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2005/11/30

世界一受けたい授業 (2005年12月3日)

世界一受けたい授業  

気象予報士・武田康男 空の不思議
小宮信夫が指摘! 犯罪の起こる場所
茂木健一郎 アハ体験ススメ

NTV系
2005年12月3日(土)19:57〜20:54
http://tv.yahoo.co.jp/bin/search?id=38996736&area=tokyo

11月 30, 2005 at 07:12 午前 | | コメント (1) | トラックバック (2)

東京芸術大学 美術解剖学(予告)

東京芸術大学 美術解剖学の今年の残り3回の
授業は、次の方々をゲストにお迎えして
開催いたします。

各日
午後3時35分〜午後5時
東京芸術大学 上野校地 美術学部 中央棟
第3講義室(2F)

2005年12月1日(木) 
池上高志(東京大学)
「認識論的なものと存在論的なもの:第3項アートへの系譜」


2005年12月8日(木) 
高橋瑞木(水戸芸術館現代美術センター)
キュレーションの現場から

2005年12月15日(木)
保坂和志(作家)
芸術の自由

http://www.geidai.ac.jp/campus/ueno_campus.html
 

11月 30, 2005 at 06:52 午前 | | コメント (0) | トラックバック (1)

『脳と仮想』 12刷

新潮社「脳と仮想」

増刷(12刷、累計43000部)
となりました。

ご愛読に感謝いたします。

11月 30, 2005 at 06:47 午前 | | コメント (1) | トラックバック (1)

天に昇る機関車

朝起きた瞬間からひたすら仕事を
続ける日々。

 日だまりのなかをゆったり歩いたり
してみたいのだが。

 東京、汐留の電通本社。
 研究会(DCW2005)で話す。
 テーマは
 「日本人と脳」
 日本は、実はクオリアとセレンディピティを
追求するのに恵まれた環境で、
 実際われわれはそれが得意なのではないか、
という話。
 
 私の前は、村上隆さんが話した。
 日本の美術界の問題点の指摘と、
NYを中心とするアート界でいかに
格闘してきたかということ。
 
 批評性の感じられる話だった。
 
 先週のアエラに掲載された
ジョン・レノンに関する記事に、真の
「ポップ」は批評性を持つものだと
ある。
 批評性がなければ、ポップスになってしまうと。

 クオリアやセレンディピティはある国だが、
批評性がないのが日本の弱点ではある。

 DCW2005の待ち時間や、
人の話を聞いているときも、
 ひたすら手元で仕事を続ける。

 打ち上げは銀座の店に。
 佐々木厚さんをはじめとする
電通の方々と、
 テレビマン・ユニオンの花野剛一さん、
それに私の研究室の博士二年の関根崇泰くん。

 関根は、いざという時に私のデータの
バックアップをさっと出したり、
 リハーサルで私の影武者をやったりといった
仕事をしていたのである。

 銀座に向かう時、
 いつも私がうろうろしている新橋の
エリアのすぐ近くに、
 汽笛一声新橋を・・・にちなむ
旧新橋駅の復元駅舎があることを発見。

 クリスマスだからか、天に向かって上昇して
行く蒸気機関車のイルミネーションがあり、
 それを一瞬見たことが今日の「癒し」
だった。

 知らなかった。いつも、雑然とした
ところばかりほっつき歩いていて
近くに綺麗なところがあるとは気付かなんだ。

 イルミネーションは、慰流見ネーション
と書くのかしら。

11月 30, 2005 at 06:39 午前 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2005/11/29

夢の赤と

朝3時に起きて、
いろいろ始めていた。

 一番大きい仕事は、柳川透
との投稿論文を仕上げることで、
 メッセンジャーで頻繁に
連絡をとりながら改訂していった。

 面倒で大きな仕事をしている
ときは時間の流れが飛ぶもので、
はっと気付くと、案の定
 取材の約束の時間に大幅に
遅れそうになったが、仕方がない。

 何よりも大切なこと。

 何とかonline submissionを終えると、
 昔、スーパーマリオブラザーズに
「Bダッシュ」というのがあったが、
あのように、
 がーっとシャワーを浴びて、
適当に服を着て、駅まで走り、
 電車を降りて、階段を一気に
走り上がり、電車に飛び乗って、
 駅から研究所まで走り、
想定していたほどには遅れずに
 取材の場所に着いた。

 「AERA」の「シナプスのつぼ」
の取材。
 フリーランス・ライターの原賀真紀子さん、
写真家の西山麗さん。
 昆虫採集と、夏目漱石の『吾輩は猫である』

 再びダッシュで駅へ。
 渋谷経由の田園都市線。
 東京工業大学
 すずかけ台キャンパスに向かう。

 柳川透の博士下聴き会。
 私は主査ではあるが、
同時に柳川くんのことをサポートする
側でもあり、なかなかに大変である。
 はらはらしながら聴いていたが、
 何とか終了。

 すずかけ台駅前の「てんてん」で
打ち上げ。
 柳川が注文したあわびの天ぷらが
美味しかった。

 大体、柳川は一番高いものを注文する
ように出来ている。
 まあ、それも良い。がんばったあとの
打ち上げだから。

 また夢を見た。
 列車からバスへ、次々と乗り物を換えて、
最後に赤い服の小さな女の子が出てきた。

 そういえば、3−4歳の頃、男の子なのに
赤いものばかり欲しがった時期がある。

 帽子も赤で笑われたが、
あの赤と夢の女の子の赤は似ているような気がする。

11月 29, 2005 at 06:02 午前 | | コメント (2) | トラックバック (3)

2005/11/28

Relentlessと夢

夜遅くまで飲んでいたりするものだから、
風邪が悪化して、
 一日中寝転がっていた。

 明け方、ロンドンの郊外に紛れ込む
を見た。

 二つのことで連想されたのかもしれない。
 一つは、先日駒場祭で文藝春秋の山田憲和さん
と話した時、
 『クオリア降臨』の影のテーマがBBCだという
話になったこと。
 BBCの凄みが、要所に引用されているというのだ。

 もう一つは、土曜の夜の白洲信哉との会話。
 彼は日本の美意識を愛する一方で
アングロサクソンの凄さも知っているわけで、
 ロンドン、ケンブリッジは私と共通の体験。
 祖父の白洲次郎さんもケンブリッジにいたわけだから、
単に日本が良いと言っているわけではない。

 他者を知らないと自分も知ることはできない。

 一日大人しくしていたから、
 今は大分良い。午前4時。
こんな時間に起きているのも、
やることがあるからである。

 体調が悪い時はそれなりに
考えることがある。
 先日の朝日カルチャーセンターの
池田雅延さんの話(小林秀雄について)
から受けたインスピレーションの
一つは、
 仮想空間の中で自分がどちらの
方向へ行くべきかということを
容赦なく追求するという生き方だった。

 目を閉じて、見える「こっちの方へ行くべきだ」
ということを妥協なしに行うことを
実行するということである。

 もっとも、それは一つの理想であって、
実際にはつきあいというものも
あるし、世間の側の都合というものもあるし、
100%ピュアにはいかない。
 しかも、そのようなノイズがセレンディピティの
源になったりする。

 自己の直感を追うことと、他者との折衝の
都合に合わせることの
 バランスは、強化学習における
exploitationとexplorationの間の
関係に似ているのではないか。

 それでも、肉食獣のごとく、relentless
にそれを追求するというメタファーは
私に気に入った。

 ロンドンの夢はおそらくそのことに
関係しているらしい。

 まだ夜の底は白くならない。

11月 28, 2005 at 04:09 午前 | | コメント (4) | トラックバック (1)

2005/11/27

脳の中の人生 いざという時に何をすべきか

ヨミウリ・ウィークリー
2005年12月11日号
(2005年11月28日発売)
茂木健一郎  脳の中の人生 第80回

いざという時に何をすべきか

一部引用

 以前、お昼時に都内のレストランで食事をしていた時、外の通りに大きな鳥が落ちてもがいていたことがある。私は大きなガラスの窓のそばのテーブルに座っていたので、様子がよく見えた。中年の男性と、若い女性がずっと心配そうに見ている。女性がしゃがみ込んで鳥を時々なでたりしているが、何か行動するわけでもなしに、そのまま十分間くらいが経過した。
 私はいささかじれったくなって、ウェイターの人に断って、店の外に出た。その場で、番号案内で調べてもらって、日本野鳥の会の東京支部に電話した。さすがは鳥の専門家の集まりである。大きさや色、かたちを伝えると、「それはムクドリでしょう」と即座に答えてくれた。
 元気そうだが、飛べない。どうしたら良いか、とたずねると、傷ついた野鳥の保護をするのは実は東京都のこの部署だと電話番号を教えてくださった。その番号に電話すると、都内のペットショップが、野鳥の一時的保護をする制度があると知らされた。

全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。

http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

11月 27, 2005 at 08:24 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

ベンチャーと信哉

 駒場祭に行くのは久しぶりである。
 おそらく、現役の時も行っていないのではないか。
だとすると、初めてかもしれない。

 文藝春秋の山田憲和さんと
待ち合わせ、混んでいる銀杏並木を
歩く。
 やっとたどり着いたサッカー場の
横で喋っていると、ラグビー部が
出てきて練習を始めた。

 『クオリア降臨』を巡って対話。
 「本の話」に掲載される予定。

 山田さんを見送り、
13号館へ。
 
 国際的な実務研修を進めている
学生NPO、
 アイセックのイベント。
 私が喋った後、5人のベンチャー企業
経営者がパネル・ディスカッションをした。

 外からバンドのがなり立てる音が
聞こえ、
 ああ、ここは学園祭なのだなあと
思う。

 レストランで立食パーティー。
 いろいろなやつらと喋る。
 時代の空気として、
大学は厳しい状況に置かれているのだなと
感じる。
 ベンチャー経営者が、
「大学なんて中退してとっとと起業しろ」
という時、 
 アカデミズム側が有効な反論ができない
状況が確かにあるのではないか。

 現代における本当の学問とは何なのか、
その「ペレストロイカ」は
 よほどの覚悟を決めて様々な
事柄を引き受けない限り成就しないだろう。

 歩きながら、
 鈴木健と久しぶりに喋る。
 ベンチャーを含めた
昨今の社会的事象について。
 マルクス、柄谷行人、
大学について。

 電通の佐々木厚さんや、
NTT出版の牧野さんらと
 渋谷で二次会として沖縄料理を
食べていると、白洲信哉から
電話で呼び出される。
 白洲邸へ。
 
 酒とすっぽん雑炊を振る舞われながら、
先日日本経済新聞の「あすへの話題」
に書いた「ウォーホルと宝船」
について文句を言われる。

 美の基準はグローバルではないだろう、
日本人に生まれた限り一定の基準があるだろう、
 ロマネスクの教会、アフリカやインディアン、
中国の古染め、朝鮮の井戸茶碗にも
それに通じる「空気」があるだろう、
 でも、それは決してグローバルにはならないだろう、
 モナリザやフェルメールは絶対的な地位を
保っているわけではなく、ただ有名なだけだろう
 
 とカラみ続ける。
 私はマイッタなあ、と思いながら
出羽桜を飲んで
 
 オレとオマエは結局
 同じことを言っているじゃん!

