はじめてのおつかい
ヨミウリ・ウィークリー
2005年10月23日号
(2005年10月8日発売)
茂木健一郎 脳の中の人生 第73回
はじめてのおつかい
一部引用
先の衆議院選挙で、若くして当選した議員の言動がテレビで話題になった。「料亭に行ってみたい」、「鉄道に乗り放題」などといった素朴な言動がワイドショウの恰好のネタになり、「ふさわしくない人まで議員になるのはいかがなものか」と顔をしかめる識者もいた。
民主主義は、国民が政治に参加するプロセスを保証するものであって、結果まであらかじめ決めておけるものではない。たとえ、どのような人が当選したとしても、現行の制度の中で正当な手続きでそのような結果になった以上、それが「民意」である。ふさわしくないから辞退せよとか、そういう人は当選させるべきではないと言いたくなる気持ちは判らないでもないが、ぐっとがまんすべきところであろう。
民主主義という制度は、時として「意に添わない」結果がもたらされることも、あらかじめ予定しているのだと考えるしかない。資質の良い人から議員にしたいのならば、他のやり方があるはずである。
ところで、世に「地位が人をつくる」という。大丈夫かな、と思っていても、実際にやらせてみると案外うまくやる。そのようなことはしばしば見られることである。人間の脳の適応力は驚くべきもので、他人が余計な心配をしていても、本人の脳が順応してしまって、予想外の仕事をする、ということはごく普通にある。
全文は「ヨミウリ・ウィークリー」で。
10月 9, 2005 at 08:25 午前 | Permalink
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