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2006/06/28

ビールは飲む

 成田空港から、NHKに直行した。

 渋谷駅で降りて、スクランブル交差点を
歩いていくと、ものすごい数の人で、
ああ自分はふだんはこういう国に
住んでいるんだなあ、と改めて普段の
生活に思いを致す。

 しかし、そのうちにあっという間に
慣れてしまって、
 また日常が始まるのだ。

 『プロフェッショナル 仕事の流儀』
の打ち合わせ。

 チーフ・プロデューサーの有吉伸人さんに
「いきなり仕事モードですね」
と言われる。
 
 『プロフェッショナル』チームは、
ワールドカップ中の特別編成の関係で
約1週間の休みがあった。
 有吉さんも、安曇野の温泉に行かれた
そうである。

 住吉美紀さんが、言葉と人格の関係に
ついてスルドイことを言っていた。
 
 イタリアーノにならないと
言えないことがある。

 私も、英語では人格が変わる。
 と思っていたところなのだが、
どうも、最近、英語人格と日本語人格が
変わらなくなってきたような気がする。
 浸透してきてしまったのだろうか。

 美しい日本語というのは確かにあって、
心がけている時には、英語人格と
別のモードになっていることは事実である。

 今回、ふと、漱石の自己批評精神は
英国の精神風土の影響を受けたものかも
しれない、と思い至って、おそらくそうだろう、
と思った。

 あの国ほどcriticismということが
過酷に行われるところはあまりない。
 だから科学が発達するわけだけども。

 もう少し、self indulgenceがあっても
良いかと思うが、漱石の厳しさとイギリスの
それは確かに通じる。

 漱石を経由して、あの魂がひんやりと冷える
感じが日本に持ち込まれ、それが愛読者を
得ている、ということの文明史的な意義は
低くないのではないか、と渋谷を歩く
人々の様子を見ていて直覚した。

 セガのアハ体験のCMを沢山流しているらしいの
だが、本人は未だにオンエアでは見たことがない。

 学生の頃、冗談で、「オレはそのうち椎名誠みたいに
コマーシャルでビールをうまそうに飲んでやるのだ!」
と言っていたけれども、
 「アハ体験しましょう!」
などと赤シャツ姿で言うことになるとは思わなかった。

 コマーシャルでなくてもビールは飲む。

 きりりと冷えたビールを飲み干す快楽は、
高温多湿の日本の夏固有のものがあるように思う。

6月 28, 2006 at 07:11 午前 |

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コメント

英語と日本語での性格の切り替わりについては、以前何となく居心地悪くて、私も友人と話した事がありました。 ですが、ある程度、英語で日本人的言い回しに近いものや、日本語で英語的発想の表現法的なものを覚えてくると、その切り替わりの触れ幅は減ってきたかも?!(でも、やっぱり、今のところある程度文化的に切り替わらざるを得ないコア部分は残るようにも感じます。)

でも、イタリアンな自分は考えた事がなかったです。(笑)・・ Itarianoの茂木さんは、結構情熱的に話されそうですね!(^^)

茂木さんの「批評」関連についての意見を拝読していると、ヨーロッパ在住時、‘critical mind’の大切さについて友人が力説してくれた事を思い出します。(でも、一方では’critical mind’を一般的な日本の社会にそのまま持ち込むのは結構難しくて、この話が、私の中では前述の文化による切り替わりの話に多少繋がらざるを得ないと感じています。何かより良い解決策があるのではないかと、何となくずっと頭に残っているのですが・・?!)

投稿: 朝 | 2006/06/29 1:11:43

indulgenceということばを初めて知りました。
英国の風土は厳しいものなんですね。
魂がひんやりとする感覚、いけば味わえるでしょうか。
漱石が英国留学で発狂とか神経症になったといわれているのも、その厳しさに関係してるのでしょうか。
第五高等学校に戻るより、生涯英国にいるほうが楽だ、と手紙にかいたと年表で読みました。
茂木先生も、英国のほうが楽だと思うことはありますか

わたしも、アハ体験のCM体験は切れ切れなんです
いつまで見れるのかなあ…

投稿: M | 2006/06/28 22:17:04

久しぶりの日本でまた、すぐにお仕事に向かわれているご様子、
イギリスで充電された英気の発信を心待ちにしております。

イギリスでの写真、楽しく拝見させていただきました。
図書館でイギリスのガイドブックなど借りまして、ケンブリッジ、オックスフォードの町並みの様子などを見ながら茂木さんが
ここで頑張っておられるのかと思いを馳せたりしていました。
ケンブリッジに居並ぶ建物は、とても綺麗ですね。
そこを通る風も、きっと心地よい事が想像されます。
そんな雰囲気の中で、ものを考えるというのは、楽しいことなのでしょうね。

日本は、いま、ほんとにビールが美味しいです!
茂木先生!お帰りなさい!(^O^)/C□☆□D\(^_^ )かんぱ~い♪

投稿: sakagutinoriko | 2006/06/28 21:22:14

英国出張、お疲れ様でした。
無事にお帰りになられて何よりです。
それにしても成田からNHKに直行なんて、本当にいきなり仕事モードに入られるとは…。

漱石が持ちこんだという自己批評の精神は、やはり英国の厳しい精神風土によってもたらされたというわけか。

しかしそんな自己批評精神を何故、現代のクリエイター達は引き継がなかったのだろうか?彼等が漱石の作品を読んでいなかったとはおもえない。学校の授業などで一度は読んだことがあるはずだ。

が、読んでいたなら、漱石作品の、いったいどこを読んでいたのだろうか。上辺だけ読んで、深くその内的精神を掘り下げて読まなかったのだろうか。

現代日本のクリエイターらに不足しているのは、この自己批評精神だというが、それが身につかなかったのは、漱石の作品の読み方にあったのだろうか。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/06/28 19:07:23

英語人格、日本語人格、あるかもしれません。

僕は普通に会話できるほど英語を話せるわけではありませんが、英語だと日本語より口数が多くなる気がします。陽気な感じになるというか。

僕は母国語がその国の文化や国民性に大きな影響を与えていると考えています。
日本語に比べて英語のほうが流れるように話せる、というのが大きい。

それもありますが、今回はもう一つ。
日本人が英語を話す場合。

日本人が英語を話すとき、その脳の使い方は日本語を使うときとは異なっているはず。
脳の使い方が違ってくるから人格も変わってくるのかな、と。

人間の脳、精神はあらゆるものに影響を受けますね。。

投稿: 54notall | 2006/06/28 8:28:34

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