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2006/02/19

ガチガチ文脈を突き抜けて

午前中家で仕事をしたあと、NHKへ。
 土曜スタジオパークの生放送。
 小野文恵、塩屋紀克の両アナウンサー、
ビビる大木さん、松永京子さん。

 『プロフェッショナル 仕事の流儀』
のチームから、住吉美紀さん、小池耕自さん、
山本隆之さんが応援にかけつけて
くださった。
  
 スタジオの観客席には見知った顔が
いなかったので、仲間がいるのは、
心強かった。

 人間が喋るときには必ず文脈が
あるが、
 それからどれくらいの距離を置くか
(自由になれるか)で気分やダイナミクスは
変化していく。

 アナウンサーは、最強の文脈を引き受けて
(ある時間内に、特定の事項を、求められる
トーンで)喋ることができるわけで、
 いつもすごいなあと尊敬してしまう。

 私はと言えば、どちらかと言えば
文脈フリーでしゃべる方が好き(得意)
である。

 日本テレビの井田由美さんに
うかがった話だが、 
 長島茂雄さんは、どんなに短いセンテンスでも、
決まったままで言う、ということが
できないタチで、
 テイクする度に違うことを言って
しまうのだそうである。

 これを言え、と言われると
ぐるぐるまきにされた長島茂雄の
ような気分になってしまうのではあるが、
 生放送ということで、「文脈」の
しばりがややゆるめになっているのが
心地よかった。

 しかし、考えてみれば小津安二郎の
本質とはがちがちの文脈なのだ。
 文脈性を徹して、突き抜けていく時に
見えるものがあるのだろう。
 小津映画の俳優のような融通無碍な
境地も見てみたい。

 生放送を終えて、5階の食堂で
仕事のファイルを見ながらトウガラシを
たっぷりかけてわかめうどんを食べ、
局内の銀行でお金をおろし、
西口玄関に向かう通路を
ぼんやりと歩いていると、後ろから
 『科学大好き土よう塾』の塾長を
されている室山哲也さんが声をかけてきた。

 土曜よう塾の収録で、室山さんが
NHKにいるのか、と思った。
 「あれ、室山さん、今日は仕事ですか?」
 「何を言っているんですか、茂木さん、
これから一緒に養老先生のところに行くんじゃ
ないですか」

 そうだった、これから、高橋理さんと
箱根に行き、楽しくお酒を飲んで、
 その翌日に養老先生の「バカの壁ハウス」
に行く、ということまでは認識して
いたのであるが、
 それが『科学大好き土よう塾』の
撮影の仕事でもあるということをすっかり
忘れていたのである。

 西口玄関へと
 歩きながら、「空間的広がりの中の事物の並列
性を確率におけるアンサンブルではない形で
どう把握するか」という問題を考えていたので、
 不意打ちにされてしまった。

 茂木さんのアタマの中にはお酒と
養老さんと虫の話をするということしかなかった
んですね、
と散々笑われながら、バスで箱根へ。

 「外人比率」が70%だという富士箱根ゲストハウス
に投宿。
 美里ちゃん、輝弥くん、シオンくんの子ども
三人や、NHKのスタッフと15分くらい
「寒い寒い」と言いながら歩いて
「大地」に行き、ビールとお酒を飲み、
再び「寒い寒い」と言いながらゲストハウスに
戻る。
 食堂で、
 焼酎のお湯割りを飲んで談笑していたら
何時の間にかうとうとしていた。

 飲み会でうとうとするのは得意技である。

 明けて今朝、部屋ではエッジがつながらないので
ネット天涯孤独の気分でこの日記を書いている。

 some time later....

 すすきの原っぱにきたらつながったので
アップロードすることにする。

2月 19, 2006 at 09:35 午前 |

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コメント

it's been a while you didn't update your Qualia journal...

投稿: | 2006/02/19 22:08:15

“すすきの原っぱ”は、昨年、穂が出たばかりの頃に行きました!!

車を置いて、登っていく道は、どこまでもススキに埋めつくされていましたね・・・

この時期のススキには、そこはかとないさみしさを感じてしまいますが

どこかで温かい甘酒など召し上がりましたか?