と言っても、
 信哉は聞かず、 
 わかりました、あんたはそっちの方に
行ってください、私はこっちの方でやりますから
などといろいろ言いながら笑っている。

 あげくの果てに、この人はそのうち
全部イヤになって投げ出しちゃって、
 人にも会わなくなりますから。
 ムリですから。
 そうしたら、一緒にやりましょう。

などと無理難題を突きつける。
 ベンチャー企業を経営するのも大変だが、
白洲信哉の相手をするのも大変である。

 それでもキライにならないのは、根底に
愛が感じられるからだろう。

 信哉は横顔がちょっとモーツァルトに似ているが、
今朝は
仕事を聞きながらモーツァルトが聴きたくなった。

 風邪はなかなか抜けない。

11月 27, 2005 at 08:17 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005/11/26

サイン本入荷情報

先日作成いたしました
「脳」整理法
100冊のサイン本ですが、
本日(2005年11月26日(土))
紀伊国屋書店新宿本店
に入荷する予定とのことです。

 1F及び2Fに置かれる予定との情報が入って
おります。

11月 26, 2005 at 09:51 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

(本日)第2回 Interact @駒場祭

第2回 Interact @駒場祭
2005年11月26日(土) 13:30〜16:30

東京大学駒場キャンパス 1323教室
(井の頭線駒場東大前駅東口から徒歩3分)

茂木健一郎
佐藤孝治氏(ジョブウェブ株式会社代表取締役社長)
堀井愼一氏(日本ベンチャーキャピタル協会初代会長)
石黒不二代氏(ネットイヤーグループ株式会社代表取締役社長)
猪子寿之氏(チームラボ株式会社代表取締役社長)
金指寿氏(中小企業庁創業連携推進課 課長補佐)

http://interact-community.net/events/detail.htm

11月 26, 2005 at 08:31 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

あすへの話題 ウォーホルと宝船

あすへの話題 ウォーホルと宝船

茂木健一郎

 先日、美術評論家の布施英利さんと福島県のいわき市立美術館を訪れ、ワークショップをした。その際に見たアンディ・ウォーホルの『フラワー』が忘れられない。二時間ずっと見ていたが、飽きることがなかった。当初賛否両論があった「ポップ・アート」も、今では「美の殿堂」入りを果たしたのだなあと感嘆した。
 その夜、地元の寿司屋に行き懇談した。壁に有名人の色紙が貼られ、宝船の置物が飾られていた。よく見る光景だが、ウォーホルに比べるとあか抜けていないように感じられた。
 ウォーホルと宝船の運命を分けたものは何か? もともと、この世に絶対的な美の基準など存在しない。美人の基準は時代とともに変化する。美は、脳の中の記憶と感情のシステムが複雑に絡み合って、長い時間をかけてゆっくりと作り上げられる「フィクション」なのである。
 そのフィクションの世界で、あるものがあたかも絶対的な地位を持つように感じられるに至る。フェルメールの絵や、モナリザがそうである。何が殿堂入りするのか、神様が決めた基準があるわけではない。ウォーホルの代わりに宝船が輝く世界もあったに違いない。
 グローバリズムの嵐が吹き荒れる中、美の基準もまたグローバル化している。その中で、美の勝ち組、負け組がどうしても出てくる。価値は平等だとは言っても、「中心」と「周縁」の差は生まれる。
 大切なのは、美の基準は変化し得ると認識することだろう。誰もが「勝ち組」や「中心」に走ってはつまらない。宝船の方に賭ける人がいて、初めて文化の多様性もダイナミズムも保たれる。

(日本経済新聞2005年11月24日夕刊掲載)

11月 26, 2005 at 08:29 午前 | | コメント (1) | トラックバック (1)

カゼ

 研究所。
 マガジンハウス、
 クロワッサンの平木康子さん、奥山夏実さんが
取材に。
 「きのう きょう あした」
のコーナー。

 外の公園でフランクリン・アヴェニューの
サンドウィッチを食べる。

 日本ドリコムの三上裕美さん、
が大西浩之さんと御来所。
 高校の先生向けの雑誌の取材。

 柳川透が、月曜日の博士の下聞き会の
ためのパワーポイントをつくる。
 いかに判りやすく伝えるか。

 近くのコンビニで
 チョコレートを4種類買ってきて、
柳川の机の上に置く。
 柳川を、Chief Chocolate Officer
(CCO)に任命。

 みんなでCCOの指示の下
チョコレートを食す。
 
 某ブレインストーミング会議。
 何をすれば良いのか、課題がはっきりと
明らかになって有意義だった。

 会議参加者で、恵比寿のネパール料理
「クンビラ」で会食。

 クンビラには、昔何度か来た。
 竹内薫と来たこともある。
来なくなって数年経っているか。
 なつかしい。

 不摂生がたたったのか、再び風邪が
ぶりかえす。
 ビールでヒー。
 カレーでヒー。
 喉がヒー。
 くしゃみがくしゅん。

 店を出る時、植村直己さんが
クンビラのオーナーと微笑んでいる
写真が目に入る。

 マッキンリーは、今日も風が
吹いていることだろう。

11月 26, 2005 at 08:25 午前 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2005/11/25

週刊ブックレビュー

NHK BS−2
週刊ブックレビュー
2005年11月27日(日)
午前8:00〜8:54
特集
茂木健一郎 第4回小林秀雄賞受賞作 「脳と仮想」を語る

http://www.nhk.or.jp/book/info/index.html 

11月 25, 2005 at 08:23 午前 | | コメント (0) | トラックバック (4)

small hoursのはじまりに。

試運転中につき、
ゆるりゆるりと諸仕事。

 午後、NHKへ。
BS2「BSブックレビュー」で
『脳と仮想』を特集していただくということで、
ありがたく。

 控え室で、藤原智美さん、都築響一さんに
ご挨拶。
 藤原さんとは初対面。
 
 藤沢周さん、中江有里さんとしゃべっている
うちに、
 収録である、ということを忘れてしまった。
 単純に会話を楽しんでしまいました。

 新潮社の金寿煥さん、テレビマンユニオンの
花野剛一さんがスタジオに。

 終了後、花野さんと一緒に
「プロフェッショナル」のプロジェクトルームへ。
 河瀬大作さん、有吉伸人さんとしばらく
話す。
 有吉さんが「目が血走っている」
と言われていた小池耕自さんは
普通にニコニコ笑っていたが、
 私がドアを閉めた瞬間に血走ったのかも
しれない。

 東京財団へ。キャラクター研究会の
最後の部分に間に合う。
 浜田マキ子さんがいらして、
御著書をいただく。

 研究会の懇談会。
 船曳建夫さんが、私が遅刻した!
とぷんぷん怒っている。
 ビールを飲んでもなおりませんか、
とうかがったら、
 うん、なおるとにっこり笑った。

 他に、鎌田東二さん、牧野圭一さん、清谷信一さん、
野崎裕司さん、相原博之さん、
星野晶子さん、南條昌康さん、
電通の佐々木厚さん。

 表参道へ。
 椿昇さんが企画された、先日の京都造形芸術大学
でのシンポジウムのリユニオン。
 トヨタ広報部の布施直人さん、
佐々木さんと4人で懇談していると、
 あとからタナカノリユキさん、竹村真一さん
がいらした。

 黛まどかさんもいらしたところで、
 Art it の最新号(「杉本博司」特集)から
経営されている今福英治郎さんのオフィスへ。

 杉本博司さんの最新作が数点並べてあったので、
「スギモト発見!」と橋本麻里さんに知らせる。

 椿さん、タナカノリユキさん、今福さんは
それから六本木のTraumarisへと
流れたようだが、
 私はsmall hoursの始まりに帰った。

 こうして記してみると、ずいぶん沢山の
方々にお会いしている。
 ありがたき。

 本物の美術作品には必ず愛がある、
と改めて思った夜。

11月 25, 2005 at 08:18 午前 | | コメント (0) | トラックバック (1)

2005/11/24

東京芸術大学 美術解剖学

今週は休講です。
来週(12月1日)は開講いたします。

11月 24, 2005 at 08:19 午前 | | コメント (0) | トラックバック (1)

『脳・クオリア・心の比較文明学的意味』

2005年度 
立教大学比較文明学会総会・公開セミナー
2005年12月5日(月)
太刀川記念館3階(池袋キャンパス) 多目的ホール

16時半〜 総会・研究発表
18時〜19時半 公開講演会 
  『脳・クオリア・心の比較文明学的意味』
  茂木健一郎
19時半〜懇親会

http://www.rikkyo.ne.jp/grp/hikaku-bunmei/ 

11月 24, 2005 at 06:43 午前 | | コメント (1) | トラックバック (1)

幸せ

 青年のころは、
 「オレは幸せなんていらない」
とうそぶいていたが、
 近頃は幸せが欲しいと思う。

 それも、ごく小さな幸せでいいのだ。

 近くの公園を歩いていたら、
アカスジキンカメムシの幼虫が幹に4匹
かたまっていたので、
 がちゃがちゃのカプセルに
入れて持ち帰り、
 ベランダの椿の木にたからせた。

 このまま、越冬してキレイな成虫に
なってくれたら、とても幸せである。

 男の幸せというのの原型は少年時代に
あるというが、
 どうもそのようである。
 たった一日でもいいから、
 あの頃に戻って仲間たちと遊べたらと
思う。
 「太田さん」(近所にあった駄菓子屋)
に行ってアメのクジを引いたり、
ミルクせんべいを食べられたらと思う。

 一番やってみたいのは缶蹴りだ。
 あれは面白かった。
 いろいろな手をつかって、オニを
からかうのが楽しくてしょうがなかった。

 シャツを交換してしまって、
わざとそこが見えるように身体の一部分だけ出して、
 「○○くん!」と言わせて
 「ま〜ちがえた、間違えた!」
と出ていったり、
 5、6人で結託して、わーっと
一斉に飛び出していくと、
 「○○くん、△△くん、□□くん!」
と言っているうちに、
 間に合わなくなって蹴られてしまったり、
 あるいは、ムカデのようにつながって出て
いって、
 名前を言おうとすると、
 「顔が見えないと言っちゃダメだ」
と言いながら近づいていって、
 「ムカデ蹴り」で蹴ってしまったり、
 本当に腹をかかえてくるしいほど
笑ったし、
 楽しんだ。

 そういうことをやると泣いてしまう
ようなオニにはやさしくして、
 ずうずうしいガキ大将に徹底的に
やったように思う。
 ところが、そういうやつに限って、
わーっと一斉に飛び出していっても
 ものすごいスピードで
 「・・・・・・・」と言い終わってしまって
全員アウト、になったりするのだ。

 もう神話の世界である。
 古事記や日本書紀じゃなくて、
自分の幼少の頃にこそ神話の原型は
あるんだろうと思う。

 思い出しているだけで
チョッピリ幸せになった。
 さて、大人にかえって仕事をすること
いたしましょう。

11月 24, 2005 at 06:32 午前 | | コメント (5) | トラックバック (1)

2005/11/23

持たないこと

にんにく+栄養ドリンク作戦が功を奏したのか、
風邪の症状は改善したが、
 脇腹がいたい。
 わらっているんじゃなくて、時々チクチク
いたくなる。

 盲腸だとイヤだな、と思ったが、
今朝になったらおさまっている。
 身体というのはどうなっているのだろう。

 NHKで、『プロフェッショナル』に
ついての取材を二件受ける。
 チーフ・プロデューサーの有吉伸人さん、
NHK広報の鳴瀧紀子さんが同席。

 『英語でしゃべらナイト』の
収録。
 パックン、釈由美子さん、松本アナウンサー。
 日本語と英語のちゃんぽんでしゃべるのは
楽しかった。
 画面で見るとにぎやかだが、
実際にはブルーバックでクロマキー合成。
 宇宙空間のようだった。

 収録終了後、しばらく『プロフェッショナル』
のプロジェクト室の机を借りて仕事。
 周囲で即席の企画会議が起こったり、
有吉さんが電話をしているのを聞きながら
 柳川透の論文を読んでいると面白い。

 読売新聞社に移動。
 自分も食べたくなったので、大小
二つの千疋屋フルーツゼリーを買って、
大を持ってヨミウリ・ウィークリー編集部に
陣中見舞い。
 川人献一さん、二居隆司さんと
お話する。
 明日は祝日で。
 と言うと、
発売日に重なるのではない限り、関係ないんです、
と二居さん。
 祝日に関係なく仕事をしている人たちは、
世の中にたくさんいる。

 「英語でしゃべらナイト」のナタリー対馬さんも
今日編集するのだと言っていた。
 ホモ・サピエンスとか、ホモ・ファベルとか
いろいろ言うが、
 「仕事をする人」なんじゃないか、人間は。

