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2006/06/24

折り合い

 ある大切なことに思い至った
時、その場所の記憶と結びついて
かけがえのない何かができる
場合がある。

 私にとって、オックスフォードの
テムズ川のほとりを歩き、
川を渡ってクライスト・チャーチ・メドウを
通り、クライスト・チャーチ・カレッジに
至る道はまさにそのような場所で、
 昨年ここを訪れた時、
私の中でイギリスの実際主義と
審美的感性の間の折り合いがついたの
だった。

 イングランドはまだ敗退して
いないので、
 どこに行っても白地に赤のクロスの
旗をなびかせた車が走っている。

 一度目は大学院生の時。
 次にグラスゴーの学会。 
 二ヶ月の滞在。
 二年の留学。
 その後もほぼ年に一回。

 いつの間にか、過ごした時間
の長さからして、イギリスが第二の
故郷のようなものになってしまっている
と感じる。

 音楽や美術において
大したものをつくってはしないじゃ
ないか、というのが若い時からの不満だったが、
 実際的な知性の卓越はそれを
補って余りあると
思うようになった。

 問題は、自分の人生で何をどうするか。
 せっかく掴んだ大切なものを、
一つ大いに活用したい。

 人生には、ずっと一生懸命何かの
練習をしている、というイメージがある。
 学習曲線は、そう簡単に逓減しそうもない。

6月 24, 2006 at 02:46 午後 |

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コメント

先日、群馬県の館林にある美術館にWilliam Morrisの展覧会に行ってきました。
クライスト チャーチといえばMorris達が制作したステンドグラスがある、大聖堂がありますね。拝見されたでしょうか。展覧会ではバックライトフィルムで再現されたものを展示していましたが、本物を見る事が出来るなんて羨ましい。茂木さんがその地に縁を持っていらっしゃることも羨まく思ってしまいました。

投稿: 土居洋一郎 | 2006/06/25 10:38:08

先日、群馬県の館林にある美術館にWilliam Morrisの展覧会に行ってきました。
クライスト チャーチといえばMorris達が制作したステンドグラスがある、大聖堂がありますね。拝見されたでしょうか。展覧会ではバックライトフィルムで再現されたものを展示していましたが、本物を見る事が出来るなんて羨ましい。茂木さんがその地に縁を持っていらっしゃることも羨まく思ってしまいました。

投稿: 土居洋一郎 | 2006/06/25 10:38:07

先日、群馬県の館林にある美術館にWilliam Morrisの展覧会に行ってきました。
クライスト チャーチといえばMorris達が制作したステンドグラスがある、大聖堂がありますね。拝見されたでしょうか。展覧会ではバックライトフィルムで再現されたものを展示していましたが、本物を見る事が出来るなんて羨ましい。茂木さんがその地に縁を持っていらっしゃることも羨まく思ってしまいました。

投稿: 土居洋一郎 | 2006/06/25 10:36:38

イギリスからの茂木先生のお便りに触れて
ふと想いだして

南方熊楠という人がアメリカを経由して
1892年から8年ほどイギリスに暮らして
様々なことを学んでいたという記録を
読みかえしておりました。

まだ読んでいなかった部分に

「エコロジー植物棲態学ecology」の記述と
アメリカのヘンリー・ディビット・ソローとの
親近性についての項がありました。

もうひとつ付け加えると
鶴見和子さんと中村桂子さんの対談までたどり着いて
ぐるっと、ひと回りしそうなところです。

とはいえ、いつ「折り合い」がつくのやら…

わたしは、
そのリレーの一員になれているのかも心もとなく
大海原に放り出された木の葉の気分です…

でも、きっと一人ではありませんね…

そう心に想いつつ…

投稿: TOMOはは | 2006/06/25 10:00:07

誰にでもある「第二の故郷」。それは、各人の「心のふるさと」でもある…。茂木先生にとっては、英国実存主義と審美的感性との折り合いがついた以前から、英国が「第二の故郷=心のふるさと」になったのかもしれない。

心のふるさとといえば、たとえば、宝塚歌劇団でいまだに愛唱される歌のなかに、

「♪たからづか わが 心のふるさと」

というフレーズが入る歌がある。


これは宝塚歌劇団の生徒達が、自宅と宝塚とを往復するたびに、宝塚への思いを深くし、ここでの思いでを心のふるさととして、一生心に持ちつづけて行きたいという思いを歌にしたものだと思う。

茂木先生も、日本と英国とを往復する間、次第に英国への思いが深めていかれた、ので、英国が第二の故郷=心のふるさと(のようなもの)になったのかもしれない…。

私自身も、心のふるさとを大事にしながら、自分の一度こっきりの人生で、「何を如何してゆくか」を模索しながら生きて行きたいものだ。

人生は常に何かの練習なのかもしれない。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/06/24 17:58:40

うつくしい場所ですね。

これがテムズ川なんだ
イギリスの実際主義と審美的感性の間の折り合いがつく
そういうことがおきた場所なんですね

投稿: M | 2006/06/24 17:21:33

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