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2006/08/05

白河夜船を漕ぐ

お昼、五反田の
「フランクリン・アベニュー」
にて、『ブルータス』の鈴木芳雄さんと
ランチ。

 セガのミーティング。
「脳に快感 アハ体験」
の第二弾について。

 『日経大人のOFF』の
取材。
 「大人の脳科学」を考えようじゃないですか、
皆さん。

 カリフォルニア工科大学から
金井良太さんが来てセミナーをしてくださる。

 金井さんはクリストフ・コッホや
下條信輔さんあたりと研究をしていて、
最近は土屋尚嗣さんと『意識の探求』
を翻訳した。

 私はこの本の書評を書いていて、
明日の日経新聞に掲載される予定。

 金井さんは、adaptationにattentionが
与える影響を調べ、
さらに、attentionというのは通常は
visual awarenessに上ることを前提
とするけれども、
 上らない場合にもspatialに
attentionを導いて、
 その結果adaptationが
どうなるか、という話をした。

 もう一つは、視覚と聴覚のsimultaneity
judgmentが、主観的な思いこみのような
ものによってある程度flexibleに
変わる、という話。

面白い!

 本当はゆっくり議論したかったのだけども、
私は夜の予定が入っていたから、
 金井さんと友人の平松さんを
あさりに誘導し、あとはいつものように
関根崇泰に「宴会部長」を頼んで、
 新宿へ向かった。

研究室の面々は、金井さんと大いに盛り上がったらしい!

金井さん、ありがとう。

そして、オレは研究室を盛り上げるために
できることは何でもしようと思う。

 朝日カルチャーセンター。
 『映画と脳』の第二回。

 終了後、飲み会の時に、
次から次へと仕事の話で、
いささか疲弊した。

 逃げ出して空の星を見ようと
思ったが、新宿は光でいっぱいなのだ。

 週刊文春の椎名誠さんの連載で、
私のヨミウリ・ウィークリーの
連載のことに触れてくださっていると
複数の方が教えてくださったが、
 先週に限ってなぜか読み落としてしまった。
 なんてこった。

 とにかくもう僕はやりたいこと、
やらなければならないことと、
 現実にできることとの間の
ギャップに悩む日々なのであって、
 いつもはニコニコいいひとなのだが
ゆるい感じでこっちに来ると
アッタマに来てしまうこともあって
 昨日も宴会の時にちょっと爆発して
しまった。
  
 いかんいかん、火山は時折
溶岩をどかんぷしゅんと抜いて
あげなければならないよね。

 だから、そういう時、
この日記のスペースに火山とか
マグマとかそういう絵を書けると
とてもいんだけど、
 テクストベースというのは
不自由だ。

 なんでこんなに早く起きているのかというと、
やる仕事があるから、というよりは、
 出かけなければならないから。

 青森に行くというのはいいんだけど、
いただいたチケットを見たら、
 何と東京駅6時56分発の
新幹線だった。

 がーん。

 とにかく出かけて、八戸まで
眠っていくしかあるまい。
 
 眠い眠い。

 金井さんと喋っているとき、
「オレは日本というシステムの犠牲者なんだよ」
という自分でもびっくりするフレーズが
出た。
 
 無意識の叫びだろうか。
 
 本当にそうだったら、いやだな。

 でも、みんなでこんなにお互いを忙しく
しているこの国は、ちょっとおかしくないか。

 一ヶ月カナダに行ってカヌーを漕ぐ、という
ことがどうしてできないんだろう。

 仕方がないので、新幹線の中で、
白河夜船を漕ぐことといたします。

8月 5, 2006 at 05:36 午前 |

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コメント

みんなでこんなにお互いを忙しく
しているこの国は、ちょっとおかしくないか?
って本当ですよね。。。私もリラックスした気持ちで仕事をしたいとは思いますがなかなかそうはいかないものですね。(>_<)いつだか1日がもっと長ければなぁ。。。なんて考えた時もありましたが、労働時間も増えてしまうのならお断りしたいと思いなおしました。今日は仕事から帰ってくると先生がテレビに出てるじゃないですか!?人物ライブってやつみたいです。ラッキー!!なんなんですか?そのリラックスオーラ!!日々こんなに忙しい毎日を送っている雰囲気は一切出てないんですけど。。。なんか見てるだけで幸せな気分になりますわ~

投稿: | 2006/08/06 23:36:46

 いつもニコニコいいひとが、時に、ニコニコいいひとで
いられなくなってしまうのが、今の日本のシステムなのかも
しれませんね…。できたら、みんな笑顔でいたいはずだよね…。

 茂木さんの爆発、好き! Volcano whaleも好き!
難しい話も(わからなくてどきどきするから)好き!
 茂木さんが日本にいてくれて、とってもうれしいのです!