 しばらく出席できなかったので、
待田晋哉さんにオコラレていた読書委員会。
 川上弘美さんがいつもと違う服を着ていて、
あれ、知らない人がいる、と思った。
 いつもの場所に座ると、
なぜか周囲は町田康さんや、川上さん、
 逢坂剛さんと作家ばかりになる。

 検討本も決まり、みんなこれから
懇談会へ行くのか、いいなあと思いながら、
 途中退席して夜の外へ。

 明治神宮前から渋谷への暗い道を
歩きながら、
 幸福とは実は「所有しない」という
ことだなと思った。
 全くの無とは違う。
 人生の時間がこれからまだまだある、
という希望が青年の特権であるとすれば、
 それは、これから流れる時間を「所有」
しているという意味においてではなく、
 それを「まだ持たない」という
ことの中にあるんじゃないか。

 アップリンク・ファクトリーで
山岡信貴さんと対談。
 山岡さんからはからずも「空白」
の話が出て、
 さっき考えたことをお話した。
 スピルバーグみたいに一丁上がりに
なって、もしそこに安住してしまったら、
 それはつまらないことなんじゃないか。
 
 持たないこと、空白の価値を見失わない
限り、人間はずっと青春を生きているんだろう。

11月 23, 2005 at 09:06 午前 | | コメント (4) | トラックバック (2)

2005/11/22

(本日)「トーリ」+「ソラノ」talk show

「トーリ」+「ソラノ」上演後talk show

2005年11月22日(火)
(上演後、午後9時頃から)
茂木健一郎 × 山岡信貴

渋谷 アップリンクギャラリー

http://www.uplink.co.jp/x/log/000839.php 

11月 22, 2005 at 07:03 午前 | | コメント (1) | トラックバック (2)

100冊

栄養ドリンク剤は、
「紙の箱」に入っている方が効く気がする。
 さらに言えば、
中の説明書に成分の「絵」が書いてある
方が効く気がする。
 もっとくわしく言えば、
 「動物の絵」があると
ものすごく効く気がする。

 コンビニで売っていた一番高いドリンク
(1050円)を買って飲んだ。

 ニンニクをたっぷりスライスして
肉野菜いためをつくり、ラーメンに載せ、
 さらにおろしニンニクを入れた。

 舌がひりひりした。

 この二つのリチュアルで、風邪を
だまくらかして今週を乗り切る所存なり。
 果たしてだまされてくれるかしらん。

 夕刻、筑摩書房に行き、
 「脳」整理法100冊に
サイン。
 紀伊国屋書店が、
プロモーションで置いてくださると
言うのだ。

 増田健史が横で待っていて、
特注した「落款」を印泥の上に
押しつけてペタンと押す。

 ちゃんとイラストも描いた。

 flower pig
 star pig
 火山鯨
 地球サーフィン
 茂木の樹と鳥

の5version。
 「茂木の樹と鳥」
はもっとも古典的なイラストだが、
 今回、新しいversionを開発した。

「サイン本」 見本 (火山鯨version)

 来週アタマまでには紀伊国屋書店新宿本店1F
に並ぶということなので、
 ご希望の方はお早めにどうぞ。

 『科学の恵み』の原稿を書いて
いないので気が引けたのだが、
 伊藤笑子さんにもご挨拶。
 笑ってごまかした。

 布施英利さんの本はもう来週見本が出来る
ということで、優秀である。
 私も笑ってばかりいないで
ちゃんと書くから待っていて
ください。

 その布施さんと、山の上ホテルで
対談。
 この頃から風邪の熱で頭に血が上って、
何だか知らないが、いつもより
 カゲキでターボがかかったことを
沢山喋ってしまった気がする。

 いよいよダウンだと機能停止なのだが、
 ある頃合いの時に、むしろショートカットが
沢山見えてアタマが良くなったように
感じる時がある。
 気のせいである可能性が高いが。

 風邪と知性の関係は解明されるべきなり。

 布施さんと喋るのはいつも面白い。
 ボルネオの情報も教えていただいた。

 帰路、もうろうとして新宿ルミネ2の
Book Firstに行ったら、
 『クオリア降臨』がもう並んでいたが、
なぜか「科学書」の棚にあった。

 「文芸書」のところの方がいいんじゃないか。
 文藝春秋の山田憲和さん、どうしたら
良いのでしょう?

 帰宅してすぐに爆睡。 
 夢も見ず。

 明けて今朝、風邪をだませたかどうか
わからない。
 今日は非常にタイトなスケジュールで、
ダウンするといろいろな人に迷惑をかける。
 気を確かに持たなければならない。

11月 22, 2005 at 06:23 午前 | | コメント (8) | トラックバック (2)

2005/11/21

ダウンへのカウントダウン

無理がたたったのか、
風邪をひきそうな気配がして、
アタマが機能しない。

アメリカから帰ってきて
次の日に物理学科の同窓生たちと
朝までカラオケなどするからだろう。

あきらめて早くねて、今起きた。
なんとか仕事ができそう。
しかし、今週はどうしても
キャンセルできない
アポイントメントがいくつかあり、
体力維持(もうダメだ、という
カタストロフィに至らないように、「ねばる」こと)
を最優先させざるを得ない。

今日締め切りの仕事がいくつか
あるのだけれども、
そのうちのどれが本当に
「ぎりぎりの締め切り」なのか、
自分では判らない。

とりあえず、本当にやばそうなものから
やっていくことにする。

これを読んでドキッとした
編集の人もいるかもしれない。
「私のは本当にヤバイんです!」
という方はメールください。

ダウンしたおかげで、
久しぶりにビールも飲まずに
休肝日にはなった。

11月 21, 2005 at 04:05 午前 | | コメント (2) | トラックバック (2)

2005/11/20

脳の中の人生 脳への最大の報酬

ヨミウリ・ウィークリー
2005年12月4日号
(2005年11月21日発売)
茂木健一郎  脳の中の人生 第79回

脳への最大の報酬

一部引用

 脳は快楽主義者である。何か行動を起こして、その結果脳の中で報酬(うれしいこと)を表す物質であるドーパミンが放出されると、その行動が強化される。赤ちゃんがお腹が空いて泣き、ミルクがもらえると、「お腹が空いたら泣く」という行動が強化される。学校で宿題をやって先生にほめられれば、ちゃんと勉強をしようと思う。このような「強化学習」を通して、人間は少しずつ変わって行く。
 脳の神経細胞をつなぎ変える上で、快楽ほど強烈な作用を持つものはない。快楽は、いわば脳が作りだした「変わるための魔法」なのである。極端な場合、中毒患者に見られるように、特定の快楽のことばかり考え、それを得るための行動を繰り返すことだってあり得る。快楽の処方には、気をつけなければならない。「快楽の自己責任」が大切なのである。

全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。

http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

11月 20, 2005 at 03:21 午後 | | コメント (1) | トラックバック (2)

乾杯

 ホームカミングデーで東大本郷キャンパスに
入る前に、
 学士会館分館で文藝春秋の山田憲和さんに
お会いする。
 「クオリア降臨」が完成したので
数冊いただく。
 ボジョレー・ヌーヴォーで乾杯。
 早いところでは、11月21日から
書店に並ぶ由。

 装丁は大変凝っていて、カバーには裏versionも
ある。
 山田さんの入魂のデザイン。
 ありがとうございました。

 カバーにあやかり、開眼したく候。

カバー表version

大きな画像 

カバー裏version

大きな画像 

11月 20, 2005 at 02:56 午後 | | コメント (1) | トラックバック (2)

20年

東京大学のホームカミングデーが
行われ、
 1983年進学の物理学科の連中が
集まった。

 卒業以来、実に20年ぶりの
リユニオン。

 最初は、おや、誰だろうと思っていても、
次第に、顔の表情やしぐさ、口調に、
「おお!」と思い出す。

 人の記憶というもは、まさに動的なダイナミクス
をとらえる点にあるのだと実感。
 なつかしい理学部4号館1220号室
の下の部屋に集まって、
 わいわいがやがややった。
 集合写真。

 1983年の進学時の写真と比べると、みんな
変わったが、面影もある。

http://www.qualia-manifesto.com/1983-2.jpg 

 何人かが「茶話会」として話題提供した。
 
 林田清くんが、X線天文学の話。
 横山順一くんが飯田修一先生の近況。
 鈴木敏史くんが、最近の高校生事情。
 私が、最近の脳科学について
 小林雅一くんが、メディア事情について。
 中島大くんが、環境問題について。

 経済産業省に行った藤野真司くんが
いろいろと口を挟む。
 昔から弁の立つやつだった。

 場所をフォーレスト本郷に移して、懇談。
さらに白糸に行ったら、偶然情報学環の
原島博先生がいらしていた。
 しばらくお話する。

 さらに、カラオケに行き、何と
朝まで歌った。
 なにしろ二十年ぶりである。
 積もる話、積もる思いがある。

 Hさんが亡くなったということを初めて知った。
同級生のSクンと結婚していた。

 Sクンのとなりにすわって、いい人だったのにね、
なんで死んじゃったんだろう、ねえ、
 と言って肩を抱いた。

 Sクンは、布に包まれた御位牌を持っていた。

 Hさんはきっと来ていたに違いない。
 我々がHさんのことを思い出していれば、
きっと来ていたことになる。

 カラスがかあかあで空が白々として、
私は偶然見つけた吉野屋に入った。

 大学院生の時の徹夜明けの朝を
思い出した。

11月 20, 2005 at 01:57 午後 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2005/11/19

The Ancient Qualia Cafe

掲示版、「お掃除」して新装開店いたしましたので、
お気軽にお立ち寄りください。

The Ancient Qualia Cafe
http://155.teacup.com/kenmogi/bbs 

11月 19, 2005 at 09:49 午前 | | コメント (1) | トラックバック (1)

脳科学の最前線ー創造性とコミュニケーション

平成17年度「国土技術政策総合研究所 講演会」
茂木健一郎
脳科学の最前線ー創造性とコミュニケーション

イイノホール (東京都千代田区内幸町2−1−1 飯野ビル7階)
2005年12月8日(木)
午前10時10分〜11時10分

申し込み方法など、詳細 

11月 19, 2005 at 08:55 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

「トーリ」+「ソラノ」talk show

「トーリ」+「ソラノ」上演後talk show

2005年11月22日(火)
茂木健一郎 × 山岡信貴

渋谷 アップリンクギャラリー

http://www.uplink.co.jp/x/log/000839.php 

11月 19, 2005 at 06:30 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

(予告) 東京藝術大学 美術解剖学 高橋瑞木

(予告)東京藝術大学 美術解剖学授業
ゲスト 高橋瑞木(水戸芸術館現代美術センター)

東京芸術大学 上野校地 美術学部 中央棟
第3講義室(2F)
2005年12月8日(木)
15:35〜17:00

11月 19, 2005 at 06:06 午前 | | コメント (0) | トラックバック (1)

あすへの話題 ゲームを面白くする工夫

あすへの話題 ゲームを面白くする工夫
茂木健一郎

 子どもたちにも、株式投資のやり方や、起業の仕方を教えるべきだという意見を聞く。
 確かに、優等生で従順に生きているだけでは個人も社会も立ち行かない時代になった。創意工夫で自ら新しい状況を生み出す能力こそが求められているのである。
 もっとも、特別なことを教えなくても、子どもは自ら状況を作る驚くべき能力を持っている。そのことは、遊びの様子を観察していると判る。
 子どもは、ルールをいろいろと工夫しながら遊んでいる。幼い子や弱い子を「みそっかす」として少し有利にしてあげるのも、子どもが自分で作るルールの一つである。 
 なぜ、「みそっかす」にするのか? 相手を思いやる優しい気持ちもあるのだろうが、一番の理由は、そうしないと面白くないからである。誰が勝つか、あらかじめ判っているゲームほどつまらないものはない。力に差がある時にハンディキャップを与え、結果が予想できないようにして楽しむ工夫が「みそっかす」なのである。
 人間の脳は、どうなるか判らないという「偶有性」をこそ好む。大人から見れば他愛ない遊びをする子どもたちの脳にも、「偶有性」が最大になるようにルールを工夫する大切な能力が潜んでいるのである。
 誰が勝者になるのか、あらかじめ決まっているゲームほどつまらないものはない。勝ち組と負け組が固定化しそうになったら、ルールを工夫して結果がどうなるのか判らなくする必要がある。子どもに経済を教えるのも良いが、逆に大人が子どもの遊びから学ぶべきことも多いのではないか。


