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2005/11/04

白熱と養老孟司!

 箱根、仙石原に
 養老孟司さんの「バカの壁ハウス」
を訪ねる。

 もちろん、ご本人がつけたわけじゃない。
 『バカの壁』がばか売れしていた時に、
養老さんの東大時代のお弟子さんの布施英利
さんと、
 芸大の布施さんの研究室で、
 「これじゃあ、養老孟司の代表作はそのうち
『バカの壁』ということになって(周知の
通り、養老先生には『唯脳論』をはじめとする
多くの著作あり)、そのお金で建てた
家は「バカの壁ハウス」になりますね」
と冗談を言っていたのである。

 ところが、さすがに養老先生は上を
行くというか、藤森照信さんの設計した
家の離れには、ちゃんと南しんぼうさんの
手になる「馬」と「鹿」の絵が描かれている。
 言われる前に自分で描いちまえ、という、
なんとも素早い諧謔精神なのである。
 ぽーんと突き抜けている。

 しかも、絵が描かれているのが巨大な
コンクリートの「壁」である。
 この離れは来客用の「ホテル」だそうで、
藤森さんの常識にとらわれない設計により、
 壁の上に家が建ってしまった。
 「タンポポハウス」や、「一本松ハウス」
などの藤森作品を知っている人々にとっては
「想定外」ではないだろうが、
 とにかく大胆かつ繊細である。
 これで、本当に「バカの壁」ができあがった。
 
 そのバカの壁の前で、バカが嬉しそうに
写真を撮られた。
 撮影は布施英利さん。
 この後、代わって布施さんを撮ったが、
どんな風に写ったかは布施さんのカメラなので
知らない。
 

 「母屋」の方は巨大なもので、
一番良い場所を昆虫箱の収納スペースが占めている。
 主人が何を最優先させたかが
一目でわかる。
 
 いろいろな場所で養老先生にお目にかかって
来たが、
 なんだか自由で、のびのびとされていた。
 本当ののびも、何回かされていた。


「バカの壁ハウス」の前でのびをする養老孟司先生
(茂木健一郎撮影)

 養老先生が楽しそうだったのは、
 好きな昆虫を、たっぷりやる場所ができたからだろう。
 あとは時間だけで、世間が少し放っておいて
くれればと思う(無理だろうけれども)。

 帰路、つらつら考えた。
 世界との交渉は別として、
それぞれの人にとって、もっとも
幸せな時間というものがある。
 それが何なのか見つけることが
大切だ。

 私の場合、それは何なのだろう。
 判っているような気もするし、
まだまだ模索している段階のようにも思う。
 ただ、好きなことをやっている時の
白熱だけは、はっきりと
それと感じられる、
 それだけは忘れてはならないと思う。

 養老先生は、あのように、自分の
夢を形にすることで、
 白熱した時間の大切さを
私たちに教えてくださっている。

 白熱と養老孟司!
 
 車が東京に近づくにつれて、白熱は
散文に変わっていったが、よく見れば、
行間に、白く熱を帯びたものは
未だ潜んでいて。。。

11月 4, 2005 at 06:48 午前 |

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コメント

↑上のコメントの補足です。

壁の上にハウスが立っているのがユニークというかなんというか。
この「バカの壁ハウス」、
見れば見るほど建築の“じょーしき”を超越していてヴィジュアル的に非常に面白いです。

でももし、大地震が来たらこのハウス、大丈夫なんだろうか?(すいません)

投稿: 銀鏡反応 | 2005/11/05 19:57:58

バカの壁ハウス…。いやぁ~こりゃあ面白いですね。白壁に「馬」と「鹿」。これぞ、本当の「バカ(馬鹿)の壁」!
南伸坊さんの手になる馬と鹿の絵がなんともいえずいい味出してます。(かわいい!)
その真ん中で写真を撮られている茂木さんも、
のびのびしていらっしゃるし、そして本当に「のび」をしていらっしゃる養老先生も、何とも言えない味わいのある人です。
のほほんとした雰囲気の中で、ご両人とも幸せそうに見えました。

投稿: 銀鏡反応 | 2005/11/04 22:29:42

手は口ほどに者を言う。
手は脳の状態をよく反映するからね。
手を隠すというのは何か悟られたくないものがあるからだろうね。
足も不自然に閉じている。
何かを隠そうとして踏ん張っているようだ。
養老さんは手を大きく開いてどうぞお好きに覗きくださいと言っている。
別にフロイト信者じゃないが、このぐらいはだれでも感じる。
隠そうとしているものが何なのかが問題だ。

投稿: コナン | 2005/11/04 11:25:51

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