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2006/04/09

バックミラー

 小松空港から、全日空ホテルに直行。
途中、三枝さんから何回か電話をいただく。
中華料理屋「花梨」へ来い!
とのこと。

 着いて、さっそく昼食を
取りながら打ち合わせ。
 「あの、その会場の石川県立音楽堂というのは
どこですか?」
 「このすぐ横ですよ。あるいて一分」
 「えっ、こんなところに、そんなのありました
っけ?」

 何しろ、私の金沢の認知地図は、金沢工業大学に
在職中の畏友、
田森佳秀とふらふらした思い出で出来ている。
 その頃の地図の中に音楽堂はなかった
はずなのだが、
 ホテルを出ると確かに横に立派なホールがある。

 楽屋口から入り、エレベーターを
上がると、思い思いに楽器を弾いている人たちが
いた。

 さっそくゲネプロ。私の役回りは、
舞台の上に三枝さんと並んで坐って、曲の合間に
話をするということ。
 
 第一バイオリンの下手あたりに
座り、じっくりと聴く。
 ベートーベン、モーツァルト、それに
三枝さんの作品。
 
 いつもと違った角度から聞いていて、
長年の疑問が氷解した。
 楽団員が、指揮者の方を一向に見ずに、
楽譜ばかり見ているように思っていたのだが、
その位置から見ると、楽譜に目を落としても
視野の上の方にちゃんと指揮者が見える。

 ちょうど、車の運転をしていて
バックミラーを見るようなもの。

 そっちばかり見ていては駄目で、
指揮者を視野の一部にとらえつつ、楽譜も
ちゃんと読めなければならない。

 「初心者だと、オケに入って指揮者が
見えるようになるまで、大体半年はかかりますよ」
と三枝さん。

 ゲネプロを終え、本番前のひとときを
金沢駅まで散歩した。
 大きな「もてなしドーム」が
付設された駅舎は、印象を一新。

 私が知っていた、どこか寂しげな
ターミナルの面影はなくなっていた。

 本番。
 ステージ・マスターの指示に従っての
ステージの出入りを初体験。

 講演会とはまた違った、ぽかぽかと
する感覚。
 オーケストラの人たちの気持ちが
ぐっと伝わってくるような気がした。

 終演後、一時間くらいサインをした。
本やパンフレット。
 フラワーピッグを沢山描いた。
ロケットに乗ったやつや、
 水に浮かぶボトルに入ったやつ。
フラワーピッグの家でソファにくつろぐやつ。
いろんな変種が出来た。

 全てのサインが終了した後、
 リブロ金沢の竹林明徳さんと、土屋佳裕さんに
依頼されて、
 何冊かの本にフラワーピッグのサインを
したので、近日中に
 店頭に並ぶものと思われます。

 金沢近辺にお住まいの方、もしよろしければ
リブロ金沢店(リファーレ1、2F)を
覗いてみてください。

 本日の「週刊ブックレビュー」で
三舩優子さんが『クオリア降臨』を
取り上げてくださる模様。

http://www.nhk.or.jp/book/prog/index.html

4月 9, 2006 at 07:47 午前 |

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コメント

楽器の演奏ができる方は、ほんとうに素敵ですね!

私は、聞くことしかできませんが・・・

子どもが、最近リコーダーを始めて
手つきもまだまだ怪しくて・・・

昔のことを思い出しておりました。

豊頃のHPから、ハルニレの写真を見てきました。

とても惹かれるものを感じました。

風の色も見えるような広々とした大地の中に
2本の樹が、ひとつになるように立っていることに
不思議な感動が湧き上がって

いつか必ず、その場所を訪れてみたいと想いました。

龍神 さま  
素敵な連想を届けてくれて、ありがとうございます!

投稿: TOMOはは | 2006/04/14 7:24:09

 私は、よく分からんうちに「今度はオーケストラをやります」と
放り込まれ、やれ指揮を見ろだの、まわりの音も聞けだのと、
あまりうるさく言われた記憶は無いのですが、
体感…っていうのかな…とにかく、指揮を見ないと、
上手くいかなくなるような感覚で、指揮を視界に入れることを
とらえたような…。
 子供だったので、わりかし早かったように思います。


 田森佳秀さん!豊頃出身のひらがなのお方!
 以前の日記を拝見した時から、強烈に記憶に残っています。
 なぜならその時、このようなユニークな方と同郷であることを、
本当に、本当に、とっても誇りに思ったから!!

 「フラワーピッグの家のソファでくつろぐ
茂木さん」の絵は、どうかな?

投稿: 龍神 | 2006/04/14 2:03:17

オーケストラを、第一バイオリンの下手あたりでお聴きになったということは

客席とは、また違った音の響き=空気の振動や
指揮者や演奏する方たちの息遣いのようなものまで

身近で、ストレートに感じられたということでしょうか?

