うれしい。
研究所の自分の部屋に一週間ぶりくらいに
入ったら、驚いた!
書類がうゎーっと山積していた
机の上が、キレイになっているのである。
ここのところ、あまりにも忙しいのと、
広報関係の話が多くなってきたので、
新しく私に限らず広報関係の対応の
手助けをしてくださる方がいらしたのだった。
その、大塚まりさんが、
山積していた書類を整理して、
机を「さら地」にしてくださったのだった。
こんなにオレの部屋は広かったのか、
と感動。
大塚さん、ありがとうございます。
春秋社の小島直人さん御来所。
私が「解説」を寄稿させていただいた
『書きたがる脳』を持参いただく。
田谷文彦と三人でお昼を食べながら
話す。
文藝春秋は、実は春秋社から分かれたという
ことを初めてうかがった。
なるほど!
テレビ朝日の森島留美子さん、
文化工房の大木順平さん、朝倉健司さん、
佐々木泰一さんがいらっしゃる。
松岡修造塾で、子供たちに脳のことを
話す件。
いろいろアイデアを出す。
広報担当大塚さん、それに
総務の北森裕見子さん、川島由美子さんと
ミーティング。
たまりにたまった事項の処理。
大塚さんが、私の机をさら地にして
くださった時、いろいろと書類が
「発掘」されて、それに対する
対応をその場で処理する。
「これは茂木さんが持って帰って
ください」と書類の束を渡される。
しばらく先の講演会の会場案内や、
私信などだが、私が
「任せてください!」とばかりに
書類をぱっぱっぱと
まとめているのを見ていた北森さんが
一言。
「茂木さんが、その書類をどうするのか、
ようくわかるような気がします」
ぎくっ。
確かに、家の机の前の椅子の上にどーんと
積み上げて、読まない可能性大。
それだけ時間に追われている、という言い方も
できるが、
整理整頓ができない、ということでもある。
しょげてゼミへ。われわれのゼミは
The Brain Clubと言う。
すでに小俣がラットのA1の論文紹介を
始めていた。
characteristic frequencyでマップを描くと、
A1自体がある程度キレイに一次元の周波数
空間に写像されているように見える。
しかし、何だか変な気もする。もしそれだけならば、
hair cellですでに実現されているはずである。
なぜ、cortexで再びredundantな表現をするのか?
思うに、あるcriterionでマップを描いた結果は
一つの切り口に過ぎず、別のcriterion
(例えば、小俣が紹介した論文にあった
frequency空間での上昇、下降のdirection)で
マップを描けば、上の一次元写像の上に別の
functionalityが重ね合わせられるのだろう。
response selectivityを、単一軸ではなく
時空間的に共存し得る複数軸の上で考えなければ、
(つまり、4次元の中に異なる領域がdenseに
詰まっているイメージ。overlapあり)
本来cortexが果たしている生物学的機能は
捉えきれないのではないか。
てなことを考えながら、
研究所の一階入り口で売っている
「強い子のミロ」を飲む。
松任谷由実さんが講談社のGraziaの今月号
(April 2006 No.121)
で『脳と仮想』のことに触れてくださっている。
(脳科学者の)茂木健一郎さんの本にすっかり
はまちゃって。科学書になると思うんだけど、
読みながらボロボロ泣いてしまったんです。
・・・『脳と仮想』という本の中に、感動
するというのは脳が傷つくこと、そうして傷ついた
脳をリカバーしようとするとき、創造が生まれる
とあって。そうそう、そうなんだよね、とうなずき
ながら涙を流していた。・・・・・
うれしい。
私の友人は知っているように、
私はカラオケでよくユーミンを歌っているのです。
この記事の中で、松任谷さんは「自分も
オリジネーターじゃないと意味がない」と
言われています。
生み出すということは、生きている
ということと同じで、
その過程で傷つくこともあるのですね。
3月 11, 2006 at 07:02 午前 | Permalink
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コメント
『クオリア入門――心が脳を感じるとき』を、私も読み始めました。
雪女さま 大丈夫です!
わかっていると思っている方も、わからないと思っている方にも
茂木先生のAha効果は、即時的にも遅延型でも
必ず大きな影響と効果をもたらすことは、たぶん間違いないことだと
(私は、ただの素人ですが)かなりの確信を持って申し上げられます。
要するに、わからないことにも大きな意味があるということです。
こういっている私も、分からないことだらけですし
考え出すと、かえって分からないことだらけになりますので
そこをいかに、「まぁいいっか!!」とジャンプするのも
楽しいもののように思います・・・
・・・きっと、何をいいたいのか伝わらない文章になってしまいましたが
皆様お許しくださいね!
