« コメント、トラックバックのご投稿について | トップページ | 生きて死ぬ私 重版 »

2006/05/20

人生がワカルから脳がワカル

しゃかしゃかと仕事をしながら
名古屋駅へ。

 愛知県立一宮高校の水谷忠資先生が
改札の外で待っていてくださっていた。

 一宮高校は、Super Science High Schoolに指定されており、
外部から講師を招いて講演会をやっている。

 その数、年間なんと10回!
 筑波の高エネルギー研究所(KEK)や、
神岡のスーパーカミオカンデにも訪問するという、
私の高校時代からすると考えられないほど
恵まれた環境なのである。

 雨の名古屋を、水谷先生とタクシーで
一宮高校へ。

 昨年打ち合わせをした時にお目にかかった
細川正徳先生、鶴田治之先生と再会。
 斎藤正晴校長先生と歓談した。

 昼食を終えた頃、細川先生が色紙を
持っていらっしゃる。
 校長室に飾ってある過去の講師の色紙の
横に懸けます、というのである。

 そのラインアップを見て、うーむと思った。
 梅原猛さん、野依良治さん、江崎玲於奈さん。
いずれに錚々たる人生の大先達であるし、 
 その色紙の内容が堂々たる人生論になっている。

 いつもの私の「フラワーピッグ」では、
いかにもそぐわない。
 
 苦し紛れに考えた。
脳の絵を描いて、ニューロンが
同期発火している様子を描き、

 
 創造トハ自己革新デアル

 The human brain at the moment of creation

 茂木健一郎


 と書いた。
 
 会場は市民会館。全校生徒と父兄、それに
市内の中学の代表で千二百人くらい集まった。
 
 途中で、会場の学生たちといろいろ話したが、
後ろの方に座っていた野田君が立ち上がって大声で
発言してくれて、立派な「最初のペンギン」になった。
 野田君は二年生らしい。

 前の方に座っていた「スパーク君」も
なかなか元気が良かった。

 話を終えた後、有志40名との小規模懇談会。
 佐藤さんが、「脳がわかると人生もわかるというが、
本当は人生がわかるから脳がわかるんじゃないか」
という趣旨の事を言ったのが鋭かった。

 そう、人生との交渉で得られた知見が、
逆に脳に投影されるのであります。

 だとすれば、人生がワカラナケレバ
脳もワカラナイだろう。
 
 水谷先生と名古屋駅に戻りながら、
KJ法の話をした。
 川喜多二郎先生のお話をうかがう。
 水谷先生は、KJ法の研究会に
定期的に出席されている由。

 自分が高校生の時って、どうだったかな。 
 なんだか、ざわざわと胸の中でなにかがうごめく
雨の名古屋であった。

5月 20, 2006 at 06:09 午前 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 人生がワカルから脳がワカル:

» SSH トラックバック Fly into the sky
 出張で地元の高校主催のSSH(Super Science High-school)に参加 これは高校の理科の授業を専門の先生をよんで大々的にやるもの。今回、お見えになった講師の先は「茂木健一郎さん」 じつはこの人の講演は是が非でも聴きたい人であったので嬉しかった。 内容を聞いていて非常に「ふんふん」という内容が多く。自分自身の勉強になった。多くのテレビ出演もされているがやはり生の講演は聴きがいがあった。お金を出しても聞きたい話はこういうものだと思う。... [続きを読む]

受信: 2006/05/21 15:03:26

コメント

茂木さま、

上記の、大島君の質問、差し支えない範囲で公開にも(メールでなく)して頂けると嬉しいです!(私も是非返事を拝見したいですv ・・自分の高校時代をちょっと思い出してみると、好きな課目は自発的にも頑張ったけれど、それ以外は受験校でもなかったので、比較的ノンビリしていたような。。)

投稿: | 2006/05/21 12:30:41

小さい子どもたちや高校生や大学生や若い方が

目をキラキラさせて、何かに取り組んでいるのを
眺めると、とてもうれしく感じてしまいますね!!


私の場合は「あのときの自分に出会う」には

どこかに冷静さと勇気と
そんな自分を引き受ける
ささやかな覚悟がいるかもしれません・・・

でも、畏れずに、そこにも目を向けていくと

またどこか、もっと広い景色が見えてきそうな気もします・・・


今日は、空の高くまでスッキリと晴れそうですね!!

