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2006/03/31

Haunted woodを抜けて

ジョギングしていたら、
公園の裏の気持ち良い
森林の中に、いきなりフェンスが出来ている。

私のお気に入りだった、斜面の道を横切る
ように、フェンスが作られている。

これは何だ!

ということで、ソッコーで中野区役所の
電話番号を調べて、公園課に電話した。

「北江古田公園の裏の森についてお問い合わせ
したいのですが」
「はあ、何でしょう」
「新たにフェンスが設けられたようですが、
あれは何ですか?」
「どこにあるものでしょう?」
「こんど、看護学校が新たに出来るでしょ。その
裏の辺りの森です」
「フェンスをつくったということは、そこに
人が立ち入らないようにするということです。」
「それは、看護学校のキャンパスだからですか」
「いや、そうじゃなくて、保護樹林だからです。」
「保護樹林だと、フェンスをつくるのですか?」
「保護樹林の趣旨はですね、人が立ち入らない
ことで、自然の状態がより回復することをねらっている
わけです。」
「それにしても、醜いフェンスですね」
「それは、設計を担当した者の想像力が、
その程度だったからでしょう」
「全く中に入れなくなるのですか?」
「自然観察会などでは入れます。その場合、
申請していただくことになります」

 保護樹林とは、人間から森林を保護するという
意味なり。
 趣旨はわかったが、フェンスは醜い。
自然は、もっと開放的で自由なものではなかったか?
 都会の生活の悲しさを保護樹林に見た。

 いずれにせよ、私が大好きだった斜面の
道は、uglyな鋼鉄のフェンスによって、
分断されてしまった。
 
「プロフェッショナル 仕事の流儀」 
収録は、建築家の中村好文さん。
 「保護樹林問題」でいやだなあ、
と感じた後だけに、中村さんの
つくる家の趣味の良さが、乾いた土に
水が染みこむように私の魂を潤していった。

 中村さんは、新潮社の「考える人」
で連載をもたれていたけれども、
 その編集長の松家仁之さんは、中村
さんに家をつくってもらったのだという。

 中村さんのお話をうかがっていると、
私たち日本人が「封印」してしまった、
快適な住環境への渇望がめらめらと
蘇ってくる。

 思えば、私が中学校の時に
Lucy Maud MontgomeryのAnne of Green Gables
シリーズにはまり、
 高校の時には原書を全巻読んでしまったのも、
 Anne Shirleyが住むAvonleaのあまりにも
麗しい住環境に対する渇望がactivateされて
しまったからだろう。

 中村さんのつくる家には、暖炉が
ある確率が高い。
 暖炉は、失われてしまったものの象徴だろう。

 心の奥底で、
現代の東京の生活空間などイヤだ!!!!!!!
という気持ちがあるのだ。
それを抑圧して生きていた私だが、
中野区の「保護樹林」を取り囲むフェンスの
醜さと、
中村好文住宅の素敵さに触発されて、
情動が一気にうごめきはじめてしまったように感じる。

想像の世界でもいいから、
 Lake of shining watersのほとりから、
Haunted woodを抜けて、Orchard Slopeまで歩いて
いきたい。 

 今週号の「週刊朝日」で、斎藤美奈子
さんが『プロセス・アイ』の書評をしてくださった。
 「週刊文春」では中村うさぎさんが
私と対談した時のことを書いてくださっている。

 斎藤さん、中村さん、ありがとうございました! 

3月 31, 2006 at 06:44 午前 |

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受信: 2006/04/01 5:32:17

コメント

週間文春~中村うさぎさんの記事読みました。
ミラーニューロンについて書いてありましたね。

最後に 「病気じゃない変な人」についてふれてました。

私は
変な人という言葉の表現が変だと思います。
変って言葉のニュアンスが 悪いイメージなんだよね。

みんな同じだと 進化はありえない。


投稿: | 2006/04/01 18:02:39

役所関係は、だいたいが何をやるのもセンスがないですね。
川の周りも、子供が落ちるからなのか、フェンスだらけ。
今、桜が川沿いに満開だけど、日本の情緒とかをこれからは考えて美しい国づくりを検討して欲しいですね。

投稿: biera | 2006/04/01 17:25:52

茂木さんがアンとアボンリーをご存知な方だったとは。。! 嬉しい驚きです(^^)