(日本経済新聞2005年11月17日夕刊掲載)

11月 19, 2005 at 05:23 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

Tokyo FM 森の朝ごはん 第二回

Tokyo FM 森の朝ごはん
森達也さん、ゲスト 茂木健一郎

第一回 2005年11月13日(日)06:10〜(終了)
第二回 2005年11月20日(日)06:10〜

http://www.tfm.co.jp/hs/index.html

11月 19, 2005 at 05:19 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

文藝春秋 クオリア降臨

クオリア降臨(文藝春秋)
見本出来ると担当編集者の山田憲和さんから。

定価1700円、304頁、四六判上製カバー装

2005年11月25日発売

11月 19, 2005 at 05:13 午前 | | コメント (0) | トラックバック (1)

『心を生みだす脳のシステム』増刷

NHKブックス
『心を生みだす脳のシステム』
は増刷(12刷、累計27000部)
となりました。

ご愛読に感謝いたします。

11月 19, 2005 at 04:56 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

帰国

SfNも終わり、朝ホテルを出て
空港に向かう。

 ワシントン郊外は森が深く、その中に点々と
邸宅が見える。
 あのような森の中に生活するのは、
どんな気分なのだろう。

 以前、シカゴ郊外のレイク・フォーレスト
に行った時、それぞれの家の庭に
樹齢何百年というような樫の大木がある
エリアがあって、ああこんなところに住みたい
と思った。

 子どもの頃からのファンタジーの一つは、
家の敷地内に大木と小川があるという
ことだけれども、
 そのような生活は今の超過密スケジュールを
続けている限り無理そうだ。
 どこかで気を見て、どーんとオフの
時間を作るようにしなければならないのだろう。

 空港の本屋でHumorのセクションをあさる。
 友達とギャグ漫画を描いて見せ合っていた
小学校の頃から、笑いは私の背骨の一つ
である。
 「三杯マティーニを飲んだ後でないと医者に
聞けないたくさんの質問」というふれこみの
 に心を惹かれたが、
 飛行機の中でワインを飲みながらこの本を
読んでくすくす笑っているといかにも
怪しいので、
 それはやめて、「おお、これは!」と思った
The Tipping Pointを買うことにした。

 社会的な流行現象は、さいしょは小さな規模の
動きから一気に火がついていく。
 ほとんど忘れられた存在だったHush Poppiesが、
East New Yorkの何人かのティーンエージャーが
はき始めたことから一気にリバイバルする例を
挙げながら、ウィルスの感染のごときepidemic
のメカニズムを探る。
 
 最初の10頁くらいを読んだが、面白そうだ。

 例によって、全日空寄席を聞きながら、
いつの間にか眠って、またぱっと起きる。
 「タイヘイトリオ」を合わせて5回は
聞いたが、すっかり好きになってしまった。
 神田紅の解説も良い。

 以前、日航寄席を高田文夫が解説して
いた時にも随分関心させられたが、
 神田紅の解説も、その領域に近づいて
いるのではないか。

 成田エクスプレスの中から、もう目の前の
仕事に追われる。

 小川と樫の大木は、今の私の生活に対して
どのような方角に、どれくらい離れてあるのだろう。

11月 19, 2005 at 04:44 午前 | | コメント (1) | トラックバック (2)

2005/11/16

セレンディピティの密度

午前中に小俣圭が、
午後に田谷文彦と田辺史子が発表。

 海馬とエピソード記憶のセッションを聞く。

 セレンディピティ(偶然の幸運)が3つあった。

 海馬のセッションは柳川透、箆伊智充と
聞いていたが、
 そこで、柳川のやっているシミュレーション
に参考になることが見つかった。

 さらに、柳川が「トヨタが
自動車で人が運転している時の脳活動を
調べた発表をしているんですよ」と
言った直後に、それが実は久保田競先生
が中心となってまとめた仕事だということが
判った。
 久保田先生の姿をお見かけして、
声をおかけしたことでわかったのである。

 最後に、東京工業大学の宮下英三先生の
研究室の小松三佐子さんが私たちに合流するという
のでポスター会場の田辺史子の場所で待っていたが、
いつまで経っても現れない。

 地下だとワイヤレス・LANのネットが
入りにくいので、先に上に行っているわ、
と一人歩いていったら、
 エスカレーターの上から下をのぞきこんでいる
小松さんと星野英一がいた。

 ポスターセッションの時間が終わり、
下に降りて来れないので
(こわーい警備員のお兄さんがブロックしている
ので)上にいたというのだ。

 皆のところに戻り、柳川透と歩きながら、
「ポスターのところで小松さんを待っている
時に、これはひょっとしたら下に降りて来れない
のではないか、という可能性を考えるのが
本当のメタ認知だな!」と喋ったことは
はっきりと覚えている。

 それにしても、一日のうちに3回もセレンディピティ
があるとは、 
 とアタマが妙にすうすうする気分になって
よく考えてみると、何のことはない。
 単に「密度」が高いだけのことなのである。

 なにしろ、「同好の士」が2万8千人も
集まっているのだ。
 それだけ「衝突」する確率も高まる。
 熱帯雨林やサンゴ礁の生態系と同じで、
全体の生態系が豊かであるほど、
 セレンディピティも高まる。
 
 セレンディピティは、エコロジーだったんだ!

と発見す。
 それはそうだ。何もない宇宙空間を漂って
いては、少なくとも外からくるセレンディピティ
はあり得ない。
 だから、多様性は大切にしなければならない。

 なるほどね、と思いながら夕食の場所を探し、
山本慎也さん(北澤茂さんと手をクロスさせる
実験をしている「キング」!)や研究室の
メンバーとぶらぶら歩いていると、
 今度は理化学研究所の中島龍一 さんたちの
グループと出会う。

 セレンディピティも、4つめになると
驚かなくなる。
 理化学研究所ソーシャル(理化学研究所
主催の、交流パーティー)に行かないか
という中島さんのお誘いに乗って、
 そのまま、理化学研究所ソーシャルへ。

 パブの一角を借り切って、ソーシャル・タイム。
 久しぶりに田中啓治さんや山森哲雄さんと
お話した。

 研究室のメンバー+山本さんたちのグループ
でイタリアンにて楽しく食事をして、解散。

 愉しくも有意義なSfN二日目だった。

11月 16, 2005 at 10:22 午後 | | コメント (3) | トラックバック (3)

2005/11/15

文藝春秋 クオリア降臨

クオリア降臨(文藝春秋)

2005年11月25日発売

11月 15, 2005 at 10:38 午後 | | コメント (2) | トラックバック (1)

再訪

ワシントンに来たのは、前回もSfN
(Society for Neuroscience)の年会の
時だった。
 1993年だから、もう12年前。
 あの時は、田森佳秀のススメで、
YMCAに泊まった。
 ベッドが部屋の中に沢山並んでいて、
見知らぬ人たちと一緒の部屋にいるのは
楽しかった。

 確か列車で来たのではなかったか。
空港からの道に見覚えがない。
 NSF(National Science Foundation)という
標識も記憶がない。

 相変わらずの巨大会議で、
コンベンション・センターの周囲に人が
わんさかいる。
 昼食時、チャイナタウンは一杯に
なってしまうので、
 学生たちとアダムス・モーガンに
行ってエチオピア料理を食べた。

 今回会議に来たのは、私以外には
田谷文彦、張キ、柳川透、小俣圭、
須藤珠水、田辺史子、箆伊智充、星野英一。

 箆伊にとっては初めてのSfNだし、
初めての海外旅行だということで、 
 「英会話レッスン企画」
と称して、コーヒーを買ってきて
もらったり、レストランで
席の交渉をさせたり、
 楽しかった。

 知り合いに次から次へと会う。
 民族大移動である。

 飛行機の中で、タイヘイトリオの
「浪慢ショウ」を初めて聞いた。
 関西の方にはおなじみのトリオだった
ようだが、
 見知らぬスタイルの笑いだった。

 ワシントンでタイヘイトリオの
ことを考えているのも奇妙なことのような
気がする。

11月 15, 2005 at 08:33 午後 | | コメント (1) | トラックバック (0)

2005/11/14

茫漠たる青空

 釧路から帰ってきた翌朝、
家を7時過ぎに出て、埼玉会館に
向かった。

 日曜の朝早くでも人がたくさん
電車に乗っているので驚く。
 一体みな何をしているのか、とは
「自分を棚に上げて」思うことだが、
 本当に東京は人が多い。
 とりわけ、釧路のようなところに
行ったあとではそう思う。

 日本感覚統合学会年会。

 感覚統合(sensory integration)
は、Jean Ayresらによってはじめられた
障害を持つ子供の療法のメソドロジー。
 
Sensory Integration International
 
のホームページにその歴史がある。

 埼玉県立小児医療センターの川俣実さんが
呼んでくださった。
 昨年は養老孟司さんだったとのこと。

 講演が始まる前、控え室で川俣さんや
会長の土田玲子さんとお話する。
 現場の感覚から出てくる言葉は
やはり興味深く、重い。

 講演のあと、浦和駅前のフランス料理屋で、
国立秩父学園 園長の吉野邦夫さん
NPOインフォメーションセンターの 寄田勝彦さん
京都大学医学部 小西紀一さん
京都大学医学部 加藤 寿宏さん
と昼食をとりながら懇談。

 研究室の学生には、自閉症などの発達障害
に興味を持っているやつらがいて、
 柳川透とか、石川哲朗とかは
特に興味を持っている。

 今回知り合いになった皆さんに
学生たちがいろいろ教えていただく
機会があれば良いと思う。

 帰宅し、仮眠。
 起きてからひたすら仕事。
 米国に行く前にやっておかなければ
ならないことが山積しているのだが、
 やってもやっても当然のことの
ごとく終わらない。

 じっと手を見たのは石川啄木だが、
 私はただ呆然とするのだった。

 東京に人が多いというのと、
頭の中に仕事がたくさんあるというのは
おそらく同じ状態である。
 釧路湿原のような、人がいない状態を
どうやって頭の中につくるか。

 とりあえず、飛行機の中で目を閉じて
星の輝く茫漠たる青空を夢見ることと
しよう。

11月 14, 2005 at 04:45 午前 | | コメント (4) | トラックバック (3)

2005/11/13

第2回 Interact @駒場祭

第2回 Interact @駒場祭
2005年11月26日(土) 13:30〜16:30

東京大学駒場キャンパス 1323教室
(井の頭線駒場東大前駅東口から徒歩3分)

茂木健一郎
佐藤孝治氏(ジョブウェブ株式会社代表取締役社長)
堀井愼一氏(日本ベンチャーキャピタル協会初代会長)
石黒不二代氏(ネットイヤーグループ株式会社代表取締役社長)
猪子寿之氏(チームラボ株式会社代表取締役社長)
金指寿氏(中小企業庁創業連携推進課 課長補佐)

http://interact-community.net/events/detail.htm

11月 13, 2005 at 06:33 午後 | | コメント (0) | トラックバック (0)

