日本のクリエィティヴにダメ出し。
Creativity Now 2005に参加するため、
原宿のラフォーレ・ミュージアムに行く。
始まる前に、文藝春秋の山田憲和さんと
打ち合わせ。
『クオリア降臨』の件。
ゲラの最終チェックと、
表紙のデザインについて確認する。
表紙は、かなりキックの効いた感じに
なっており、
発売が楽しみである。
本番が始まり、
自分が司会をするセッション
3つが、宇川直宏さんが司会を
するセッション1を挟んで進んで
行った。
最後のファッションのセッションで、
私はついに爆発してしまった。
徐々にたまっていったのである。
直接のきっかけは、ファッション雑誌を
巡る対話の中で「ざけるんじゃねえ」
となったことだが、
根本的な原因はもっと一般的で深いところに
あった。
過度の一般化をするつもりはないが、
当日の会場の雰囲気を一言で言えば、
日本の「クリエーター」たちは、自分たち
の世界を他者に対して語る言葉を持たないの
である。
そこにあるのは、仲間うちの
なれ合いだけで、外からの水が入り込んで
きてきゅんと緊張する場面がない。
一人、デンマークからゲストで
来ていた人には、マトモに話が
通じた気がしたし、何人かの
ゲスト(特に、どちらかと言えば
黙っていた人たち)にも話が通じる
気がしたが、べらべらと
喋っている人ほど、内語の宇宙に籠もって
そこから出てこないのであった。
それをぶち開けないと、本当の
クリエィティヴなんてできないじゃん!
というのが私のメッセージだったのだが、
通じたかどうかは知らん。
とにかくアッタマに来た。
自分の司会が終わって、
いらいらしながら出て行って、
見に来ていた電通の佐々木さんらと
近くでビールを飲む。
ワインを飲みながら落ち着いていって、
あっ、そうか、と判ったのは、
会場のしつらいが全てを語るメッセージ
だったということ。
ソファやチェアが置いてあり、
そこでゲストがくつろいで喋っている。
会場に向かって、というよりは、
自分たちの間で。
それを、聴衆が拝聴する、という構図。
丁々発止もなければ、
異質な意見の対立もない。
つまり、日本のクリエィティヴシーンに
おいては、「おれたちクリエーター仲間
だから」というクラブに属することが
何よりも重要なのであり、
会場を埋めた若いクリエーターたち
も、
「いつかはあっち側に行きたい!」
と憧れるという構図がそこにあって、
異質な他者と向き合ってコミュニケーション
するなんて話は、最初からないのだ。
もちろん、クリエーター一人一人
はそれなりに他者と向き合っているに違いないが、
コミュニケーションのスタイルが
仲間内のそれになっていることが、
決定的にダメなところで、
作品は知らないが、言葉には、
それだけでキックが効いているものは
ほとんど皆無だった。
つまり、商品にならねえんだよ。
そりゃそうだ。他者に向き合わなければ、
キックの効いた言葉なんて出るわけないじゃん。
渋谷の女子高生が「オヤジ」のつくった
システムに反抗している、
と言いっぱなしにさせているところが
そもそもダメで、
その「オヤジ」のシステムにお前たちも
少しぶらさがっているんじゃねえのかよ!
とか、
そういうコンフロンテーションが全く
ないから全てがぬるま湯でつまらねえ。
青土社的にも、あれじゃあ
本にならねえ!
とボツ宣言だった。
勝手に打ち上げの席で、
ちょうど目の前に東大生が
二人いたので、オレはアジった。
いいか、おまえら、
今の社会では、あの「クリエーター」
たちが一番いばってんだよ。
金も来るし、人々の注目も集めるし、
いちばん、自分たちの存在意義を
問わなくてもいい立場にいるんだよ。
世間は、東大とか、工学の研究なんて、
気にもとめていねえよ。
お前らが自分の研究を
獄本野ばらみたいな調子で言っても、
誰も聞いてくれねえだろ。
ファッション業界の内幕、みたいな
感じで、
研究の話をしても、無視されるだけだろ。
ところが、「クリエーター」たちは、
そういうことが許されると思っている
んだよ。
くだらねえけど、それが現代だ。
地上波テレビのバラエティの構造って、
まさにそれじゃん。
うんざりだけど、そういうのと、闘わないと
しょうがねえじゃん。
自称クリエーターたちの言っていること
のくだらなさをちゃんと指摘していかないと
ダメだね。
ふざけんじゃねえよ。何がホワイトバンドだよ。
マルクスの「資本論」は、資本主義の構造を
ちゃんと説明したわけじゃん。
ホリエモンも三木谷もその上に載っている。
それが、ホワイトバンドってなんなんだ?