東京で可能性を探すとしたら、中野より少し西にずれたいわゆる「武蔵野」では少し違う生活ができるかもしれないですよ。実際に住んでいる友人は、「武蔵野は雨の日には土の匂いがするのが好き」と言っていました。それに収穫の季節が巡ってくると、畑で取れたての野菜や花束がすぐ横の道端で無人販売されていたりする事もあります。

投稿: | 2006/04/01 0:18:33

お気に入りの道が醜いフェンスで分断されてしまい、都会の人間の暮らしの哀しさに、

「自然は、もっと自由で開放的なものではなかったか?」
と、異議を抱かれる茂木先生。


そうだ、現代の住空間はやはり、人間と自然とを「分断」してしまうものなのに違いない…。

人間を自然の中に入れないという「保護樹林」なんてそういう考えかたからきているのだろう。

本当は、人間も自然の一部だというのに…。

文明社会に住まういまの人間は、自然と触れ合うことによって、初めて、自然というものの「環」の中にいれてもらえる。また初めて、宇宙の生命のリズムというものにも、じかに触れられるのだ。

そして、人間ははじめてそこで本当の自然の大きさ、豊かさに触れられ、大きな、大きな、感動を得られるのだ…。

自然と分断されてしまった現代人に許される唯一の自然との触れ合いは…せめて想像の中で「赤毛のアン」で見たような「輝ける水の湖」のほとりから、森を駆け抜けて、ゆるい坂道まで歩いて行く、ということなのだろうか…嗚呼。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/03/31 18:17:28

山下さんに教わって来ました。
お久しぶりです。おぼえてらっしゃいますか?
私の方は毎月の原書輪読会や、道玄坂のハンバーガー屋の前でバッタリ会ったことも、昨日のことのようにおぼえています。

やっと告白なさいましたね。いつかいつかと心待ちにしてましたよ。今回の日記はキイワードがいっぱいで、嬉しくなっちゃいました。
Bでは今、世界の茂木博士の話題でもちきりです。この間は、会報に日経新聞の切り抜きが入ってました。K岡さんなんか、いまだに「茂木君」ですよ。ノーベル賞級の科学者をくんづけなんて、私たちくらいでしょう。

テレビも第1回から毎回見ています。この番組が見たくて、あわててテレビを買いました。今までテレビなかったの。○ニーのクオリアじゃないけれど、液晶です。ちょっと茂木博士の出番が少ないと思うので、NHKに申し上げたい。

ますますのご活躍を期待しております。またお会いする日が来ますように。

投稿: ましう | 2006/03/31 13:23:26

はじめまして。

モンゴメリ読者をカミングアウトしてくださるのを、今か今かと待っておりました(笑)。
Bから始まる会に、かれこれ20年以上入っている者です。
茂木先生のことは、当時から素晴らしいひらめきのある方でおられたと、古くからのメンバーにより語り継がれておりますよ~。

私も、アンの物語を読んで美しい世界に憧れて、気が付いたらアイルランドに住むようになっていました。今になって物語りを読み返すと、現在の生活への伏線と思われるような箇所がたくさん目に付いて、不思議な気持ちです。

「風の旅人」にも執筆しておられたんですね。
あそこの会社で以前に仕事をしておりましたもので。佐伯編集長はお元気かしら?

勝手にご縁を感じて、喜んでおります~。

投稿: naokoguide | 2006/03/31 9:07:41

「赤毛のアン」を、中学生の頃に読んでいらしたんですか?

高校で原書をスラスラ・・・ということは
やはり基礎学力が、すばらしくていらしたんですね・・・

なんだか、面白く感じたのは
私は、少なくともアンシリーズにはまるような女の子(当時は一応・・・)
では、全然なくって、

よく思い出せませんが、星新一さん、北杜夫さん、山本周五郎さん・・・
そのほか、いろいろな文庫本を、往き帰りの電車やバスで読んでいたような気がします。

カナダは、新婚旅行でロッキー山脈側には行きましたが
とっても、いいところでした!

なぜか、アメリカは、シアトルを経由しただけで
ハワイにも行ったことがありません。

昨日、子どもが大好きなTVチャンピオンを見たら
アフリカで、野生動物選手権(?)をやっていて

いつかアフリカには、行ってみたいです!!

人類の生まれたときの記憶が
もしかしたら、身体のどこかに眠っているのかもしれませんね・・・

投稿: TOMOはは | 2006/03/31 7:40:27

東京にあこがれて 上京した3人の娘達に 今日会いに行きます。

投稿: | 2006/03/31 7:36:01

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