それはそれは、私などの想像を超えた感動が
おありでいらしたことでしょうね・・・


さて、いつもの私の思い出話で申し訳ありませんが・・・

金沢も、大学時代の春休みに一人旅いたしました。

おそらく、先に永平寺に一泊してから、金沢にまわったと記憶しております。
(なんせ、20年以上前なので・・・)

永平寺には、雪が残っていて
精進料理をいただいて、夜には、坐禅をしたと思いますが
あまり、はっきりは覚えておりません。

のちに、NHK特集の永平寺での修行を取り上げた番組で観た
張り詰めたような空気とは、少し違ったように思いますが

ただ、俗世界を少し遠くに眺めるような
自分の魂の奥を見極めようと、精神世界に踏み込んでいくための

入り口の関門が存在するのかもしれないと
いま振り返ってみると、思えてきます・・・


そこから、金沢に行って、浅野川近くに宿泊し
金沢の町並みを歩いて、冶部煮をいただいたりして
おそらく梅が咲いていた兼六園を散策したと思います。


懐かしさも、よみがえりましたが、と同時に

金沢の観光協会のHPを見たところ
現在の金沢の様子が、とても丁寧に紹介されていて

時の流れの不思議さを感じておりました・・・

茂木先生のお話のおかげで

日本の各地を、旅しているような気持ちになれるのは
私だけでしょうか・・・?

投稿: TOMOはは | 2006/04/09 15:08:26

散歩コースの途中にある、中学校からブラスバンド部のロングトーンが聴こえてきます。出だし『ぷおーん』っと調子っぱずれなトロンボーン君・・・。息が続かず途中『ぴよ~ん』と消え行くトランペット君・・・。のどかな幸せを感じる散歩道。


投稿: 平太 | 2006/04/09 14:34:14

茂木先生、金沢の印象はいかがでしょうか?
金沢工業大学に畏友がいらっしゃるとは思いもしませんでした。
金工大も、理系・文系が同居している感があり、
しかもアナログレコードも集めているようです。

昨日は様々な幼稚園合同で、花まつり がありました。
三枝先生がガンダムの作曲者であることを
今さら知ったこと(すみません)、
三日前までならば託児ができること、
でもガンダムの曲をオーケストラで聴けるのならば
子どもにも聞かせてみたいこと などで、
結局、足を運ぶ という決断ができず過ぎてしまいました。
ベートーベン・モーツァルト・三枝先生の曲の合間に
茂木先生のMC(?)を見て、
じわじわと後悔の念が・・

譜面と指揮者を見ることに慣れるには半年かかる ということは、
クラシックの譜面に対する忠実さ があるような気がしました。
好きな曲・短い曲ならば、きっと覚えられると思うのですが。

金沢駅をあそこまでゴージャスにせず、
他にお金を使っても良いのでは・・?
原発2号機は是非とも止めてほしい と思うのは
私だけでしょうか?

金沢で、熟睡できましたか?
金沢と福井の印象は違いますか?

投稿: yuri | 2006/04/09 13:03:06

…ところで、最近「クオリア日記」のトラックバックに、不適切と思われるトラックバックが沢山来ているように思われる。

削除するのが適当かと思われます。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/04/09 12:21:13

週刊ブックレビュー・三舩優子さんの『クオリア降臨』の書評、拝見させて頂きました!ご存知の通り、当番組は他のパネラーもコメントするのですが以下の通りでした。

○ピアニスト・三舩優子さん「表紙に惹かれた。読み易い。新しい科学を語っている。見聞の広さに驚く。モーツアルトを独特の視点から捉え親近感を感じると説く、とても新鮮なアプローチ」

○作家・藤沢周さん(茂木先生ご出演回に司会をされた方)「人柄が非常に柔軟で懐深い方だった。23世紀の科学の在り方を強く信じていた」

○スポーツライター・長田渚左さん「段落毎の小見出しの付け方が上手い。人間好きと感じる」

○俳優・児玉清さん「再度、熟読してみたいと感じる作品」

○女優・中江有里さん「非常に射程が広く、圧倒された。クオリアと降臨の語感が非常に似ている。掛けているのではないか?」

投稿: ポロネーズ | 2006/04/09 11:15:16

自分も高校時代、吹奏楽部に所属していたことがあるので経験があるが、演奏のさい、譜面ばかり見ていてはダメで、ちゃんと指揮者の姿も見ていないといけない、ということは先輩から耳が胼胝(タコ)だらけになるほど聴かされてきた。

「オケに入って、指揮者が見えるようになるまで、大体半年はかかりますよ」と三枝氏は言われたそうだが、思い起こせば私の場合も指揮者が見えるようになるまで、まあ半年は掛かったかもしれない。(個人差はあるが、私の場合は半年以上かかったかも)

曲の合間に話をする、これはポップミュージックにおけるMCと変わらないが、MCの場合は演奏者自身の最近あった体験、たとえば、「昨日オレは馬鹿でかい土佐犬にいきなり吠えられて…」とか「こないだ確定申告したら手続きがえらいめんどくさくて…」などという自分周辺の話ぐらいしかしないものなのだが、オーケストラにおけるそれはそういうものとは違うのだろうか。違うんだろうなァ。

そういえば、最近オーケストラを聴きに行っていない。生の音楽体験が足りなくなる事は人間、とりわけアーティスト志向のものにとっては“痛い”。

茂木先生のようにヴァーグナーの「指輪」を学生時代から20年も聴けるような身分に、自分もなりたいものだ。うーん。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/04/09 9:46:14

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