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2006/04/28

「このスキに」ということで修繕を始める

ひたすらたまった仕事を
片付ける一日。
 それでもまったく終わらない。 
 仕事をかわりにやって
くれる小さな人たちが欲しい。

 ちょっと気をぬくと、どーっと
疲れが出てきて、
 ああ、これは普段はかなり無理を
しているんだなあ(笑)ということが
わかる。

 身体や脳は、きっと、「このスキに」
ということで修繕を始めるのであろう。

  東芝EMIの方に送っていただいた
ヘンデルのイタリア語カンタータ
を聴いてみたが、秀逸。

 私の平安を奪った
 あの魂が
 天上に在るのなら、 
 想いが天に飛んでいきますように!

 でももし、私を蔑んだがゆえに
 あの人が奈落に落とされたのなら、
 私は、罪の王国から
 いとしい人を奪い取るでしょう。

(『愛の狂乱』より)

 身体運動として表れる
(つまり、ダーウィン的なセンスで言えば、
淘汰に直接かかる)表現型など、
 実は大したことじゃないんだと
つくづく思う。

 目から一筋の涙が流し、
 寝ころんで身動きしない人は
何もやっていないようにも思われる
けれども、
 脳髄の中で起こっている精神運動の嵐の
中に、全宇宙を包み込んでしまうような
波乱はあるに決まっている。

 全てがプラクティカルに、explicitな
表現を求めて動いているかに見える現代は、
 その裏側にある魂の内宇宙について
真摯に想いを寄せなければ、
 いつか手ひどいしっぺ返しを
受けるのでありましょう。

4月 28, 2006 at 07:04 午前 |

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コメント

イタリア語カンタータ、Amazon.comで何となく試聴したら、珍しくCDの殆どの曲がハートを掴んだ結果(笑)、今日実物が届きました! 
(パリ郊外の村、provinでの年一度の村を上げてのフェスティバルで、ずっと流れていた音楽にも似ている気がしました。。)

Amazonで日本版は数日掛かるようなので、'From US, Import'版を購入したところ、届いたCDは'Made in Holland'のシールがペタリ。あれ、どうして?製造元は?と見るとVirgin Classicsのロゴがぱっと目に入りました。(Emi Records Ltdも勿論、共同で所有しているようですが) Virginは英国企業、でもこの歌い手はフランス人で、音楽はイタリアの中世のもの(ですよね?)。。。そして、購入した私は日本人! またもグローバリゼーションを体感しました! 

今、聴きながら書いています(^^)、素敵なCDのご紹介を有難うございました。

投稿: | 2006/05/04 0:36:53

 仕事をかわりにやってくれる小さな人たちって、
眠らないと出てこない人たち?

 も~っと小さな人たちが、スキをみて修繕。

 茂木さん、スキをみて休憩や睡眠を取ってくだされ。

投稿: | 2006/04/30 21:15:50

 ふがっ…ううう…いっ、いかん、涙が…。
 とくに胸にしみるよ、この日の日記。

 去年の今ごろ、大学時代の友達がご両親と遊びにきて
くださった。「札幌、もっと寒いかと思ったよ!」と、
皆さんが言うくらい天候に恵まれて、友達のリクエストでモエレ沼公園に
行ってモエレ山に登り、私が「みんなが泊まっているホテルが
見えるよ!おじさんは今、ひと休み中だね。」なんて言ったのが昨日のことのようで、遠い昔のようで。

 大人になると、飛行機ですぐ会えるはずの距離が、なんと
遠いことか…。大学を卒業するまでは、思いもしませんでした。

 その友達とおばさんから、毎年送ってくださるお守りと一緒に、
近況報告の手紙が届いたのが、2日ほど前。
 どうしても感傷的になってしまうのは、仕方がないよね…。

 本当に、時間って、なんて不思議。意地悪とさえ思うわ。

投稿: | 2006/04/30 20:53:03

いろいろたまりにたまったお仕事を片付けるキツイ一日の中で、魂を震わせる音楽経験。いいなぁ。

ヘンデルのイタリア語カンタータを聞いて目から涙を流し、魂の内宇宙に思いを寄せている茂木さんのお姿が目に浮かぶ。

「…目から一筋の涙を流し、寝転んで身動きしない人は、何もやっていないようにも思われるけれども、脳髄の中で起こっている精神運動の嵐の中に、全宇宙を包みこんでしまうような波乱はあるにきまっている…全て(の生活、仕事、もろもろ)がプラクティカルに、explicitな表現を求めて動いているかに見える現代は、その裏側にある魂の内宇宙について、真摯に想いを寄せなければ、何時か手酷いしっぺ返しを受けるのでありましょう…」

何時か、というより、最早とっくにそんな「しっぺ返し」を受けている現代。自分達の脳髄の中で絶えず起こっている精神運動の嵐の中に、内面宇宙の躍動をみることをしない、いまの人達。

そういう人達に限って、なぜか、“自分探し”と称して自分の外に幻の自分を求める愚かしい行為をしたり、危険なインチキ宗教や、いかがわしい占いに嵌ったりする。そんな人達が現代という時代を構成している。嗚呼これぞ「バカの壁」的世界。

身動きせず(あるいは出来ず)、一人目から涙を流しながらじっとしていても、頭の中には嵐が起こり、全宇宙を包括し、揺るがす波乱が捲き起こっているものだと自分も思う次第。


自分以外に「自分」はないことを悟り、魂の内宇宙に思いを馳せる時、そこに外面の宇宙と同じく無限大に広がる内面宇宙の真実の姿を見る。

そしてそこに、森羅万象・万物を貫く生命の律動があることを垣間見る思いがする。

そこまで思いを寄せないと、現代を生きる人間は、ますます手酷いしっぺ返しを食らうだけに相違ない。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/04/28 18:40:04

仕事や生活のプラクティカルな構築のただなかで、もし、魂をかかわらせずにそれを遂行できれば、それはそれで快適なリズムをつくれるのかもしれませんが、そのような仕事は、結局、たんなる「仕事」なのかも知れませんね。「マン・アワー・コスト」のオペレーションの立場から、あの人は「仕事」をやっていない、と非難されるような経験が私にもありました。「仕事」をやっていないように見えるかも知れんが、頭のなかでは企画や創造が渦巻いているんだもんね、という反論はこういう場合、無力なんですね、残念ながら。しかし、仕事プラグマティズムの人間関係構築の彼方での人とのつきあいをつくれる成熟を持った人はすばらしいです。昨夜の「プロフェッショナル仕事の流儀」に出てきた女性にはそういう意味でちょっと魅力を感じました。

投稿: | 2006/04/28 10:14:14

昨日、鎌倉芸術館で
映画「歓びを歌にのせて」を観てきました。

ご覧になった方は、いらっしゃいますか?

内容は、ここでは申し上げませんが

私は、身体も心もぐらぐらと揺さぶられるような
感覚に襲われました。


ひょっとしたら『脳髄の中で起こっている精神運動の嵐』が

通り過ぎていったのかもしれません…

投稿: TOMOはは | 2006/04/28 7:18:42

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