« 脳の中の人生 倫理は他人のためならず | トップページ | インタビュー 領空侵犯 憲法論議で忘れていること »

2006/01/30

 ゆとり

 半蔵門の
 PHP研究所にて、
 「次代を考える東京座会」
の第二回会合。
 メンバーは
 池内恵(思想史、中近東)、
牛村圭(思想史)、北康利(作家)、
中西寛(国際政治学)、福田和也(文芸評論家)、
古川元久(衆議院議員)、茂木健一郎、
若田部昌澄(経済学)、永久寿夫(選挙制度)

 今回は、古川さん、私、若田部さん、
池内さんが順番に日本の現状についての
問題提起をした。

 古川さんはダボス会議から戻ってきた
ばかりで、そのフィードバックをかねて、
人口減少、エネルギー問題、ナショナル・
アイデンティティの問題を。

 若田部さんは、「経済成長」を軸に、
経済学史について。

 そして、池内さんは中東問題を軸に、
世界における「特殊項」と「普遍項」
のせめぎ合いについて語られた。

 私は偶有性を中心にお話したが、
福田和也さんが、「今の話はベルクソンの
創造的進化に通じますね。「さいしょのペンギン」
はエラン・ヴィタールでしょ」とさっそく
鋭い指摘をされた。
 
 中西さんは、自分が考え、感じられた
ことを精緻、完備な形で言葉にすることに
長けている。

 牛村さんもそうだが、余計なdiplomacyなど
なく、ただ率直に意見を述べ合う、
 大変素敵な会になりそうである。

 今後基本的に二ヶ月に一回開かれる予定。

 ところで、東横インが、身障者用の
駐車スペースや客室をいったんはつくり、
検査をパスした後で改修していたという
問題は、久しぶりに心の底から
腹が立つニュースだった。

 品性下劣、である。

 その一方で、弱い立場の方を思いやる、
心のゆとりがこの国に果たしてどれくらい
あるのだろうとも思う。
 功罪入り交じる小泉改革だが、
 そのような意味での心のゆとりを
なくしたことは間違いなく「罪」だろう。

 イギリスやアメリカなどで、
駐車場にすーっと車を入れていくと、
当たり前のように一番良い場所に
wheel chairの表示がある。

 気持ちが良いが、そのようなことが
できるのも、生活空間にゆとりが
あるからである。

 まるで効率最優先の集積回路のような
日本の都市空間で、どれくらい他者への
心のゆとりが持てるのか。
 一体どんな国に作り上げてしまったのか。
 東横インだけでなく、我々
一人一人がsoul searchingすべきじゃないか。

 それと、本当の「ゆとり教育」とは、
他者のことを思いやれるゆとりを
育むことだと思うよ。

1月 30, 2006 at 06:50 午前 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です:  ゆとり:

コメント

こんばんは!

東横インの件、あれには私も、ひどい!と感じた。
あの社長の悪びれない会見も世間の反発を呼んでいますし。

何が「身障者はあんまり泊まりに来ないから、ロッカーとかなんとかになっちゃう」だ。
だから、といって勝手に改修していいのか?

障害などゆえに、社会的に弱い立場におかれている方々を心から思いやる「心のゆとり」がこの国にはすずめの涙くらいの量しかないのではないか。

こんなエゴイスティックな国になってしまったのも、小泉改革だけでなく、効率最優先でやってきた、日本の戦後政治の最大ともいうべき「罪」だと思う!

仰る通り、我ら一人一人がいまこそ本当にsoul seachingしないといけないんじゃないか。

>本当の「ゆとり教育」とは他者のことを思いやれるゆとりを育むことだと思うよ。

たとえば、算数・数学の学習で「集合」「確率」などを省き、円周率(π=3.14159……)をただの「3」として教えるのは真実の「ゆとり教育」ではなく「手抜き教育」だ。

そんな手抜きの教育から、果たして他者のことを思いやれる精神のゆとりを持つ人間が育つと、当の文部科学省は本気で思っているのだろうか。

円周率や確率の問題など、子供にはわからないからといって「手抜き」するワリには、肝心の「人らしい人」として生きるための「徳性」が如何いうものかを教えていないのではないか。

いじめ、学級崩壊、そして学力低下…。

全ての根源は、やはり効率最優先の戦後日本の教育にあるのではないか。

効率を最優先すれば、弱い立場の人達はどうしても「切り捨てられる」。

社会の「歯車」としては何の役に立たない、とみなされるからだ。

そんな「効率最優先」から「人間重視」「他者への思いやり」「善悪の識別」など、人間としての徳性を育み、まことに人間らしい人間を育むまっとうな意味の「教育」が求められている。

…すいません、きょうのエントリーを読んで、自分自身もいまの日本の現状に怒りを覚えてしまいました。

春は確実に私達の足下に近づきつつあります。冬は必ず春となるのです…。

投稿: 銀鏡反応 | 2006/01/30 20:15:51

おはようございます!

“さいしょのペンギン”・・・を、要チェック!!ですね。

私の好きな、葉祥明さんの絵本に
「オレンジいろのペンギン」という素敵なお話があります。

ご存知かもしれませんが、心温まる素敵な絵本です!!

茂木先生は、もちろんスゴイ!!ですが、
こちらもぜひお手にとってごらんになって見てくださいね!!

今日は、ヴォイストレーニングの先生のところへ出かけます・・・

私にっとって、ちょっと贅沢な時間が味わえます・・・

今日は、少し暖かくなりそうですね・・・

春はもうすぐ近くに来ています・・・

投稿: | 2006/01/30 8:48:41

コメントを書く