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2005/12/07

時間が経って

 モーツァルトの次は何を聞こうかな、
と思っていたら、
ビートルズが浮かんだ。

 ケンブリッジ郊外の私の下宿の
近くの何の変哲もないパブで、
シルバーの長髪のおじさんが
レザージャケットを着て
踊り狂っていた光景が浮かぶ。
 ニュートンを生み出す一方で、
ビートルズも出てくるところが、
 あの国の好きなところだ。

 アンソロジー「1962〜1966」と
「1967〜1970」の二つのカバー写真
の間に見られるジョンの驚くべき変化を見る度に、
「この人は一体何があったんだろう」と
シミジミ思ってしまう。
 全く同じ場所でとっているのだが、
短髪で悩みを知らないかに見える青年の顔が、
髪の毛がぼうぼうで世界の悩みを引き受けている
ようなヒッピーの顔に変質してしまうのだ。

「使用前」

「使用後」
 

 人生の波瀾万丈。
 オレも、と思ったこともある。

 がーっと仕事をした後、
銀座8丁目のリクルートへ。
 1月に徳間書店から刊行される
『プロセス・アイ』の著者インタビュー。
 ダ・ヴィンチの稲子美砂副編集長と、
 温水ゆかりさん。
 徳間書店の本間肇さんが
表紙のデザイン案を持ってきてくださった。

 すぐ近くの椿屋珈琲店に走る。
中央公論新社の岡田健吾さん、松本佳代子
さん、井之上達矢さん。
「脳の中の人生」の見本をいただく。

 

 12月8日発売予定。

 12月8日はジョンの命日である。
 時間が経つほど
その存在が大きくなる人がいる。
 ジョンもそうだが、
あの日パブで踊っていた無名の
おじさんも、思い出してみると
 何か大切なものを象徴しているように
思える。

12月 7, 2005 at 08:06 午前 |

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コメント

let it be let itbe letit be
There will be an reason LET IT BE

投稿: YO | 2005/12/08 9:46:45

オブラディオブラダ のモリーは、私が小学校のころ?にならった日本語版では1ダースもこどもを生んでましたが、原語ではa couple ofなんですね。それと、She still sing it with the bandと書いてあります。なんだかわからないけどちょっと安心。

投稿: YO | 2005/12/08 9:40:25

↓以下は、上のコメントの補足です。

ビートルズ・アンソロジーの二つのジャケ写を見ると、ジョンの風貌が世界の悩みを引き受けるヒッピー様の行者然としてしまったのに対し、ポールはホトンドというか、昔のままである。やはり二人の生きかたの違いから来ているのだろう。
ビートルズの時代から今日まで終始一貫してポップスターとして生きぬいているポールと、亡くなるその日まで、世界の変革者たらんとしたジョン。
ふたりはそれぞれ、彼等に相応しい「ミッション」をもって生まれてきたのだろう。
そのジョンの命日に出る「脳の中の人生」を出される茂木さんも、いずれはジョンのような世界の悩みを引き受けざるを得ない立場になってしまうのだろうか。
ひょっとしたら茂木さんにも、そういう「ミッション」が、ご本人がわからないうちに備わっているのかもしれない。
それはさておいて、面白いことにビートルズ・アンソロジーのジャケ写や、この「脳の中の人生」の帯写真を眺めていると、ジョンや茂木さんの姿がそれぞれ、キリストやソクラテスの姿と二重写しになって見えてくるのだ。

投稿: 銀鏡反応 | 2005/12/07 21:46:01

「脳のなかの人生」がジョンの命日に発売されるんですね。楽しみにしていると同時に、ジョンの存在があの日から25年を経た今日、いよいよ大きくなっていることに、私自身深い感慨を覚えています。
きょうの「クオリア日記」に二つのビートルズのアルバムが出ていますが、その観たてかたが面白いです。

「使用前」「使用後」。なるほど、そういう観かたもありなんですね。ジョンの変貌ぶりはやはり凄いです。

ニュートンとビートルズ、そしてジョン・レノンを生んだ英国という国は、どこかの同じような島国よりはやはりフトコロが深いのかもしれませんね。

茂木さんも時間が経てば、ジョンのように大きな存在となるのかしらん。

投稿: 銀鏡反応 | 2005/12/07 18:11:17

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