ああいうのに意味があると勘違いして
踊っているやつら、
そりゃあ、生活の中の一つのアイテムとしては
いいけど、
オレもシャレでつけるかもしれないけど、
それで世界の貧困がなくなるはずねえだろ。
外の世界に対する緊張感がなくなったら
おしまいだね。
きっと、作品も、ろくなものができねえな。
日本のクリエィティヴにダメ出し!
と、みんなでひとしきりアタマに来たところで、
打ち上げに行き、TOKIONの南さんとか、
宇川直宏とかに「ご苦労さま!」
と言っている頃には、私はすっかり普通の
いい人になっていた。
怒るのは愛の表現です。
すばらしい新しいものを、本気で他者に向き合って
つくろうじゃねえか。
居心地の良いぬるま湯につかっているやつらの
ことは、オレは知らない。
10月 24, 2005 at 07:27 午前 | Permalink
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» つくる、外に出て行く トラックバック shingog
そういえばあまやんと行こうとかいってたクリエイティブ東京が昨日だったようですな。... [続きを読む]
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『茂木健一郎 クオリア日記: 日本のクリエィティヴにダメ出し。』で茂木先生怒りの一節。 ワインを飲みながら落ち着いていって、 あっ、そうか、と判ったのは、 会場のしつらいが全てを語るメッセージ だったということ。 ソファやチェアが置いてあり、 そこでゲストがくつろいで喋っている。 会場に向かって、というよりは、 自分たちの間で。 それを、聴衆が拝聴する、という構図。 丁々発止もなければ、 異質な意見の対立もない。 つまり、日本のクリエィティヴシーンに おいては、「おれたちクリエーター仲... [続きを読む]
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日本の「クリエーター」たちは、自分たち の世界を他者に対して語る言葉を持たないの である。 そこにあるのは、仲間うちの なれ合いだけで、外からの水が入り込んで きてきゅんと緊張する場面がない。 つまり、日本のクリエィティヴシーンに おいては、「おれたちクリエーター仲間 だから」というクラブに属することが 何よりも重要なのであり、 会場を埋めた若いクリエーターたち も、 「いつかはあっち側に行きたい!」 と憧れるという構図がそこにあって、 異質な他者と向き合ってコミュニケーション す... [続きを読む]
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社会をトータルに把握し、その中で自分を位置付ける作業、 それは(バブルに狂騒した)80年代安保世代が、最も怠ってきたことだった。 (浅羽通明「『現代思想』はいかに消費されたか」) ガンダム好き(大共感!!)の脳科学者、茂木健一郎さんの エントリ「日本のクリエィティヴにダメ出し。」に物凄く同感!! [http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2005/10/post_d221.html:title] いやあ…、いわゆる日本の電通が仕掛けるような... [続きを読む]
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http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2005/10/post_d221.html 「日本のクリエィティヴにダメ出し。」だそうです。 まあ、いわんとするところは分かりますが。。大きな勘違いが一つ。 当日の会場の雰囲気を一言で言えば、日本の「クリエーター」たちは、自分たちの世界を他者に対して語る言葉を持たないのである。 これは違います。「語る必要がない」が正しいのです。 異なる価値観をぶつけ合うのがコミュニケーションだとするならば、彼らは他者とコミュニケー... [続きを読む]
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茂木さんがブログで書いてますね。 http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2005/10/post_d221.html 正しいこと言ってると思う。まあ、ぼく自身「板尾みてー」というミーハーな理由でのみ参加したので茂木さんの言う「テレビのバラエティ」を見るのと全く同じ感覚だった。つーことで、茂木さんのブログ読んでちと反省。宇川なんてアホをにいつまでも苛ついてる場合じゃなかった。 ... [続きを読む]
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茂木健一郎さんのブログを読んで、 http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2005/10/post_d221.html 個人的にはいまのデザイナーの取り上げようは流行と思います。「流行」と定義するだけあって一過性だと思っています。茂木さんが言う仲間意識はある気がしてますが、データがないのでそれには言及しません。ただ、昨今のケータデザイナーの持て囃し方について思うところを。 先日ドコモの夏野さんもケータイデザインに言及してました。 「本当にデザインが良いの? ... [続きを読む]
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殺伐殺伐!!!!!