“歌のチカラ”について書いてみましたので、TBしてみます。
投稿: TOMOはは | 2006/03/13 11:02:44
しゅんとしたり、
ぎくっとしたり、
しょげたり、
むずかしーいことかんがえながら
「強い子のミロ」をのんだり、
うれしかったり。
もぎさんステキあいらしいわ はあと
などとコメントしてみる。
むずかしーいことの内容が、
私にはわからなすぎて嬉しくなっちゃうくらい
わからないので、マジスゲーステキ!
もしや、理解できる人のほうが多かったら…
なんてちょっと不安…。それすらわからん…。
…どーなんだろ!?
投稿: 雪女 | 2006/03/12 19:11:03
「書きたがる脳」といえば、悲しいことやつらいことがあると、脳内でドーパミンが分泌されて、それが創作的活動を誘発する、というようなことを何かの番組でやっていました。
確かに私にも経験があって、たとえばテスト前によく曲ができたりしました。
それはテストがイヤなので、現実逃避の方向として、創作活動があったのではないかとも思います。
ドーパミンのせいなのでしょか?
クリエイティブ性をコントロールできたら便利だろうなと思っています。
夜眠くなると、クリエイティブなアイディアが出てきたりするのは何か関係あるのだろうか?
投稿: 54notall | 2006/03/12 2:47:02
整理整頓が出来ない…私も同じようなもので、いつも親に「片付けなさい!」と注意されます。
ユーミンが茂木先生の『脳と仮想』を読んで涙を流して感動した、というくだりを読んで、
嗚呼、いいホンは脳を“傷つけ”、それが結局クリエイティヴィティに結びつくというのは本当なんだな…。
との思いをいだきました。
『脳と仮想』を書いた茂木先生も素晴らしいけど、それを読んで感動したユーミンも凄い。
お二人とも立場は違えども、傑出した「オリジネイター」であると、私は思います。
創造は思い出すことに似ていると言われたのはかのペンローズ氏であられたが、それは同時に「生きている」ということとも同じで、痛みを伴うこともある。
自分も創造の場に立つ時(つまり絵を描いたり詩を書いたりするとき)痛みを伴う苦しみを味わうことがある。
その苦しみに耐えて作品を仕上げた時、それがたとえささやかなものだとしても、創造したときの喜び(エラン・ヴィタール)は何ものにも変え難い喜びだ。
きょう(3/11)神田神保町の書泉グランデにて『クオリア入門――心が脳を感じるとき』を入手し、早速読み始めています。
しょぱなから茂木先生の手になる、脳科学に関するハードな言説が、読む者の意識にアタックしてきます。
果たして私の脳髄が、このアタックに耐えられるか?
この先、如何なる理論が待ちかまえているのだろう?
このホンは、そういう思いにさせてくれる科学書です。
謹んで愛読させていただきます。
投稿: 銀鏡反応 | 2006/03/11 19:38:39
茂木さんのこと去年くらいから何だか気になっていました。(遅すぎ!)つい最近私は茂木さんと同じ高校のちょっと上に在学していたことがわかりました。残念ながら卒入がすれ違いで、一緒に同じ空間にいたことはなかったようです。ちなみに中村頴司先生の現国は私も好きでした。先日のプロフェッショナルの進藤さんも私の後輩。みなさんすごい。人材の宝庫ともいえるあの高校出身者のなかにあって、私などいまや、ただのミーハーおばさんですが、昔からユーミン大好きです。私も遅まきながら茂木さんの著作にはまっているところです。ブログも面白い。いやはや超人ですね、茂木さんは。体にはどうぞお気をつけて、これからもがんばってくださいね。
投稿: リリアン | 2006/03/11 16:46:42
整理整頓ができない・・・・
私も、共通の悩みを発見して、喜んでいいのやら悲しんでよいのやら・・・
また悩んでしまいます!!
さて、これから出かけますので、ゆっくり読めず、残念です!
ユーミンは、荒井由実さんのころから聞いております・・・
今思い浮かぶのは、
やさしさに包まれたら・・・でしょうか?
「すべてのことはメッセージ」・・・・
けれどこちらの方面へすぐにジャンプするのは、まだちょっとコワイですよね・・・
わけ分からなくて、ごめんなさい!!
投稿: TOMOはは | 2006/03/11 8:01:44