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2006/03/01

バカトレ

ある時期から、いろんな人にお会いする
たびに、
 「この人よりもオレの方が絶対に忙しい!」
と確信するようになった。

 気配のようなもの、
時間に対する切羽つまった感じ、
その他で何となく伝わってくるのである。

 いつも取材や編集に追われているNHKの
『プロフェッショナル』のチームを別とすれば、
 数少ない、「同じくらい、あるいは
向こうの方が忙しいかも」
と感じさせる個人は、養老孟司さんくらい
だろうか。

 養老さんの場合、執筆や講演はもちろん、
なにしろ標本にして調べなければならない
昆虫がたくさんあるので、
 いくら時間があっても足りないだろう。

 仕事の催促の電話やメールで、
向こう側から何やら弛緩した雰囲気が漂って
くると、がくっと落ち込むことがある。

 こっちは、どんな風にやっていると
思っているんだ!
 と毒づきたくなる時も正直あるが、
そんなことは絶対におくびにも出さずに、
 にこにこマークで今日もよろしく!
という感じで生きているのである。

 やることの山積みがピークになると、
地下鉄の隅の空いているところに
かえる座りをしてキーボードを打ったり、
歩きながらエッジでネットで送信したり、
 移動中のタクシーで原稿を書いたり、
といった悲惨なことになる。

 『プロフェッショナル』の第一回に登場した
星野佳路さんもよく走っていたが、
 私も移動中は良く走る。
 代々木や六本木で地下鉄の階段をどんどんどん
と上がっていくと、 
 ちょっとした山登りマラソンで、
はあはあ言うが、とくかくリュックを背負って走る。

 自分ではひそかにこれを「バカトレ」
(バカなトレーニング)と呼んでいるが、
 よく考えてみると正気の沙汰ではない。

 とにもかくにも、バカトレ、座り打ち、
移動エッジで今日も明け暮れていくのである。

 きのうやったことの一部:PHP研究所の小山充
さんにお目にかかりました。6月にOxford大学
であるASSCのアブストラクトを書き進めました。
(自分のと、あと学生数人のやつ)
NHKに行って『プロフェッショナル』の打ち
合わせをしました。『プロフェッショナル』について
日本経済新聞の方にお話ししました。「角川句会」
の句をいくつか作りました。竹内薫の『99.9%
は仮説』の推薦コメントを書きました。NHK出版
から出るFace in the mirrorの翻訳本の推薦コメントを
書きました。締め切りが過ぎている「おいしさの恵み」
の原稿を書き進めました。締め切りがとっくに過ぎている
「風の旅人」の原稿を書き進めました。NHK出版
大場旦さん主催の、河野哲也さんの本の打ち上げに
行きました。前田英樹さんと話しました。
増田健史に、またもや日本の憲法学のふがいなさに
ついて突っかかってしまいました。
「ヨミウリ・ウィークリー」のゲラを修正しました。
国際高等研究所
「スキルの科学研究会」での講演のタイトルと
アブストラクトを送りました。

 あと他にもいろいろやっていたような
気がしますが、まっいいや。

3月 1, 2006 at 08:03 午前 |

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受信: 2006/03/01 8:05:02

コメント

茂木さんの忙しさに比べれば、自分の忙しさなんて、まだまだ「ゆるい」部類に入るのだと、このエントリーをみて思わざるを得なかった。

俳句もおやりになるとは知らなかった。いっぺん茂木さんの俳句を拝見したいです。

仕事に追われ、ご自分の思索の為の時間が持てない。それはある意味仕方がないかもしれない。

こんなことを申し上げるのは恐縮だが、毎日の忙しさをいちいち忙しがるのでなく、むしろそんな毎日を、いっそ楽しんでしまえばいいのではと思います。

他人より自分が忙しいからといって、それをあまりネガティヴにとらえるのではなく、ポジティヴにとらえ、自分は他人の2倍も3倍も忙しい分だけ充実した、密度の濃い人生を送らせてもらっているんだ、というとらえかたをしてみては如何でしょうか。

