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2006/01/25

マイ・バッファー

 朝一番で、NHKでの打ち合わせ。
 
 田園都市線の鷺沼から、タクシーで
聖マリアンナ医科大学へ。
 
 難病治療センター研究センターの
五十嵐理恵さんや、山口葉子さんが
シンポジウムに呼んでくださった。

 病院の正面玄関から入ると、聖母マリアが
幼子キリストを抱いている像。
 やわらかな印象。

 まず冒頭に西岡久寿樹さんのお話が
あり、
 センターの活気ある雰囲気が伝わってきた。

 続いて私が話す。遺伝子やプロテオーム、
DSS(drug delivery system)を研究している
方々に脳のシステム論的な性質から
出てくる心の問題をどのように伝える
ことができるか。
 
 Heterogeneous, structured, and long distance correlation linking local stochasticity in the brain correlates with the robust handling of contingency encountered in the agent's interaction with the environment.

 という視点から、五十嵐さんや山口さんの
やられているようなナノレベルの話にも
つなげられるのではないかと思った。

 ゲノム医科学研究部門の話を伺った。
シノビオリンを中心とした話。
 疾病原因となるの遺伝子の研究は、
操作可能性という視点から見て興味深い。
 
 五十嵐さん、山口さんに
 DSS研究室を見せていただく。
 私は大学院の時は電子顕微鏡で
タンパク質の構造解析を
する研究室にいたから、
 パラフィルムや、ピペットマン、
遠心分離機など、様々なものがなつかしい。

 PBSと書かれたボトルがあり、
「あれ、これ、良く知っているよ、何だっけ?」
とたたずんでいると、五十嵐さんが
 bufferですよ、と教えてくれた。
 そうだった。PBS buffer、よく作った
ものである。

 私は乱暴だったので、「bufferは自分でつくりなさい」とばかりにマイ・バッファーをつくらされたが、
 DSS研究室では仲良く共有しているようだった。

 体調があまりおもわしくないので、
夕方からの予定を早めに切り上げて
 家でおとなしくしていた。

 おかげで、『プロフェッショナル 仕事の流儀』
を3回目にして初めて生で見れた。
 ますます良い番組にしていきたい。

1月 25, 2006 at 07:49 午前 |

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コメント

『プロフェショナル』の感想から・・・

身を削るようにして創り出されるお菓子のひとつひとつが
杉野さんの魂の結晶のように、生き生きと光を放っていましたね。

お菓子の行く先には幸せそうな人々の笑顔が待っている・・・

そして、パティシエにも、そのお菓子を口にする人にも“至福の悦び”が訪れる・・・

その瞬間を目指して、当たり前のことを積み重ねるだけという言葉のなかに

それは、到達点ではなく通過点にすぎないけれど
確かな自信と志向する力強さが感じられました。

さて、実験室や実験器具の思い出が
茂木先生のお話から、浮かんできました。

学生時代にもっと勉強していれば・・・といっても後の祭りですが

ゼミで聞いた、薬理や免疫の研究も
きっとものすごいスピードで、進んでいることを思うと

これからの研究者の方たちの活躍が、とても楽しみです!!

先日から、東大での講義の音声ファイルに挑戦しようと思っていますが
なかなか、進みません・・・

「喪失と獲得」と、ファインマンさんの「科学は不確かだ!」も届いたので
どれから、読むか・・・迷っています。

これも、少しは脳のトレーニングになるでしょうか?

投稿: | 2006/01/25 21:53:11

こんばんは。

お体の調子は良くなられましたか。

掲示板にも書いておきましたが、にんじんやセロリ、鶏肉を入れてブイヨンで煮込んだ「チキンスープ」が風邪のひき始めにはもってこいです。

さて、さっそく例の小説「プロセス・アイ」を購入致しました。

最初、本文のページを繰った時、「これじゃありがちなSFじゃないか!」と一瞬シラケそうになりましたが、すぐにそうではない作品だとわかり、スケールの大きさを感じられるストーリー展開にぐういぐういとひきつけられております。
繊細な結晶のような文体の美しさにまたも酔い痴れつつ…。

それぞれの登場人物の出合いから、「スペラティヴ」理論の登場、そしてその理論を展開する哲学者あがりの金融業者と脳科学者とのであい…その先はどうなるかはまだ読破中なのですが…。

脳科学からゲイ問題まで、茂木さんの守備範囲のとてつもない広さをも感じられる作品です。

いずれ完全読破したら感想でも書こうかと思います。

最近の風邪はお腹にくるといいますし、インフルエンザもまだまだ猛威を振るっておるそうです。
ジックリ休養されてご無理をなさりませぬように。
それでは!

投稿: 銀鏡反応 | 2006/01/25 20:44:42

茂木先生、昨夜の「プロフェッショナル」拝見いたしました。
切なく、胸にしみました。
私は今54歳ですが、
52歳という年齢の意味が切実にわかります。

感想はべつの記事にトラックバックさせていただきました。
以下それをコピーさせていただきます。
・・・・・・・・・・

昨夜の「プロフェッショナル」もよかったです。

菓子作りの天才が、
かたくなにひとつの店に籠もって、
きらめく菓子の宝石を作りつづけている。

そしてその菓子は舌の上に、
一瞬の魔法のように味覚の花園をひろげて、
またたくまに消えてしまう。

そうなのです。
彼の作品は消えてしまうのです。
レシピは楽譜のようなもので、
曲は奏者の腕でいかようにでも変わるのですが、
彼の奏でた名曲は、
たちまち虚空に消えてしまいます。

音楽は録音されますが、
味覚のクオリアを
この世にとどめることはできません。

彼の人生は美しくはかない詩のようです。

52歳。
ついに彼は腱鞘炎になって、
やがて菓子職人としての歴史に
幕をおろす日がちかづいています。

その日、彼の魔法の菓子は伝説となるのです。

投稿: 河村隆夫 | 2006/01/25 8:08:47

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