あの穏やかそうな茂木先生が大怒りです!
このイベントに対して!
とにかく酷いイベント!!いろんな意味で。
ある意味貴重な体験だったかも!
今日は他にも「DESIGN MUSEUM JAPAN 01」
と云うシンポジウムが開催されていたんですが、
そっちへ行...... [続きを読む]
受信: 2005/10/27 15:13:32
» 第二回 カルチャー・シンポジウム CREATIVITY NOW TOKYO ぱーとⅡ トラックバック 本と私と月のあとさき
案の定、友達と飲み、久々につぶれました。
が、眠剤が入っていなかったせいか、板尾会いたいさのせいか、
ちゃんと8時すぎに起きれて、
11時開場(=ラフォーレ開店だった)をおにぎりパクつきながら待ってました。
で、当日券だったんですが、前から3列目をゲット!
最近、とみに視力が落ちた私でも裸眼で板尾が見れる!席。
っていうか見たし!
もーここから心は「生板尾ーーー!!」ですよ。
楳図さんがよーーくしゃべってたんですが、
それより板尾ーーー!!って思ってました。
でも楳図... [続きを読む]
受信: 2005/10/29 21:36:28
» 「オタク」の定義 トラックバック モテナイクンの恋愛とセックスと風俗
ある言葉や概念が流行するか否かは、それがどの程度個々の文脈に合わせて都合よく意味を変えられるかという「柔軟性」によるところが大きいだろう。私はこれを「多義的マジックワード」として嫌悪してきたが、「オタク」はその典型例にあたるのではないかと思う。以上のよう....... [続きを読む]
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» asian animal mpegs animal sex gratuit トラックバック rayearth manga 15.11
. [続きを読む]
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コメント
ホワイトバンドで貧困が救えると思っているのは
若くて無知な人か、世間知らずのバカだけじゃないのかな。
普通にみんなわかってると思うけど。
それでもやらないよりはやったほうがいいんだと思うんですがね。
あれだけ大きなキャンペーンすれば、
たとえ偽善的な部分があっても、
貧困に対してみんな興味がいくでしょう。やらないよりかは。
そのことが大切なのだと思うんですがね。
僕らが考えるべきは
キャンペーンの不完全さをののしるのではなくて
あなたはこんなキャンペーンをやったのか、いいね。
じゃあ僕らはこんなことしよう、ってな具合に
どんどん発展させていくことなんじゃないですかね。
そもそも、
いろんな人の思惑の入ったあれだけ大きなキャンペーンを
完全にすること自体がとても難しい作業じゃないですか。
だから、正しさを求め合ってもはじまらない。
お互いの信じる正しさを主張しあうのは
いい加減、愚かなことと思います。意味ないとおもいますがね。
真剣に考えてるからこそ、そうなってしまう傾向は
しかたがないとも思いますけど、ホントに意味ないですよ、
そーいうのって。。
お互いに発展させましょうよ。
失礼いたしました。
投稿: 通りすがり | 2008/09/25 8:23:42
で当のクリエイターさんたちは今何しているんですかね?
ホワイトバンドは今どうなってますか?