脳の中の人生 「バカの壁ハウス」訪問記

 「バカの壁ハウス」訪問記

ヨミウリ・ウィークリー
2005年11月 27日号
(2005年11月14日発売)
茂木健一郎  脳の中の人生 第78回

「バカの壁ハウス」訪問記

一部引用

 しばしば、世間では一番良い場所はその家の主人が取るという。養老さんが何を何を偉いと考えているか、母屋の設計で伝わってくる。
 功成り名遂げた人が自分の銅像をつくらせることが別に悪いとは思わない。しかし、養老さんのように自然を愛する科学者は、何が一番大切なものか、よく判っている。それはもちろん自分ではなく、世間でもなく、学会などでもない。一番大事なのは自然に決まっており、その秘密を解き明かすためには、自然の「標本」に謙虚になって向き合わなければならない。
 養老さんがここのところゾウムシを調べているということは知っていたが、標本はあらゆる甲虫類を網羅していた。始められたのは、小学校4年生の時だという。それ以来、東大医学部のお仕事ももちろんあったが、長きにわたって標本作りを続けられてきた。
 それだけ長い間自然の「標本」に向き合わなければ見えてこないことがある。それでも判らないことなど、沢山ある。自然は奥深く、その前では人為は空しい。そんな養老さんの哲学が、木目が美しく生かされた家の前に立つとじんわりと伝わってきた。
 帰り際、養老さんは、秋が深まり葉が色づき始めた木の前でふと足を止められて「いやあ、茂木君、人生は短いのにね」と言われた。

全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。

http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

11月 13, 2005 at 06:24 午後 | | コメント (2) | トラックバック (0)

Out of town

2005年11月14日(月)朝

2005年11月18日(金)夜

まで、北米神経科学会出席のため
留守にいたします。
この間、メールのやりとりは(不定期ですが)
できると思います。
よろしくお願いいたします。

11月 13, 2005 at 06:00 午後 | | コメント (0) | トラックバック (0)

Abstracts for SFN 2005

北米神経科学会2005年大会
Society for Neuroscience annual meeting 2005
(Washington D.C., U.S.A.)

http://apu.sfn.org/am2005/

において発表される私たちのグループの
abstractは、次の通りです。

Reactivation and consolidation in long-term memory
Fumiko Tanabe and Ken Mogi.
abstract

Role of meta-cognition in decision making under uncertain conditions
Fumihiko Taya and Ken Mogi
abstract

Robust perception of phonemes in complex stimulus conditions.
Kei Omata and Ken Mogi
abstract

Spontaneous ongoing dynamics and plasticity in neural networks.
Toru Yanagawa and Ken Mogi
abstract

Perception of objects in the pantomime effect and real pantomimes
Q. Zhang and K. Mogi
abstract

11月 13, 2005 at 05:46 午後 | | コメント (0) | トラックバック (0)

『脳内現象』増刷

『脳内現象』
(NHKブックス)は、
増刷(6刷、累計23000部)
が決まりました。

ご愛読に感謝いたします。

11月 13, 2005 at 05:29 午後 | | コメント (0) | トラックバック (1)

熱い人たち

日本青年会議所というのは、どういう
組織なのか、茫漠たる印象しかもって
いなかったが、 
 私が訪れた釧路には、熱い心の人たちがいた。

 メンバーとなっているのは、釧路で
会社を経営しているような「青年実業家」
たち。
 釧路を何とかもりたてようという
運命共同体の意識からだろうか、
 統率がとれ、敏捷かつ細心大胆に、
 テキパキと物事を進めていく
様子は、見ていてとてもきもちが良かった。

 伊原明さん
 水口喜文さん
 瀧波大亮さん
 中島陽子さん
 須藤淳さん
 五十嵐正弘さん
 北畑和博さん
 中田等さん
 杉村荘平さん
 浅川政紳さん
 本間弘人さん
 
 ありがとうございました。
 またいつかお会いしましょう。

 青年会議所は、40歳になったら
有無を言わさず引退だそうである。
 なんとも寂しいが、しかし
 潔いことである。

釧路新聞記事

11月 13, 2005 at 05:27 午後 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/11/11

Tokyo FM 森の朝ごはん

Tokyo FM 森の朝ごはん
森達也さん、ゲスト 茂木健一郎

2005年11月13日(日)06:10〜
2005年11月20日(日)06:10〜

http://www.tfm.co.jp/hs/index.html

11月 11, 2005 at 05:42 午前 | | コメント (2) | トラックバック (1)

釧路青年会議所 公開例会

釧路青年会議所 公開例会
2005年11月12日(土)
0時30分〜
釧路パシフィックホテル

釧根ニュース

11月 11, 2005 at 05:30 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

あすへの話題 恋人との出会いとノーベル賞

あすへの話題 恋人との出会いとノーベル賞

茂木健一郎

 「セレンディピティ」(偶然幸運に出会う能力)という言葉が、最近注目されている。
 もともとは、イギリスの作家ホラス・ウォルポールが1754年に友人への手紙の中で記した造語である。三人の王子が旅先で幸運に出会う物語に基づいて考案されたこの言葉が、時を経て広く使われるようになった。
 歴史に残るような科学的発見には、多くの場合偶然の幸運が関与している。イタリアのガルヴァニの電気による筋肉の収縮現象の発見は、カエルの足に偶然金属が触れたことがきっかけだった。実験をしようとしていたのではない。台所でスープを作ろうとしていたのである。
 小柴昌俊氏のノーベル賞の対象となった研究は、超新星爆発で放出されたニュートリノが、カミオカンデの実験装置を通過したことがきっかけとなった。宇宙的規模のセレンディピティが、画期的業績を生んだのである。
 偶然の出来事自体は、コントロールすることはできない。しかし、偶然の出会いを生かすよう心がけることはできる。セレンディピティは、鍛えることのできる能力なのである。
 まずは、行動を起こすことが肝心である。待っているだけでは幸運は訪れない。また、注目すべき出来事が起こったとき、それに気付き、受容することが大切である。特定の目的に目を奪われて心の余裕がないと、セレンディピティが育まれない。
 行動し、気付き、受容する。まるで素敵な恋人との出会いのようである。実際、セレンディピティに着目すると、「恋人との出会い」と「ノーベル賞級の発見」には、多くの共通点があることが見えてくる。

(日本経済新聞2005年11月10日夕刊掲載)

11月 11, 2005 at 05:26 午前 | | コメント (4) | トラックバック (6)

華やかに暖かく

 博多空港から東京へ。

 「離陸ととともに意識を失い、はっと気付くと
着陸直前。前のシートの背に、「お目覚めですか?」
とシールが貼ってある」
 といういつものパターン。

 いつでもすぐに眠れてぱっと起きられるというのは
有り難い特技なのだろう。

 研究所に寄り、郵便物を開封。
朝から何も食べていなかったのでさすがに
お腹が空いて、松屋まで走って
牛丼セット。
 ヘンな恰好をしたアートっぽい学生たちが
わいわい言いながら食べている。
 幸あれ!

 ソニー3号館で所眞理雄さんと打ち合わせ。

 上野へ。東京芸術大学キャンパスに歩く。
明るい日差しの中、木漏れ日に癒される。

 「The Big Issue」の水越洋子さん、
フリーライターの稗田和博さん、写真家の
松澤幸之助さんと打ち合わせ。

 途中で、彫刻科の玄関ホールで
行われている上野紗代さんの展覧会を見に行く。

 脳と身体性を融合させた生々しい息づき。
 ジュエリーのような装飾性がしたたり落ちる。

 「The Big Issue」販売員の
越澤保幸さん、根本尚吾さんも到着し、
 そこにちょうど日本テレビの竹下美佐
さんがいらして、お土産に
小川軒のレイズン・ウィッチを頂いたので
みんなで食べる。
 「アハ・ムービーのマエストロ」岩田裕美さん、
大黒さんも到着する。
 
 授業開始。冒頭、私が脳と心の関係、
表現と批評性の問題意識に言及し、
 みんなでがんばって新しい表現を目指そう、
今日はBig Issueの方々がいらしています!
 とイントロダクション。

 そこまでの部分を、岩田さんが撮影する。
 「世界一受けたい授業」の冒頭講師紹介
で使う素材。

 水越さんがBig Issueの創刊までのいきさつや、
様々なエピソードを語り、
 その後、越澤保幸さん、根本尚吾さん
のお二人に、フロアから様々な質問を
交えながらお話を伺った。

 大変面白く、また生きる力が
沸いてくるお話で、
 みんな爆笑、そしてしんみり。
 とりわけ、根本さんと越澤さんの
マイクのやりとりが、
息のあったコメディアンのようで
 素晴らしかった。

 上野公園に移動。いつものように
ビールを飲み、つまみを食べる。
 私は冒頭の乾杯のところまで。
すぐに上野駅に歩いていく。

 日比谷線のトイレで着替えて、
広尾へ。
 フランス大使館に歩く。

 大使公邸で、所眞理雄さんがフランス
政府から「国家功労勲章オフィシェ」を受けられ、
そのお祝いのレセプション。
 所さんはソニーコンピュータサイエンス研究所の
所長と、ソニーの特別理事、
イノベーション戦略オフィス シニアバイスプレジデント
を兼任されている。

 研究所からは、総務マネジャーの
北森裕見子さん、高安秀樹さん(経済物理学)、
暦本純一さん(ユーザーインターフェイス)、
それに私が参加。
 ソニーからは、
 出井伸之さん、安藤国威さん、鶴島克明さん。

 佐々木かをりさんに久しぶりにお会いする。
大橋力先生にバリ島の話を伺う。

 華やかで、暖かい、素晴らしいパーティー。

 私個人のことを言えば、
 紙一枚入らないような厳しい
スケジュールが続いているが、
 偶有性の海の中で本質さえ忘れなければ、
なんとかなるのではないかと思う。

 嬉しさの泉はいろいろあれど、
楽しんでもらえた、という思いもその一つ。
 芸大の植田工はなかなかに律儀なやつで
あって、
 オレがいない後、上野公園の宴会頼むよ、
と言っておいたのだが、
 終了後に報告の電話があった。

 「みんなピザやワインを飲んで、楽しく
やりました」と。

 自分のことを一生懸命やるのは
もちろんだが、
 何とか若いやつらにもうまく回るような
場ができないかな、と思って、
 それでいろいろやっている。

 オレも「若いやつらにも」と言うような
年になったよ。
 もっとも、自分ではまだまだ若造のつもり
なのだが、
 そんなことも言っていられない局面も
あることは判っている。

 文藝春秋二〇〇五年十二月号の
「新書一点賭け」で日垣隆さんが
「脳」整理法 
の書評を2頁(p.368〜369)にわたって
書いてくださっている。

 有り難く拝読いたしました。

 紙一枚だが、
 Society for Neuroscience annual meeting
のポスター原稿の直しを必死になってやった。
 私以外はだいたいにおいて明日出発する。
 私は日曜日に仕事があるので、月曜日に
ワシントンに向かう。

11月 11, 2005 at 05:21 午前 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2005/11/10

「脳と仮想」増刷

新潮社「脳と仮想」

増刷(11刷、累計38000部)
となりました。

一週間で二回の増刷です。
ご愛読に感謝いたします。

11月 10, 2005 at 01:59 午後 | | コメント (0) | トラックバック (0)

(本日)The Big Issue @ 東京芸術大学 美術解剖学

東京芸術大学 美術解剖学授業 
"The Big Issue" (大いなる問題)

茂木健一郎 水越洋子(The Big Isssue編集長)
越澤保幸(The Big Issue販売員) 根本尚吾(The Big Issue販売員)


From the streets(今月のひと) 

2005年11月10日(木)
午後3時35分〜午後5時
東京芸術大学 上野校地 美術学部 中央棟
第3講義室(2F)

http://www.geidai.ac.jp/campus/ueno_campus.html
 

11月 10, 2005 at 08:24 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

子供のころ食べたもの

博多二日目。

 電通コミュニケーション・ワークショップ2005
で「脳の潜在力を生かす」という
タイトルで話す。

 午前11時にホテルを出るまで、
ずっと仕事をしていた朝ご飯抜き。
 これで3日連続で抜いているように
思う。

 アレンジしてくださったのは、
電通の佐々木厚さん。
 佐々木さんとホテルを出て会場に向かう。

電通九州の小野和美さんが運営で飛び回っている。

 私の後に話した四元正弘さんは
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネット
などのチャンネル毎に、どのような
メディアとしての特性があるか
という分析。
 消費行動をステップに分け、それぞれに
チャンネルを当てはめるところが
面白い。

