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2005/11/19

あすへの話題 ゲームを面白くする工夫

あすへの話題 ゲームを面白くする工夫
茂木健一郎

 子どもたちにも、株式投資のやり方や、起業の仕方を教えるべきだという意見を聞く。
 確かに、優等生で従順に生きているだけでは個人も社会も立ち行かない時代になった。創意工夫で自ら新しい状況を生み出す能力こそが求められているのである。
 もっとも、特別なことを教えなくても、子どもは自ら状況を作る驚くべき能力を持っている。そのことは、遊びの様子を観察していると判る。
 子どもは、ルールをいろいろと工夫しながら遊んでいる。幼い子や弱い子を「みそっかす」として少し有利にしてあげるのも、子どもが自分で作るルールの一つである。 
 なぜ、「みそっかす」にするのか? 相手を思いやる優しい気持ちもあるのだろうが、一番の理由は、そうしないと面白くないからである。誰が勝つか、あらかじめ判っているゲームほどつまらないものはない。力に差がある時にハンディキャップを与え、結果が予想できないようにして楽しむ工夫が「みそっかす」なのである。
 人間の脳は、どうなるか判らないという「偶有性」をこそ好む。大人から見れば他愛ない遊びをする子どもたちの脳にも、「偶有性」が最大になるようにルールを工夫する大切な能力が潜んでいるのである。
 誰が勝者になるのか、あらかじめ決まっているゲームほどつまらないものはない。勝ち組と負け組が固定化しそうになったら、ルールを工夫して結果がどうなるのか判らなくする必要がある。子どもに経済を教えるのも良いが、逆に大人が子どもの遊びから学ぶべきことも多いのではないか。


(日本経済新聞2005年11月17日夕刊掲載)

11月 19, 2005 at 05:23 午前 |

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コメント

 僕が知っている「ゲーム」では、予め最終的な勝者が決っている前提の上で、そこに至るまでの過程の「遇有性」を楽しむといったものになっています。
 「遇有性」を楽しむ上で、勝者、敗者という要素はあまり重要でないのかもしれません。

投稿: | 2005/11/19 20:57:27

具有性
重要ですね。
明日も生きていて、仕事に行く。
でも、ひょっとしたら。
50%ぐらいがいいのでしょうか?

現在、私の日常は、
ラーメン食べに行くと、麺がかたい
ソバ食べに行くと、麺がかたい
焼きソバ食べに行っても、麺がかたい

具有性がないので、最近行っていません。

何かを目的とした、反復トレーニングの
一環だったのでしょうか?

投稿: 佐々木裕伸 | 2005/11/19 17:36:34

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