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2006/04/13

小沢さん、これ何だかわかりますか?

今日も今日とて
ブレスト、打ち合わせ、会議。

 そんな中、講談社の小沢久さんに
久しぶりにお目にかかった。

 小沢久さんは、
『心が脳を感じるとき』
をつくってくださった編集者で、
当時は講談社の学芸、今はブルーバックスに
いらっしゃる。

 長らく絶版だったが、今回、
ちくま学芸文庫に『クオリア入門』
として収録された。

 その『クオリア入門』の後書きから、
小沢さんについて書いているところを引用する。

 今でも小沢さんと「黄金期」と呼び習わしているある時期には、ほとんど毎週のように会って議論をし、その後午前2時とか3時まで飲んだ。お付き合いくださった小沢さんも大変だったと思うが、私も翌日眠くて仕方がなかった。それでも、また性懲りもなく会って夢中になって議論する。それくらい、小沢さんとの議論は面白かったのである。
 小沢さんとの「深夜の編集会議」の甲斐もあって、『心が脳を感じるとき』は、『脳とクオリア』の議論を受けて、それをさらに精緻化して展開すると同時に、全く新しい問題意識と出会った、私にとって一つのマイルストーンとなる本になったのである。

 講談社3Fのカフェテリアで、
 hidden figuresをつくるプロジェクトで、
森定泉さん、漫画家の高田タミさんと
打ち合わせをしているところに、
小沢さんがひょっこりと現れた。

 周知の通り、良いhidden figuresは
世の中にあまりなく、
 「名作」は4つしか知られていない。

 良いhidden figuresとは、「不知」の
もやもやから「知」の確信へのジャンプが
大きいもの(aha!感)が強いものであり、
 どうしたらそのようなfigureができるのか、
周波数によるfilteringとか、そのような
 ことではどうも扱えないということが
わかっている。
 より、人間の視覚系の動作に内在した
「微妙な仕掛け」が必要とされているのだ。

 このプロジェクトは、新しい「名作」
をつくることで、
 one-shot learningの研究を促進すると
ともに、
 講談社としては面白い本がつくれる!
という一石二鳥。
 
 ところが困ったことがあって、
hidden figuresは、何しろone-shot learning
だから、つくっている者や、一度わかって
しまった者は、見ても「不知」の状態に
戻れない。

 そこで、小沢久さんに、
「小沢さん、これ何だかわかりますか?」
と次々とhidden figuresを見せた。

 白と黒のパターンを見つめる小沢さん。

 うーんと首をひねっているが、
こちらは、「すぐにわかっちゃうんじゃないか」
と気が気ではない。

 「わからないなあ」というのが、
小沢久ならではの思いやりに満ちた
演技なのではないか、と疑心暗鬼。

 しかし、実際には本当にわからなかったらしく、
わかっちゃうやつは一瞬で「これ、○○でしょ」
と瞬間知覚器と化す小沢久だった。

 本当に久しぶりに会ったので、
何だかとてもなつかしくて、
ついついニヤニヤ笑ってしまう。

 いやあ、旧友というものはいいもんですね。

 小沢久は、青島幸夫に似ている。

4月 13, 2006 at 08:02 午前 |

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コメント

 この日記のプロジェクトとは別なのだろうけれど、
ちょっと前の日記に書かれていた、
『6月発売(予定?)のあるもの』が、何かわかっちゃった。
 アハった!
 本当に、ふっと、偶然に。
 その情報があるいて、私のところにやってきた
ような感じで。

 日記でお知らせされるまで、知らずにいたかったのになー。
 箱をあけるまでの、うきうきわくわくするうれしさって、
あるもんね。

 フラワーピッグが…でしょ? 

投稿: 龍神 | 2006/04/20 3:51:31

現在「クオリア入門」を読ませて頂いているが、「私」の見取り図というところで、止まっている。

脳の探究の世界は、奥が深いなァ、と思わせる事しきり。

白い闇のような「不知」のもやもやからはっきりとした強い「知」の確信(Aha!感)をもたらすものは如何して生まれるのだろう?自分にはよくはわからないが、もしかして、自然界に多く内在しているもののなかにそれのもととなるものがあるような気がしている。

この地球に住まう数多の人間が抱えている諸々の厄介な問題は、クオリアなど人の脳の問題も含めて、完全解決されていないもの、または未解明なものが多い。


茂木健一郎博士をはじめ、数多の脳研究者がアタマを痛めている人脳に拘わる種々の問題。それは100年後にははたして解き明かされるのか。

その時、科学と、科学でないとされてきたものとの融合は引き起こされるのだろうか。

いずれにしろ、未来は白紙ゆえに、この脳研究者を始め、いろいろな人間たちの行動次第でそうなるかならないかが、決まってくる。
無論、私自身の未来も。

それにしても、茂木先生の旧友の小沢さん、そんなに青島幸男に似ているのかな?(^0^)

投稿: 銀鏡反応 | 2006/04/13 18:37:10

「小沢さん相変わらず青島幸夫に似てるなぁ・・・」って
ちらりと顔を覗き込みながら、更に増してニヤニヤしている
茂木さんの様子が目に浮かんできました。(^^)

投稿: アブレオ | 2006/04/13 17:33:50

あら、上手く貼り付けられないみたいで、ゴメンナサイ!

投稿: TOMOはは | 2006/04/13 12:28:40

先ほどの、私の引用した枝廣さんのコメントの出典を、記載いたします。

●システム思考メルマガ
http://groups.yahoo.co.jp/group/systems_thinking_byCA/

これからの世界を考える時に、何か役に立つような気がします・・・

皆さまは、いかが考えられますか?

茂木先生!

ここに貼り付けますことを、お許しください!!

投稿: TOMOはは | 2006/04/13 12:23:59

ブログのネタを思いついたとき、
思考と思考がリンクして新たなアイデアとなったとき、
とても気持ちよくなる。
これはアハ体験?

ここ数日、アハアハしております。。

投稿: 54notall | 2006/04/13 12:17:45

あ~、そうでした!

『クオリア入門』を読みかけで、ユングの深い森に迷い込んでおりました。

でも、ここは少し暗くしっとりとした小みちで森林浴をしているような
心地よさがたまらなく、傷を癒すにはなかなかいいものです・・・

・・・と、放っておくとどこへ迷い込むやらわかりませんので

今お話したいことは、ご存知の方もあると思いますが

“システム思考”のことで
私がぶつかったのは、環境問題がきっかけです。

今朝の枝廣 淳子さんのメルマガから引用させていただくと

『システム思考は、
目の前の部分だけ(または見たい・見せたい部分だけ)ではなく、
全体を考えようというものの見方ですが、
ここでもその重要性がわかります。

日本語には「あちら立てればこちらが立たぬ」という表現がありますが、
その「あちら」だけを見たり考えるのではなく、
「あちらもこちらも」考える必要があります。

なぜなら世界は「あちら」だけで
成り立っているわけではないからです。・・・』

PCのプログラミングの関連が、基にあるのかもしれませんが
私は、枝廣さんのお話にとても興味を覚えました。

今、私が、ぐるぐるといろいろ考えながらめぐっている何かに

遠回りでも少しずつ向かっているような気がしています。

今朝は、おかげさまで、少し集中力が復活してきました。

心と身体は、どちらもそれぞれの影響を受けながら
関連していることを、体感しているような気がしています・・・

投稿: TOMOはは | 2006/04/13 9:28:47

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