 ホテルに戻り、1時間ほど仕事。

 「博多きょう重」で、電通九州の中野正道
社長主催の慰労会。
 みそ仕立てのトラフグ。
 いささか雑炊を食べ過ぎた。

 きょう重から歩いてすぐのニューオータニ
のバーで、
 九州大学ユーザーサイエンス機構の
坂口光一さん、目黒実さん、福岡大学の田村馨さんと
 ブレスト。

 ホテルにかえり、佐々木さんと1時間ほど
ゆっくり飲んだ。

 「ふぐもいいけれど、子供の頃食べたあれが、
もう一度食べたい、というのがありますよね」(私)
 
 「そう言われて思い出したんですけど、
近くの「きむらや」というパン屋で、パンに
マーガリンを塗ってそこに魚肉ソーセージを
半分挟んだのがあって、それが子供心に
大変インパクトがありました」(佐々木)

 「ぼくは、給食のソフト麺とか、
タルタルソースのかかった魚のフライが
もう一度食べてみたい」(私)

 部屋に戻って、片付けをしていると、
突然、「さまよえるオランダ人」
のゼンタのバラードが耳鳴りのように
聞こえてきて、
 はて、直近の生活の様子とは対極的な
曲なのだが、と思った。

 子供の頃食べたものを思い出すことと、
ゼンタの置かれていたspiritual deprivationは
関係があるようにも思う。
 ある種の魂は、deprivationをこそ糧として
成長するのではないか。

 幻視者はほとんどそうである。

11月 10, 2005 at 07:45 午前 | | コメント (2) | トラックバック (3)

2005/11/09

(予告)The Big Issue @ 東京芸術大学 美術解剖学

東京芸術大学 美術解剖学授業 
"The Big Issue" (大いなる問題)

茂木健一郎 水越洋子(The Big Isssue編集長)
越澤保幸(The Big Issue販売員) 根本尚吾(The Big Issue販売員)

From the streets(今月のひと) 

2005年11月10日(木)
午後3時35分〜午後5時
東京芸術大学 上野校地 美術学部 中央棟
第3講義室(2F)

http://www.geidai.ac.jp/campus/ueno_campus.html
 

11月 9, 2005 at 09:11 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

In long-shot

 博多にくるのは、今年何回目だろうか。

 飛行機の窓から、富士山がきれいに見えた。
富士五湖と、はるかに伊豆半島も見えて、
そのパノラマの中で富士山はちいさな
ぽっちに見えた。

 スケールを変えると、大抵のものは
absurdになっていく。
 absurdityが「不条理」とは名訳だと
思うが、
 英語のニュアンスは日本語のそれより
もう少し突き放され、おかしみのあるもの
なのではないか。

 空港で、福岡県の藤さんにピックアップ
していただき、
福岡デザインシンポジウムの会場へ。

 デザイナーの平松暁夫妻に再会。
九州大学の森田昌嗣先生、Trunk LTDの
桐山登士樹さんの二人のパネリストと
と昼食を一緒にいただく。

 「脳とデザイン」と題して一時間話す。
 ここのところ考えている、脳の中で
いかに価値ができあがるかという
問題。
 アンディ・ウォーホルの「フラワー」
と寿司屋の宝船の置物の運命を
分けたものは何か?
 偶有性からいっちょ上がりのクオリアに
至るダイナミクスは何か?

 グローバリズムの波の中、誰でもローカルに
生きざるを得ない人間という存在の哀しみを
引き受けた上で、前向きに生きるということ。

 大賞を受けたのは
田川産業株式会社 
の漆喰を用いた手作り植木鉢キットで、
 研究員の林美香さんが説明してくださった。
 漆喰を水でこねるだけで、
焼かなくても好きな形の鉢ができる。
 漆喰の質感が、その中に持った土と
マッチしているところが良い。

 中洲での懇親会で、田川産業
代表取締役の行平信義さんと、
 いっしょに開発された九州工業大学の伊東啓太郎
さんにさらに話を伺った。
 伊東さんには、学校の中庭にビオトープを
作るとても面白い話も聞き、心のいろいろな
ところが活性化。
 「こんなビオトープが作りたい」という
野心が私にはあるのだが、
 その夢がぱーっと彩られた。

 もっとも、ビオトープも最後には
スケールの問題で、
 微生物のビオトープならば簡単に
出来るが、 
 私たちが肉眼で愛でることができる
ような生き物たちを育むには、
 結局は地球全体が必要なのだろう。

 九州大学の綿貫茂喜先生の行きつけの
いつもの店(おそらく3度目なのではないかと思う)
に行き、綿貫先生がジャンケンでテキーラを
飲むゲームを見ていたら、なんだかお芋をふかした
ような愉しさがこみ上げてきた。

 最後に、電通の佐々木厚さん、平松暁さん
と中洲の屋台でラーメンを食べる。
 博多にはしばしば来るが、中洲でラーメンを
食べるのは10年ぶりくらいなのではないかと
思う。

 川風に吹かれ、白熱電灯に照らされて
遠慮のない客と店員の会話を聞いていると、
グローバリズムなんて知ったことかという
気分に一時的にはなった。

 しかし、それもまたスケールの問題なのだろう。

かつて、Chalie Chaplinは
Life is a tragedy when seen in close-up,
but a comedy in long-shot.
と言った。

 日記を記しているのはfor the record
のためだが、10年後、20年後から
眺めたらどう見えるのだろう。

11月 9, 2005 at 09:04 午前 | | コメント (2) | トラックバック (1)

2005/11/08

「脳」整理法 増刷

ちくま新書 「脳」整理法
は、
増刷(6刷、65000部)
となりました。

 ご愛読に感謝いたします。

11月 8, 2005 at 07:20 午前 | | コメント (2) | トラックバック (1)

「脳と仮想」増刷

新潮社「脳と仮想」

増刷(10刷、累計33000部)
となりました。

ご愛読に感謝いたします。

11月 8, 2005 at 07:17 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

快楽の自己責任

新神戸の駅のホームから、下のせせらぎを
眺めるのが好きだ。

 新神戸からタクシーで新開地へ。

神戸アートビレッジセンターに到着。
The Big Isssue日本版のファウンダーであり、
編集長をされている水越洋子さんと打ち合わせ。

 Big Issueは、もともとイギリスで創刊された
雑誌で、ホームレスの人たちが販売して
生活の糧を得る。 
 日本では定価が200円で、110円が
収入になる。

 来年2月の号で、「心と脳」の特集を
するので、そのゲスト・エディターを私が
やることに。
 
アートアニュアル「眺めるに触れる」
の出品作家の方々に案内していただきながら、
作品を見る。

 作品の質が高いのに感銘。
 アーティストを育むという点において、
このようにうまくやることは運営上
いろいろ大変なこともあるだろう。

 講演会場に行き、美について、クオリアについて、
文脈について2時間話す。
 椿昇さんが会場にいらしており、
活発なやりとり。束芋さんも「田端三姉妹」
で来てくださった。

 打ち上げの時、出品作家の方々と
喋ったのが面白かった。
 夢を持つことは良いことだ。
 アートビレッジセンターの木ノ下智恵子さんが、
目付役のごとく窓枠から顔を出してのぞく。
 開放的な空間の中、すてきに時間が流れていく。

 明けて東京に帰り、
研究所へ。
 特定非営利営業法人 産学連携推進機構の
明珍令子さん。
 12月24日の午後に秋葉原で
「クリスマス・レクチャー」をやる。
 思い切って「大学院レベル」のハードな内容に
する、
 ということに決定。

De Corteの方々がいらして、心と脳の関係について
の取材を受ける。
 堤澄江さん、松丸菜穂子さん、尾崎ミオさん、
鈴木恵子さん、
 De Corteとは、フランス語で鎖骨のあたりを
指し、女性美の象徴なのだということ。
 これから、ユニークで魅力的なサイトが
増えていくのだろう。

 小俣圭(博士3年)や柳川透(博士3年)、
関根崇泰(博士2年)としばらく話したあと、
 三番町のPHP研究所へ。

 文芸出版部の加納新也さん、企画・執筆・編集の
中村俊宏さん。
 島田雅彦さんとの「快楽」を巡る対談。

 島田さんと会って話すのは3ヶ月ぶりくらいで、
とても面白かった。
 活字にはできないような話もいろいろ
出たなり。

 快楽とは、つまりは自我の免疫系の
防御反応に伴うもので、自分が変化する
危険を伴い、潜在的に苦痛ともなりうる
ものではないか。

 快楽によって人間の脳は変わる。だから、
処方には十分気をつける必要がある。
 快楽の自己責任とは、つまり、自分の
脳をどのような方向に変えるかということに
関する意識的配剤のことである。

 トニー・ローマでスペア・リブ。
文壇のゴシップをはじめ、楽しい雑談。
 島田雅彦と喋る快楽は、おそらく
良い方向に脳を変えていってくれる
んじゃないかと思う。

11月 8, 2005 at 06:25 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2005/11/07

blogの更新の時間とれず

神戸から東京に戻り、研究所へ。
取材、その他。
これから島田雅彦さんとの対談なり。

11月 7, 2005 at 05:28 午後 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2005/11/06

福岡デザインシンポジウム

福岡デザインシンポジウム
2005年11月8日(火)
ソラリア西鉄ホテル8階
14:40〜

詳細↓
「福岡デザインシンポジウム」の開催について

11月 6, 2005 at 09:04 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

憲法論議の違和感

ヨミウリ・ウィークリー
2005年11月 20日号
(2005年11月7日発売)
茂木健一郎  脳の中の人生 第77回

憲法論議の違和感

一部引用

 自民党による新憲法草案が決定された。憲法改正が実現するかどうかは判らないし、たとえ実現するにせよ紆余曲折があるだろうが、いずれにせよオープンな形で国のあり方を議論することは良いことではないか。
 私は理学部物理学科を出た後、法学部に学士入学して、私法コースで学んだ。科目の中でも憲法が一番好きで、田中英夫先生のアメリカ憲法のゼミに入って、連邦最高裁の判例を調べたこともある。
 結局、自分には科学が向いていると思って理学部に戻ったが、あの頃、法学部の人たちと話していて、日本の法学コミュニティのメンタリティーに何とも言えない違和感を抱いた。それはつまり、法律の一字一句にこだわるというクセのようなもので、裁判官や弁護士のような実務の現場ではそうするのが正しいとは理解していても、彼らの姿勢を最終的に支持する気持ちには、どうしてもなれなかった。

全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。

http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/

11月 6, 2005 at 08:47 午前 | | コメント (1) | トラックバック (0)

一瞬も 一生も

柳川透の投稿論文を直して送る。
直したところが
 赤字になって判るように、
ワードの更新履歴をオンにする。

 難しいのは、自分がすでに
前提にしてしまっていることを
明示的に書くことである。
 自分も大学院生の時に同じことで
悩んだから判る。
 科学は、そもそも当たり前だと
思っていることを問い直す営みだと言っても
良い。
 ニュートンがそうだし、アインシュタインも
そうだった。

 柳川にメールを打つと、もう約束の
時間に遅れそうになったので、あわてて
家を出る。

 地下鉄の中で、「心が脳を感じるとき」
(講談社、1999年)のコピーを見ながら、
赤で書き込んで行く。
 筑摩書房の大山悦子さんが、
 ちくま学芸文庫にこの本を入れてくださると
いうことで、
 ゲラにする前に変更、加筆部分を入れる
作業。

 6年前の文章を読むと、自分でも新鮮である。
 思えば、あの頃は、「認識におけるマッハの原理」、
「相互作用同時性」、「重生起」といった
原理的思考を積み重ねていた。
 近年は偶有性やひらめきの方に関心が
向かっているわけだが、
 原理的問題はもちろん通奏低音として
ある。

 ここのところ学習のヘブ則と相互作用同時性の
問題、
 それに、偶有性からクオリアが進化していく
過程に関心があって、いろいろ考えている。
 特に前者は同時性構造の根幹にかかわる
問題である。

 日本テレビに着き、竹下美佐さんの笑顔に
迎えられる。

 「世界一受けた授業」の収録。
 脳に関しては、他にいろいろいいネタも
あるのだけれども(!)、
 とにかく好評ということで、
アハ体験の第3弾。
 change blindnessを「アハ チャンジ」
「アハ ムービー」と名付けたのは
日本テレビのスタッフである。

 解答者は(敬称略)、岡江久美子、
中田敦彦(オリエンタルラジオ)、
藤森慎吾(オリエンタルラジオ)、風見しんご、
坂下千里子、櫻井淳子、為末大、久本雅美、渡邊透、
有田哲平(くりぃむしちゅー)

 司会はいつもの堺正章校長、上田晋也教頭
(くりぃむしちゅー)

 「アハ チェンジ」「アハ ムービー」
「アハ センテンス」と用意してあったのだが、
最初の二つで盛り上がり過ぎて、
 時間切れで
 またもやアハ センテンスが出来なかった。

 アハ センテンスの天才、倉田忠明さん、
その「弟子筋」の小山賢太郎さん(オズマ)、
そして詩人の北爪満喜さんの傑作群が控えて
いただけに、残念。

 しかし、坂下千里子さんが「あるはずが
ないものを見る」という驚くべき才能を
発揮して、
 脳科学的にもなかなかに興味深い結果と
なった!