投稿: ina | 2008/04/30 2:00:15
ひさびさにこの記事についてコメントしてみる。
ホワイトバンド、あれは売り上げが、とあるシンジケートに流れているという噂もあると聞く。
一部の人間たちの私服をコヤす為に、あれは存在するものなのに相違ない。
あんなものを無け無しの金を払って買って、それで世界の貧しさが救えたと思っているのは、愚かだ。
あんなしろもので貧困などなくなりはしない。所詮、シンジケートの小遣いになるだけなのではないか。
投稿: 銀鏡反応 | 2006/02/18 23:46:54
この記事は こんなことも書くのかという感じでびっくり。がんばってください。応援してます。私も田舎のしがない公務員で 東京には頭が上がりません。
投稿: ikeo | 2006/02/18 19:21:59
ホワイトバンド、あれは一見して違和感を感じました。本気で貧困を無くそうという気でやっているんだろうか?単なる偽善的なファッション、なんかカッコイー人たちが出てきて指鳴らして、その指を鳴らしている間の3秒に一人亡くなっているんですよ、それを何とかしようって言うのことらしいんだが、はっきりいって、バカ。真正面から取り組もうという誠実さが感じられないよね。50億人もいれば、3秒に一人くらいは死ぬんだよね、貧困にかかわらず。
投稿: 神田 一生 | 2006/02/18 3:12:59
難しいことはわからないんですけど、司会者としての意見もいろいろあるのが当たり前のことなんですけど、こんなブログで自分の意見ばかり書き込んで参加されたクリエーターの方々をひとくくりにしてばかにするのはやり方としてフェアじゃないと思うんですよ。こんなに書き留められるその意見を、当日そのイベントで聞きたかった。とても残念に思います。
投稿: P | 2005/10/31 14:22:15
わたしもフォーラム自体は拝聴できてない者ですが、失礼します。
茂木さんもラフォーレのトーク会場の仕様からも
本当に内容のある話が出るのはまぐれ?と
途中で気付かれたようですが、
わたしもいつからかは把握できていませんが、
ラフォーレミュージアム自体、ここ数年は
だいたいが形だけ外側のかっこよく見える包装だけの
ファッション感覚のクリエイティブ支持になってしまっていると思います。
全く中身のないおもしろくない展覧会も
スケジュールを埋めるため、採算だけのために
多く開催されています。
現在は情報を発信するどころか、
注目されだした方を後追いする単なるミーハーに思えます。
ですので、そこで怒っていただけたこと
うれしく思ってしまいました。
そんなつもりで、その理由で怒られたわけではないと知りつつ…
茂木さんのご本、どんどん読んでいる最中です。
投稿: kOk | 2005/10/28 5:17:48
わたしもフォーラム自体は拝聴できてない者ですが、失礼します。
茂木さんもラフォーレのトーク会場の仕様からも
本当に内容のある話が出るのはまぐれ?と
途中で気付かれたようですが、
わたしもいつからかは把握できていませんが、
ラフォーレミュージアム自体、ここ数年は
だいたいが形だけ外側のかっこよく見える包装だけの
ファッション感覚のクリエイティブ支持になってしまっていると思います。
全く中身のないおもしろくない展覧会も
スケジュールを埋めるため、採算だけのために
多く開催されています。
現在は情報を発信するどころか、
注目されだした方を後追いする単なるミーハーに思えます。
ですので、そこで怒っていただけたこと
うれしく思ってしまいました。
そんなつもりで、その理由で怒られたわけではないと知りつつ…
茂木さんのご本、どんどん読んでいる最中です。
投稿: kOk | 2005/10/28 5:17:48
このイベントに行って来た者です。
いろいろ検索しましたが、イベントのレポみたいなのを
まとめたblogが無いみたいなので、ちょっと、私なりにザックリとまとめてみました。トラックバックさせていただきます。
このイベントの内容をまとめた本が発売されない可能性がある、と聞いて
急いで書いたので稚拙な文ばかりでスミマセン。。
行けなかった方の何か参考になれば、と思います。
投稿: luxa | 2005/10/27 15:35:30
このイベントに行って来た者です。
いろいろ検索しましたが、イベントのレポみたいなのを