(もっとも、そういうとらえかたをすでになさっておられるのかもしれませんが…、念の為)

または、忙しい合間に、自分が面白いと思えることを考えてみる。

ギャグっぽい、面白いことを一人で考えてみて、ぷっと笑えるくらいのことを。

私はこれのお蔭で日々の忙しさ(といってもコメントの最初に述べたように、茂木さんと比べるとゆるいのだが)を乗りきることが出来るようになった。

以上のことがお役に立つかどうかは保障は出来ないけれど、試してみる意義はあるかもしれないです。

あとはやはり食生活。肉類や油ものは極力控えていただいたほうが月並みですが、健康と長寿によろしいかと思われます。

きょうは少々きついかもしれないコメントで申し訳ありません。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/03/01 22:01:22

 茂木先生の十分の一も忙しくないであろう生活なのに、簡単にニコニコマークが取れてしまう自分に反省。先生、どうかお体にお気をつけ下さいませ。

投稿: カシヲリ | 2006/03/01 20:44:24

忙しい人は普通の人よりも「長生き」だと思います。同じ時間でもより多くのことを経験するので。2日かかることを1日でやってしまえば人生は2倍です。
それに比べて私は非常にゆるい生活をしていて、人生を無駄に使っているなあと思います。忙しい人と普段から接する機会があればもっと刺激を受けるんだろうなと思います。

投稿: 54notall | 2006/03/01 14:19:32

養老先生のテレビ、見ました。

子どもには純粋な感覚があって、
成長するにつれてフィルターを通して
概念ができる という話だったと思います。
(間違っていたらごめんなさい)
なるほど・・

大人と子どもの時間の流れ方、全然違うし、
ましてや、大人は携帯電話のおかげで
「個人の時間」を確保できなくて、
子どもの大好きな寄り道を
大人が待っていられなくなったような・・
話が飛んでいるでしょうか?

主体的に関われる時間があると
充実感があって、充電できると思いますが、
他人に合わせるばかりの時間が続くと、
空回りして、疲れませんか?

もうすぐ、長野に行かれますよね。
小布施にあるか分かりませんが、
「わさび漬け」「おやき」 
お勧めです。
コンビニの肉まんより、
おやきの方が体に優しいと思います。
忙しくて不規則な食生活になってしまう
茂木先生にとっては。


投稿: yuri | 2006/03/01 14:17:21

おはようございます。

今日はどんなタイトルなのかと
思いましたら 「バカトレ」

昨日の先生のお仕事 ざっと数えて13です。
しかも 推薦コメント書くには 本は読まなければならないですし。
ご自分がなさらなければ 他の人の仕事が進まなくなるから連絡くるのだろうけど こんだけ追われていたら 毒つきたくなったり 落ち込みたくなる気分わかりますね。
そんなことを おくびにも出さず
にこにこマークでよろしく!という感じで 生きているを読んで

私は茂木先生が書き下ろした文章を大切に読ませて頂きます。

睡眠以外 
茂木先生の自分の為の一人の時間がない感じが・・・・心配。

>地下鉄の隅の空いているところに
 かえる座りをしてキーボードを打っ
 たり、歩きながらエッジでネットで送 信したり、
 移動中のタクシーで原稿を書いたり

目をつぶると そんな先生が時間と戦っている
情景が浮かんできます。

日々の正直な茂木先生の
心や動きが
書かれているクオリア日記は
心にぐ~~っときます。
又、先生ご自身にとっても クオリア日記は
大切なんでしょうね。
と感じながら 読ませて頂きました。


投稿: いちご | 2006/03/01 10:18:48

「角川句会」・・・って、俳句もなさるんですね?

私の次のターゲットは、俳句かしら?などと思っておりましたので
ぜひ、こちらでも、ご披露してくださいませ!

私も今日は、ささやかな“お仕事”の日です!!

進藤さんに、見習って、歩きながら仕事モードにシフトチェンジして行きますね。

皆さま、今日は雨の一日のようです・・・

足元に、お気をつけて、お元気で行ってらっしゃいませ!!

投稿: TOMOはは | 2006/03/01 8:22:36

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