 打ち上げで、岩田裕美さん(ディレクター、
日企)と富樫香織さん(構成作家)の二人の
最強コンビがそろってしまい、
 またまた大変なことになった。
 一人でも強いのだが、
二人そろうと共鳴が起こって
 マグニチュードが上がるのである。

 富樫さんは「放送作家視聴率番付」
(手がけた番組の視聴率トータル)で赤丸
急上昇中ということで、
 勢いがある。
 「アハ」のゲーム化及びその広告宣伝
戦略について、完璧なまでの「着地点」
をささっと見つけてしまった。

(先日「広告批評」の審査会でご一緒した
鈴木おさむさんが、視聴率番付一位らしい)
 
  岩田さんの私生活のある要素をブログに
するアイデアも浮かんだ。
 どう展開するかという企画会議もささっと進んで、
 なかなかにクリエィティヴな打ち上げだった。

 竹下さんに
 資生堂パーラーのチーズケーキをお土産に
いただいた。

 資生堂のコーポレートメッセージは 

 一瞬も
    一生も
        美しく

だが、テレビというメディアの瞬間的な
楽しさが、
 いかに一生というスケールの価値につながるかは、
 今日のような出来事が、
 遠い過去に流れ去った時に
どのような姿として心の中で
立ち現れるかで決まるのだろう。

 瞬間的に視聴率をとっても、
心に残らないものもあるし、
 時間が経つにつれて次第に
存在感が増していく映像もある。

 一瞬も 
    一生も
良きもの

どんなジャンルにもそのような理想の
姿がある。

11月 6, 2005 at 08:43 午前 | | コメント (1) | トラックバック (1)

2005/11/05

池田雅延氏 小林秀雄を語る

Lecture Records

池田雅延氏(新潮社)、小林秀雄を語る
2005年11月4日
東京、新宿、朝日カルチャーセンター講演
音声ファイル
 (mp3, 129分, 59.3MB)

注)講演冒頭が抜け落ちていますが、脱落部分は約
3分で、それ以外は収録されています。

11月 5, 2005 at 11:44 午前 | | コメント (5) | トラックバック (0)

 戦慄

  朝一番、主婦の友社の高橋容子さん、
中島さなえさん。

 0−2歳児の子育てについて。
 ムックになる由。
 ポラロイドチェックの写真をいただく。
 カメラマンの腕が良かったのか、「真人間」に
写っている。
 今後著者近影に使わせていただこうと思う。

 Presidentの九法崇雄さんと
荻野進介さんが、
 「やりぬく力」について。
 図を描きながらいろいろご説明する。
 荻野さんはオフィスが西荻にある。
 韻を踏んでいるのは実は意図的とのこと。

 高安秀樹さんに社団法人 東京穀物市況調査会理事長
の柳澤逸司さんをご紹介いただき、
 研究所近くのフランクリン・アベニューで
ディスカッション・ミーティング。

 リスクをとらない、ということが
個人の選択であるうちはまだ良いが、
 国全体としてリスクを避ける方向に
行くと、リスクを行動規範の中に取り入れる
人たちに負け、ひどい場合には食い物に
されてしまう。
 アングロサクソン優位は、結局
はリスクに対するインテリジェントな態度に
由来するのではないか。
 
 柳澤さんは農水省のキャリア出身で、
大変柔軟な思考をされる方。
 ホームページもお持ちである。

http://www.itsuji.ne.jp/ 

 The Brain Club(研究室のゼミ)第83回。
 修士一年の箆伊智充が、simultaneity judgmentの
論文を紹介。
 前回のゼミでは、やや素人っぽい問題意識を
提示していたヘライ君だが、今回は
かなりテクニカルな領域に足を踏み込み、
 修論でやることも見えてきたような
感じ。
 修士二年で国際学会発表が義務である。

 ICONIP (International Conference on Neural
Information Processing)2005から
帰ってきた張さん、小俣圭、関根崇泰が
 台北の写真をスライドショウで披露。

 世界一高いという101の上から
撮った写真がすごい。
 まるでヘリコプターか飛行機から撮っている
かのよう。

 新宿に移動し、
住友ビル1Fのアートコーヒーで、
PHPエディターズグループの
石井高弘さんに富永裕久さんをご紹介いただく。
 富永さんは脳科学の現状を俯瞰する本の
執筆を計画されている。
 私はその監修をさせていただく
ことになっている。

 アートコーヒーに
 池田雅延さんが到着され、
 48階の朝日カルチャーセンターに移動。

 小林秀雄が「本居宣長」を執筆して
いた頃のことを中心に、様々なエピソードを
ご披露いただいた。
 
 戦慄。

 この回に申し込んだ人だけでも30名を数え、
全体で80名の大盛況。
 その聴衆が、水を打ったように静まって
池田さんの話に聞き入った。
 大げさではなく、歴史的なレクチャーだった
ように思う。

 池田雅延氏(東京、新宿、朝日カルチャーセンター
2005年11月4日)

 終了後、池田さんを囲んで懇親会。

 自分がしばらく前から思い願っていた
池田さんの講演が美しい形で実現して、
それが冥利に尽きて、ビールが
何時もよりさらにおいしかった。

11月 5, 2005 at 11:22 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/11/04

(本日)脳と文学 池田雅延氏

 午後6時30分〜
 新宿住友ビル48階 朝日カルチャーセンター

詳細は

http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2005/11/post_aab5.html

をご覧下さい。

11月 4, 2005 at 06:56 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

白熱と養老孟司!

 箱根、仙石原に
 養老孟司さんの「バカの壁ハウス」
を訪ねる。

 もちろん、ご本人がつけたわけじゃない。
 『バカの壁』がばか売れしていた時に、
養老さんの東大時代のお弟子さんの布施英利
さんと、
 芸大の布施さんの研究室で、
 「これじゃあ、養老孟司の代表作はそのうち
『バカの壁』ということになって(周知の
通り、養老先生には『唯脳論』をはじめとする
多くの著作あり)、そのお金で建てた
家は「バカの壁ハウス」になりますね」
と冗談を言っていたのである。

 ところが、さすがに養老先生は上を
行くというか、藤森照信さんの設計した
家の離れには、ちゃんと南しんぼうさんの
手になる「馬」と「鹿」の絵が描かれている。
 言われる前に自分で描いちまえ、という、
なんとも素早い諧謔精神なのである。
 ぽーんと突き抜けている。

 しかも、絵が描かれているのが巨大な
コンクリートの「壁」である。
 この離れは来客用の「ホテル」だそうで、
藤森さんの常識にとらわれない設計により、
 壁の上に家が建ってしまった。
 「タンポポハウス」や、「一本松ハウス」
などの藤森作品を知っている人々にとっては
「想定外」ではないだろうが、
 とにかく大胆かつ繊細である。
 これで、本当に「バカの壁」ができあがった。
 
 そのバカの壁の前で、バカが嬉しそうに
写真を撮られた。
 撮影は布施英利さん。
 この後、代わって布施さんを撮ったが、
どんな風に写ったかは布施さんのカメラなので
知らない。
 

 「母屋」の方は巨大なもので、
一番良い場所を昆虫箱の収納スペースが占めている。
 主人が何を最優先させたかが
一目でわかる。
 
 いろいろな場所で養老先生にお目にかかって
来たが、
 なんだか自由で、のびのびとされていた。
 本当ののびも、何回かされていた。


「バカの壁ハウス」の前でのびをする養老孟司先生
(茂木健一郎撮影)

 養老先生が楽しそうだったのは、
 好きな昆虫を、たっぷりやる場所ができたからだろう。
 あとは時間だけで、世間が少し放っておいて
くれればと思う(無理だろうけれども)。

 帰路、つらつら考えた。
 世界との交渉は別として、
それぞれの人にとって、もっとも
幸せな時間というものがある。
 それが何なのか見つけることが
大切だ。

 私の場合、それは何なのだろう。
 判っているような気もするし、
まだまだ模索している段階のようにも思う。
 ただ、好きなことをやっている時の
白熱だけは、はっきりと
それと感じられる、
 それだけは忘れてはならないと思う。

 養老先生は、あのように、自分の
夢を形にすることで、
 白熱した時間の大切さを
私たちに教えてくださっている。

 白熱と養老孟司!
 
 車が東京に近づくにつれて、白熱は
散文に変わっていったが、よく見れば、
行間に、白く熱を帯びたものは
未だ潜んでいて。。。

11月 4, 2005 at 06:48 午前 | | コメント (3) | トラックバック (0)

2005/11/03

『意識とはなにか』増刷

ちくま新書『意識とはなにか』
は、増刷(6刷、累計3万1000部)が
決定いたしました。

ご愛読に感謝いたします。

11月 3, 2005 at 06:53 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

おいしさの恵み 食の南北問題

Webマガジンen
連載 茂木健一郎 おいしさの恵み 第8回
食の南北問題

http://web-en.com/

11月 3, 2005 at 06:50 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

夢の上海ガニ

 半蔵門のFM東京で、
森達也さんの「森の朝ご飯」の収録。

 森達也さんとは、NHK出版の大場旦さんの
ご紹介で「渋谷飲み」をして以来、2年ぶり。

 実は、「半蔵門」と「虎ノ門」を間違えて
しまって、遅刻した。
 家を出る時から、「考えモード」
になっていたのが原因で、
 妙なことを考えながら、ぼんやり、
 ふらふらと虎ノ門へ行ってしまった。
 いくら探してもTokyo FMがないので
間違いに気がついた。

 森さん、すみませんでした。

 朝ご飯というのはメタファーだと
思っていたら、本当にオーガニックなおいしい
お弁当が出る。
 宮城を見晴るかす気持ちのよいスタジオで、
森さんとエコロジーの周辺の話をした!
 放送は、11月13日、20日の予定とのこと。

 大門の徳間書店に立ち寄り、
本間肇さんに近未来小説『プロセス・アイ』の
ゲラを渡す。
 石井健資さんに久しぶりにお目にかかった。
 竹内薫ともども、ずいぶんお世話になっている。
 そろそろ、10年来のおつきあい、
ということになるのではないか。
 何だかいろいろな思い出がある。

 新宿のヒルトンホテル。
『広告批評』の「二〇〇五年度広告ベストテン
(テレビコマーシャル・新聞広告)」の審査。

 審査委員は、私の他に、
 辛酸なめ子氏(漫画家)
 鈴木おさむ氏(放送作家)
 高橋源一郎氏(作家)
 天野祐吉氏(広告批評)