まとめたblogが無いみたいなので、ちょっと、私なりにザックリとまとめてみました。トラックバックさせていただきます。
このイベントの内容をまとめた本が発売されない可能性がある、と聞いて
急いで書いたので稚拙な文ばかりでスミマセン。。
行けなかった方の何か参考になれば、と思います。
投稿: luxa | 2005/10/27 15:35:30
再びコメントにコメント
>大衆はクリエイティブなものではなく役に立つものを求め
>ていて、たとえばファッションについて友達と話すときに
>は、適度に普通のものの方が都合が良かったりする。
役に立つものを作り出すこともクリエイティブな行為に含まれると思います。
>「クリエイティブ」なんて所詮そんなもので、社会的な位
>置づけを見れば彼らが偉そうに語ることは本質的に
>は必要とされていない。
これは、どのようなものを「クリエイティブ」なものと考えて述べているのでしょうか?あなたもコメント中で述べているにもかかわらず、「クリエイティビティ」が定義されていないため、あなたの批判が上手く伝わってきません。こういう場合は、具体的な例などを挙げてコメントするとわかりやすく伝わると思います。
>安易にクリエイターなんて名乗る奴は覚悟が足りない
>と思います。
これも同じで、何を持って「クリエイター」なのかが述べられていないので、どういう人を対象にしたメッセージなのかが良くわかりません。
投稿: Never Stop! | 2005/10/26 21:07:13
クリエイティブ(死語)
投稿: くり | 2005/10/26 17:03:12
「クリエイティビティ」を定義できなければ、どっちの姿勢が真に優れているか判断できませんよ。
しかも、大衆はクリエイティブなものではなく役に立つものを求めていて、たとえばファッションについて友達と話すときには、適度に普通のものの方が都合が良かったりする。
「クリエイティブ」なんて所詮そんなもので、社会的な位置づけを見れば彼らが偉そうに語ることは本質的には必要とされていない。真にクリエイティブなのはほんの一握りの芸術家だけではないでしょうかね。安易にクリエイターなんて名乗る奴は覚悟が足りないと思います。
投稿: 通りすがり | 2005/10/26 14:10:01
会場に居た者ですが、個人的には、先生の態度からも対話する意志が感じられなかったと感じました。クリエイター達が内にこもっていると批判する前に、
人と話をするという基本的な礼儀をわきまえていただきたいです。
あのデンマークから来た方も、お話の間、先生が彼の顔も見ずに、資料に目を落としている様子を困惑した表情で見ていましたよ。
投稿: おかだっち | 2005/10/26 2:18:33
以下は、この記事に書いた自分のコメントの補足部分です。
時代は激動している。クリエイター達も、自分達で仲良し倶楽部を作って馴れ合っている場合ではないのではないか。
電通とかソニーとか、体制側と手を切るのも一つの手といえるかもしれない。
が、それよりももっと大事なことは、クリエイター達は、その体制側と本気で刺し違えるくらいの気概をもって、人の心の琴線を震わせるものを創造しなくてはならないのではないか。
投稿: 銀鏡反応 | 2005/10/25 23:51:46
興味深く読ませていただきました。
実感として、確かにsmall circleを作って、居心地のいい環境を作りたくなりますよね。
なんとなくそれは仕方の無いことというか、自然なことのような気がしますが、
それを少しでも larger circle にしようとせずに、より smaller circle にしようとしていることが、問題のような気がします。
根回しすらしなくなってる。
そりゃもう、どんどん小さくなって見えなくなっちゃえ、みたいな。
そのあいだに、少しでも larger circle を作りたいと思いました。
投稿: bp | 2005/10/25 23:09:31
根回し自体が悪いことだとは思わない。
人と人を繋いで新しい状況を作り出すことも十分クリエイティブな行為だと思うから。
もちろんそれだけじゃダメだけどさ。
投稿: Never Stop! | 2005/10/25 21:21:54
じゃあ電通やソニーと縁を切るのがいいんでないすか。
つーか東大生なんてなんちゃってアッパークラスのサークルに入りたがってる奴ばっかだろ。
投稿: tenzen | 2005/10/25 20:26:09
