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2005/11/24

幸せ

 青年のころは、
 「オレは幸せなんていらない」
とうそぶいていたが、
 近頃は幸せが欲しいと思う。

 それも、ごく小さな幸せでいいのだ。

 近くの公園を歩いていたら、
アカスジキンカメムシの幼虫が幹に4匹
かたまっていたので、
 がちゃがちゃのカプセルに
入れて持ち帰り、
 ベランダの椿の木にたからせた。

 このまま、越冬してキレイな成虫に
なってくれたら、とても幸せである。

 男の幸せというのの原型は少年時代に
あるというが、
 どうもそのようである。
 たった一日でもいいから、
 あの頃に戻って仲間たちと遊べたらと
思う。
 「太田さん」(近所にあった駄菓子屋)
に行ってアメのクジを引いたり、
ミルクせんべいを食べられたらと思う。

 一番やってみたいのは缶蹴りだ。
 あれは面白かった。
 いろいろな手をつかって、オニを
からかうのが楽しくてしょうがなかった。

 シャツを交換してしまって、
わざとそこが見えるように身体の一部分だけ出して、
 「○○くん!」と言わせて
 「ま〜ちがえた、間違えた!」
と出ていったり、
 5、6人で結託して、わーっと
一斉に飛び出していくと、
 「○○くん、△△くん、□□くん!」
と言っているうちに、
 間に合わなくなって蹴られてしまったり、
 あるいは、ムカデのようにつながって出て
いって、
 名前を言おうとすると、
 「顔が見えないと言っちゃダメだ」
と言いながら近づいていって、
 「ムカデ蹴り」で蹴ってしまったり、
 本当に腹をかかえてくるしいほど
笑ったし、
 楽しんだ。

 そういうことをやると泣いてしまう
ようなオニにはやさしくして、
 ずうずうしいガキ大将に徹底的に
やったように思う。
 ところが、そういうやつに限って、
わーっと一斉に飛び出していっても
 ものすごいスピードで
 「・・・・・・・」と言い終わってしまって
全員アウト、になったりするのだ。

 もう神話の世界である。
 古事記や日本書紀じゃなくて、
自分の幼少の頃にこそ神話の原型は
あるんだろうと思う。

 思い出しているだけで
チョッピリ幸せになった。
 さて、大人にかえって仕事をすること
いたしましょう。

11月 24, 2005 at 06:32 午前 |

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受信: 2005/11/24 8:42:37

コメント

虫、駄菓子、幼い頃の思い出…。
壮大な夢を実現させた時のビッグな幸福感もいいけれど、目の前にあるささやかな幸せを噛み締めることの何とも言えない心地よさは、一度きりの人生をあらゆる“ノイズ”にまみれながら切実に生きる我等にとっての小さくとも美しく、また大切なオアシスなのにちがいありません。
因みにわたしの子供の頃の原風景は、TVの画面で繰り広げられた夢の世界、公園で浴びた暖かな日の光、そして、親によって砂場に置き去りにされた哀しい思い出など等です…。

投稿: 銀鏡反応 | 2005/11/25 22:14:27

わたくしにとつては、人生の価値というものもさして興味深いことではありません。
いまそこにある、いる、森羅万象を見、聴き、嗅ぎ、吸い込み吸い込まれるような{(くおりあ)}が信じられればそれで十分な の  でス

投稿: YO | 2005/11/25 18:54:06

 「幸せなんかに興味は無い。自分にしか出来ない事を、極める事に人生の価値がある。」と、リアルタイムで思っております。
 自分が極めようとしている道から逃げ出したくなった時に、そんな事を考えてしまうのかもしれません。

投稿: cosmos | 2005/11/25 2:05:19

缶けり、真夜中の渋谷のどまんなかでしてみたいとふとおもうわたくしです。
おとなの缶けりやるときは、ぜひ仲間にいれていただきとぅぉございます。

投稿: YO | 2005/11/24 15:08:46

 茂木先生が「クオリア」という聞きなれない言葉を使われて以来、折にふれて先生のお話は聞くようにしています。理系にしろ文系にしろ、こうした子供時代の原風景が、その人格を形成し、思考や行動に大きく影響するのではないでしょうか。
 学生に文章を書かせると、原風景の乏しい人は、思考も痩せている気がします。大人になってもいつでも戻れる精神世界を持っている世代はとても幸せですが、これからの人はどうなるのでしょう。私たちの世代とは違っても、幸せな原風景を突くってやりたい。
 お体、大切に。

投稿: 岡山優子 | 2005/11/24 14:33:31

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