投稿: TOMOはは | 2006/05/21 6:09:36

雨にけぶる名古屋を訪れた、フラワーピッグこと茂木先生。

人生が分かれば脳も分かる…脳が分かれば人生が分かる…脳と人生の関係って、実はほぼ双方向なのかもしれない。

ただし、脳の機能がどういうものかがわかれば、人生が分かる、というそんな単純な話ではないらしい…。

脳科学者はそのへんでいつも悩んでいるのだろう。

脳の機能も、人間が知的に生きる上で大切な役割を果たしている。しかし、脳と人生の関係は、果たしてそれだけなのか。そうは思えない。

ひょっとしたら、もっと生命哲学的な問いが、脳と人生の関係性の中に隠れているかもしれない。

そこを未来の科学の力で解き明かされるのは、えらい先の事だとしても…。

茂木先生をはじめとする、現代脳科学の最前線に立つ世界中の研究者たちが、その道すじを一日も早くつけてくれることを祈念している。

それにしても名古屋にそんな凄い高校があったとは…。トヨタといい、この高校といい、名古屋というところは何と凄いところがあるのだろう。

おお!そういや、SONYを井深大さんとともに創業した盛田昭夫さんも、名古屋の出身でした。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/05/20 18:57:32

Super Science High Schoolというものがあるんですね。初めて知りました。

今朝はワッツを見る気満満でいたら、母がバナナケーキ作ってと言い出して、仕方なくシャカシャカとせわしないなかで拝見しました。

たまたま生物学の賞を取った女子高生が番組に出ていましたが、彼女の学校もサイエンスハイスクールだったのでしょうか。
彼女にも驚きましたが、あの生物・・・すごいですね!
形を変えるところが見たかったです。
名前は・・・驚いた割合に出てこない。情けない脳です。

彼女のような女子高生を見ると、うっすらと希望がわきますが、茂木先生がおっしゃったとおり、きっと彼女のまわりにはよい先生がいたり、環境にも恵まれているんでしょうね。
そう考えるとよけいに、報道された対極のような立場にいる子が気になります。

彼の周りの環境はやはり厳しいものだったんでしょうか。
同じように生まれてきても、まったく別の方向に育つのはなぜか考えてしまいます。
先生のような脳科学者の方たちも、少年院の更正プログラムなどに関わりを持たれたりしますか。
生きてきた年月が短いといえども、心の問題を解決するのは本当に難しいんですね。
被害者の父親が、周囲の目が温かくなければとおっしゃっていたのには胸がつまりました。

手を止め止め見ていたので、なんとなくあやしケーキが出来ました

投稿: | 2006/05/20 16:54:09

 こんにちは!!僕は、先日先生のお話を聞かせていただいた、一宮高校生です。先生のことは、「世界一受けたい授業」にご出演になられたときから興味を持っていました。その先生に、お話を聞けて、とてもうれしい気持ちでいます。先日のお話のあとの懇談会にも出ればよかったのですが、一人で懇談会の輪の中に入る勇気がなく出ることができませんでした。もし、先生のお時間があれば、僕の質問に答えて下さい。
 Q:先生は高校生の時どのような生活をしていましたか?また、定期テストはどのような勉強の仕方をされていましたか?定期テスト以外にも、何か先生のお勧めの勉強はありますか?
 くだらない質問かも知れませんが、ヨロシクお願いします。

redmen_ohio3yo_us@yahoo.co.jp←は僕のパソコンのアドレスです。

投稿: | 2006/05/20 16:02:24

わお、一宮行ったんですか。
いいなぁ、一宮。
ちなみに僕は一宮落ちです(行きたかったぁ)。
でも、もし一宮行っていて、茂木さんのような方が講演来られても、あの頃の僕なら「めんどくせぇなぁ」って思いながら聞いてたんだろうなぁ。
僕は素直に人生が(周りからすると)進んでそうで(自分としては)進んでない方なので、茂木さんの言われる偶有性がよく分かるのです。
だから、もし一宮に行っていたら今とは人生のワカリカタが違ったかもしれない。
一宮に行った多くの友達は全て浪人。
一宮に落ちた僕ともう一人は現役。
僕が茂木さんと(勝手に)出会ったのは去年。
もしかしたら一生その存在をワカラズ、脳もワカラズ人生が終わってたかもしれない。
そう考えると何が良くて何が悪いのか全く分からなくなるのが偶有性なんだけど、とにかくその偶有性の海を懸命にストロークすることがそのような状態にさせるのだと思う。
その懸命さ、本で言われてたところのイニシアティブが絶対に大事なことはワカル。

長文、失礼しました。
今日の記事は心の琴線に触れた(ニューロンが発火した)ので、感じたことを書かせてもらいました。

投稿: どらごんぼーい | 2006/05/20 15:42:16

自己革新・・・どんどんやってみたいです。
発言のさいの最初のペンギンってかなり度胸がいりますね。
そういう人みると好感持ちます。
最近茂木先生のことばをぱくりまくりです。おかげで私の株が値上がりしています。

投稿: | 2006/05/20 12:48:35

すごーい。こんな高校があるんですね。
年間10回も講師の先生をお呼びするなんて。
'Science'でも、梅原猛先生をお呼びするなんて、
『贅沢な10代』を過ごしているのではないでしょうか?
・・自分の子どもにも、
学校生活の時間が長くなるほど、
『贅沢な時間』を過ごしてもらいたいなぁ。

投稿: | 2006/05/20 12:32:35

コメントを書く