日本の”メジャー・クリエイティヴ・シーン”は
根回しクリエイティヴとでもいうべきもので、
業界内の根回しと広告代理店とのパイプが
全てを決定していますからね…。
本気で何かをクリエイトしたいと考えている人
は干されて、根回し大好きの人事マニア
みたいなのが”利益配分クリエイター”として
重宝されるこの日本の現実を、悲しく思います。
茂木先生の怒りには心から共感致しました。
投稿: kagami | 2005/10/25 19:49:29
どちらもが互いに
「俺の方に歩み寄れ」っていいあってただけじゃないですか
どっちもどっちだと思いました
ただ
脳科学を研究している
言語バタケのエキスパートなら
もっとましなこと言ってほしかったです
それに
結局そっちだって
クリエイターをバカにして
それに踊らされる世間をバカにして
どうせ俺たちの研究なんかって
居心地のいい世界で馴れ合ってるじゃないですか
物の見え方を研究してるのに
物の見せ方は解らないんですか
のばら見たいに書けばいいじゃないですか
それが受けると思ったんなら
なんか偉い人なのかも知れないけど
偉そうに憤慨してらっしゃる意味が分からない
投稿: 愚鈍な大衆1 | 2005/10/25 13:56:26
コメントにコメントしてみます。
>リアルに、はっとしたひらめきを感じる瞬間が
>クリエイティブになる時、その空間と時を
>楽しくドキドキする存在と捉えることが出来たにしても
>クリエイティブされた物自体は、
>必ずしも受け入れられるモノとは限りませんもの。
>でも、クリエイティブが面白いのは、
>その瞬間のドキドキがあるからだと
>私は思っているんですけどね。
あなたの感じたドキドキに加えて、「これは絶対に来る!」っていうドキドキっていうのも有るんですよ。そういう時って、確信犯的に状況を作り出せる面白さを感じることができて、それはもう、ものすごくドキドキします。
そういうドキドキを感じるためには、世の中を、社会を、世界を良く知っている必要があって、状況を踏まえた上でクリエイティビティーの大海の中で暗中模索していく必要があります。
そして、世の中を良く知るためには、人とコミュニケーションを図る必要があります。その際に、自分の世界を他者に語りかける必要があるし、他者の批判を冷静に分析できる自分が必要です。冷静な分析には自分と世界についてよく知っている必用が有ります。自分については、特に何故そうするのかというコンセプトをはっきりと自覚している必要があります。世界については、自分のコンセプトが受け入れられる地盤があることを知っている必用があります。
上の文章からだけでも、二つの理由で世界を良く知っている必用が有ることがわかるかと思いますが、それは何かというと、とにかく他者とのコミュニケーションが非常に重要だということです。
つまり、本気で何かをクリエイトしたいと考えている人にとって、馴れ合っている暇なんか無いはずなのです。
こういう事がわかっている人は世の中には少なからずいて、そういう人たちは、それがわかっていない人をおいて、どんどん先に行っています。時間は止まってはくれません。ギャップは増大するばかりです。
もう一度言いますが、馴れ合っている暇なんて無いですよ。
投稿: Never stop! | 2005/10/25 12:36:13
私もあのイベントを拝聴いたしました。
こういったイベントに参加すること(?)は少ないですが、とても色々なことを感じられた勉強になった時間でした。私もクリエイターのはしくれですが、先生の爆発した感じは何となく分かります。”オリジナリティー”って何だよ。
”あんたは何を伝えたいんだよ”って思って聞いていました。”俺の作品を見れば分かるだろ”そんなことを軽々しく言ってはいけないと思いました。軽薄で傲慢に感じられ、その人がいくらすばらしい仕事をしていても、その一言で全て消されてしまうそんな気がしました。言葉というのは恐ろしいものだと実感しました。クリエイターとして私ももっと自分の物作りについて言葉で表現できなければいけないとしみじみ感じて帰ってきました。やはりあの空間には、異質な物を感じました。もっと意義のあるお話が聞けるものかと思っていたのですが、かなり少なかったと思います。企画もちょっと滑ったかなとも思いました。多くの人に納得の行くものを作るということの大変さをあの会場で感じました。あの状態で納得して帰る人が多いいのであれば日本のクリエイトの未来は明るくはならないのではと思いました。仲間内ではなく語り合える機会をもっともっと多く持たなくては、もっと言葉の引出しを増やさなければと反省した一日でした。