私は、そのときは“星の王子様ミュージアム”に行って
サン・テ・グジュペリの生涯にふれることができて大満足でした。
(夫と子どもは、外で待っていましたっけ・・・)

どうも私は、(自分も含めて)何かを夢見るような生き方が好きなのかもしれません・・・

(子どもっぽい、ってことかもしれませんけれど・・・)

さて、土曜塾の虫の放送を楽しみにしています!!

私は、小さい頃、「虫好きな変わった女の子」でした。

おととしは、子どもが捕まえたカマキリの飼育のため、夏中、草むらでえさのバッタ探しをしたり

去年は、アゲハの幼虫のために、虫が食べられるえさの確保に苦労したり・・・

今年は、もう少しあたたかくなったら
おたまじゃくしを探しに行こうと子どもと計画しています。

あれこれ説明したり、感想を話したりすることは、あまり多くはありませんが

たとえば、カマキリがバッタを食べるとことろを観察したり
緑色の幼虫がサナギになり、チョウになって飛び立ったり
ときには、サナギから、八チの幼虫らしきものが出てきたり・・・

生き物の不思議さ、美しさ、生きていくことの有様などを

子どもなりに見て、感じることができたらいいのかしら・・・と思っています。

生きていくって、それなりにいろいろありますものね・・・

投稿: | 2006/02/19 14:33:24

こんにちは。またも来ました。

そうか、ミスター(長島茂雄さん)はドンナに短いセンテンスでも、決まったまま言うのが苦手なんだ。だからああいう面白いトークになってしまうんだ。
でも、それがミスターの持ち味の一つになっているんですよね。

茂木さんは、文脈フリーでしゃべるのが好きっておっしゃっているんですけど、我々が講演にくるたびに聞く茂木さんの話し方は、いつもダダダダダダ…!てな感じに聞こえるデス。

でもこれもミスターの場合同様、茂木さんの一つの持ち味になっているのでは。

養老さんやそのほかの皆様と、ジックリとムシ談義が出来ると好いですね。

小津映画は、自分はTVの映画放送でしかもっぱら見ないのですが、小津の作品に出ている役者さんたちは、みな、淡々とした味わいを出しているように自分では感じます。

笠 智衆さんっていいですよね。ずっと淡々としている感じですし。

亡くなるまでその淡々とした味わいを失わなかったし。

それと原 節子さん。あの人はほかの監督作品でもよかったけれど、小津によって、ますます輝きを放つ女優になったのではと思います。

彼女は、小津作品に出る以前も勿論美しかったけれど、彼の作品に出るようになってからは、内面的な美しさが引き出され、それがいっそう彼女の外面的な美しさを輝かせたのではないか。

今の映画界で、小津のように硬質なガチガチの、しかし美しい文脈の作品を撮れる映画監督が果たして、どれぐらいいるのでしょうか。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/02/19 12:30:01

そういう仕事以外の茂木さんのおちゃめな一面が見えるのがこのブログの好きなとこです。
しかし、昨日はスタジオパークをすっかり見忘れてしまいました。
失敬m(__)m
でも、そのスタジオパークの後、茂木さんもすっかり忘れてたんですね(笑)

投稿: 平成の芥川龍之介 | 2006/02/19 12:21:50

>すすきの原っぱにきたら~
かつて、デスクトップもノートも見たことの
無かった時代、コンピュータのマンガ解説を
描くために、日立の中央研究所へレクチャー
を受けに行ったことがあるんですが…

研究所某博士のお話しをうかがったあと
その先生が広い敷地内を散歩がてら
案内して下さって、鯉の居る池のほとりの
東屋で、休憩しました。

先生がしのとき
「こんな場所で、浴衣がけでコンピュータが
使えるようにならないとね…」
と、おっしゃった。

まさにその時代が今なんですね。
懐かしく思い出しました。

「スタジオパーク」家内と一緒に
視聴いたしました。
「かわいい!」との声援。
「かわいい・KAWAII・可愛い」は
ぼくのマンガ授業今期の実技テスト
でした。(笑)

投稿: 長谷邦夫 | 2006/02/19 11:38:10

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