 ああ…それにしても、毎日、朝もはよから、あちこち
走り回っているフラワーピッグの健康が心配…。

投稿: | 2006/08/06 5:14:43

茂木さんにかわって私が爆発してみせる。
「オレは日本というシステムの犠牲者なんだよ」
互いを忙しくしているこの国家って、やっぱりおかしいよね。みんな「日本」という変なシステムの犠牲者なんだよな。茂木さんだけじゃないよ。

「働かざる者、食うべからず」という不文律が未だに通用している感のあるこの島国。

21世紀に入っても、男は働き蜂のように働かされて過労のために死ぬ者も出たりしている。女は家事育児からすべてを背負わされ、爆発のはてに子供を殺したりする者も頻出している。そういう有様だ。
南国のようにシエスタ(お昼寝)もだめ、カヌーで1日まったりもだめ。とにかく働け、働け、働け!の一点張り。
のんびりゆっくり過ごすという発想は日本的システムからすれば、なまけものの発想だという。
が、必要以上に人を働かせて、税金を搾り取るだけ搾り取り、それを裏金、闇金として「役所」が使っている現状を考えると、この日本というシステムを根っから変えていかなければならないと思う...。
働くこと自体は悪くない。が、人間を必要以上に働かせて、奴隷のように扱き使っているこんな日本社会は世界からみて前世紀の異物でしかなく、なんとか変えてゆかなくてはならないと思っている。
なまけものがなぜ悪い。今の時代、必要以上に働かなくても十分に食っていける時代になっているではないか!
それにニートと言われる連中だって、何も好き好んでニートになっている訳ではないではないか。
なんでもかんでも忙しくしたがるこの国にダメだしをいたしましょう。


投稿: 銀鏡反応 | 2006/08/05 11:58:00

覚悟しなはれ!・・・・で何か断ち切る覚悟を決めて、
お時間とられてはいかがでしょうか。

そこの決断と選択は大変難しいのですが。
本当に茂木様のために、必要な決断かもしれません。

しかし、都会で高層ビルの下からではなく、上からみる
景色を星空に見立てて、自分を救うこと、私はあります。

投稿: | 2006/08/05 10:43:31

先生、無事に白河夜船を漕げたでしょうか。
朝カルの飲み会でも仕事を頼まれるのか、終わった仕事についてなのか・・
ほんとうに大変ですね。
たまに火山を爆発させるるのは、大いにいいことだと思います。
そうさせるシステムがおかしいんですから。
先生と一緒に新幹線に乗って青森へ、展覧会を見に行きたいです。

フランクリンアベニューと聞いて、
先生の極近で闘っていたときを思い出しました。
今にして思えば、先生の闘いに比べたら針の先でもなかったのです。
ハンバーガーも結局食べずじまいでした。

茂木先生は犠牲者なんかではないですよ。
わたしは先生の存在に、いつも救われています。

貴重な時間をさくのはいけないと悩みましたが、書かずにいられませんでした。
少しでもお休みになる時間がとれるとよいのですが・・。
できることなら時間を切りとって、先生に差し上げたい気持です。


投稿: | 2006/08/05 10:15:11

おはようございます。

何だか、茂木先生のもじゃもじゃの頭の上に火山があって、そこから、プシューっと噴火してしているところを想像してしまいました。(^-^)そうしたら、結構微笑ましい感じがしました。
時には怒りも必要ですよね。茂木先生も人間なんだなぁ、とちょっと安心したというか、(申し訳ありません)当然だよなぁ、と思ったり・・。
茂木先生は、有名人だから、芸能人のように扱われてしまうこともあるだろうな? なんて感じました。
くれぐれも、ムリをし過ぎないで下さいね。

投稿: | 2006/08/05 9:03:36

昼寝して、起きたら夕方だったんです。
そしたら、空の色が茜色に染まっていて、とてもきれいだった。
これは写メに撮らないと、と思って撮ったのですが、
映っているのは僕が見ているよりもずっと明るい空でした。
う~ん、人間の脳は主観的にものを見ているのだなと感じました。
そもそも瞳孔が入ってくる光の量を調節するから、どうしても主観的な光量になってしまうんですね。
本当の空の色がわからなくなりました。。

投稿: 54notall | 2006/08/05 8:04:39

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