投稿: 高橋 | 2005/10/25 11:07:16
途中出たり入ったりしてたので「ざけんじゃねえ」の経緯を逃してしまったのが残念ですが、内輪受けしてるように見えたっていうのは、外国のディスカッションと比べると確かにそうだったかも。でもやっぱ日本人てパブリックスピーキングの経験が少ないから仕方ない気するー。それに全般的にお題が大雑把だったし客層もごっちゃだったから、パネリスト達は自信満々というよりは暗中模索してるように見えたのですが。。それにしても茂木さんも怒りキャラなんですね。なんか親近感わいてしまいましたー。
どこかに嶽本野ばらさんみたいな感じで研究してることについて語ってくれる研究者、いたらいいなあ。
投稿: mirogliko | 2005/10/25 2:49:33
フォーラム自体は拝聴していないので、
ズレたコメントかもしれませんが。。。
自分も色々作っていて、常々感じることがあります。
実存クリエイティブと言われていることは、
つまらないものだと。。。
しょせんは、他人にウケさすことをねらって
巧妙に仕組まれた刷り込みによるものですから。
だいたい、〝美しいとは何か〟でさえ、
その美しさは学習によって持たらされた
思い込みに過ぎませんからね。
リアルに、はっとしたひらめきを感じる瞬間が
クリエイティブになる時、その空間と時を
楽しくドキドキする存在と捉えることが出来たにしても
クリエイティブされた物自体は、
必ずしも受け入れられるモノとは限りませんもの。
でも、クリエイティブが面白いのは、
その瞬間のドキドキがあるからだと
私は思っているんですけどね。
投稿: akemi | 2005/10/25 1:32:43
各セッション
ネットの掲示板を見てるのと変わらないなと
思いました。
お題にあわせて、定型文を掛け合うコテハン達を見てる
っていう感じ。
途中チョット荒れたし
は〜面白かったねって2、3日
友達とネタに出来る
あれがスレだったらそこそこ良スレだったし
保存して過去ログ保管庫にうpする
そんな感じでした
とりあえず大衆の中の僕から見れば
先生も
クリエイターも
どっちも閉じてたと思います。
投稿: HONDA | 2005/10/24 23:00:50
「この絵こうしたらもっと良くなるんじゃない?」と言ったら、
「『お前のやり方は気に入らないから、俺好みに変えろ。』なんていうな!」と反論されて、滅入った事があります。
日本語どうしで言葉が通じない事を初めて経験した瞬間でした。
批判される側の心の痛みは想像を絶するものでしょうが、自分のした事が何だったのか未だに分かりません。
投稿: cosmos | 2005/10/24 21:08:12
きょうの「クオリア日記」、私も同感して読ませていただきました。昨今の日本のクリエイティヴシーンに茂木さんが怒りを込めてダメ出ししたくなるお気持ち、ほんとうによくわかります。私も時折日本のクリエイティヴシーンを拝見することがあるのですが、そのシーンを担っているクリエイター達は、茂木さんが今回の記事で言及されているように、「自分達の世界を他者に対して語る言葉を持た」ず、ただ「オレたちクリエーター仲間だから」という理由で内輪だけで「仲良し“ヌルマ湯”倶楽部」をつくってその中に入り、「異質な他者と向き合ってコミュニケートしよう」とせず、馴れ合ってばかりの人間の集まりのような気がして為らないのです。私が思うに、自分の世界を他者に語る言葉を持たない、ということは、彼等の中に、確固たる「何か」が欠けているように思われるのです。自身のもつ世界を堂々と他者に語れる生きかたができるだけの何かが、決定的に欠けているような気が如何してもするのです。
確固たる何かを自分の内側に持たないばかりか、異質な人達と真剣に意見を交わさずただ内輪だけで馴れ合い、外の世界とコミュニケートしないクリエーターは、真の意味でのクリエーター=創造者の名に値しない者だと思います。こんな人たちからは、何故か本当に魂を揺さぶる芸術作品が生まれてこないのです。
