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2006/05/31

もっとゆるい時にですね・・・

聖心女子大学の授業は、視覚系の続きと、
解離性同一性障害の脳機構について。

 教室にいってみたら、なぜか
いつも使っているマイクがない。
 黒板消しもない。

 ホワイトボードマーカーも書けるのがない。

 物資不足だ! とくらくらして、
取り敢えず今年初めての出席をとることにした。

 名前を呼んで、返事をしてもらう。
 
 大教室でやっていると、それ自体が
一つのアートプロジェクトのようだ。

 思ったのは、みんな今風の名前に
なっているということ。
 あたりまえか。
 南子と書いて、ナンシーと読ませる人もいた。

 感心しながら名前を呼んでいた時の
ことである。

 「・・・さん」
 「はい」(視認)
 「・・・さん」
 「はい」(視認)
 「田中Aさん」
 「はい」(視認)
 「田中Yさん」
 「はい」(視認)

むむむ?
 二人の田中さんは、並んで座っている。
 もう一度見直すと、とてもよく似ている。

 「あのう、君たち、ひょっとして・・・」
 「そうです。一卵性のふたごです。」
 「下から上がってきたの?」
 「いいえ、大学からです」

 ザ・ピーナッツのように
ユニゾンで答えのではないので念のため。
でも、そんな気分になるではないか。

これは一つのone-shot learningであった!
なんだかなごむ。

この日記はひょっとしたら楽しげに見えるかもしれないが、
実際の生活は悲惨! ということもないが
時間の余裕がないタイトな流れが続いている。
 やることがあまりにも多すぎるのだ。

 私の人生には、
 整理統合、行政改革、リストラクチャリングが
必要であろう。
 一日のほとんどは、まなじりを
決して仕事をしている、という感じなのだが、
その中で起こった面白い出来事を
こうして日記にしている。

 日記に定着されるところばかりを
読んでいると、何だか楽しそうであるが、
 それは部分を全体に拡大しているだけの
話なのである。

 渋谷のNHKへ。
 「極悪三兄弟」の一人、河瀬大作さんが
ディレクターをつとめる
 『プロフェッショナル 仕事の流儀』
仕事術スペシャル(コードネーム 河瀬スペシャル)
の打ち合わせ。

 河瀬さんからのメールに、
「住吉美紀ディレクターもお待ちしています」
と書いてあったので、 
 これはまたゴクアクな冗談を言う、
と思っていたら、本当だった。

 住吉さんが、何人かのプロフェッショナルを
再訪し、仕事術にまとめるという回で、
ナレーションとかも書いているのである。

 打ち合わせは編集済みの取材VTRを見ながら
やる。
 その時のナレーションを、ディレクターが
代読するというのがテレビ業界の習わし
であるが、
 住吉ディレクターのナレーション読みは、
とてつもなくうまかった!
 アナウンサーがディレクターをやると
いろいろ便利なのである。

 有吉伸人チーフプロデューサーが、
「茂木さんの時間活用術は何ですか?」
と聞くので、
 「集中すること。。。あと、最近は、
同時に複数のことをやることかな」
と答えると、有吉さんが「えっ」という。
 「いや、つまり、ロードを大きくしてですね、
ちょっと暇な時になると、頭が勝手に他のことを
考え始めるというか・・・」
と言うと、
 「じゃあ、こういう打ち合わせの時にも
他のことを考えたりするわけですか」
と有吉さん。

 河瀬さんがすかさず「あっ、今、ざらついた」
と言って、みんな爆笑。

 「違います、プロフェッショナルのスタジオや
この打ち合わせのようにインテンスなものは
それだけに集中しています。そうじゃなくて、
私の言うのはもっとゆるい時にですね・・・」
とフォローをしながらも
私も笑っている。

 プロフェッショナルチーム、グッド・ジョブ。

 品川プリンスホテルへ。
 脳に快感 アハ体験!を含むセガの新作ゲームの夏期商談会。

 会場で新作ゲームを眺めていたら、後ろから
声を掛けられた。
 振り向くと、なんとムシキングを作られた
植村比呂志さん。
6月22日放送の『プロフェッショナル』
に登場される。

 植村さんも、私と同様、後ほど壇上に立って
挨拶するということが判明。

 ちょうど、打ち合わせで植村さんが再取材
されたVTRを見たところだった。 
 「植村さんが椅子で仮眠しているシーンが
使われますよ!」と言うと、
 「えっ、そうですか。どこが使われるか
と思って。3時間くらい取材して行きましたからねえ」
と植村さん。

 編集によって世界は切り取られ、再構成されて
いく。
 この日記もまたそうである。
 
 出番が来て、脳に快感 アハ体験!について10分間
スピーチする。

 セガは、このゲームはかなり大量の
プロモーションをかける模様。
 私が登場するテレビCMが会場に流れていたが、
脂汗たらーりのガマの気分になった。

 大手町の讀賣新聞社へ。
 ヨミウリ・ウィークリー編集部に立ち寄り、
川人献一編集長とお話する。
 二居隆司さんは残念ながらいらっしゃらなかった。

 毎週毎週きちんと雑誌を出していくのは
大変な仕事量である。

 そうだ、みんな、仕事をしているのだ!

