お昼にそば屋まで歩く。
 椿さんは、MITにアーティスト・イン・
レジデンスで行くという。

 「インターネットの上で、イスラエルの壁に
絵を描くというプッシュ型のアートをやって
いますからね。それが評価されたのでしょう。
 ボストンはリベラルで、必ずしもブッシュ
じゃない。
 いろいろやることが面白くて、時間が
足りないです。
 学生たちにもいつも言っているんですよ。
お前ら、いいか。お前らより、絶対オレの
方がぎょうさん勉強しているぞ、って。
 次から次へと本を買って、読む間も
なく積んでおくんで、金もたまりませんわ。
 ははは」

 椿さんの巨大バッタを見たのは、数年前の
横浜トリエンナーレでだった。
 「借金するのにはあれから慣れましたよ」
と椿さん。

 昼食から帰る時、黛まどかさんや山下泰裕さんと
シンポジウムをやった緑地の横を通った。
 あれからもう、一年が経とうとしている。

 名古屋に移動。
 デンソー本社で講演。

 玉津さんを始め、なつかしいひとたちに
会う。

 新幹線に乗り、味噌カツ弁当を開いて
ほっとため息をついた。
 音が欲しいな、と思ったが、イヤホンが
なかった。
 目をつむっていると、いつの間にか
地下に来ていて、はっとした。
 品川だとわかるまでにしばらく時間がかかった。 
 
 静かな気分の一日だった。
 沢山の方々にお目にかかって、その
間、ずっと、ある調子が続いていた。
 心のうちがわにある山の紅葉が次第に
色濃く変わっていくように。

 そういえば、数日前に見た夢では、
情報の伝わりが炎で表現されていたのだった。
 夢の本質は盲点だと教えてくださった
河合隼雄先生のことを思う。
 奥山の鹿のごとく耳を澄ます。

9月 14, 2006 at 07:38 午前 |

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(注意!「ロリータ小学生」ではありません!!) 島田ロータリークラブの奨学生としてパリへ留学していた大学生のお話が、とても印象的でした。 私も三十年ほどまえの大学生活を思いおこしながら、なつかしくその女性の話に聞き入ってしまいました。 ソルボンヌだった... [続きを読む]

受信: 2006/09/14 9:21:04

コメント

「田中出」じゃなくて「高橋出」です(笑)


遅くなりましたが、
この間は集中講義どうもありがとうございました。
人の話を聞くのが大嫌いな私ですが、
まるで吸い込まれるように聞き入ってしました。
とても面白かったでやんす。


上に書き込んでるのは、小林キョウちゃんですね。

またお会いできる日を楽しみにしつつ・・・

投稿: 高橋 いずる | 2006/09/30 12:13:49

こんにちわ。
ブログを発見したのでコメントさせていただきます。

茂木さんの講義はとても楽しいものでした。ありがとうございます。

夏休みの集中授業ともなると、みんなダルイ!
って気分でいどむのですが、茂木さんの講義はとても楽しかったです。
やっぱり、参加型っていうのはいいですね。
あと、田中くんでなく高橋出くんです。
高橋くんとともに楽しませていただきました。

自己批評など書いたことのない文章を書いたりと
よい経験させていただきました。

また来年も講義にいらっしゃるのですね。
お邪魔しようかとも思います。

酒におぼれてる♀より。

投稿: SD3回 | 2006/09/26 19:17:54

名古屋に立ち寄られたんですね!
味噌カツ弁当、いかがでしたか?
「矢場とん」の味噌カツも美味しいので
おすすめです。

投稿: ユリ | 2006/09/14 20:27:13

「創造性」を育む為に大切な条件とは何か・・・! 私は、おそらくは、いろいろなものと出会って触れ合うこと、人生の経験を沢山積むこと、あらゆる人から学んで、そこから何かを掴むこと、だと思うのだが、如何でしょうか?!

「自己批評」のエクササイズ、10月からの予定の、芸大の美術解剖学の講義でもう一度やってほしいなぁ。

夢の本質は盲点か…。河合先生はお元気になられたかしら。

情報の伝わりかたが炎で表現されている夢なんて、もしかしたら、それって、ニューロンの発火する夢だったりして・・・!
失礼しましたm(_)m

投稿: 銀鏡反応 | 2006/09/14 19:40:27

はじめまして。
昨日私の彼がデンソーで講演を聴いてとても面白かったと言っていたので、私も茂木さんの研究されている『クオリア』とは何かということを調べてみました。
クオリアは考えれば考えるほど楽しいことのように思いました。無限大に広がる神秘??
自分がどれだけ理解しているかという事などは全く分かりませんが、言葉では表せないドキドキ感といいますかもっと知りたいという欲求が湧き出てきました。
久しぶりに『いいキモチ』になれました。
日常をちょっと違う角度から見られる楽しさを感じました。

茂木先生の文章はとても緩やかに時間が流れていられるので、読ませていただいてる私もとても穏やかな気持ちになりました。たわいも無い感想ですがどうしても書きたくなってしましましたww

投稿: home | 2006/09/14 13:30:11

情報の伝わりが炎で表現される夢って、どんな感じなんでしょう。。
自分以上の夢をいちど見て見たいものです。

「盲点」という言葉は、わたしにとって盲点みたいです。
きちんと意味を取れているか、わからなくなる言葉のひとつ
夢の本質が盲点・・・

河合先生が一日も早く回復なさいますように。


投稿: M | 2006/09/14 13:14:27

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