漱石に見た客観的な自己批判の精神
ヨミウリ・ウィークリー
2006年7月2日号
(2006年6月19日発売)
茂木健一郎 脳から始まる 第10回
漱石に見た客観的な自己批判の精神
一部引用
しばらく以前から、昨今の日本人に欠けているのは自己批評精神ではないかと思っていた。たとえば、「クリエーター」と自称する者たちの間には、随分なナルシストたちがいて辟易させられる。延々と自分がどう生きてきたとか、作品がどう評価されているかなどの「自分語り」を続け、客観性や歴史の意識がない。
自己批評は、大脳皮質の前頭前野を中心とする自我の中枢の働きによって育まれる。いわば、心の贅肉を落として美しい姿にする精神のダイエット。自己批評なきクリエーターの作品が一流たり得ないのは当然である。デビュー作から自己を客観化することに成功した漱石だからこそ、文学の歴史に輝く傑作群を残すことができたのである。
(中略)
ところで、自己批評がもっとも必要とされるのは政治家たちではないか。自己批評を欠く夜郎自大な政治だけは御免被りたいものである。
全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。
6月 18, 2006 at 05:21 午前 | Permalink
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茂木健一郎さんがこのところ自己批評について多くを語っている。 もちろん氏の言わん [続きを読む]
受信: 2006/06/20 20:06:45
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