こう書くと僭越とお思いになるかもしれませんが、真の創造者とは、テロや戦争、貧困など、地球人類を負の方向に向かわせる“権力の持つ魔性”というなの暗黒パワーと常に本気で向き合ってアートの力で闘い、地上に平和と文化と芸術の華を開かせてゆく者なのではないかと思います。「ヌルマ湯」に浸かりきっている日本のクリエイティヴシーンにいる人達にそんな考えを持つ人はいくらもいないでしょう。
彼等は世間が自分達の存在意義を問いたださないことをいいことに、オレ達が日本の、ひいては世界のクリエイティヴシーンをリードしているんだぜ、という気になっているだけなのだろうと思います。そして若いクリエーターも、そんな人達のあとをくっついているだけなのがなんとも非常に歯がゆく思われます。
今回のTOKIONのイヴェントで茂木さんが怒りを爆発なされた理由は、そんな異質な他者と向かい合ってコミュニケートせず、自分達の仲良しクラブで固まって、恰も己が時代の最先端を走っていると完全に”錯覚”し、地球人類が抱える諸問題のもととなっている“権力の魔性”ともアートの力で闘う気概のない、これら自称クリエーターたちの嘆かわしい現状に腹の底から怒りを感じられたからだと思います。
かくいう私も、そういう自称クリエーター側がカッコイイ、うらやましいと思った時期もありました。が、今はこの地上にまことの文化と芸術の華を咲かせ、真の平和と人々の幸福の為にアートの力で貢献する為、己に力を付けてゆくのだと腹を決めています。
茂木さん、どうかこれからもダラシのないクリエーター達にもっとドンドン活を入れてあげてください。彼等の為にも、そして彼等に続く若い人材の真の成長のためにも。
投稿: 銀鏡反応 | 2005/10/24 19:42:04
先生の大ファンです。妻さんと2人で見にいきました。期待外れの内容でしたが、そもそも企画自体にちょっと無理があるのかな?と思いながら、何となく聞いておりました。ところが、あの大爆発。最高でした。大成功だと思います。それと同時に言いようのない恐怖と自分の無力さを痛感しました。先生のあの爆発は明らかに、日本全体の主流に流れている「現代」への警鐘であり、自分自身もあの現場にいた人たちと、何も変わらないという事実を突きつけられたからです。バックグランドの異なる人達と、真の意味での「アウェイの戦い」を引き受ける勇気と、「真実と刺し違える」くらいの気概がない限り、本当の意味での「創造的な飛躍」は成し遂げられないなと言うことを教えて頂きました。それだけでも、大変意味深いイベントだったと思います。昨日は自分が怒られた気がして、家に帰ってから、最近止めていた酒を久しぶりに飲みました。ヤケ酒でした。
投稿: 高橋 | 2005/10/24 14:22:02
昨日会場でちょっぴり横に座っていた者です。
「他者に語る言葉を持たない。」
ぬるま湯に浸かっている快感と、その急激な温度変化に対する恐怖は、まだ完全に「そちら側」でない私にもなんとなく分かります。
私はファッション系の編集者として働いています。
イメージの時代とは言いますが、殊ファッションにおいては、その傾向が強いです。
大したことやってないのに。
茂木さんにどう話しかけていいかもわからなかった私ですが、姿勢としては常にコンフロントして向上していきたいと思います。
投稿: コバヤシ | 2005/10/24 11:30:25
「私」が「オレ」になってゆくさま、一緒に興奮してしまいます。
自分の仕事が誰に、何に向かっているのか。
いいキーワードを発見しました。
「怒り」という興奮が何かを発火させ気付きに繋がるうることも改めて体感しました。
今回も、ありがとうございます。
今日、早速役立ちそうです。
投稿: j-tenten | 2005/10/24 10:25:38
思わず笑ってしまった、そして泣いてしまいました、本日の日記。
実は自分も小さな内輪にいるのです。そしてそういうのはどこにでもあると思います。うんざりして戦いあぐねてる自分がいます。しかしやらなければ。
張り合っているときの自分にこそ勝たねばという気がします。
投稿: vega | 2005/10/24 9:35:48
クリエイターに対するご意見、もっともだと思いました。
現場のなかにいますと、内輪ウケや楽屋オチにとどまる場合を
目にすることが多いのです。
一方で、
このままではいけない!と悩めるクリエイターやアーチストも
確実にいますので、彼等と一緒になんとか殻を破っていきたい
と思っています。少しずつでも。。。
投稿: あら川 | 2005/10/24 8:23:50