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2006/02/15

まだ花も見ず

東京工業大学すずかけ台キャンパスへ。

 このキャンパスは、春になり、桜が
散る頃になると
ツマキチョウというモンシロチョウよりも
ゆったりと飛ぶ白くて美しいチョウが飛んでいて
とても好きなのだが、 
 日差しがやわらかいとは言っても
まだまだ寒い。

 今年は、なんだか、一段と春が待ち遠しい。
 
 修士論文の審査。

 木内陽平くんの「視覚刺激の呈示位置が
聴空間的注意に及ぼす効果」。

 注意のリソースが、空間的に分布しているとして、
視覚刺激と聴覚刺激が離れた場所に呈示
されると、その単峯性の分布がdiffuseになって、
time order judgmentが下がるのではないか、
という仮説に基づく研究。

 高橋大樹くんの「不確実な報酬の予測に対する
ドーパミン細胞活動の解析」

 Fiorillo et al. (2003)の、p=0.5の時に
reward呈示まで次第に増加していくdopamine細胞の
活動を、TD learningにおける誤差シグナルの係数
が正と負で非対称であることに基づいて説明。
 Nivらが正シグナルの係数を大きくして
同じtime courseを説明していたが、
 高橋くんの主張は負シグナルの係数を大きく
した方が、Kahnemanらの実験結果をよりよく
説明できる、というもの。

 おもしろかったです! 木内くん、
高橋くん。二人ともお疲れさまでした!

 NHK。次回の
『プロフェッショナル 仕事の流儀』
は第一回の星野佳路さんの番組がとても反響が
大きかったので、リクエストに応えて
再放送する。
 その冒頭に放送する挨拶を副調整室で
撮影。

 普段は、スタジオにいて、副調整室から
来る指示に従っていろいろ「やらされている」(笑)
ので、
 「上にあがる」のは何だかうれしかった。

 打ち合わせ冒頭、有吉伸人チーフプロデューサー
の誕生日をケーキをシャンパンで祝う。
 そのまま、古澤明さんの放送を生で見た。

 なにしろ、自分たちで作った番組だから、
スタッフにも愛着があり、 
 みな真剣に見る。

 微妙な編集から、画面のトーンまで、
つくり手の立場で見るといろいろな思いがそこに
あるものである。

 暗闇を代々木まで歩きながら、
このところ気になっている
 contingencyの数学的表現について
考える。
 要は、パスカル以来の確率的世界観をいかに
打破するかということなのだが、
 small world networkのグラフ的表現
との結びつきの中にその突破口がある
ように思う。

 こんなことを書いてネタバレで大丈夫か
と心配になるかもしれないが、
 思考というのは背後にあるいわくがたい
軟体動物とともにあって、
 その軟体動物がコピーされないかぎり恐らくは
大丈夫。

 だいたい、そんなに簡単にわかっちゃう
アイデアだったら、大したことはない。
 
 それにしても、早く春が来ないかなあ。
 今から花見はこの日、とカレンダーに書いて
置かないと、
 今年は仕事ばかりでまだ花も見ず、
と終わってしまいそうだ。

2月 15, 2006 at 08:09 午前 |

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コメント

こんばんは。初めまして。
 以前、日経夕刊に連載されていたのを読んでファンになりました。すずかけ台は私の学んだところ、ツマキチョウは私の大好きな蝶、ということで、特に理由もなくコメントしてしまいました。昨日の番組、一番でなければ全てビリ、というのは、研究者の一人としては良く分かるのですが、反発も多いでしょうね。うちの家族は皆反発してました。
 時間がありましたら、私のHP(大阪市とその周辺の蝶)のツマキチョウをクリックしてみてください。

投稿: SU | 2006/02/15 22:35:45

ツマキチョウ、舞い飛ぶ姿をみてみたいですね。

(図鑑では見たことがあるのですが、実は肉眼でその舞い飛ぶ姿を見ていないのです)

いよいよ花粉の季節ですが、不思議な事に(?)私は、昨年の春、杉花粉が大飛散した時も、花粉症になったことがないのです。

この季節、寒さ故にカチカチに固まっていた心が日増しに強まってくる春の気配にあわせ、ほぐれて、ふわふわとして柔らかくなって、そのうえ、なんとはなしにうきうきした気分になっていく、そんな気持ちになってまいります。

キャンパスに、街中に、公園に、そして河べり…などに桜が爛漫と咲き誇るころが今から待ち遠しいですね。
楽しくお花見が出来ると良いですね。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/02/15 18:32:07

茂木さんの存在を最近になって知りました。
「脳の中の人生」読んでる最中です。
いろいろあって興味深いです。
これからテレビも拝見したいと思います。

お花見大好きなのに花粉症で出来ません。
これほど残念なことはないと思っています。
いつか贅沢に北海道までお花見をしに行こうと思ってます。

ドーパミンの話も面白そうですね。
テトリスで遊ぶとき、私は障害を先に作ってからはじめるんですが、それを見ていた娘が不思議な顔をしていたのを思い出しました。

娘は結果論者なので私とは合わないようです。

投稿: ラピス | 2006/02/15 17:40:30

私も(?)、冬から春に向かう季節が好きです。

キャンパスの桜と蝶・・・ さすが知性の人。
子どもをベビーカーに乗せて、
「お花きれいね」「ちょうちょ飛んでるね」 と
川沿いや田んぼの周りを散歩したころ・・
今では、蛙・昆虫を捕まえて来て、
「お願いだから、家に入れないで」 という状態。
春になれば、洗濯物乾くなぁ・・
あぁ、すっかり年をとったのね。

修士論文
「視覚と聴覚」「不確実な報酬とドーパミン」
おもしろそう。
でも、物理は大の苦手科目だったので、
理解不能でしょう・・
プロフェッショナルでの古澤先生が
「バントではなく、ホームランを狙え」という言葉は、
まさしく物理の世界だ と私は思ってしまいました。
古澤先生は19時には自宅に帰られるそうですが、
本当ですか? いつからですか?

花はきれいで季節感のあるものですよね。
茂木先生のお食事も、
きれいで季節感があって、おいしそう・・

投稿: yuri | 2006/02/15 11:46:47

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