 新聞広告、テレビCMの順に、
まずそれぞれが10本を選択し、
 それから議論しながら
1位から10位までの順位を
決めていった。

 テレビCMは1時間くらいで90本
余りを見たが、時代の傾向が現れていて
面白かった。

 テレビCMベスト10は、
TBSのニュース23で天野さんが
12月にご披露とのことである。

 ここのところ、ヴィヴィッドな夢を
見ていて、
 昨日は、クラブで羽子板を打つ
ゴルフをする夢を見た。
 大きな羽子板を打つので、
思ったところに飛んでくれない。
 あっちにいったり、こっちにいったりする。
 パー6のところを、56も叩いて
しまって、これじゃあプロゴルファー
失格だ、といたたまれない気持ちに
なったところで目が覚めた。

 私はゴルフをしない。
先日、藤岡の講演会の前に、
医師会の先生たちと懇談していた時に、
 「茂木先生はゴルフをされますか?」
 「いやあ、なかなか時間がありませんで」
と、実はゴルフと無縁な生活を送っていることを
隠蔽して適当にごまかしたのがたたったの
であろう。
 見栄をはってはいけない。
 カナダで子供向けのpitch & putt
をしたことしかないのだ。

 上海ガニの季節だ。
 上海ガニは2年前に北京で食べたのが
唯一だが、
 ごく最近、
 夢の中で上海ガニを食べたような
気がしてならない。
 それも、ミソのところの味が
妙に鮮烈に残っているのだ。
 
 あまりにも生々しいので、
 これはひょっとして本当に食べたか、
と思って記憶を辿ってみると、
 「陽澄湖産」というタグをめくったり、
ではでは、といそいそと皿に手をかけたり
といった実際に食べたのならばある
はずの記憶がないから、どうも
やっぱり夢らしい。

 先週、
 台北の学会に赴く関根崇泰に、
「上海ガニ食べろよ」と言ったり、
新聞やテレビで「上海ガニ」のニュースに
接したりしていたので、
 赤い生き物が
 無意識の中にたくさんうごめいていたらしい。
 上海ガニに無意識がストーキングされて
いたらしい。
 いずれにせよ、
 どうにも食い意地の張ったことである。
 
 上海ガニとか、agencyとか、
ongoing dynamicsとか、
 memoryとvisual awarenessの関係とか、
 想念でアタマが一杯になっている。
 だから、半蔵門と虎ノ門を間違える。

 10月上旬に新潮社で行った
 恐山で、過ぎ去った時間は既に
死者たちと同じ場所にあると開眼したが、
 今度は夢と現(うつつ)の関係で
何か開眼する番なのかもしれない。
 そのきっかけが上海ガニというのは
どうなんだろうと思うが、
 別にちっぽけな私の人生としてはかまわない。

11月 3, 2005 at 06:35 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2005/11/02

(予告・追補)脳と文学 池田雅延氏

2005年11月4日(金) 
朝日カルチャーセンター
「脳と文学」講座 第二回は、
長年小林秀雄さんを担当された新潮社の
池田雅延氏をお迎えし、
小林秀雄さんの思い出、秘められたエピソード
などを中心に、文学の現場で考えて
こられたことについてお話いただきます。

 池田さんからのご提案により、今回は、特に、
畢生の大作『本居宣長』に焦点を当てます。
以下、池田さんからのメールの一部を
ご紹介いたします。

小生がお話しさせていただく内容の軸は、
昭和51年の暮から52年の10月にか
けて、単行本「本居宣長」を造らせてい
ただいた1年間におき、その1年の間、
先生が「本居宣長」の仕上げにどれほど
烈しく打ちこまれたかをお聞きいただこ
うと思います。先生の動作や肉声など、
具体的な思い出に徹することを心がけ、
冒頭は小林秀雄紹介から入ってふだんの
お人柄などにも及ぼうと思います。

ご期待下さい!
 受講される方は、
「本居宣長」 
に改めて
目を通されてくると、より興趣が増すか
もしれません!


池田雅延氏(新潮社近くの店にて。茂木撮影)

(以下、朝日カルチャーセンターからのお知らせ)
11月4日の回につきましては、一回だけの受講を受け付けます。
税込みで、3000円です。
予約・お問い合わせは、
朝日カルチャーセンター 03-3344-1945まで。
住友ビル48階受付にて申し込みもできます。現金のみで、カードは使用できません。

http://www.qualia-manifesto.com/asahi-culture22.html 

http://www.acc-web.co.jp/sinjyuku/0510koza/A0301.html

11月 2, 2005 at 07:31 午前 | | コメント (3) | トラックバック (0)

神戸アートリニューアル2005 『眺めるに触れる』

神戸アートリニューアル2005 『眺めるに触れる』

神戸アートビレッジセンター
http://kavc.or.jp/map/index.htm 

神戸アートアニュアル2005 「眺めるに触れる」
ゲストトーク「眺めるに触れる」
11月6日(日)17:30〜 茂木健一郎
http://kavc.or.jp/art/index.htm 

11月 2, 2005 at 06:57 午前 | | コメント (2) | トラックバック (0)

 みんな違ってみんないい

 赤毛のアン、金子みすず、武者小路実篤。

 この三つに共通するものは何でしょう、
とまるで落とし話のようだが、
 先日、角川書店の金子亜規子さんに
依頼されて、野性時代の「青春小説」特集に
 『三四郎』と『アンの幸福』
の短い書評を寄稿して以来、
 ああ、そうだったか、と改めて
モンゴメリの作品の特質のことを考えている。

 『赤毛のアン』シリーズは中学から
高校にかけて愛読したのであって、
 特に、高校の時は原書をほぼ全部読破した。
 面白いことに、大親友の田森佳秀も
『赤毛のアン』を愛読したことがあり、
一度二人で「マシュー・カスバートが
倒れた時に読んでいた新聞は何か?」
などとトリヴィアを出し合ったことがある。

 それはそうと、書評をどんな
切り口で書こうかと思っていたとき、
ふと、「レベッカ・デューだな」と思った。
 『アンの青春』は婚約時代の
  Summersideでの一人暮らしを
書いた巻だが、アンが下宿している
柳風荘(Windy Willows)を仕切っている
変わり者の女性のことから行こう、
と思ったのである。

 それから、ばーっと「アン」シリーズに
出てくる変わり者列伝(レイチェル夫人、
ハリソンさん、フィリッパ・ゴードン・・)
が思い出されて、そうか、
 モンゴメリは、主演の役者だけでなく、
脇役にこそ個性あふれる人を配置していて、
その人たちが、どんなに変わりものでも、
 人生の日陰を歩いていても、
それでいいんだという暖かい目を向けていた
んだな、と納得された。

 アン自身が孤児院からもらわれてきた
わけだが、
 プロットのため、という仕掛けは別として、
必ずしも陽の当たる場所にいない者に
対する暖かい目を、モンゴメリは持っていた
わけである。

 最近の「勝ち組」「負け組」という
分類のいやらしさとは
無縁のヒューマニズムである。

 とりわけ、当時の「女性は結婚して
当然」という価値観から外れた人たちへの
目があたたかい。マリラ・カスバートが
そもそもそうだし、レベッカ・デューも。
 それでいいんだ(それでも、何とか
生きられるし、そのつましい生活の中に
自ずから溢れてくる静かな喜びもあるのだ)
と書いているところがいいんだろう。

 もちろん、変わり者である由来は、
ちゃんと書いているし、
 その人の世界観の限界のようなものも
伝わるように隠さず描写している。
 それでも、読者は、ああ、この人は
ちょっとムリ目だし、センターステージには
出られないな、と納得しつつも、
 それはそれでいいんだ、そんな人生も
あるんだ、とモンゴメリと一緒に
暖かく是認することができるのである。

 それで連想されるのが、金子みすずの
「みんな違ってみんないい」であるし、
 武者小路実篤の
 「君は君 我は我也 されど仲よき」
という色紙だ。

 実篤の色紙は、一時期、時折訪れる
ことにしていた「新しき村」
の美術館で随分たくさん見た。
 私が一番好きなのは「静かなりもの言わぬものたち」
という色紙だが、
 「されど仲よき」ももちろんいい。

 いずれにせよ、負け組、下流社会
などとかしましい現代の潮流とは
遠く離れた世界である。

 プリンス・エドワード島には20代の
時二回行く機会があって、それ以来
縁遠くなっている。
 『赤毛のアン』シリーズも
もう二十年くらい読み返していないが、
 金子さんに書評を依頼されたおかげで、
 この青春小説の古典の美質を自分の
中で再発見できて良かったと思う。


11月 2, 2005 at 06:50 午前 | | コメント (3) | トラックバック (2)

2005/11/01

日本感覚統合協会大会(2005年11月13日)

「脳の潜在的能力を活かすために 脳科学の立場から」
茂木健一郎 
埼 玉 会 館(小ホール)
09:45〜11:45

http://rehabilitation.jp/si23/

http://rehabilitation.jp/si23/nittei.htm

11月 1, 2005 at 11:30 午前 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ICONIP papers

Papers presented at ICONIP 2005
(Taipei, Oct 30 to Nov 2 2005)
http://cnn.cn.nctu.edu.tw/iconip2005/

Omata, K. and Mogi, K.
Robust phoneme perception in complex stimulus conditions.
Proceedings of ICONIP 2005, p.521-526
pdf file

Sekine, T. and Mogi, K.
Effect of hand posture on tactile perception in crossed fingers.
Proceedings of ICONIP 2005, p527-532
pdf file


Zhang, Q. and Mogi, K.
REPRESENTATION OF 3-D VOLUMETRIC OBJECT AND SUBJECTIVE CONTOUR IN HUMAN BRAIN
Proceedings of ICONIP 2005, p688-693
pdf file

11月 1, 2005 at 09:47 午前 | | コメント (0) | トラックバック (1)

NHK 「プロフェッショナル 仕事の流儀」

NHK 「プロフェッショナル 仕事の流儀」
2006年1月〜

http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/shiryou/soukyoku/2005/10/002.pdf

11月 1, 2005 at 09:28 午前 | | コメント (2) | トラックバック (1)

金剛石

 NHK首都圏放送センターの
井上恭介さん、矢倉真理さん。
 インターネット時代の人間について。

 「virtual」という言葉は、
しばしば「仮想」と訳されるけれども、
 英語では、「事実上、効果において
もとのものと変わらないもの」という
ニュアンスが強い。
 virtual realityとは、「事実上
現実と変わらないもの」
という意味になる。

http://dictionary.reference.com/search?q=virtual 

 文字や映像、ネット上の情報に
現実感を見てしまう人間の脳の働きが
どのようなことから生じているか?
 現代の多重文脈性と合わせて。

 NHKの有吉伸人さんと、
『プロフェッショナル』の
ラインアップについて。

 多彩な「プロ」たちの
取材予定ができあがっていた。
 有吉さんのもとには、
300人以上のリストが。
 これを複数のチームで回して
いくのだから、
 プロデューサーには経営感覚が
必要だ!

 単行本化の計画も。
 NHK出版の大場旦が参画する
とのこと。
 楽しみである。

 二件の打ち合わせ以外は、静かに仕事。
ここのところタイトなスケジュールだったので、
 ゆっくり考える時間が有り難かった。
 
 考えることは愉しい。

 「仮想」が、「現実」と対置される時、
どうしても「仮想」が「現実」より
劣ったものというニュアンスが立ち上がり
がちだ。
 確かに一部の人々には甘さがあるのだろうが、
 金剛石のごとき仮想もあるのだと思う。
 考えるということは、つまり、仮想の
中の金剛石で遊ぶことである。

 今日から11月。今年はあとどれくらい
金剛石で遊べるだろう。

11月 1, 2005 at 07:27 午前 | | コメント (1) | トラックバック (1)