好きな深海底の生物の話だったので
まあとにかくむちゃくちゃな
一日であった。
忙しさのピークになると、やることが
あまりにも在りすぎて、
朝起きた時から精密機械のように
こなしていかないとやり終わらない。
昨日はそういう一日で、
「こんなに小さなマージンで乗り切っている
なんて、普通は信じないだろうな」という
ような感じで時間が過ぎていった。
聖心女子大学の「現代の脳科学」
3回目。
記憶の問題、それに
dreamingの話をした。
広尾駅近くのカフェにて、
日本テレビ「世界一受けたい授業」の
打ち合わせ。
プロデューサーの竹下美佐さん、
ディレクターの佐藤友美さん、
ディレクターの倉田忠明さん
放送作家の富樫香織さん。
店の前で竹下さんにお目にかかった時、
「誰がいらしているんですか?」
と尋ねて、
「倉田さんと富樫さんです」
と聴き、思わず「おーゴージャス!」
と思ってしまった。
倉田忠明さんはアハセンテンスの天才。
富樫さんは一ヶ月50冊の本を読み、
どこに何が書いてあるか覚えている
「サヴァン」である。
番組は
5月27日収録予定。
研究所へ。
いつもは学生のいるスペースに
行くのだが、
せっぱ詰まった仕事が幾つか
あったので、
珍しく自室にこもってやっていると、
大塚まりさんが「あら、ここにいらしたんですか!」
とやってくる。
続いて、関根崇泰が「あれ、茂木さんいたんですか」
とやってくる。
そのうち、隣の部屋から北野宏明さんと
白石哲也さんが議論する声が聞こえてきた。
私の好きな深海底の生物の話だったので、
思わず「そういえば・・・!」
と話に入る。
読売新聞大阪本社の、
『ダ・ヴィンチ・コード』に関する
取材を受ける。
読売新聞大阪本社の谷口武史さん
新通の西野峰生さん
ソニーピクチャーズエンタティンメントの
浅見準さん
写真家の久山城正さん。
久山さんは原田宗典さんとお仕事を
されている方。
年に一回の研究所のreview talk。
私は、いかに行動経済学、神経経済学
と続いてきた効用関数の確率的記述
というパラダイムを乗り越えるか、
ということが大切だということを中心に話す。
そのためには、dopamineの持っている
double roleに着目することが大切なんだと
思う。
冒頭、チャールズ・ダーウィンの「種の起源」
に至る道と、その後のメンデルの再発見、
modern evolutionary synthesis
(neo-Darwinism)に至る歴史を振り返る。
意識の科学に関して言えば、私たちは
まだダーウィン登場の前の段階にいる。
脳研究グループでは、Zhangさん、田谷文彦
もreview talkをする。
田谷は初めてのreview talkだったが、
リッパに乗り切っていた。
ご苦労さま!
大塚まりさんが机をキレイにしてくださって、
私の部屋は使い勝手が良くなった。
時折、関根貴泰が計算をするのに使っている
ことを私は知っている!
昨日も、A3の紙数枚に何やらアイデアを
びっしり書いたものを持ってうろうろして
いたが、
何をたくらんでいるのだろう。
関根は思考に羽根が生えて飛んでいく
タイプなので、
empirical scienceとしてのgroundingを
するためにも、
こんどじっくり話を聞こうと思う。
5月 10, 2006 at 07:43 午前 | Permalink
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コメント
天使のようにふわふわと、かろやかに思想の世界を飛び回る…そうか、思想に羽が生えて…というのはそういうことなんだな…。
地を這い回るが如く活動する人もいれば、天を舞うが如くかろやかに我が道をゆく人もいるのだな。
ところで、茂木先生はどんなタイプなのだろう?
蝶の様に天空をひらひらひらと舞うが如く活動するタイプかも…。
駄文にて失礼致しましたm(_)m
投稿: 銀鏡反応 | 2006/05/13 14:26:04
久しぶりのような気がする、茂木さんの超多忙な日常日記。
だれだれとどこそこで対談だとかというよりも、
私は、こういう何気ない日常が書かれている茂木さんの日記が
好きだったりする。
(たとえば、お弁当やビールがおいしかった話だとか…。)
うーん…だから…どの茂木さんも茂木さんなのだろうけれど…
お友達や生徒さんと接しているときが、メディアを通した
茂木さんよりも、きっと、もっと、うーんと魅力的なんじゃない
かな?と、私の妖怪アンテナが(茂木さんが妖怪っていうわけじゃなくて!)、ピーンと感じる!
あくまでも、私が想像で感じているだけだけれど。
機械のようにかたかたかたとお仕事をこなされている茂木さんに
申し訳ない気がしつつも、私はほくほくにこにこしてしまう、
桜の香りがしてきそうな、風と雨の夜です。
投稿: 龍神 | 2006/05/10 23:54:08
実は、私自身もそんなところがあるのでは・・・?と
ふと想ってしまったのです。
本人にとっては、ナチュラルな流れというあたりは
なんだか良く分かるような…気がします。
一応、気がついてなるべくモードチェンジできるように
したいんですけれど。
あぁ、もしかしてまた浮いてますかしら?
投稿: TOMOはは | 2006/05/10 22:12:52
思考に羽が生えて飛んでいく とは、
本人にとっては、ごくごく ナチュラルな
待てよ 待てよの声も届かず スルスルと迷うことなく
天に向って伸びていく ジャックと豆の木の 蔓の様
気がつけば 雲のうえ 得意技です。
投稿: kei | 2006/05/10 19:54:13
「世界一受けたい授業」5月27日収録…ということは6月ごろに番組が放映されるということなのかも!楽しみです。
今回のエントリーでうかがったご多忙ぶり、本当にお疲れ様です。決して無理を為さらず、ご自愛を。
意識の謎を解く科学は、まだ黎明期の段階なんですね。他の半端な学者たちがドリルとかパズルとかに気を取られている間に、茂木先生ら脳と意識の本質に迫る人たちが、意識科学の黎明期の扉を開くことを期待しています。
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人間は脳の中に宇宙があると仮想できる、唯一の生物なのだ。意識そしてクオリアの謎を解き明かすことが、人間の脳に仮想された宇宙の姿を一分でも明かすことになるだろう。
それにしても「思想に羽根が生えて飛んでいくタイプ」ってどんなタイプなんだろう???
TOMOはは様と同様、不思議に思います。
投稿: 銀鏡反応 | 2006/05/10 18:48:18
「思考に羽根が生えて飛んでいくタイプ」って、どんなんでしょう???
何だかとっても興味があります!!
私も、有能な秘書のような人がいたらいいなぁ…
なんて贅沢なことを考えてしまいました!
さぁ、今日は私も「お仕事!!」モードです!!
投稿: TOMOはは | 2006/05/10 8:23:01