 読書委員会。

 米原万里さんは前期まで読書委員を
されていたので、
 冒頭、鵜飼哲夫さんが故人を偲ぶ。
 しんみりとする。 

 本の選定終了後、
麹町のブックカフェA/Zでの
懇談会に初めて参加した。

 町田康さんの横に待田晋哉さんが
座り、マチダとマチダが並んだ。
 しかしこの二人はふたごではないのである。

 米原さんを偲んで献杯。
 しばらく故人の思い出話になった。

 やがて、話はスパイラルを描いて
虚空の方へ。

 当たり前のことだが、読書委員の先生
方の見識は大したもので、
 天皇陵から文学史まで、
博覧強記、聞いていて心地よいくらい
ぽんぽんと知識が開陳される。

 いいなあ、二週間に一回、ちゃんと
この懇談会まで出られるくらいの余裕が
欲しい、と思いつつ、
 ビール二杯で退散。
 宴はこれからが酣の気配。

 やることがあり過ぎるというのは
親の敵でござる。

 しかし、振り返っているわけにはいかない。
 とりあえずは目の前のことをやるのみ。

 ダッシュ時々日記。

5月 31, 2006 at 05:36 午前 |

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受信: 2006/06/01 5:16:57

コメント

今、12チャンネルのテレビアニメを見ていた次男(小5)が「あっ、茂木健一郎さんだ」と叫び声をあげました。何事かと飛んで行くと、「脳に快感 アハ体験」のCMが・・・。いよいよですね。
うちの子は、これまであまり本を買ってまでは読まなかった母が突然本を買い、しかも全部茂木さんのご著書で、「生きて死ぬ私」でしっかり茂木さんのお顔まで覚えてしまったよう。いつもは言葉遣いが乱暴な次男が、茂木健一郎さんだと、さんづけで叫んだのにも驚きました。私の茂木さんに対する畏敬の念が、知らず知らずに子供にも伝わったのだと思います。私はいつもはゲームを敵対視する母なのですが、セガのこのゲームは大目にみてあげましょう・・・

投稿: リリアン | 2006/06/06 19:44:19

 茂木さんのちょっと前の日記に、
「仕事と遊びの区別はなくて、何をやっても楽しい」とあったり、
何かで「退屈したことがない」と言っていたり。

 「本当にそういう人がいるの?」と、すごく疑問に思った。
そんな、いつでも超前向き!な人が身近にいたら、なんかこう…
酸素不足と言うよりも、酸素過多で息苦しくなっちゃいそうで。

 でも、茂木さんは“そういう人”じゃなかったと、思っても
良いのかな?この日記を読む限りは!
(またしばらくたったら、元気いっぱいになるかもでしょ?)

 でも、やっぱり茂木さんは、ぎゅうぎゅうの時間の中での面白い
ことを、ぐーんとうーんと大きくして、悲惨な?ことも飲み込んで
福を呼ぶ、魔法使いかもしれない!とも思えた。う~ん…。

 スーパーモギケンマンの、楽しくてちょっと切ない感じが見え
隠れする(していたんだな…)日記を、私はとっても愛してる!
日記の中で、悩める茂木さんを、もっと見てみたいと意地悪な
ことも思ったりもする。

 茂木さん、日記を毎日ありがとうの気持ちを、こうしてコメント
させていただくのが、わたくしのせいいっぱいでございます…。

 お体大切に、茂木健一郎さま。

投稿: 龍神 | 2006/06/02 1:53:15

これは、上から5番目のコメントの補足です。

現代の我々は、本当に大変な時代を生きている。茂木先生も我々も、其々の立場で日々の激務の辛さを味わっている。

TV出演や講演や著書の執筆など、ここ1~2年ほど目くるめく忙しさを生きて居られる茂木先生ではあられるが、スーパーマンではないから、激務の辛さがつい行間から滲み出てしまう。

でも、どんなに激務が辛くても、こうしてほぼ毎日、ブログを更新されておられるのだから、それだけでも凄い!と思ってしまう。

自分だったら疲れきっちゃって、とてもじゃないけど毎日は更新できない。

でも先生、これからの季節は過労で身体を壊しかねないので(梅雨ドキで湿度も高くなるので)、毎度ながら、くれぐれも体調には十分ご留意してください…!

