Public Understanding of Science
学生の頃は、よく不忍池から
広小路をてくてく通って秋葉原まで
歩いたものだ。
一人の時が多かった。
最初は電気店だけだった街に、
次第にアニメやゲームのショップが
増殖していった。
ここのところ、アキハバラに
行く機会がほとんどなかったので
(5年は行っていないのではないか)
浦島太郎のような気分だった。
ダイビルってどこだ?
うろうろしているうちに、
開講前10分にやっと着いた。
秋葉原理科教室仕掛け人の
妹尾堅一郎さん(東京大学先端研特任教授)
にご紹介いただいたあと、
さっそくマイケル・ファラデーの
「ろうそくの科学」などの
クリスマス・レクチャーの話から
始める。
Public Understanding of Scienceは
大事だと思う。
ファラデーもそうだが、特にイギリスには、
最先端の研究をしている科学者が
一般向けにわかりやすく説明する
伝統がある。
専門家にはローカルな話をしていれば
通じるが、
general audienceに話そうと思ったら、
ちょっとステップ・バックして
関連する周辺領域との接合を
はからなければならない。
木から森に目を転じなければならないのだ。
だから、Public understanding of science
に心を配ることは実は研究上も役に立つ
ことなのだろうと思う。
終了後、妹尾さんや、内閣府総合科学技術会議
議員、日本学術会議会員の柘植綾夫さんと
科学振興のことについて議論。
big scienceやプロジェクト型の科学以外に、
小さな種を生み出す科学をいかに育んで
いくかということが大事なのではないか。
電通の佐々木厚さんに
「米と炭」のおせんべいを幾つか
いただく。
小津安二郎ゆかりで、
私が心から尊敬申し上げるさるお方
(もう何十年も公共の場に姿を見せていらっしゃらない
方)が、あるところに送っていらっしゃったお歳暮の
一部分であるということで、
動揺してしまうと同時にとても嬉しく感じた。
どうしようかと思ったが、
今朝、一個食べてしまった。
おいしかった!
これで、年末もがんばって切り抜けられる
でアリマショウ。
12月 25, 2005 at 07:59 午前 | Permalink
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» 秋葉原は変わり行く トラックバック 銀鏡反応 パンドラの函
○きのう秋葉原ダイビルで行なわれたクリスマス・レクチャーに参加させていただいた。
○レクチャーのゲスト講師が脳研究者の茂木健一郎氏、司会者は東京大学の妹尾堅一郎氏。
○なんと!「ケンイチロー」つながりである。
○最初は「ロウソクの科学」で知られるマイケル・ファラデーのクリスマス・レクチャーの話から始まった。ファラデーはビクトリア朝時代、イギリスでもいまの日本と同じように科学離れが深刻だった御時世に、6回だか9回だか、兎に角それぐらいの回数でクリスマス・レクチャーを行なったという。
○それから、英国の... [続きを読む]
受信: 2005/12/25 10:41:46
» 岡田浩暉さん(NHKBS2)拝見 トラックバック 御林守河村家を守る会
岡田浩暉さん(NHKBS2)を拝見いたしました。
ラストシーンを見るまえに、
すでに疲れはてました。
午前中仕事をして、
午後1時半ごろからの菩提寺の護寺会では、
代表として事務的な報告をしたあと、
やがて忘年会となりました。
5時頃終了を宣言しておひらき... [続きを読む]
受信: 2005/12/26 7:17:53
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コメント
今日は、一日ほとんど家事もせずに、新しいPCであちこちのぞていておりました。
やっとクリスマス・レクチャーの音声ファイルを聞くことができました。
茂木先生の、息遣いまで聞こえてきそうで
なんだかゾクゾクしながら、楽しませていただきました。
映像は、ありませんが、家にいながらにして
先生のお話を伺えるなんて!!今日は、本当にラッキーです。
興味深いお話が、盛りだくさんでしたね。
聞きにいらした方は、素敵なクリスマスプレゼントを
いっぱい脳の中に、取り込んで
いつの日か、茂木先生の撒かれた科学的思考の種が
芽を出し、成長して花を咲かせ、実を結ぶ様子を、楽しみに想いうかべておりました。
映像がない分、流れていたBGMやモーツァルトの曲が、とても印象的でした。
よく音楽療法などといわれますが、その効果は、どの程度検証されているのかしら?
と、ふと思いました。
などと書いていたら、アマゾンから小林秀雄対話集と「モオツァルト・無常といふ事」が届きました・・・
投稿: TOMOはは | 2006/01/20 14:52:58
“Public Understanding of Science”と伺って
大げさかもしれませんが、私にとっては、
小学校の理科の先生との出会いを思い起こしました。
今となっては、どんな授業だったか内容は思い出せませんが
生き物に関心を持ち、観察する視点のようなものを
おそらく導いて下さったような気がします。
レベルは雲泥の差ですが
以前、田中 耕一さんの子ども時代のことを取り上げた新聞記事で
(2002年10月13日付朝日新聞)
見出しに「田中 耕一さんを、育てたものは…」
「豊かな発想伸ばした先生」
「没頭する姿、見守った母」
とあり、もちろん、ご本人の資質によるところ大なのでしょうが
周りの環境や見守る人たちの姿勢に
私自身、感動して、少しでもこんなふうにできたらなぁ…
と強く想いました。
…というわけで、あくまでも個人的な興味ですが
茂木先生の子ども時代や、どんな育ち方をなさったのかしら?
と思いました。
(それは、ヒミツ! にして下さっても
それはそれで、想像するのも楽しいものです…)
アインシュタインやビルゲイツさんなど
子ども時代は、既存の価値判断からは外れていても
何か新しいことを見出したり、窓を開いたりする能力を発揮されることもありますよね!
社会的な価値基準などから見て、変わっているとか
ある診断基準で、障害があるとか言われても
脳の中の機能や働きの多様性を、ある意味の個性と考えれば
外見は、それほど気にしなくてもいいいのかなぁ…と、ふと思います。
うちの子は、“チョット変わったオモシロイ子”を目指して
母親も良く似た“生真面目だけど抜けてるところはカナリの大穴”なわけで
親の思いの別のところで
子どもが、これからどんな人生を歩んでいくのか
ドキドキワクワクしながら、楽しめる境地に、早くたどり着きたいと
日々模索している“はは”でした…
投稿: TOMOはは | 2005/12/27 7:19:56
この記事で「浦島太郎」のような気分だったと、ありますが、ここ数年、いや数ヶ月のアキバの変貌ぶりは凄まじいものがあります。
「IT」があるかと思えば「萌え」があり、電気街の反対側に家電量販店(ヨドバシカメラ)ができるというふうに、何かの過渡期のような混沌が今のアキバを覆っているような気がします。
これからアキバはどうなってゆくのでしょう?ITと家族連れの街になるのか、それとも、このままサブカル、ファミリー&ヨドバシ、IT戦士が混在する「互いに異質な者同士が同居しあう、“変人”たちには居心地の良い街」で居続けるのか…。
我々人間の未来もそうですが、町の未来もやはり白紙(タブラ・ラサ)ですものね。
そしてそんな町の未来がどうなるのかは、人間次第なんですよね。
投稿: 銀鏡反応 | 2005/12/25 10:39:19