投稿: 銀鏡反応 | 2006/06/01 18:39:38

遠里丹婦麗天  九鬼周造  書斎漫筆から

私は私の全精根を要求する職務を有つている。
 私は体験と読書と思索とに私の有つ時間の全部を
              捧げつくさなければならない。

また私は自分の頭の持ち合わせているものは
 いっさい惜しげなく学生に興へてやらなければならない。

○ 時代の差は、どれほど酷になるのでしょう ○
                   ご自愛のほど 。。。

投稿: 空も 海も 人も | 2006/06/01 6:23:50

こんばんは。
茂木先生の日記はいつも登場人物が多いので、ご多忙ぶりがうかがえます。
名前を覚えるだけでも大変そうなのに、ほんとにつらい部分がみえないのはすごいです。
ダッシュしつつもお体にはお気をつけください。

町田康さんのいる読書委員会は、なんだか楽しそうですね。

先生の新しい英語のブログを読みたいと思ってひらきましたが、英語力が乏しすぎました。
昔テレビで米原万里さんが、自国語がきちんとできていなければ外国語は身につかない、と力強くおっしゃっていました。
ちょうどお母さまたちが幼児期からの英語教育に熱心になりだした頃で、よく考えたらそうだなあと頭に残りました。
米原さんのすてきな声はもう聞けないんですね

わたしの英語力も国語に問題があるのかなあ。
若いうちに国連英検特A級などをとられた茂木先生はどんな風に勉強していましたか?
先生の勉強法が気になります

投稿: M | 2006/06/01 1:19:47

「 一日のほとんどは、まなじりを
決して仕事をしている、という感じなのだが、
その中で起こった面白い出来事を
こうして日記にしている。」

というのは、とてもお忙しくて大変そうと思いつつ、でも、後半部分がこれぞクオリアを大切にした生き方を実践なさっている、という感じですごいな、素敵だな!とも思います。(中途半端な「クオリア」への理解で、解釈がズレていたらすみません。)

そういえば私も以前、双子の高校生の男の子の家庭教師をした事があります。初めの頃、どちらが玄関に出て来てくれたのかサッパリ分からず、部屋に入ってから、どれ位宿題をこなしているか等で判断していたのが(笑)、その内に、出迎えてくれている時の表情などから分かる性格で、どちらが誰か分かるようになったのがとても不思議なものでした。

投稿: 朝 | 2006/06/01 0:03:34

ブログなんてものは、当然ながら私生活の全てを書くわけには行かない。ので、その日の中で面白かったこと、印象に残ったことなどをWEB上に書き記すのがブロガーの共通した「流儀」なのだ。

茂木さんもワーキングにつぐワーキングで、余裕の無い毎日を過ごされているようで、その中から面白かったことをこの「日記」に書かれているわけなのだが、それにしても本当に大変だということは日記を見ても伝わってくる。

私の今やっている本業も、朝は4時起き、5時50分に家を出て、現場につくのはだいたい6時55分、7時10分過ぎから作業を開始する。
10階もある雑居ビルで、トイレ清掃や厨房の生ゴミ、可燃ゴミ、不燃ゴミの回収、表玄関においてあるタバコ灰皿の中の吸殻の処理、
などなど…。これはこれで本当に毎日疲れるのだが、私の仕事でこのビルを使う人達が快適な思いをしてくれれば、愚痴じみたことは言うまいと思って一日一日を頑張っている。

茂木さんも毎日余裕が無い、仕事が大変だ、と仰っているけれども世間の方々の中には、茂木さんの言動のお蔭で感謝している人もいるわけで(敵も当然いるのだろうが)、それを考えたら、自分がもし同じ立場だったら、忙しいからとて愚痴をいったら申し訳ないなぁ、と思う。

それを差し置いても、昨今の茂木さんは御多忙をきわめておられる。もっとゆるい時間が茂木さんにも持てたらなぁ、と自分も思う。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/05/31 18:36:08

いつごろから 茂木さんてメジャーになったのでしょうか。

この頃 ほんとラジオも含めてよく見るようになった。

ぼちぼち やってください。

自閉症児 父より

投稿: ikeo | 2006/05/31 17:46:15

芸大の第三講義室の窓から見えていた

風に大きく揺れる緑の葉の美しさに
気づいていらっしゃいましたか?

今度、米原万里さんを読んでみようと思います。

また違う発見があることを期待しつつ・・・


投稿: TOMOはは | 2006/05/31 17:32:28

おもしろい毎日を送られているのだなぁと、いつも驚愕しつつ読ませていただいています。

時々アップされる「ダッシュ時々日記」を特に楽しみにしているのですが、こういう日記を拝見すると、なんだかほっとするのです。
人の日記を盗み読みしているような・・・身近に感じられるような、そんな気分になれるので。
だいたい、茂木さんがブログをしているよ!と友人に教えてもらった時、それだけでもかなり親近感が。

本当に大忙しで走り回られているのですね。
テレビで拝見するのをいつも楽しみにしています!

投稿: double face-d | 2006/05/31 13:47:35

過日、茂木さんのことを超人と書きましたが、今日の日記を拝見して、
やっぱり茂木さんも人間なんだあ、とちょっとうれしくなりました(失礼!)

生きるって本当に切ないですね。切り捨てるものがたくさんあって。
日記に書かれていない切り捨てられた部分に秘められた哀愁が、行間から伝わってきました。

ところで、最近ユーミンの2000年以降の曲を聴くようになって、
My BEST 3 が変わりつつあります・・・

投稿: リリアン | 2006/05/31 8:39:47

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